[アルベル監督インタビュー]
Q、お誕生日おめでとうございます。日本語で失礼します(笑)。
A、(日本語で)ありがとうございます。日本語で大丈夫ですよ。通訳の仕事がなくなってしまいますから(笑)。
Q、湘南戦では、若手選手を多く起用されました。怪我での長期離脱から復帰したバングーナガンデ佳史扶選手を起用した意図と評価をお願いします。
A、まずは佳史扶の現状を踏まえると、試合勘やコンディションを上げることにフォーカスしてほしいと思います。トレーニングでも良い形でプレーしていますし、ボールタッチもとても良いものを持っていることを表現してくれているので、そこにも魅力を感じています。ただ、彼は大きな怪我から復帰したばかりですので、慎重にかつ冷静にコンディションが上がることを待たなければいけないと思います。それからチーム戦術にどのように適応するのか、そうした部分も彼に求めていきたいと思います。いずれにせよ、彼がチームに合流できたことを嬉しく思っています。
Q、サイドバックの人材が非常に豊富だと思います。これまでもサイドバックの重要性を話していらっしゃいましたが、非常に良い状況ではないでしょうか。
A、まさしく選択肢が多くあることは監督として嬉しく思います。と同時に選手一人ひとりの長所を把握したうえで、適切なタイミングで起用することが求められています。相手チームの特徴を踏まえたうえで、一番良い選手起用の選択ができたらと思います。サイドバックは多数いますが、一人ひとりの特徴は違います。より守備面で貢献できる選手もいれば、より攻撃で貢献する選手もいます。サイド攻撃が得意な選手もいれば、中央でポジションをとってプレーすることが得意な選手もいます。
Q、ディエゴ オリヴェイラ選手がまだ今シーズンは2ゴールで満足していないと話していましたが、チームの成長を促す時期ではありながら、監督は彼にゴールなども期待するところでしょうか。
A、我々にとって、ディエゴがとても重要な選手であることは間違いありません。それはピッチの中だけでなく、ピッチの外でも同じです。センターフォワードとしては、Jリーグの中でもっとも素晴らしい選手のひとりだと評価しています。開幕以降、攻撃面だけでなく守備面でもチームに貢献できることを証明してくれています。ピッチの外でも彼は素晴らしい人物です。偉大なリーダーでもあります。そういう様々な理由から、我々にとって重要な人物です。もちろん、彼のさらなるゴールとアシストも期待しています。そして、ゴールやアシストを記録することで、彼のプレッシャーが少しでも減ることを期待しています。
Q、相手よりも自分たちにベクトルを向けることは理解していますが、札幌のペトロヴィッチ監督も非常に特徴的な戦術を志向されていると思うのですが、どのような印象をお持ちですか。
A、彼とはプレーシーズンにトレーニングマッチをしてお会いしました。素晴らしい人物であることが伝わってきました。彼が偉大な監督であることは、私がコメントするまでもないと思います。日本で長い間、偉大な功績を残していることはみなさんもご存じでしょう。明日、彼と公式戦で対戦できることを心から誇りに思いますし、彼のような偉大な経歴を持った監督と対戦できることが大変嬉しいです。お互いにとって良い試合になることを期待しています。
Q、浦和戦で負傷交代した渡邊凌磨選手と欠場した木本恭生選手の状況はいかがでしょうか。
A、彼らを含めて、全員が良い状態です。コンディションは問題ないので、あとは戦術によって起用を決めたいと思います。
Q、札幌のようなスタイルのチームと対戦するのは今シーズン初だと思いますが、印象や戦い方のイメージはありますか。
A、明日の試合は、強度が高く戦術的にも難しくなることを予測しています。おそらく、お互いにチャンスが多く生まれる展開になる可能性があると思います。もちろん、我々のプレースタイルを貫いたうえで、勝利を勝ち獲りたいと思います。ただ、簡単な試合ではなく、サッカーファンにとっては見応えのあるエンターテインメント性の高い試合になると予想しています。良い試合になることを多くの方が望んでいるなかで、我々の方がより効果的なプレーをして、我々のプレースタイルとともに勝点3をもぎとることを期待しています。
Q、自分たちのスタイルを出すことを大事にする一方で、完成度が高くないがゆえに相手によって変えるところがあると話されていましたが、使い分けるポイントはありますか。
A、まさしく、自分たちのプレースタイルを貫くことと、試合の流れによっては相手に適応するというバランスが保つことは重要です。今シーズンは、良いバランスを保つことが重要になってきます。選手たちは新しい戦術に適応しようとしているところですし、成熟度はまだ足りません。そういう意味でも、チームとして成長することも求めていますし、勝点も多く重ねたいと思っています。その点でも、バランスを保つことが大事です。
Q、成長速度を上げるには、勝利以上のものはないという考えでしょうか。
A、勝利が、チームが成長するための薬になるとは思っていません。私は勝利を収めることでクラブは落ち着きを得ることになり、プレッシャーを減らすことになると思います。そうすると、チームが成長するための落ち着きを持つことができます。そうした意味で、成長のために勝利が必要だと捉えています。
[選手インタビュー]
<ディエゴ オリヴェイラ選手>
Q、昨シーズン、札幌とは4試合戦って、アウェイゲームは勝てませんでした。ホームでの最初の対戦でディエゴ選手が素晴らしいゴールを決めていました。相手との相性などはどう感じていますか。
A、札幌はクオリティの高い選手がいますし、素晴らしい監督のもとでプレーしているので、毎回難しい試合になる印象があります。やりづらいというよりは、相手のクオリティが高い分、自分たちもしっかり戦わないと難しくなってしまうという感覚です。前節ホームで浦和と引き分けてしまったので、今週は良い準備をしてきたなかで、勝点3を獲らなければいけない試合だと思います。
Q、アルベル監督は、よく相手のことも大事だけれども自分たちの成長も大事だと話しています。試合によって自分たちのスタイルを出せる時と出せない時がある点について、その要因は自分たちにあるのでしょうか。
A、もちろん監督が話すように、相手よりも自分たちがどうプレーするか、自分たちがベストを尽くせるかが大事だと思っていますし、相手の分析をして相手の特徴を知ることもすごく大事なことです。しかし、自分たちはどんなメンバーであれ、今できる最大限のプレーをすることがチームにとって一番大事なことだと自分自身は思っています。
Q、今シーズン取り組んでいるスタイルに対する、自分自身の適応度合はいかがですか。
A、適応は、しっかりとできてきていると思います。ただ、フォワードなのでしっかりとゴールを取りたいという気持ちが強いので、まだゴールが取れていない部分は悔しさを感じています。それと同時に、ゴールを取ることだけが自分の仕事ではなく、チームのために走るという基礎的なところでも貢献できると思っています。次に1点を取ることができれば、自分自身乗ってこれると思うので、自分の仕事をまっとうしたいです。
Q、7試合で2ゴールというのはディエゴ選手にとっては少ないですか。
A、この状況には満足していません。仮に満足していたら自分自身はセンターフォワードとしてはやっていけないと思うので、その得点数という部分には納得していないです。ただ、チームのために走るとか、チームのために最大限できることを探しながらやっているので、不満はあまりなく落ち着いてプレーできています。それと同時に、これまでもなかなか得点が取れていないことがありましたが、1点取ることができればしっかりと波に乗っていけると思うので、それを信じてこれからもやっていきたいです。
Q、チームのために走る、という話がありましたが、他にチームのためにしていることはありますか。
A、チームのために走ることに加えて、戦術的な部分で、中盤のスペースを消すことだったり、どこに誘導させるのかという部分で先頭に立ってやっています。そのなかで、ゴールを取りたいという気持ちもありますが、チームに貢献できているところはあると思うので、気負わずにプレーできています。
Q、今シーズンの2ゴールはペナルティエリア内で一瞬のタイミングを逃さなかった印象ですが、局面での集中力がすごく高まっているのではないでしょうか。
A、もちろんフォワードは、決定機での一瞬の判断が大事になってくるので、2ゴールとも良い判断ができているので、集中力を持ってプレーできているのだと思います。ただ、毎シーズンそういった状況に備えてトレーニングをしていますし、自分自身ももっと良くならないといけないシーンがあることは理解しているので、それ以外の場面でもゴールに繋げられるように準備をしたいです。
Q、サイド攻撃が主体になっていますが、アルベル監督は中央からの攻撃も増やしていきたいと話していますが、攻撃の構築の部分についてはどう考えていますか。
A、攻撃の構築に関しては、自分たちは色々な選択肢を持っていないといけないと思うので、サイドからだけとか中央からだけとかではなく、様々なオプションを持ちながら相手の隙を探しながらやることが大事だと思っています。監督の意図もそうだと考えていますが、選手にもその考えは浸透してきているので、それがチーム全体に広がれば、得点の機会も増えてくると思います。
Q、中央からの攻撃という点では、何を改善することで得点機会が増えてくると思いますか。
A、バランスよく攻めること、そしてスペースを見つけることが大事ですが、中央から攻めることはリスクがあると思います。監督からも言われていますが、中央からの攻撃をしていて簡単に相手にボールを奪われると、そのまま相手のカウンターに繋がり失点するリスクが高まります。中央で奪われることによって、チーム全体が下がらなければいけないというリスクが多くあることが中央突破だと思うので、自分たちが苦しむようなシチュエーションで簡単にボールを失わないということを考えながら、状況を見て選択することが大事だと思います。
Q、守備の部分では、センターフォワードのディエゴ選手が常にファーストディフェンダーになるのではなく、ウイングが先にプレスを掛けて、ディエゴ選手が中盤のスペースを消す場面もあるように見ています。役割をどのように認識していますか。
A、横浜FM戦や浦和戦で象徴的だったのが、ウイングが相手のセンターバックにプレスにいって、自分がボランチのところを消すというところだと思うのですが、自分としてはスタッフの分析や相手の特徴に合わせているので、どのような形でもチームに求められたことをやるべきだと思っています。