9/15 東京V戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2025.9.14

9/15 東京V戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

<前節・名古屋グランパス戦のレビュー>

ホームで行われた2025明治安田J1リーグ第27節の京都サンガF.C.戦、天皇杯準々決勝の浦和レッズと中2日、中3日という過密日程を臨んだ前節の名古屋グランパス戦。多数の負傷者に加えて、長友佑都、橋本拳人、小泉慶という経験豊富な3選手が出場停止という苦しい台所事情で迎えたゲームだったが、試合は東京がボールを保持する展開で進んでいく。

ポイントになったのは、ボランチでリーグ戦初スタメンの機会を得た常盤亨太選手だ。攻撃では視野の広さを感じさせる動きを見せ、展開を予測した積極的な守備でも存在感を発揮。


スペースでボールを受ける動きも良く、周囲をフォローしながら“中盤のダイナモ”というべきプレーを披露していく。開始早々に力強くミドルシュートを狙えば、前半42分には高い位置でボールをカットして持ち運び、長倉幹樹選手から俵積田晃太選手へとつながる決定機の起点に。惜しくも得点にはつながらなかったが、彼の持ち味を感じさせるシーンだった。

しかし、5バック気味に守りを固める名古屋に対し、攻めあぐねて、なかなかアタッキングサードを攻略することができない。前半は名古屋にもチャンスを作られながら身体を張った守備を見せ、スコアレスのまま折り返した、

後半開始早々には守護神のキム スンギュ選手が横っ飛びでファインセーブを見せて守備から勢い付けようとしたが、後半20分に相手の右コーナーキックからゴール前の混戦を押し込まれて失点。前半よりも前線からの圧力を強めてきた名古屋にセットプレーを与える機会が増え、その流れから先制点を許す結果となってしまった。


その後、懸命の反撃を仕掛ける青赤イレブン。選手たちの意地が実ったのは、後半37分のことだった。

バングーナガンデ佳史扶選手の左からのクロスボールが相手選手の頭に当たってゴール前へ流れると、ここで相手ゴールキーパーがキャッチミス。遠藤渓太選手がその瞬間を見逃さず、素早く右足を伸ばしてゴールに押し込んで同点弾をねじ込む。「何かが起これば」と考え、最後まで集中力を保っていた背番号22の想いで東京が試合を振り出しに戻した。

後半アディショナルタイムには途中出場したマルコス ギリェルメ選手がカウンターを仕掛けてスルーパス。これに抜け出した遠藤選手がゴール前へ決定的なラストパスを送ったが、後方から走り込んだ佐藤恵允選手とはわずかにタイミングが合わず。東京はこの決定機を逃してタイムアップ。アウェイでの一戦は相手の堅守を崩しきれない展開で1-1の痛み分けに終わった。


<今節のプレビュー>

「勝利以外、何もないです。勝つしかない」(仲川輝人選手)

「勝利だけが求められる試合」(遠藤渓太選手)

「選手たちは特別な想いを持って試合に臨まなければ」(森重真人選手)

そう、今節に求められるものは勝利。それに他ならない。もちろん勝つためには内容や戦術も重要なポイントだが、どれだけ勝利への渇望、意識、覚悟をピッチで表現できるか。そこが普段以上に勝負の分かれ目となるだろう。

インターナショナルマッチウィーク明けの再開初戦となる今節、東京がホームに迎えるのは東京ヴェルディ。同じ味の素スタジアムをホームとするチーム。絶対に負けられない、いや絶対に勝たなければならない相手だ。

この中断期間が青赤にとって大きなプラスに働いた。離脱していた選手が続々と復帰を果たし、大幅に選手層に厚みを加えて重要なゲームに臨めることになった。また、日本代表の長友佑都選手、韓国代表のキム スンギュ選手が両国のアメリカ遠征からチームに合流。ともに1試合ずつピッチに立ち、ここから本大会に向けたサバイバルのためにも青赤での活躍を胸に誓っているはずだ。


対する東京Vは現在勝点32の15位。東京よりも順位、勝点とも一つずつ上の位置にある。遠藤選手が「順位を見ても、ここで勝ち切って勢いに乗りたい。相手は走力や球際に強さを持っているチームなので、後手に回ることなく、最大限の準備をして臨みたい」と勝負のポイントを語れば、長友選手は「ここからの一戦一戦、すべてが大事になる。この東京V戦に勝ち切ることがチームにとって前に進む力になる」と今節の重要性を説く。

たかが一試合、されど一試合。森重選手は「リーグ戦の一つの試合ではあるけど、この試合は違った意味を持つ」と冷静な口調に熱を込める。

前回対戦で独特の雰囲気を体感した松橋力蔵監督も、東京Vとの一戦に覚悟を持って選手たちを送り出そうとしている。

「本当にエネルギーが充満した空間になると思う。気持ちは絶対に入っていると思うので、選手たちにはそこを全部飲み込むくらいに全開でやってもらいたいですし、我々をサポートしてくれるみんなのエネルギーも自分たちに取り入れて戦ってほしい。本当に熱い戦いになることは十分承知の上なので、そのなかでしっかりと勝点3をとるゲームをしたい」

振り返ってみれば、リーグ戦ではJ2リーグで対戦した2011シーズン以降、5試合続けてドロー決着が続いている。仲川選手は「ここで白黒つけて、“東京が強い”という姿を見せなければならない。ファン・サポーターのみなさんそれぞれの熱い想いを、僕らがピッチで表現したい」とコメント。青赤ファミリーを代表して勝利をめざす覚悟を話してくれた。


9月13日には高円宮杯JFA U-18プレミアリーグ2025で、FC東京U-18が東京ヴェルディユースと対戦。チーム一丸となって粘り強く戦い、後半アディショナルタイムの決勝ゴールで劇的勝利をマークした。“弟分”が幸先良く勝利し、トップチームにつないだ。これも青赤ファミリーの後押しと言っていい。

公式戦7試合連続でクリーンシートがないだけに守備面の奮起は必須。そして意地でもゴールネットを揺らそうとする攻撃面の迫力も求められる。球際の勝負で負けないことは言わずもがな、攻守両面で相手を上回って味の素スタジアムに勝利の凱歌を響かせたい。

豊田スタジアムで引き分けに終わった前節終了後、ゴール裏から『ヴェルディだけには負けられない』というチャントが響き続けた。その声援は、試合中継のインタビューを終えて一人であいさつに向かった遠藤選手にも送られ続けた。背番号22は「自分一人のためにあれだけ歌ってもらえたのは当たり前じゃないし、その気持ちに応えたい」と、ファン・サポーターの歌声を背にロッカーへ戻りながら何度も振り返って想いに応え、右手で胸のエンブレムを叩いた。


一丸となって戦おうというメッセージは、しっかりとチームに伝わっている。ならばピッチで戦う選手たちは、その想いに応えるしかない。ハートは熱く、頭はクールに。

燃えたぎる気持ちを前面に押し出して、自らの存在価値をピッチで示せ。青赤一丸。ホーム味の素スタジアムで、東京が東京であることを証明する。


[松橋力蔵監督 インタビュー]


Q、東京ヴェルディとの試合をどのように捉えていますか。
A、熱い戦いになると思っています。エネルギーが充満した空間になると思うので、そこを全部飲み込みたいです。自分たちが飲まれるのではなく、飲み込むぐらいの気持ちは選手たちも持っていると思うので、そのエネルギーを全開にしてやっていきたいです。我々をサポートしてくれるファン・サポーターのみなさんのエネルギーも自分たちが吸収していきたいです。落ち着いたゲームにはならないと思うので、そこはもう十分承知しています。しっかりとそのなかで勝点3をとりたいです。

Q、相手の現状を踏まえて、どのような試合を想定していますか。
A、今週は、選手と話すなかで良い成果もありましたし、課題もありました。それは当然のことであって、良いもので安堵することはできないですし、課題が出たからといってネガティブになる必要もありません。戦術どおりに試合を進めることは難しいので、意図をきちんとチーム全体で理解し、その状況や切り替わった瞬間などに臨機応変に対応していきたいです。チャンスをチャンスと感じる力、ピンチをピンチと感じる力は、ゲームのなかではすごく大事だと思います。そういうものを含めて良い準備ができましたし、選手たちも良いコンディションを保ってくれています。

Q、対戦相手は粘り強く戦ってくることが予想されますが、最後まで押し切り勝利することが重要になると思います。
A、ゴールエリア付近でシュートを打つことで得点が生まれる確率は一番高くなるので、毎回そこまでいけることが理想です。ですが、ゴールというのは、必ずしもきれいな崩しやゴール前の確率の高い場所だけで決まるわけではありません。決して崩し切らなくても、クロスボールからでも得点は決まり得ます。確率論だけではなくて、ゴール前に一人しかいないような状態でもクロスボールを上げて、そこでしっかり合わせられればゴールは入ります。すべて確率の高いものや精度の高いものばかりになってしまうと、今度はチャレンジがなくなってしまい、ボールがなかなかゴールに到達しない状況になってしまいます。ゴール前は、思い切ってチャレンジしていい場所だと思います。そこを相手がしっかり守ってくるのであれば、手を替え品を替え、チャレンジすることが絶対に必要になってきます。

Q、リーグ戦では直近7試合連続で失点しています。
A、そこは自分たちの課題です。本当に良いゲーム、良い試合内容であっても、膝がガクッと折れるような失点の仕方というのはあります。最後のところで防ぎ切るためには、個の力もそうですし、組織の力もそうですし、メンタリティも必要だと思います。やはりそうした部分の甘さは、日々のトレーニングのなかで一つひとつをどれだけ真剣に潰し切れるかというところに尽きるかなと思います。


[選手インタビュー]

<橋本拳人選手>


Q、明日は東京ヴェルディとの一戦です。
A、気持ちの部分も身体的な部分も全員が良い準備ができているので、あとは相手を倒すだけです。全員で勝ちにいきたいと思います。

Q、今週は、プレーや選手間の“つながり”を意識させるようなトレーニングを積んできたなかで、どのような手応えを感じていますか。
A、まだまだ高められると思っていますし、試合を重ねるごとに良くなっている部分もありますが、全員が勝ちたいという気持ちをもっと前面に出さなければいけません。明日の試合を含めた今後の全試合、しっかりと出していきたいと思っています。

Q、相手の守備ブロックを崩すポイントをどう考えていますか。
A、アタッキングサードのクオリティという部分は、今シーズンの課題として取り組んでいます。その試合ごとにシチュエーションは違うので、相手を見ながら自分たちのひらめきやミスを恐れないプレーが大事だと思っています。

Q、今シーズン初ゴールをこの試合で決めたいという想いも強いのではないですか。
A、そろそろ、得点をとりたいです。チャンスだと思った時のゴール前に入っていくプレー回数はもっと増やさないといけないと感じています。そのためのチャンスの回数も合わせて増やしていかないといけません。後ろからのビルドアップを安定させながら、良いタイミングで攻撃参加することが、自分に求められているプレーだと思っています。そこを意識したプレーを見せていきたいです。

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