INTERVIEW2022.5.02

5/3 福岡戦 PRE-MATCH INTERVIEW

[アルベル監督インタビュー]

Q、福岡戦に向けてセンターバックの選考はいかがですか。
A、SNSで東廉太を希望するようなコメントがありました。彼も選択肢の一つではありますが、怪我をしているので計算には今回いれることができません。ただ、他にも選択肢は当然ありますし、解決策があってそれが上手くいくことを信じているので心配していません。

Q、福岡の分析はいかがですか。
A、一昨シーズン、福岡が最終的にJ1昇格を獲得したシーズンに新潟で対戦しているので、その時に彼らがどのようにクラブとして方向性を変えたのか間近で見ています。2020シーズンの途中で監督がかわり、よりアグレッシブな守備を重要視する方向に舵をきってから勝点を重ねていきました。それから引き続き彼らのプレーに沿った形での選手補強をし、よりカウンターアタックとセットプレーが得意な選手たちを前線に揃えています。昨シーズンも良かったと思います。彼らのような守備を固めるチームと戦うのはどのチームも難しいと思います。そういう意味でも今シーズンのなかで最も難易度の高い試合の一つとなることが予想されます。準備期間は短かったですが、選手たちにはこの試合の難しさや重要度をしっかりと認識するようにしてきました。一つのミスでも犯せばそこを突かれてしまう危険性があります。当然我々は攻撃の部分を武器として明日の試合でもいい形で表現できればと思います。福岡は勝負にこだわるメンタリティを兼ね備えていると思います。我々もいい形で勝負にこだわるプレーを今シーズン頭から継続的にできているので続けていきたいですし、彼らを上回る形で勝者のメンタリティを表現したいと思います。

Q、方向転換したJリーグのクラブが2、3年前から増えてきたと思いますが、東京は今年からです。後発になっていますが、いま急速に追いついている感じはしますか。
A、もちろん一人ひとり好みは分かれると思いますが、あらゆるプレースタイルが評価に値すると思います。ただ、育成年代の枠組みで考えるとボールを大切にしないサッカーは不適切だと思います。一方で、勝負にこだわらなければいけないプロの世界ではあらゆるプレースタイルに価値があると思います。まずはクラブとして、ファン・サポーターの皆さんがどのようなプレーを期待しているのか、評価しているのかをしっかり分析する必要があると思います。そこで期待するプレーが明確になればどのようなプレースタイルでも構わないわけですが、クラブとしてプレースタイルを貫くことが、クラブの方向性として的を射ていると思いますし、試合結果によって変更を余儀なくされるのは的を射ていないと思います。

たとえば福岡が今シーズンうまくいかないからと来シーズンから別のプレースタイルに変更しようというのは的を射ていないと思います。ファン・サポーターが期待するプレースタイルを明確に把握しているのであれば、それを貫く形でそのプレースタイルにあった監督と選手を連れてきて完成度を高めることが的を射た方向性だと思います。同じことを新潟で試みました。そしてありがたいことに今も同じ方向性を継続されていると思うので誇らしいです。

東京は今シーズンから新しいプレースタイルに舵をきりました。それがクラブとしてめざすプレースタイルであれば、監督が私であれ他の監督であれ同じ方向性を貫くというのが的を射ていると思います。私が期待するプレースタイルは明確です。ただ昨シーズンから引き続きプレーしている選手が多い今シーズンのチーム編成を踏まえると、ドラスティックにプレースタイルを変更するというのは的を射ていないと思います。既存の選手たちの特徴を活かして段階的にプレースタイルの移行をすることが的を射ていると思います。今いる選手たちの長所を引き出して戦っているのが今年のあるべき姿ですし、来シーズン新たに選手が加わった際にはまた次の段階に進みます。いずれにせよ目の前にいる選手一人ひとりの長所がチームのプレースタイルに影響を及ぼすことは、どのプレースタイルであれ必ず起こることだと思います。

Q、開幕前に色々とポジションを変えながら起用していていたと思いますが、選手を試していたのでしょうか。
A、もちろん試しましたし、相手チームを踏まえて、目の前の試合にどういうゲームプランで戦おうか考えて適材適所に配置しました。同じ試合のなかでもどのようなカードを切るべきか、ピッチにいる選手のポジションを変更させなければいけないかは試合の展開により変わってきます。その時に色々な選択肢があるのは監督としてはプラスになるので、そういう意味でも色々な試みは継続して行いたいです。


[選手インタビュー]
<小川諒也選手>

Q、中3日で試合が続きますが、ガンバ大阪に勝利し、ポジティブな状態で戦えますね。
A、ガンバ大阪戦の勝利は大きかったと思います。勝ったことで上位に食い込めていますし、チームとして自信に繋がったと思います。新国立競技場で4万人以上のファン・サポーターが来てくれて、入場する時の演出もすごかったです。あの状況で戦えてモチベーションが上がらない選手はいないと思います。逆にいえば、そのお陰もあって勝てた部分もあると思います。だからこそ次の試合はすごく大事になりますし、国立の環境で勝てたことで終わらないように、モチベーションも高く持ち続けていければと思います。

Q、決定機は必ず何回か作ることができると思いますが、ひとつでも多く得点に繋げれられるようにしなければ結果はついてこないと思います。
A、ルヴァンカップで福岡と対戦した時は、自分たちがボールを握る時間は長かったですし良い試合ができていたと思います。ただ、結果としてチャンスを決めることができずに負けてしまいました。今回のリーグ戦では、しっかりとチャンスを逃さないことが大事です。決定機は必ず何回かつくれると思いますが、ひとつでも多く得点につなげられるようにしなければ結果はついてこないと思います。次の試合も自分たちがボールを握れる時間帯は多いと思うので、しっかり集中して確実にゴールを決めて勝ちたいと思います。

Q、ボールを保持する時間が長いと、相手に守備を固められて攻めあぐねてしまい、持たされているだけになることもあると思います。そのなかで、東京としてチャンスが作れている実感があるのは、後方から組み立てるなかで攻撃のスイッチを入れる瞬間をチームとして共通理解できているからですか。
A、スイッチを入れる瞬間は確かにあります。相手が引いて守備を固めていても(その状態では)ボールが取れないので、前から守備をしてくるタイミングがあります。その瞬間を逃さないようにしています。後ろでボールを回す時も、同じテンポでゆっくり回していても相手の守備は崩れません。ひとり飛び越えるパスを使ったり一人ひとりのパススピードを早くすれば、相手もスライドが追いつかなくなり、隙が生じる場面があります。そういったところを逃さずに狙っていきたいです。

Q、パススピードひとつとっても、相手と駆け引きできている感覚はありますか。
A、遊びのパスというか、相手を食いつかせるパスは今後必要だと思いますし、まだまだな部分もありますが、少しずつチームとして形になっていると思います。

Q、サイドバックの位置から中央のスペースに入ってプレーすることが今のサッカースタイルにおける攻撃のポイントだと思います。そのタイミングや求められている役割は明確に見えている状態ですか。
A、アルベル監督のサッカーをやり始めて、サイドバックがどんどん中に入って攻撃に関与することが一番変わった部分だと思います。自分も含めてまだあまり慣れていない部分もありますが、サイドバックが攻撃の起点になることがチームにとって重要で、海外でもサイドバックが中に入ってプレーをするのが当たり前になってきているので不思議なことではないです。サイドバックがもっとゲームをつくれるようにしていかなければいけないという意識があります。

Q、福岡はファンマ選手やルキアン選手など身長が高くフィジカルの強さを備えた選手がいますが、対応策はいかがですか。
A、前線に強力なフォワードがいます。福岡はアバウトに前線にボールを蹴ってセカンドボールを拾うイメージがあるので、そこをいかに潰せるか、相手にキープさせないで自分たちがセカンドボールを拾えるかで試合の流れは変わると思います。ディフェンダーとしては、まずターゲットになるフォワードの選手たちに負けないようにできる限り(チャンスを)潰したいと思います。

Q、後ろから指示をして簡単に蹴らせないこと、限定させることも大事ですよね。
A、事前の対応も重要ですね。蹴ってくるチームに対して陣形を間延びさせずに、前線がプレスをかけに上がったときにラインをあげてコンパクトに戦えるように対応していきたいですし、クロスボールを多く入れてくるチームだと思うので、その対応もしっかりしていきたいです。