5/3 新潟戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2025.5.02

5/3 新潟戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

<前節・清水エスパルス戦のレビュー>

前週に行われた明治安田J1リーグ第12節ガンバ大阪戦でリーグ戦での未勝利を8でストップし、今シーズン初の連勝をめざして臨んだ味の素スタジアムでの清水エスパルス戦。だが、試合前日に負傷者を出して4-2-3-1の急造システムを敷く相手に思うように攻め切れない展開が続き、攻守に思うようにプレーできないシーンが目立ってしまった。

序盤からなかなか厚みのある攻撃を見せられない東京。それでも前半16分には右ウイングバックの白井康介選手からのロングフィードにマルセロ ヒアン選手が抜け出すと、相手選手がトラップした瞬間を狙って巧みに身体を入れてボールをカット。そこから右足で狙ったシュートはゴールキーパーのファインセーブに阻まれ、さらに仲川輝人選手がこぼれ球を狙ったが、これもセーブされて先制には至らない。

このままハーフタイムを迎えるかと思われた前半44分にペナルティキックを与えてしまい、これを決められて前半終了直前に手痛い失点を許してしまう。

ホームで負けられない選手たちは後半に反撃を期したが、思うように攻撃の形を作り出せない時間が続くと、後半34分にはカウンターから追加点を献上。その後も迫力ある攻撃を見せることはできず、0-2で悔しい敗戦を喫した。


<今節のプレビュー>

「ちぐはぐになってしまった」
「中途半端だった」
「チームとしてやりたいことがハッキリしなかった」

前節の清水エスパルス戦後、松橋力蔵監督や選手たちが口にした敗因だ。

ピッチ内の目線が合わず、プレスに行くタイミングやボールの動かし方、ロングボールとショートパスの使い分けなど、思うように意思統一ができないまま時間が経過してしまった。また、試合運びの拙さも課題を残した。前半終了間際に先制を許し、反撃に出たい時間帯でカウンターを食らって追加点を奪われる難しい展開を強いられて敗れた。


前節から中3日。過密日程の最中で今節に向けて十分な修正を施すだけのトレーニングに費やせる時間は限られているが、自分たちが何をしたいのか、何をするべきなのかをもう一度しっかりと全員で再確認して臨まなければならないゲームとなる。

ピッチ内の状況把握、ボールの奪いどころ、攻守のスイッチ、そして長短のパスの使い分け、そしてフィニッシュのクオリティ──。久々の勝利を手にしたガンバ大阪戦で披露した“良い守備から良い攻撃”への転換、そして目線を合わせるためのリアルタイムでのコミュニケーションの重要さを再確認し、全員で前に進んでいかなければならない。ピッチ内でポジティブに求め合う声が必ずやチームを前進させるはずだ。

対するアルビレックス新潟は開幕から8戦未勝利と苦しんでいたが、第9節ヴィッセル神戸戦で初勝利をマークすると、直近5試合は2勝2分1敗と復調。前節ではサンフレッチェ広島を1-0で破った。


松橋力蔵監督にとっては、昨シーズンまで率いた古巣との初対決をアウェイで迎えることになる。「自分が監督として初めて指揮を執らせてもらった特別な想いのあるクラブ。大きなブーイングが飛んでくるのではないかと思っていますが、今はチーム一丸となって新潟を倒すことに集中しています」と、かつて一緒に戦った人々に想いを馳せながらも、今までどおり一戦必勝の姿勢は変わらない。

2025 明治安田J1リーグは約3分の1を終えて中盤戦に突入。そして今節の新潟戦で3月下旬から長く続いた連戦が一区切りとなる。過密日程を乗り越えながら感じた課題と手応えを“結果”という形に昇華させ、このアウェイゲームで勝点3を持ち帰ることで、今後に向けた巻き返しへの第一歩としたい。


[松橋力蔵監督 インタビュー]


Q、前々節のガンバ大阪戦ではロングボールも使いつつ、という戦い方が見られました。監督のおっしゃる“振れた針”を戻す作業も必要ということでしょうか。
A、どのように使うか、だと思います。ロングボールを使って攻撃を仕掛けることは決して“悪”でもなければ、ショートパスが“善”でもありません。状況に応じた使い分けが重要です。ただ、我々の針がどちらに振れているのか、という部分はスピード感を持って全体に伝えていかなければいけないと思います。

Q、昨シーズンまで指揮を執っていたアルビレックス新潟との対戦が控えています。
A.我々と同じように苦しい状況を過ごしているチームだと思いますし、何か一つのきっかけで勢いが増すとも思っています。特別な何かが今回の対戦だけにあるわけではなく、目の前の敵をどのように倒すか、頭の中はそれだけです。

Q、新潟で過ごした期間は監督にとってどのようなものでしたか。
A、本当に素晴らしい時間を過ごすことができましたし、監督として初めて指揮を執らせていただいたチームです。クラブや選手個々の成長をはじめ、僕自身も成長させていただきました。特別な想いがあるクラブ、ということに間違いはありません。

Q、東京の監督として、デンカビッグスワンスタジアムで指揮を執ることをどのように感じていますか。
A、相当大きなブーイングが飛んでくると思っています。戦う以上は古巣だろうが何だろうが、何も関係ありません。僕自身、チーム一丸となって新潟を倒すことだけを考えています。


[選手インタビュー]

<高宇洋選手>


Q、清水エスパルス戦を振り返っていかがですか。
A、自分の力不足を感じた試合でした。自分がチームに対して何ができるのか、もう一度考えたいです。松橋力蔵監督もよく言いますが「自分が何者か」ということを証明できるように、チームが勝つためにどれだけ戦えるかが重要だと思います。チーム全体としても、監督からもミーティングでブラさずにやっていくという話もあったので、そこを信じてやるだけだと思います。ピッチの中で、相手を見て臨機応変に判断していきたいです。ボールを蹴るのか、繋ぐのか、どちらかに偏るのではなく、良いバランスのなかで、ゴールを奪うため、守るための最善の選択をできればいいと思います。

Q、連勝を逃してしまい、今度は逆に連敗は避けなければいけません。
A、やはり勝つことが一番自信に繋がると思います。そこはチーム全体もそうですが、自分自身も勝つことでもう一回勢いに乗っていけることもあると思います。前回は連勝を逃してしまったので、今度こそ上位進出のきっかけの一戦になるように、しっかりと勝ちたいです。

Q、アルビレックス新潟の印象を教えてください。
A、ボール支配に優れているチームですし、それはチーム全員が思っています。昨シーズンも勝ちましたが、ボールを持たれる時間がありました。そこはしっかりと割り切って我慢しながらも、ズルズル下がってしまうのではなく、自分たちで攻撃的に守備をしないといけないと思います。体力的にも全部いくのは難しいと思うので、時間帯も考えてブロックを敷くのであれば全員でゴールから逆算した守備をしなければいけません。昨シーズンもそうですが、逆に一刺しできるチャンスはあると思うので、そこを狙っていきたいです。

Q、ゴールデンウィークでホーム、アウェイに関係なく多くのファン・サポーターが来場するかと思います。そのなかでどのような姿を見せたいですか。
A、新潟のファン・サポーターには成長した姿を見せたいですし、昨シーズンはボールを持つとブーイングをされていました(笑)。またそのような雰囲気になるかもしれませんが、しっかりと東京のために、勝点3をとるために戦う姿勢を見せていきたいです。


<木村誠二選手>


Q、スタメンから離れる時期を経て、前節の清水エスパルス戦は途中出場しました。あらためて、チームを勝たせたい意欲が増していますか。
A、チームとしての戦い方を外から見ていて、うまくいっていない部分や噛み合っていないシーンもありました。まずはそこを整理して試合に入ること、選手個人が基礎的な部分で相手より勝ることが何よりも求められていると思います。

Q、ピッチ内で最善の判断がチームとしてできるように最終ラインからの声がけやコミュニケーションも大事になってくると思います。
A、ガンバ大阪戦や清水エスパルス戦のように前線に長いボールを蹴って攻撃を仕掛ける戦い方が悪いというわけではありませんが、ボールを大事にしたいというスタイルをめざしている以上、あのような戦い方ばかりではいけないと思っています。まずは、相手を見て、どこのポジションに入り込んでプレーをするべきなのかをしっかりと考えること、周りの選手が声で味方を良い位置に動かし直すコミュニケーションがポイントになると思います。

Q、前節の清水とは守備のスタイルが異なるアルビレックス新潟が今節の相手になります。
A、アグレッシブな守備を軸にしている相手であれば、シンプルに前線の選手にあてて攻撃を仕掛けることも選択肢として有効です。ロングボールを選択することがダメ、というわけではなく、そのボールが味方に繋がって、次の展開を仕掛けられるのであれば何も問題はないと思います。「結局、蹴っているじゃん」ではなく、長めのボールであっても、ボールを繋ぐ、ボールを大事にするプレーの一環である認識を揃えてプレーしたいです。長短のボールを織り交ぜることで、相手の守備も徐々に判断が難しくなると思います。相手を見て、ウィークポイントを探りながら、チームとしてプレーできれば良いと思っています。