森重真人選手 ✕ ディエゴ オリヴェイラ選手 対談

INTERVIEW2022.2.08

森重真人選手 ✕ ディエゴ オリヴェイラ選手 対談

――新しいサッカーに取り組んでいる中で、現時点での浸透度や手応えはいかがですか。

森重選手
いろんなシチュエーションが試合のなかであるので、そのときにどうするのか、それは試合をやっていかないとチームのなかでも解決策が作り上げられません。だから試合をこなしていくということと、リーグ戦が始まって試合をやっていくなかでもっと理解度を深めるという作業をしていかないといけないです。

ディエゴ選手
今まで自分たちがやってきたサッカーとは全く違うものなので、浸透するまで時間がかかるのは当然のことだと思います。森重選手が話したように、試合をしながらでしか、良くならないところもあるのですが、選手たちのクオリティを考えると監督の要求に応えられると思います。完成に至るまでのプロセスでいくつか難しさ、やりづらさというのはもしかしたらあるかもしれませんが、それを乗り越えた先には、必ず良いサッカーができると思っているので、自分たちのやるべきこと、監督の要求していることを信じてやり続けていくしかないと思っています。

――昨シーズンまでのサッカーとの変化をどう表現しますか。

森重選手
以前はゴールに早く向かう、前に前にというサッカーでしたが、どちらかと言うと今は、ボールを握って試合をしっかりコントロールするというのがキーワードだと思います。

ディエゴ選手
昨シーズンはホームの試合でも相手にボールを保持されて支配率が上回られるという試合がいくつかありました。今シーズンは自分たちでしっかりボールを握って、自分たちで試合をコントロールしていこうという姿勢があり、それにより失点が減ることにもつながってくると思います。自分たちからボールを動かしてコントロールしていく姿勢が昨シーズンとは違うと思います。

――そのサッカーにトライしている現状、選手たちは楽しむ余裕がありますか。

森重選手
新しいことに挑戦することは、自分たちの成長にもつながるし、チームが成長するという意味では楽しい部分もあるし、難しい部分もあります。でも、その難しい部分というのも自分たちにとっては成長するために悩んだり苦しんだりするところなので、それも楽しめるかなと思います。

ディエゴ選手
監督が変わって、めざすサッカーもものすごく変わっているので、時間がかかりますし、難しさはもちろんあるので、今は必死にやらなければいけないという思いは強いです。ただ、先程も言ったように選手のクオリティから考えると、リーグ戦が終わる頃には自分たちがやりたいサッカーが実現できていると思っています。その過程は難しいにしてもそこは楽しんでいきたいと思っていますし、自分たちがやらなければいけないことでもあります。過程を楽しみながら、リーグが終わる頃には選手全員が成長していればいいなと思います。

――アルベル監督自身も時間がかかるという話をされています。一方で、その先にある期待感というようなものは感じていますか。

森重選手
そこを信じてやり続けることが大事です。これだけのいい選手がいるなかで、達成できる力は絶対にありますし、後はそれを信じて、続けて、お互いが要求し合って、高め合っていくことが大事だと思います。

ディエゴ選手
時間が経つにつれて、自然にやりたいサッカーができるようになっていくと思いますし、お互い要求しなければいけないところはあると思いますが、どんどんみんなに浸透していけば面白いサッカー、やりたいサッカー、観ているファン・サポーターも楽しめるサッカーができると思います。

――要求し合うという点では、チームのなかでのコミュニケーションは活発になっていますか。

森重選手
新しいことにチャレンジしているので、一瞬の考えのズレがスムーズにいかなくなる原因になるので、お互いが「今どうしたかったのか」とか「どこに欲しかったのか」などを確認し合っています。細かいところでも要求し合って、お互いの意思をすり合わせることは、今年からではないですが、ずっとやり続けるべきことだと思っています。

ディエゴ選手
新しいサッカーにチャレンジしている時期においては、コミュニケーションが重要だと自分も考えています。わからないことだとか、合わなかった部分というのは、お互いが要求することもそうですし、経験のある選手や監督に聞くなど、そういった意味でコミュニケーションは重要だと思います。

――今シーズン、キャプテン、副キャプテンに任命されました。今のチームにおいてどういった役割が求められていると思いますか。

森重選手
新しいことをやるので、まず監督のやろうとしていることを最初に、一番よく理解して、それをチームに伝え、チームメイトが疑問をもったときは、受け取って監督に聞きに行かないと行けないかもしれませんし、チームが上手くいくためにキャプテンという役割を与えられていると思うので、その責任感はあります。

ディエゴ選手
森重選手は過去にもキャプテンをしていましたし、森重選手が言った担うべき役割をしっかりと全うできると思いますが、我々もしっかりとサポートしていきたいと思っています。また、日本人選手と外国籍選手は、言語が理由でコミュニケーションが取りづらいということはありますが、その間にしっかりと入ってコミュニケーションをどんどんしてきたいです。ただ、自分の場合は、キャプテンとか副キャプテンとか関係なく、みんながキャプテンとしてやっていける意識付けが重要だと思っています。

森重選手
ディエゴ選手のことは信頼していますし、外国籍選手のなかでもFC東京に長く在籍していて、外国籍選手のなかでもボス的な存在なので(笑)、こうしてディエゴ選手が副キャプテンとしていてくれるのは、僕にとっては…いや僕だけではなく、チームにとって大きなことだと思います。監督も言っていましたが、何か一つのことを成し遂げるには、チームの雰囲気とか一体感が重要なので、そこはディエゴ選手にも力を借りながら、チーム全体で取り組んでいきたいと思います。

ディエゴ選手
いいシーズンを過ごすためには全員が同じ意識で取り組んでいかなければいけないので、自分たちが協力していかなければいけません。選手が何かを抱えていたら自分たちに話して欲しいと思いますし、自分たちが解決できるようにやっていきたいと思います。ただ、基本的には全員で一つになって、一つの目標に向かって同じ方向を見ることが大事だと思っています。

――お二人が揃ってプレーするのは今シーズンで5シーズン目となります。お互いに期待しているプレーを教えてください。

森重選手
ディエゴ選手はゴールを取ることが一番の仕事だと思うし、それを過去4シーズンはチームのためにやってきてくれたので、引き続きやってほしいです。また、ピッチ外においては、人として素晴らしいですし、そういった姿を若い年代の選手も見ているので、それは今まで通り期待したいです。

ディエゴ選手
ピッチ内の話からすると、東京に来る前に対戦相手として森重選手と対峙したときは非常にやりづらい相手でした。同じチームになってからは非常に心強いです。ピッチ外でも、いろいろな選手から信頼されていて、みんながついて行くのはわかっていることなので、今まで通りの森重選手の姿を見せていってほしいと思います。また、自分たちとふざけあったりすることもそうですが、オンとオフの両方でコミュニケーションがとれるのはリスペクトされている証拠だと思うので、自然体でいてほしいと思います。

――最後に、今シーズンに向けた思いを教えてください。

森重選手
やはり勝つためにこのサッカーを選んでいるので、「楽しんでもらえれば勝たなくてもいい」というわけではありません。勝つために一番近い道が今チャレンジしていることなので、まずはこのサッカーで勝つ姿を見せたいし、プロとして見せなければいけません。
また、首都東京のチームとして、強くないといけないですし、スタジアムに観に来てくれたファン・サポーターに楽しんで帰ってもらえるようにしないといけないと思います。美しいサッカーだけじゃなく、そこは熱い気持ちや激しいプレーもあるので、応援したくなるようなチームをめざしたいと思います。

ディエゴ選手
常に勝つことだけを考えてやるのみだと思っていますが、そのなかで森重選手が言ったように、チームとしての強さ、選手個々としての強さ、そういったものも試合のなかで見せていきたいと思っていますし、リーグ戦が終わる頃に「多くの勝利を届けられた」と言えるようなシーズンにしていきたいです。


対談日:2022年2月2日