2/18 川崎戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2022.2.18

2/18 川崎戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>
アルベル プッチ オルトネダ監督を招聘し、ポジショナルプレーをベースとした新たなサッカースタイルに挑戦している東京。約1か月のプレシーズンで準備を進めて、いよいよ船出の時を迎えた。相手は、リーグ連覇中の川崎フロンターレ。多摩川クラシコを敵地で戦った。

序盤は相手の圧力を前にボールが落ち着かず、何度かゴール前に迫られる場面を作られるが、そこはセンターバックのエンリケ トレヴィザン選手やゴールキーパーのヤクブ スウォビィク選手が体を張ってシュートをブロック。ピッチ内で声を掛け合いながらしっかりと耐え続けた。

流れが変わり始めたのは前半20分が過ぎてから。前半24分と28分には永井謙佑選手の仕掛けを起点にレアンドロ選手と松木玖生選手がシュートを放ったが、どちらも相手ゴールキーパーに阻まれる。前半の終盤にも何度も川崎ゴールに迫り、前半36分と43分にも川崎ゴールを脅かすチャンスを創出した。

後半に入ると、ボールを保持する時間が増えていき、川崎を押し込む場面を作る。後半16分にはレアンドロ選手が倒されて得たペナルティーエリアすぐ外のフリーキックのチャンス。キッカーのレアンドロ選手が相手のゴールキーパーとディフェンスの間に入る絶妙なボールを入れると、いち早く反応した永井謙佑選手が頭で合わせてゴールネットを揺らしたが、オフサイドの判定でノーゴール。後半24分には左サイドを永井謙佑選手が突破し、ゴール前でマイナス方向のクロスボールを入れ、松木玖生選手がゴール前に飛び込んだが、その手前で滑り込んだ相手ディフェンダーにクリアされた。

後半36分にコーナーキックから川崎に先制を許した後、東京の猛攻が加速する。相手を押し込み、大きくサイドに展開してゴール前にクロスを入れてシュートを放つが、なかなかネットを揺らすことができない。90分を回った終盤には、右サイドで相手のパスをインターセプトした紺野和也選手が中央に向かってカットインしながらミドルシュート。ボールは相手ゴールキーパーの腕先を抜けたが、左ゴールポストにはじかれてしまう。

アディショナルタイムの7分間は、ほとんど相手陣内でプレーしたが、最後の一歩が及ばず。アルベルトーキョーの初陣は惜敗でのスタートとなった。


[アルベル監督インタビュー]

Q、今日の試合を振り返ってみていかがですか。
A、プレースタイルを大きく変えたのちにわずか1か月間だけの準備期間と共に開幕を迎えました。多くの選手がプレースタイルを理解していて、若い選手や新加入選手もいます。新型コロナウイルス感染症の陽性判定によって6人の選手が戦線を離脱してしまいました。

この状況の中、試合をスタートしてから最初の15分は上手くいきませんでしたが、それ以降は試合を支配する時間帯が長くありました。決定的なチャンスも多く作り出すことが出来きて、ポストを叩くシーンや大事な局面もありました。2連覇中のチームとここまで試合を支配できたこと。そのことから、私が選手を非常に誇りに思っていることを想像していただけると思います。多くの障壁がある中で、ここまで良いプレーができたことを誇りに思っています。

川崎フロンターレは何年も同じプレースタイルで、成熟しているチームです。その中で、彼らはセットプレーからゴールを決めました。私の選手たちは勝利に飢えています。そして、学ぼうとする姿勢に溢れています。今チームは、新しいプレースタイルと共に歩みはじめたばかりです。そういう意味でも、チャンピオンに相応しいチームになるために基盤を構築する必要があり、日々成し遂げていきたいと思っています。当然ミスというのは起きてしまいます。ですが、選手たちにも伝えましたが、今日表現した闘う姿勢というものが、目標達成に近づくために必要なことなのです。

VARがあるのでPKの笛を吹いてくれるかなと期待しましたが、残念ながら笛は鳴りませんでした。最後の部分は冗談です(笑)。レフェリーをリスペクトしていますし、今日は素晴らしい笛を吹いてくれたと思います。

Q、森重選手はいませんでしたが、メンバーの構成は悩まれましたか。
A、素晴らしいプレシーズンを過ごすことが出来ていました。ただ、6人が離脱してしまったことは残念です。そして、松木玖生がプロの世界でデビューを果たしました。彼のプレーには満足していますし讃えたいと思います。彼はもっともっと成長しなければなりませんが、遠くない将来、日本サッカーに大きな喜びを与えてくれる選手になってくれると期待しています。

試合が終わった後に更衣室で涙を流している選手もいました。そのことを私は誇りに思いますし、今日の試合がどれだけ素晴らしい試合だったかが伝わってきました。改めて我々はこの道を歩み始めたばかりです。今後もっともっと多くのミスが起きるでしょう。けれども、闘う姿勢は間違いなく表現してくれると思っています。

Q、後半試合をよく進められていたと思いますが、どういった修正の指示をされたのですが。
A、ボールを大切にプレーしようと伝えました。クオリティーの高い選手がいますし、川崎フロンターレがカウンターを狙ってくると思い、それに対してリスク管理をしようと伝えました。川崎フロンターレは長くこのプレースタイルと共にプレーを続け、ほとんどの試合で、ボールポゼッション率で相手を上回っています。今日はその部分でも相手を上回ることができて、我々が試合を支配していました。これが我々が突き進む道ですが、まだまだ選手は伸び代だらけで、完成度はまだ20%にも満たないと思います。そういう意味でも、今シーズンはまだ時間がある中、選手たちが成長してくれると思っています。

ルヴァンカップでは若手選手にチャンスを与え、彼らにも成長して欲しいと思っています。そして、チームだけでなくクラブも一歩一歩成長してくれると思っています。我々が突き進む場所は、今日表現していた道のりです。闘う姿勢を表現しつつ、ミスも起きるでしょうが、日々成長して大きなものを成し遂げる。そうして偉大なクラブに成長していきたいと思っています。


[選手インタビュー]
<松木玖生選手>

Q、キャンプを終えてからの2週間でどのようなトレーニングを行ってきましたか。また今日の試合でどれくらい表現できましたか。
A、自分たちはアルベル監督が言っているとおり『ボールを愛するサッカー』に取り組んでいます。その中で、今日は最初、バタバタしている部分もありましたが、徐々に自分たちのサッカーでボールを回せる時間も増えて、自分たちのほうがチャンスは多かったので、次は決め切るかどうかというところを突き詰めていきたいです。

Q、今日の自身のパフォーマンスについてはいかがでしたか。
A、決めるべきところを決めきれなかったり、ボールを失うシーンも東京の中で多かったので、その点を改善して、試合を通してボールを失わず、決め切れるような選手になっていきたいと思います。

Q、右サイドのポジションでレアンドロ選手や渡邊選手との関係性が良いと見受けられましたが、どのような意識で臨みましたか。
A、渡邊選手とは練習試合や練習で守備の行き方だったりなど、よく声をかけあったりしていました。自分はレアンドロ選手が一番特徴を出せるようなポジショニングを取ることを意識していました。レアンドロ選手が中にいれば自分が外に張るなど、常にレアンドロ選手を見ながらサッカーをしていました。もっともっと、自分の良さを出せるようにしていきたいです。

Q、試合の中で左足のミドルシュートなどゴールに向かう姿勢が強く表れていました。
A、開幕戦で点を取りたかったですし、あのシーンで決め切れるかどうかで勝敗が分かれてくるので、ここの部分は練習から真摯に取り組んでいきたいと思います。

Q、緊張はありましたか。
A、緊張はありませんでしたが、始めのほうはボールが足につかなかったという点が予想外でした。次は慣れてくると思います。

Q、相手は中盤の強度が高いフロンターレでしたが、対峙してみていかがでしたか。
A、球際やフィジカルのところは負けていなかったので、ここは上回れるところかなと思います。自分や青木選手、安部選手のところで崩すことができればより前線が強力になると思うので、そこを意識して取り組んでいきたいと思います。

Q、チャナティップ選手に体を預けてボールを奪うシーンなど激しい球際のシーンなどがありました。新人選手とは思えないプレーを見せていたように思います。
A、自分はいつも通りやっただけですので、その部分は継続してやっていきたいです。

Q、今日の試合で課題はでてきましたか。
A:もう少しまわりを見るところや、シュートで終わるところもありました。最後の質というところを高めていきたいと思います。


<永井謙佑選手>

Q、素晴らしい試合運びだったものの、結果的に敗戦となりました。試合全体を振り返ってどのように感じていますか。
A、ボールを大切にしつつ攻撃を仕掛けることを心がけながら、チャンスをしっかりとモノにすることができずもったいなかったと感じます。

Q、試合前の狙いと実際に公式戦を戦ってみての感想はいかがですか。
A、全体で押し込める時間も作れていたと思います。ただ、後半のセットプレーを決められ、最終的に決定力の差で試合を持っていかれてしまいました。ここは、チーム全体で反省しなければいけません。悔しい結果となりましたが、さらなる成長のために、いい経験ととらえて次につなげていきたいです。

Q、新しいチームとなりここまでキャンプでも準備を重ねてきました。どこまでできるかという不安と楽しみがあったと思いますが、永井選手はどのように感じていますか。
A、開幕前にいろいろなイレギュラーがあったなかで、上の年齢の選手たちが引っ張っていかないといけないという危機感がありました。それはいい緊張感にもなりましたが、結果として勝つことができず本当に悔しいです。

Q、リーグ2連覇をしている川崎Fを相手に勝っていくために今後必要なことはどのようなことですか。
A、ゴール前の精度を上げていくことと、僕を含めてまだまだイージーミスがあったので、試合を重ねていくごとによくなっていく部分でもあると思うので、試合をしていてとても楽しかったと感じています。

Q、オフサイドになってしまったものの惜しいゴールに迫るシーンもありましたし、ゴールに向かっていく迫力を感じました。
A、チャナティップ選手のラインを意識して飛び出したつもりでしたが、結果的にオフサイドになってしまい残念でした。感覚としてはすごくよかったので、ゴールにとことんこだわっていきたいです。カットした後に松木選手にしっかりとボールをつけることができていれば先制点が奪えていたし、そういった部分はしっかりと反省してもっともっと良くなるようにチーム全体に声をかけながら取り組んでいきたいと思います。

Q、ネットを揺らした瞬間は狙い通りでしたか。
A、レアンドロ選手がボールのところに立った時に、ここに蹴りそうだなという感覚があったので狙っていきましたが、ちょっと早かったのかなと思います。

Q、リーグ開幕戦ではありますが、チームの完成度はどのくらいだと感じましたか。
A、まだまだだと感じますし、いろいろなことを経験しながら成長していくものだと思っています。ここから僕たちがどこまで伸びていくのかという楽しみがありますし、ここから得点を奪えるようになって、ファン・サポーターの皆さんと一緒にたくさん喜び合いたいです。

Q、次は、ルヴァンが開幕して、リーグのホーム開幕も控えています。次に向けて味スタで待っているファン・サポーターにどのような言葉を伝えたいですか。
A、昨シーズンはなかなか勝つことができなかった終盤戦でした。しっかりと磐田と名古屋を倒したいです。名古屋には(長谷川)健太さんもいるので、しっかりと恩返しできるようにチーム全体でやっていきたいと思っています。


<ディエゴ オリヴェイラ選手>

Q、試合を終えてどのように感じていますか。
A、強敵である川崎を相手に、いい試合ができたと思っています。自分たちが上回れた時間帯もありましたし、シュートまで行けたシーンも何度も作り出すことができました。ただ、ゴールを奪うことができず、結果として負けてしまったことは非常に悔しい気持ちでいっぱいです。(新しいサッカーが浸透するのには)時間がかかると思っていますし、これから少しずつ良くしていって、次の試合につなげていきたいと思っています。

Q、時間がかかるなかで、今日の試合で得られた手応えはありますか。
A、今回の試合で監督が求めているサッカーを少しでも表現できたということで、みんなが理解できていることが何か明白になったと思います。ただ、それを形にするには時間がかかると思うので、日々の練習を大切にして、早く結果につなげたいと思います。

Q、前半の途中にベンチから指示が出ていたように見えましたが、どのようなものでしたか。
A、そこに関しては言えませんね(笑)。立ち上がりで起きていた修正すべき部分があり、それを選手間で共有しました。そこからは、特に後半の立ち上がりからチャンスを作り出せるようになってきたと思います。残念ながらゴールにつなげることができなかったので今日の結果になってしまいましたが、そのような話を試合中にしていました。

Q、ディエゴ選手もたくさんのチャンスを作り出し、単純にチャンスの数が増加しました。最後に決め切るために、必要なものはなんでしょうか。
A、今のサッカースタイルや戦術の関係でチャンスが増えているのは確かだと思いますが、やはりゴールを挙げないといけません。自分たちが取り組んでいることを続けて、さらにチームが良くなるように、チームもそうですが自分自身もクオリティを少しでも上げていき、今日は0-1という悔しい結果でしたが、早く点を取って勝ちきれる完成度を目指していきたいと思います。


<木本恭生選手>

Q、まずは試合の振り返りをお願いします。
A、結果として負けてしまったことは悔しいです。一方で、めざしているサッカーができたことへの充実感はあり、次に繋がる試合だったと思います。

Q、試合の立ち上がりはすこしバタバタした印象がありましたがどう感じていましたか。
A、厳しい時間帯があることはチームとしても覚悟していたなかで、それが立ち上がりに来てチャンスを作られましたが、ピッチ内で何とか修正しようと声を掛け合っていました。時間が経つにつれて、試合をコントロールできるようになったと思います。開幕戦ということもあり、自分自身少し硬さもあったので、次の試合は立ち上がりからゲームをコントロールしていきたいです。

Q.プレシーズンからトライ&エラーを繰り返していたなかで、この試合でもエラーの部分はもちろんあったと思いますが、手ごたえもあったのではないでしょうか。
A、大きいミスはなかったですし、ミスの仕方も次に繋がるミスだったと思います。失点シーンは相手のクオリティの高さが上回った結果だったと思います。

Q、失点シーンついてはどうにか防ぎたかったシーンだったと思いますがどうでしょうか?
A、押し込んでいる展開のなかで、セットプレー1本で結果が決まってしまうという経験はこれまでもしてきました。だからこそ何とか無失点で抑えたかったのでその点については、もう少し我慢強さが必要だったと思います。

Q、セットプレーでの失点はありましたが、最終ラインとして手ごたえはあったのではないでしょうか。
A、川崎の強力な攻撃陣にチャンスは作られましたが、後半は決定的なシーンを作らせなかった点については、手ごたえを感じていますし、充実した90分でした。

Q、次はホーム開幕戦です。意気込みをお願いいたします。
A、チーム一丸となって良い方向に進んでいると思うので、さらにレベルアップしていきながら、今日のようなサッカーを次の試合も見せられるように、1試合1試合、勝利をめざして戦っていきたいです。