いよいよ4月29日(金・祝)に、東京が新国立競技場で初のJリーグを戦う。
改修前の国立では、Jリーグ加盟初年度から多くの公式戦を戦ってきた。思い出に残るスーパープレーもあれば、インパクトのあるイベントもあった。悲願のタイトル獲得以降、東京がすべてのタイトルを国立で獲得していることは、東京と国立の深い縁を象徴している。
俺たちの国立。
This is TOKYO.
新しい一歩を国立で刻む前に、これまでの国立に残してきた足跡、思い出を当時の写真とともに振り返る。
2000年 初のJ1はホーム国立3連勝
【試合情報】
2000Jリーグ ディビジョン1 1stステージ 第2節
FC東京 2-0 アビスパ福岡
2000Jリーグ ディビジョン1 1stステージ 第3節
FC東京 2-1 名古屋グランパスエイト
2000Jリーグ ディビジョン1 1stステージ 第5節
FC東京 3-2 ジュビロ磐田
東京スタジアム(現味の素スタジアム)がこけら落としを迎えるまでの一年間、国立競技場は東京の暫定ホームスタジアムだった。
JFL時代から在籍している選手が大半を占めるメンバー構成で横浜F・マリノスを倒し、迎えた国立競技場初戦でアビスパ福岡に勝つと、この時点で早くも首位に。東京旋風はここから始まった。
ちなみにホーム開幕戦のゲストはアントニオ猪木さんのモノマネで知られる「春一番」さんだったが、これは一週間前、同じ国立で鹿島アントラーズが本物の猪木さんをゲストに呼んだことへの対抗策であり、そのパロディ精神が大きな話題となった。
さらにこの連想で、のちの清水エスパルス戦では春一番に顔が似ている森岡隆三さんに東京ゴール裏が春一番コールを浴びせるというおまけまでついた(森岡さんは苦笑い?で応えた)。
つづく国立二戦目となった第3節では名古屋グランパスを延長戦の末に撃破。ストイコビッチに「東京は我々を驚かせた」と言わしめた。
3連勝で波に乗った東京だったが、第4節の柏の葉では柏レイソルに悔しい延長負け。そして、つまずいたままでいるわけにはいかないと帰還した第5節の国立でまたもドラマが待っていた。
支配力で上回るジュビロ磐田にツゥットの2ゴールで二度追いつくと、後半38分、固唾を呑んで見守るサポーターの前でアマラオがPKを決めてついに逆転。1stステージの1/3を消化した段階で横浜、名古屋、磐田の3強を破るという願ってもないスタートダッシュに成功することとなった。
残念ながら最終順位は6位。2ndステージも開幕5連勝を達成したものの、その後引き分けを挟む7連敗。最後の2試合に連勝して星を五分に戻して8位としたが、昇格したての勢いで得た収穫と課題を感じさせられた国立での日々だった。
なお6月24日の2ndステージ開幕戦では現スカウトの小池知己がロングシュートでJ1リーグ初ゴールを決めて「25mシュートを決める」というTV番組『バモ!FC東京』での公約を達成している。
Text by 後藤勝(フリーランスライター)