3/6 C大阪戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2022.3.06

3/6 C大阪戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>
リーグ戦、ルヴァンカップをそれぞれ1試合ずつ消化した東京は、リーグ2戦目でセレッソ大阪とアウェイの地で対戦した。メンバーが限定された3月2日のアビスパ福岡戦から中3日の準備期間があり、新型コロナウイルス感染症の療養から多くのメンバーが復帰。開幕戦の川崎フロンターレ戦のメンバーをベースにした構成でこの一戦に臨んだ。

立ち上がりから、東京が球際への鋭いプレッシャーでボールを奪い、ショートカウンターを仕掛けてリズムをつかむ。前半2分には右からのコーナーキックをニアで木本恭生選手がすらし、ファーサイドで森重真人選手が合わせようとしたがわずかに届かない。前半15分には紺野和也選手が右サイドからいれたクロスボールを相手ディフェンダーがクリアし切れず、こぼれ球をアダイウトン選手がバイシクルシュートで狙ったがゴールのわずかに外へ。前半18分にも木本選手のフィードを受けたアダイウトン選手が仕掛けて強烈なシュートを放ったが、相手ゴールキーパーに阻まれた。

高い位置でのプレス、ボール保持、ショートカウンターが上手く機能して自分たちのリズムで試合を進めていく東京。前半23分には左サイドの高い位置で松木玖生選手が相手からボールを奪い取ると、アダイウトン選手が拾ってペナルティエリアの中へ。マイナス気味にグラウンダーのパスを入れると、ゴール正面に入ってきた紺野選手がトラップからゴール右隅に流し込み、アルベルトーキョーの初ゴールを決めた。


プレスの勢いを緩めない東京は、前半36分と39分にも高い位置でのインターセプトからショートカウンターを発動。アダイウトン選手とディエゴ オリヴェイラ選手がシュートまで持ち込んだが、どちらもネットを揺らすことはできない。

前半40分には唯一の被決定機。ペナルティエリア付近でボールを奪われ、右サイドの深い位置からクロスボールを入れられると、ニアサイドのゴール目前でヘディングシュートを打たれるが、ヤクブ スウォビィク選手が鋭い反応でゴールからかき出す。自分たちのペースで試合をコントロールし、試合を折り返した。

後半に入ると、早い時間帯で交代カードを切る。先制点を決めた紺野選手に変えて永井謙佑選手を、安部柊斗選手に変えて東慶悟選手を投入した。前線にフレッシュな選手を入れることで、ハイプレスを維持してペースを握り続けたいところだったが、後半17分に青木拓矢選手が2枚目の警告で退場。ひとり少なくなったところで戦況が変わってくる。

選手の並び、システムを変えた東京は、自陣に引きすぎることなくコンパクトな陣形を保ちながら相手の攻撃に耐えるが、前半に比べてゴール前に迫られるシーンが増えてくる。自陣に押し込まれる中で、スウォビィク選手のプレーが光る。後半33分にはゴール正面の位置のフリーキックを直接狙われるが、ゴール左隅へ飛んだグラウンダーのシュートに反応してかき出す。後半39分にはペナルティエリア外へのクリアボールを清武弘嗣選手にボレーシュートで狙われるが、ゴール左上隅へと飛んだシュートをスウォビィク選手が驚異的な反応で飛びついてゴール上へとはじき出した。

守護神の再三にわたる活躍もあり、後半の苦しい時間を耐え、J1リーグ700試合目という節目の試合で、アルベルトーキョーが初勝利を挙げた。



[アルベル監督インタビュー]

Q、本日の試合を振り返ってください。
A、まずは前半に強度の高いプレーを選手たちは表現してくれました。良い形でボールを奪って、そして多くの決定的なチャンスを作ってくれました。サイドではなく中央で奪いたいという意識の中で、良い形でプレスがはまる回数が多かったと思います。前半に2点3点と追加点をあげてハーフタイムに入りたかったですが、なかなかそうはなりませんでした。前半に関しては試合をしっかりと支配できていたと思います。セレッソ大阪さんは、ボールを大切にするプレーをする危険なチームです。そのような相手に対して、前半45分間に渡って試合を支配することができてよかったと思います。
フィジカルコンディションが良い状態までは戻ってきていないことを考慮しても後半に苦しむことは予想していました。そのフィジカルコンディションが影響してか、前からのプレスにミスが発生し、青木がファウルしなければいけない状況になり、退場してしまったことは残念でした。良いチームというのは、勝つためには苦しむということを知っているものです。そして今日、私たちの選手たちは、30分ほど相手よりも一人少ない状況で、勝利のために苦しむということを知っているとプレーで証明してくれました。しかも、この2週間でしっかりと人数が揃ってトレーニングできたのは1回だけでした。そのような難しい状況で、勝負にこだわってしっかりと勝利をもぎとった選手たちの努力に、私がどれだけ誇りを感じているかは容易に想像できるかと思います。そして、今シーズン3試合目になりますが、チームは順調に成長していると思います。前半に長い時間、試合を支配してボールをコントロールできていたのは、チームが成長した証だと思います。全選手を誇りに思いますが、特に今日、チームを勝利に導くような決定的なピンチを止めたクバを讃えたいと思います。

Q、後半に苦しむことを予想していたというお話でしたが、体力面などを考慮して、どのようなプランで戦おうとしていたのでしょうか。退場者が出た後にどのような修正をされましたか。
A、まずは苦しむことを予想していた後半、よりボールと試合を支配したいというプランで後半に臨みましたが、まさしくそれをするためにかじ取り役になっていた青木選手が退場になってしまったことはとても残念でした。チームがさらに成長したあかつきには、フィジカルコンディションが悪い状態でも、ボールと試合を支配しながら試合を終わらせることができると思います。選手たちは新しいプレースタイルで6週間ほどしか時間をとも過ごしていません。その6週間の中でもこれだけチームが成長してくれたのは、クオリティの高い選手が揃っている証だと思います。今後さらにチームが成長してくれれば、たとえひとり少ない状態でも、ボールと試合を支配して試合を終わらせることを習得してくれることは間違いないと思います。
(青木選手が退場になった後は)まずは守備ブロックをなるべく下げないようにしたかったのですが、なかなか難しい状況でした。例えば、そのような状況の中、若手選手のひとり、(松木)玖生は素晴らしい形でチームに貢献してくれました。(東)慶悟も彼の経験とともに、素晴らしいプレーで試合をコントロールする方向にチームを導いてくれました。ただ、フィジカルコンディションがより良い状態だったとしたら、選手が一人少ない状況でもこれほど苦しむことはなかったと思います。少しずつ成長していきたいと思います。

Q、勝った瞬間、どのような感情が出てきましたか。
A、まずは、試合終了の笛が鳴った瞬間に、それが試合終了の笛なのか、もしくはファウルを吹かれた笛なのか分かりませんでした。まずは、ここまでの2試合で良いプレーができながらも結果が出なかったことが悔しかった。ですから、それを一掃する形で勝利できたことを嬉しく思いました。加えて、コロナの影響があってこの2週間、我々は苦しみました。その苦しみの後にこの勝利をもぎとったことを嬉しく思いました。私個人としては、この勝利の後にまず浮かぶのは私の家族の顔です。そして、自分のチームの選手たちが、勝利のために今日のように全力を出し尽くしてくれた際、そして勝利した際には監督は誇りを感じるものです。セレッソ大阪も良いサッカーをするチームですが、その相手に、今日のような素晴らしいサッカーをしてくれたチームに、そして勝利のために苦しむことを成し遂げてくれた選手たちをどれだけ誇りに思っているかは容易に想像できると思います。


[選手インタビュー]
<ヤクブ スウォビィク選手>

Q、素晴らしいプレーがいくつもありましたが、試合を振り返ってください。
A、まず、今日のゲームを勝つことができて嬉しく思います。それと同時にチーム全員が勝利のために貢献し、その結果、より強固なチームになったと感じています。

Q、前半に得点を奪いリードをしての後半でしたが、一人少ないなかでどのようなことを意識してプレーしましたか。
A、前半とても多くのチャンスを作ることができましたし、試合をコントロールすることができました。その結果、先制点を奪うこともできました。後半は一人少なくなってから、セレッソ大阪が高い位置でプレスをかけてきて、より高い位置でボールを保持する時間が増え、難しい時間が続きましたが、自分も含めて全員が集中を切らさずにプレーし続けた結果が勝利に繋がったと思います。全員がこの試合に勝つために貢献したことを誇りに思っています。

Q、この勝利がチームにどのような好影響を与えると思いますか。
A、この勝利はとても大きな一勝だと思います。一人少ない中でも勝ち切れたという点と自分たちの良さを出せたところは必ず次に繋がると思います。日々のトレーニングからこの姿勢を続け、良い結果をのこし続け、チャンピオンになれるよう頑張っていきたいと思います。
一方で、今シーズン自分たちは大きな目標はありますが、あまり先のことを考えるのではなく、日々のトレーニング、目の前の試合をしっかりと戦い、一つひとつ積み重ねることが重要だと考えています。


<紺野和也選手>

Q、川崎フロンターレ戦もアビスパ福岡戦も多くチャンスをつくれていた中で得点まで届きませんでしたが、今日の試合に向けて攻撃面でチームとして意識したことは何ですか。
A、チームとして攻撃の形はすごく出せていたと思います。監督もいつか得点が入るから信じて続けていこうと言っていたので、その中で自分にチャンスが来れば初ゴールを取りたい気持ちを持っていたので結果を出すことが出来てすごく良かったです。

Q、得点シーンを振り返ってみてください。
A、アダイウトン選手がボールをカットしたときに自分がフリーになっていたので、ボールが来ればトラップしてシュートを打って決めるイメージが出来ていました。アダイウトン選手がいいボールを出してくれたのでトラップしてサイドネットに流し込むだけでした。

Q、後半は難しい展開もあったと思いますがピッチの中ではどんな声かけがされていたのでしょうか。
A、退場者が出て後半押し込まれてしまう状況が続いたのですが、チームメイトが体を張って走ってくれて、自分が決めたゴールのリードを守ってくれたので感謝しています。

Q、チームとしての今季初得点初勝利でしたが自信に繋がりますね。
A、川崎戦と福岡戦は一点が遠かったですが、ここから次の試合もゴールが産まれると思います。どんどん攻撃のいい形が出せると思うので自分もこの一点だけではなく得点を取り続けてチームの勝利に貢献したいと思います。

Q、昨シーズンは怪我などもありましたが今シーズンにかける思いを聞かせてください。
A、すごく過密日程で総力戦になると思いますが、自分が与えられた時間の中でしっかりチームに貢献したいです。サイドでの一対一の局面がすごく大事になってくると思うので、そこは磨きをかけてコンディションを整えつつチャンスメイクが出来ればと思います。

Q、昨シーズンの最後と今シーズンの最初のゴールが紺野選手によるものですがそこに関していかがでしょうか。
A、そんなに意識はしていなかったです。今シーズンに関しては川崎戦と福岡戦に出場してゴールを奪えなかった中で、初ゴールは自分が決めてやろうという気持ちで臨んだので、結果を出すことができてすごく嬉しいです。

Q、アビスパ福岡戦出ていたことが今回の結果につながったという事でしょうか。
A、アビスパ福岡戦ではコンディション調整が難しかったと思います。練習もできていなかった中でアビスパ福岡とセレッソ大阪とアウェイでコンディションを維持するのが難しかったですが、みんなが与えられた時間の中で戦おうとしていたことが勝利につながったと思います。

Q、ゴールに関してトラップが重要で浮かさないでしっかりボールを止められたことが大きかったのでしょうか。
A、そうですね。左足でシュートを打ちたかったので、トラップをぴったりとめないと相手がきてカットされると思っていたので集中してトラップしました。シュートはサイドネットを狙って振り抜きました。

Q、ここまで良い攻撃が出来ていると思いますがいかがでしょうか。
A、ボールを支配しながらいい攻撃の形が出来ています。プレーしている選手たちもいい感触を得られているので完成度をあげていけばもっと面白いサッカーが出来ると思っています。


<松木玖生選手>

Q、今日の試合を振り返ってください。
A、前半早い段階で得点を奪えたことはすごく良かったと思いますし、最後の最後までチームで守りきれたことも良かったです。

Q、前半に自分たちの流れで試合を運べていましたが、どのようなプレーを意識していましたか。
A、まずは全体的なバランスを意識していました。また、相手のダブルボランチにボールが入ってからアグレッシブに寄せていくということは試合中ずっと気にしていました。ボランチ2枚に入った時に上手くプレスをかけることができて、そこに好きにプレーさせないことはできていました。

Q、後半は一人少ない状況で苦しい時間が長かったですが、その時間帯で意識していたのはどのようなことですか。
A、アンカーのポジションが抜けたので、(東)慶悟さんと前に出ていくプレーやセカンドボールを回収することや、センターバックの前のスペースが空くことになるので、そこは森重さんや木本さんと話しながらプレーしていました。

Q、特殊な状況だったと思いますが、プロの試合で初めて90分プレーした感想を教えてください。
A、すごく厳しい状況でしたが、退場がなければ後半も自分たちらしいサッカーができると思うので、そこは次のホームゲームに向けてコンディションを整えていきたいと思います。プロ初勝利できましたが、これからが大事だと思うので、まずは一歩を踏み出せて良かったです。


<渡邊凌磨選手>

Q、90分を振り返ってください。
A、自分自身は1つ危ないシーンもありましたが、それを除けば、前半は良い状態で自分たちの思うようにボールを動かせていたと思います。守備の部分も前から強度高く行けていたので、先制点がとれたのかなと思います。後半に関しては、退場者が出ると戦い方は変わるのですが、90分通して全員で力を合わせて戦い抜いたと思います。

Q、前半は前線からのプレスと後ろの押し上げから連動した守備、そこからショートカウンターができていたと思いますが、ご自身がプレーしてみていかがでしたか。
A、まずは、選手と選手が重ならないように、紺野選手が開いたら、自分が内側のポジションをとるなど、相手のポジションを見てプレーすることを意識していました。自分が良くも悪くも試合の流れを変えられるような選手になれれば、必然とボールは回ると思うし、試合を有利に進められると思うので、攻守においてそのあたりを意識しながら、試合がない時も勉強しながら取り組んでいます。

Q、前半に渡邊選手が相手を背負いながらも、ターンで剥がして相手ゴール方向にボールを運んで数的優位を作れていた場面がありましたね。
A、なるべく前には進んでいきたいし、自分で剥がせればそれもチームにとってはいいと思います。そこがもっと上手くできるようになれば、チームとしてももっと優位に試合を進められると思います。

Q、前半のようなサッカーができて勝ち切れたことがチームにとって意味がありますね。
A、あのサッカーを90分通してできれば、結果はついてくるなと思いました。できるできない、という話ではなくて、やり続けることに意味があると思うので、それをやりながら結果を拾っていければなと思います。


<木本恭生選手>

Q、まずは90分を振り返ってください。
A、前半は良い形でボールを回せましたし、足元だけではなくて裏を使いながら相手が嫌がることができて、何点かとるチャンスがある中で1点がとれて、危ないシーンはひとつありましたが、クバが止めてくれて、前半に関しては良いゲームができました。後半は退場者が出て苦しい時間帯が続きましたが、そこはチームのみんなで割り切って勝利を勝ち取ろうと頑張れたと思います。

Q、ビルドアップのところで、木本選手が足元と裏を狙うところの使い分けができて、試合を上手くコントロールできていたように見えました。
A、良いロングボールを使いながらですね。川崎戦で少し裏のボールが少なかったという指摘もあったので、ショートパスとロングパスを上手く使えたかなと思います。

Q、前線からのプレスと後方からの押し上げがスムーズでしたが、チームの狙いがはまった形でしょうか。
A、チームの戦い方として、ボールを奪われ後はすぐに前からいって奪い返して、しっかりボールを大事にしていくという戦い方をしています。前半に関しては前線の選手が良い守備をしてくれたので、後ろもラインを上げやすいですし、ボールも回収できたという感覚があります。

Q、後半は苦しい時間が多くなってしまいましたね。
A、シーズンを戦っていけば、退場者が出るなど苦しい試合もあると思いますが、勝ってこそ評価されると思いますし、そういう意味ではボールを持たれましたが、勝点3をとるということを重点的に戦った印象があります。

Q、前半には自分たちのスタイルをしっかり出せていたことを考えれば、勝利ということで成長を証明できたと考えていいでしょうか。
A、観ている皆さんも、前半は自分たちのやりたいサッカーを感じとってもらえたと思いますし、プレーしている選手たちもボールを大事にしながらゴールを目指すというところもやれていたので、成長を実感できています。

Q、ホームに戻るのが楽しみですね。
A、個人的に早くホームでプレーしたいという気持ちがありますし、アウェイで苦しい試合が続いていたのですが、1勝した上でホームに戻れますし、連戦も終わるので良い準備をして良いサッカーで勝利できるように頑張りたいと思います。