1/12トレーニングレポート
沖縄・国頭キャンプ初日は12日、かいぎんフィールド国頭で歓迎セレモニーと初練習を行った。歓迎セレモニーでは沖縄県宜野湾市出身のゴールキーパー野澤大志ブランドン選手がマイクを握り、自身の幼少期の思い出を振り返ってこう言葉にした。
「小中学生の頃に、沖縄にたくさんのJリーグクラブが来てくれて練習や練習試合をたくさん見たことを思い出しました。プロサッカー選手として国頭村のみなさんに元気を与えられる時間にできればいいと思いました」
そして、ランニングとステップワークで、移動で固まった身体をほぐし、本格始動する翌日の練習に向けてボールフィーリングとパス&コントロールで備えた。今シーズンから新たに指揮を執る松橋力蔵監督が選手一人ひとりに“止める蹴る”の動作一つひとつにこだわりを求めるなど、キャンプ初日から“らしさ全開”となった。
CAMP VOICE vol.1 小柏剛選手
松橋力蔵監督を新たに迎えた、新生東京が沖縄・国頭キャンプをスタートさせた。そのキャンプ初日に、小柏剛は1シーズン前とは異なる充実の表情で転がるボールを追いかけていた。
大きな期待を背負って加入した昨シーズンは、キャンプから別メニューが続いた。その後も1年を通して怪我が続き、不本意なシーズンを過ごした。
「このチームに新しい風を吹かせたかったし、誰よりも自分が自分に期待していた」
だからこそ、小柏の今シーズンに懸ける思いは強い。沖縄・国頭キャンプ初日の練習を終えた直後、復活ロードをひた走る背番号11に話を聞いた。
Q、初日から全メニューを消化するなど、昨シーズンのキャンプとは異なるスタートとなりました。
A、このキャンプをしっかりと過ごすことができれば、シーズンを通じて戦えると思います。少しネガティブな話になってしまいますが、過去のキャンプを休まず乗り切ったことがないので(苦笑)。ただ、今回はしっかりと乗り切れると思っていますし、いつもと違う姿を見せていきたいと思います。
Q、加入1年目の昨シーズンは悔しい思いをしていたと思います。今シーズンに向けて気持ちの変化は。
A、昨シーズンは思うように試合に出場することができなかったので、今シーズンまた新たなスタートを切る意味でも心と身体を作って開幕戦から100パーセント全力で戦えるように準備していきたいと思います。
Q、初日からボールを使った練習もありましたね。
A、ボールを使いながら少し強度もあるトレーニングでした。今はまだ基本的な練習が多いと思いますが、こうしたトレーニングを積み重ねることで技術も身に付くと思っています。基本的な止める、蹴るのところだったり、これまでこのチームが少し疎かになっていたところだと思うので。僕も含め、その部分は成長していきたいと思います。
Q、ボール運びがスムーズになったら決定機も増えるかもしれませんね。
A、基本的なところの精度が高まれば、アイディアや引き出しの数も増えると思います。だからこそ、良いトレーニングを積み上げられていると思います。
Q、今オフにマルセロ ヒアン選手が新加入しましたが、小柏選手が怪我なくピッチに立つことができれば大きな補強の一つにもなります。
A、ディエゴ オリヴェイラ選手が引退し、タロウ(荒木遼太郎)も鹿島アントラーズに復帰して周りは少し心配しているかもしれません。そこで、自分がしっかりと試合に出て彼らが抜けた穴を埋められると証明したいです。昨シーズンは僕のパフォーマンスもそうですし、チームの結果もファン・サポーターのみなさんは納得していないと思います。お互いに不完全燃焼に終わってしまったので、今シーズンは一緒に熱狂できるようなプレーを見せていきたいです。
Q、1年越しになってしまいましたが、昨シーズン中に言葉にし続けた「このチームに新しい風を吹かせたい」を実現させてください。
A、そうですね。ピッチに立てば、しっかりと小柏剛のプレーを見せていきたいです。ヒアンは自分でもゴリゴリ行ける雰囲気もあるので、またこのキャンプで連係も深めていきたいです。
Text by 馬場康平(フリーライター)