4/21 町田戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2024.4.21

4/21 町田戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>

1週間前の東京ヴェルディ戦からわずか1週間、今度は味の素スタジアムでFC町田ゼルビアを迎え撃つ。公式戦初顔合わせとなる東京を拠点とするチームにホームでは負けられない。ミッドウィークの17日にはJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド2回戦のY.S.C.C.横浜戦を戦い、小柏剛選手とジャジャ シルバ選手の青赤初ゴールが生まれるなど4ゴールで大勝し、チームの雰囲気も上向いている。

そのYS横浜戦でもゴールを決め、ヴェルディ戦から2試合連続ゴール中の遠藤渓太選手が3月30日の第5節川崎フロンターレ戦以来にスターティングメンバーに名を連ね、その他の10選手は前節から継続するメンバー構成。味スタでの今シーズン初勝利を誓い、キックオフから勢いを持って試合に入った

1stHALF—目まぐるしい展開も1点のビハインド

激しい45分だった。両チームのファン・サポーターの応援が響き渡るなか、それぞれの選手たちもインテンシティの高いプレーを披露する。ファーストチャンスを作ったのは前半6分の東京。俵積田晃太選手が左サイドから中央に切れ込み、小柏剛選手にラストパスを送ると、小柏選手はそのままシュートまで持ち込むがゴールキーパーの正面を突いた。

そこからゲームは目まぐるしく動いていく。前半13分に町田にスローインを素早く始められてシュートまで持ち込まれる。これは防いだが、その直後のコーナーキックからナ サンホ選手にダイレクトボレーシュートを叩き込まれ先制を許してしまう。それでも、前半19分にゴール前をこじ開けにかかると、相手ディフェンダーのハンドを誘ってペナルティキックを獲得する。これを小柏選手が谷選手に触られながらもゴールに流し込み、背番号11のホーム初ゴールで同点に追い付いた。

ところが、追い付いた流れを生かし切れない。スコアが振り出しに戻ってからわずか4分後の前半25分に最終ラインからのロングフィード1本で左サイドの裏をとられると、望月選手にゴールラインぎりぎりで折り返されたボールをオ セフン選手に頭で流し込まれた。

あっという間に再びリードを許してしまったFC東京は、俵積田晃太選手のドリブルを起点にチャンスメイクを果たすが、前半39分の俵積田選手のクロスに小柏剛選手が頭で合わせたシーンはディフェンダーにクリアされ、前半42分に俵積田選手がカットインして右足を振ったシュートは枠を捉えきれず、1点のビハインドのまま前半を折り返した。

2ndHALF—クロスバー直撃のチャンスも1点が遠く

まずは追い付きたい東京がいきなりビッグチャンスを迎える。右サイドで受けた遠藤選手が内側にうまくコントロールしてスルーパス。これに仲川輝人選手が抜け出してゴールキーパーと1対1の場面を迎えかけるも、コントロールが大きくなりフィニッシュまで持ち込めない。

立て続けに攻め続ける東京は、後半15分には右サイドで細かくパスを回すと、白井康介選手がシュートに持ち込むと、後半17分には左サイドから俵積田選手が切り込んで右足を振り抜くと、ゴール目の前でそのシュートのコースを遠藤選手が変えたが、ボールはクロスバーに直撃。跳ね返りのこぼれ球も押し込めなかった。

その後は、ジャジャ シルバ選手や佐藤龍之介選手を前線に送り込み、ボランチにはゲームメーカーの原川力選手も投入するが、町田のブロックをなかなかこじ開けるには至らず、刻々と時間だけが経過していく。ピッチをワイドに使ってボールを動かすものの、ブロックの中央を破るような縦パスがなかなか通せず、チャンスを作り切れない。

終盤には長友佑都選手をピッチに送り込むが、同点ゴールは生まれずに1-2のままタイムアップを迎えた。

MATCH DETAILS
<FC東京>
STARTING Ⅺ
GK波多野豪
DF白井康介/土肥幹太/エンリケ トレヴィザン/バングーナガンデ佳史扶(後半43分:長友佑都)
MF高宇洋(後半28分:原川力)/小柏剛(後半20分:ジャジャ シルバ)/小泉慶
FW遠藤渓太/俵積田晃太(後半28分:佐藤龍之介)/仲川輝人

SUBS
GK児玉剛
DF森重真人
MF寺山翼

GOAL
前半21分:小柏剛

<FC町田ゼルビア>
STARTING Ⅺ
GK谷晃生
DF望月ヘンリー海輝/昌子源/ドレシェヴィッチ
MF藤本一輝/宇野禅斗/仙頭啓矢(後半26分:安井 拓也)/林幸多郎/髙橋大悟(後半0分:バスケス バイロン)
FWナ サンホ(後半16分:荒木駿太)/オ セフン(後半26分:ミッチェル デューク)

SUBS
GK福井光輝
DF池田樹雷人/鈴木準弥

GOAL
前半14分:ナ サンホ / 前半25分:オ セフン



[ピーター クラモフスキー監督インタビュー]


Q、試合を振り返ってください。
A、結果に対して痛みを感じています。パフォーマンスを振り返ってみると、ポジティブなものは非常に多く出ていたなかで、勝てる、勝ちをつかめる試合だったと思っています。結果については感情を取り除いて話すことも大事です。パフォーマンスのところを分析していくことが鍵になりますし、そこが自分たちの進んでいく過程、頂点をめざして進んでいく過程として大事です。二つの場面で相手に決め切られてしまいました。そこは厳しい教訓として学んでいかなければいけません。町田がしっかりと決め切ってきたところでもあります。それがフットボールでは起こり得ることですし、ここからしっかりと我々が学んで強くなっていく必要があります。

リードされたなかで、追いつくために選手はすべて出し切ってくれました。1失点目のコーナーキックのところですが、そこでとられてしまったところは残念に思っております。その前のプレーでオフサイドがあり、コーナーキックになるはずではありませんでした。ただ、そうした状況のなかでもコーナーキックにうまく対応しながら、相手にリードを与えないようにしなければいけませんでした。大事なことは、0-1になってから、選手たちがしっかりと焦点をズラさずに追いつくように戦えたということです。そして、2失点目を簡単に相手に与えてしまったと思いますし、ハーフタイムを1-2で迎えることになったことは悔しく、残念に思っています。選手たちも取り返そうと必死に戦ってくれましたし、そこでもし2点目がとれていれば、また自分たちのゴールを追加する形まで持っていけていたかもしれません。ただ、しっかりとこの敗戦を受け入れて、もっと強くなって帰ってこられるように取り組んでいきたいと思います。

Q、2失点目は自分たちにミスが起きたのか、予想外のことが起こったのか、どうお考えですか。
A、予期していなかったわけではありません。相手が長いボールを蹴ってくることは分かっていましたし、相手に決め切られてしまいましたが、我々がもう少し良い対応ができたのではないかと思います。そこが相手との差でしたし、自分たちの攻撃のところで、ゴール前でもうワンタッチできていればという場面もありました。今日はそこの差でした。チャンスが作れていなければ、もちろんそのなかで、自分たちが他のことを改善しなければいけません。今日はチャンスを作れていたなかで、ネットを揺らすことはできませんでした。逆にそういった意味では、守備でもう少し堅く守れなければいけない部分もありましたし、相手のチャンスが何回あったかは分かりませんが、少ないチャンスのなかで相手がうまく決め切ったところでもあります。


[選手インタビュー]
<小泉慶選手>


Q、試合の振り返りをお願いします。
A、今日は試合への入り方が良くなかったですし、セットプレーからの失点の仕方も良くなかったと思います。この試合に勝ったら上にいける、逆に負けたら順位が下がってしまうという大事な試合で、前半の入り方が良くないというのは自分たちの意識の問題で変えられる部分だと思うので、もう一度気持ちを引き締めてやっていきたいです。

Q、試合後には選手同士で長く話し合っていました。
A、今シーズンはキャプテンをやらせてもらっているので、もっと「勝つ空気感」というか、そういった雰囲気作りも自分が率先してやっていかなければならないと感じています。やはり任されたからには、その仕事は自分がしっかりやらなければならないし、割り切ってチームのためにやっていきたいと思います。


<高宇洋選手>


Q、試合の振り返りをお願いします。
A、チャンスは多く作れていたので、そこを決めきらないといけなかったです。明らかに失点が多いので、勝点を拾うためにしっかりとチームとして締めるのか、一人ひとりが常に集中力を切らさずにやるとか、そういうところはトレーニングからもう一回徹底しないといけません。

Q、2失点目は簡単にとられてしまった印象がありました。
A、自分たちが1点を返してここからだというところで、本当に何もないところから1本でやられてしまうというのは正直きつい部分もありました。ただ、あそこでもう一回追いつく力というのは今まで証明してきました。そこでとり切れなかったのはまだまだ力不足ですし、失点は減らしていかないといけません。

Q、FC町田ゼルビアの対策はどれくらいできていましたか。
A、失点以外は相手にチャンスを作らせていなかったと思います。特に前線のオ セフン選手は競り合いが強いので、土肥幹太選手と話しながら、ゴールキックの時は自分が最初に身体を当ててから土肥選手に競らせるなど、うまくできていました。小泉慶選手ともセカンドボールを多く回収できていたので、後半はほぼハーフコートゲームで押し込めていて、そこの対策は悪くはなかったなと思いますが、勝たないと意味がないのでそこは突き詰めていきたいです。

Q、あと一歩ゴールに近付くために必要だったプレーは何だと思いますか。
A、クロスに入るところでもっと迫力が必要だと思います。足を振ることもそうですし、挙げたらキリがないですが、トレーニングからしっかりとやるしかないと思います。

Q、次節は古巣のアルビレックス新潟戦です。試合に向けてどう高めていきたいですか。
A、連敗は絶対に許されないと思いますし、勝点3しか許されないと思うので、勝つための良い準備をしたいと思います。


<佐藤龍之介選手>


Q、リーグ戦初の出場となりました。
A、JリーグYBCルヴァンカップとはまったく違う雰囲気や緊張感がありました。ルヴァンカップとは違う選手が出ているので、出場してみないと分からないところはありましたが、今日しっかりと感じることができました。

Q、持ち味を出せていたと思いますが、試合を振り返ってください。
A、短い出場時間のなかで、前線からのプレスなど持ち味を出せたシーンもありましたが、ゴールを脅かすようなプレーや相手に脅威を与えるプレーができなかったので、そこは改善していきたいです。プレー面では、しっかりと自分がボールを受けてテンポを作りたかったのですが、パスを繋げないシーンが多く、悔しさが残りました。

Q、同じポジションには、現在AFCU23アジアカップに出場している荒木遼太郎選手がいます。
A、そのポジションは、自分が活躍して出場したいという思いもありますし、荒木選手が帰ってきた時にも競争に加われるようにやっていきたいと思います。

Q、次節に向けてどのようなプレーをしていきたいですか。
A、ピッチに入れば年齢は関係ないですし、勝つことがすべてだと思っています。どのタイミングでの出場になるか分かりませんし、一緒に出場する選手が誰かも分からないので、いつ誰と出場してもチームでの共通認識を大事にして、自分からも試合中にすり合わせにいき、チームの力になるために取り組んでいきたいです。