【バックナンバー】FC東京NEWS Vol.166 インタビュー/田川亨介

TOKYOism2019.10.08

【バックナンバー】FC東京NEWS Vol.166 インタビュー/田川亨介

試合を決めるプレーが求められる 人一倍練習し、自信をつけたい


田川亨介は多くの期待を背負って、青赤のユニフォームに袖を通した。5月には負傷離脱を強いられたが、それも成長の糧としてひたむきに取り組み、パワーアップした姿で復帰を果たした。持ち前のダイナミックなプレーで、東京にさらなる勢いをもたらすことが期待されるアタッカーの心境に迫る。

東京で結果を残す 今はそれしか考えられない

――現在のコンディションは?
「身体も動いていますし、キレがあってコンディションはとてもいいです」

――5月のU-20ワールドカップ以来の復帰となりました。
「リハビリ期間はキツかったですね。特に復帰する直前のフィジカルメニューがキツかった。長期間の離脱はプロになってから初めての経験でしたが、気持ち的にはあまりキツさは感じませんでした。ただ、今シーズンの東京はずっと調子が良くて、そこに加われないという点で少し焦りはありました」

――その焦りはどうやって克服しましたか?
「反復練習をこなして自信をつけて、そういうフラストレーションをなくすようにしていました。それは今も意識している部分です」

――9月8日のルヴァンカップ準々決勝第2戦G大阪戦でゴールを挙げました。
「監督から〝点を取ってこい〟と言われてピッチに入りました。得点の場面は、髙萩洋次郎選手からロングボールがきたときに、ディエゴ オリヴェイラ選手が走っているのが見えたので、ボールをよけようと思ったんですが、背中に当たってしまいました。でもそれが結果的に良かった。うまくつながって、GKとの一対一も練習していたので、自然にシュートを打てました」

――シュートコースは狙いどおり?
「GKの位置を見て、あのコースしかないなと思いました。GKとの駆け引きが難しいシーンでしたが、ファーストタッチで角度を作れたのが良かった。角度を作らないとコースがなくなってしまうので。すべてがうまくいったシーンでした。反復練習をこなしたことで自信がついていたのもあるし、緊張する場面でも落ち着いて蹴れました。練習の成果を出せて良かったです」

――東京でのカップ戦初ゴールとなりました。
「ホッとしましたし、今までチャンスをもらいながらなかなか結果を出せていなかったので、素直にうれしかったです」

――得点後はベンチに向かいました。
「なんか行っちゃうんですよ(笑)。いつも自然とベンチへ向かっています(笑)」

――田川選手のゴールで一時は勝ち越しましたが、その後に失点し、アウェイゴールの差でルヴァンカップ敗退となりました。
「もっと矢島輝一選手と連動し、前線からの守備ではめていくことができていれば失点につながらなかったと思うので、反省しています」

――続く9月14日のJ1第26節鹿島戦でも途中出場しました。
「ルヴァンカップで出た課題の前線からの守備と、アグレッシブにプレーすることを意識してピッチに入りました。それができたシーンもありましたが、まだまだ足りないという印象のほうが強いので、練習から意識して取り組まなければいけないと感じます」

――今シーズンの東京が好調を維持している要因はどんなところだと思いますか?
「悪いときにみんなで話をして、すぐに修正できているから連敗をしない。そこが一番の理由だと思います」

――ディエゴ オリヴェイラ選手や永井謙佑選手、ジャエル選手らチームメイトであり、ライバルでもある選手を見て感じることはありますか?
「自分が学ばなければいけないものを持っているので、見ていて勉強になります。ただ、自分が試合に出るためにはどうしたらいいかというのは常々考えるようにしていますし、彼らに負けていないと思える部分もあるので、続けていくことが大事ですね」

――負けていない部分とは具体的にどこですか?
「スピードに乗りきったときの速さや、ダイナミックなプレーという点では負けていないと思います。そこを前面に出していきたいです」

――一番得意な得点パターンは?
「ルヴァンカップ準々決勝第2戦で決めたゴールは得意な形です。そこは継続しつつ、今の課題だと思っているボックス内での精度、特にフィニッシュの精度をもっと向上させたいです」

――東京に加入して半年以上が経ちました。成長しているという実感は?
「もちろんあります。加入した当初はチーム戦術のことで頭がいっぱいでしたが、今はやるべきことを理解していますし、新たな壁も見つかっています。その壁を越えることを意識してトレーニングをしています」

――来年は東京オリンピックがあります。
「もちろん目指したい気持ちはありますが、今は東京で点を取ることに集中したいというのが本音です。今はここで結果を出すことしか考えられないです」

人一倍練習をして 自信をつけたい

――チームはアウェイでの連戦を戦っています。
「もちろん疲労の蓄積など難しい部分はありますが、今のチーム状況であれば不安はあまりないし、誰も心配していないと思います」

――移動が続くことによるコンディション調整の難しさもあると思います。
「長く座っていると体が固まってしまいますし、それが翌日に響くこともある。そこは意識してストレッチしたり、散歩したりするようにしています」

――10月5日には古巣である鳥栖とのアウェイゲームがあります。
「鳥栖は思い入れのあるチームですし、一皮むけた姿を見せたいです。そのためにも練習からしっかりとやらなければいけない。生き残るために、そこは意識して取り組んでいきます。金明輝監督は僕のユース時代の恩師なので、お世話になった監督や、鳥栖のファン・サポーターに点を取って成長した姿を見せたいです」

――長谷川健太監督が就任したときに、「優勝するためには勢いをもたらすラッキーボーイが出てくることが必要だ」と話していました。田川選手にはそういう期待があると思います。
「そうですね。アウェイでの戦いが続いていますし、リーグ戦も終盤に入って何が起こるか分からない状況です。途中から出場する選手には、より試合を決定づけるプレーが求められるので、結果を残すためにも人一倍練習をして、もっと自信をつけたいです」

――自信を得るためにも得点が重要になってくると思います。
「永井選手を見ていると特にそう思います。代表活動から戻ってきたときは別人みたいでした(笑)。反復練習をこなして自信をつけて、それが得点につながり、さらに自信をつける。本当に良いサイクルだなと思います。試合の間隔が空いてくるので、そういう時間を大事にしていきたいです」

――ファン・サポーターへメッセージをお願いします。
「まだまだアウェイでの戦いが続き、ファン・サポーターのみなさんも大変だと思いますが、チーム一丸となって戦っている選手の姿を一人でも多くの方に見てもらいたいです。個人的にもゴールの喜びを分かち合いたい気持ちが、より一層強くなったので、スタジアムに応援に来てほしいと思います。これからも熱い声援をお願いします!」