3/2 福岡戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2022.3.02

3/2 福岡戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>
今シーズンの開幕戦、アルベルトーキョーの初陣はポジティブな要素が多かったが、その直後、新型コロナウイルス感染症の影響で2月20日から26日までチームとしての活動を停止。ようやく活動を再開し、3日間の準備期間で今日の福岡戦を迎えた。

未だ療養期間中の仲間たちもおり、福岡の地に乗り込んだのは特別指定1選手と2種登録2選手を含めた17名。現状で組めるベストなメンバー構成で、今シーズン2試合目のピッチに立った。

キックオフ直後に山下敬大選手が仕掛けてゴールに迫ると、その後もボールを保持して相手を押し込んでいく。ボールロスト後の攻守の切り替えも速く、ハイプレスでボールを奪い返して連続攻撃を仕掛ける。しかし、前半22分に右サイドからのクロスボールを選手間のギャップに飛び込んだ田中達也選手に合わせられて先制を許す。

反撃に出たい東京は、ボールを保持するだけでなく前線の選手にくさびのパスを入れて押し込んでいく。前半24分には右サイドで受けた紺野和也選手が大きくサイドチェンジ。相手ディフェンダーの頭上を越えたボールをアダイウトン選手がペナルティエリア内ゴール左前でコントロールするが、シュートは相手ゴールキーパーに阻まれる。

前半最大のチャンスは35分。ペナルティエリア際右寄りの位置でフリーキックを得ると、小川諒也選手が鋭いキックで直接ゴールを狙うが、クロスバーを直撃。こぼれ球を中村帆高選手が頭で合わせたが、これは相手ゴールキーパーの正面に収まった。

ギアを上げて逆転を狙う東京は、後半から強化指定の荒井悠汰選手を投入する。

後半24分には、左サイドから中央にカットインしたアダイウトン選手が相手を引き付けて右サイドへ。ボールをコントロールしながらペナルティエリアに侵入した荒井選手が積極的にゴールを狙うが枠をとらえ切れない。後半29分には山下選手が、同38分にはアダイウトン選手がゴール前でヘディングシュートのチャンスを迎えたが、どちらも相手ゴールキーパーの好守に阻まれてゴールを割れず。

相手のカウンターに対してリスク管理をしながら、ハイプレスで何度もボールを回収して分厚い攻撃を仕掛け、試合の主導権を終始握り続けた。厳しい状況の中でも、チームは自分たちが持てるものを発揮し、アルベルトーキョーのスタイルを存分に見せた。川崎フロンターレ戦からの持ち越した課題である決定力は、中3日で迎えるリーグのセレッソ大阪戦で解決したい。


[アルベル監督インタビュー] 

Q、今日の試合を振り返ってください。
A、まずは選手たちの戦った姿勢を讃えたいと思います。今日プレーした選手の中にも新型コロナウイルス感染症で陽性判定を受けて、そこから回復してきたばかりの選手も複数いました。そのような状況の中、極端な負荷をかけてこの試合に臨まなければいけなかったというのは理解してほしいと思います。今日ピッチに立った若手選手たちのプレーも讃えたいと思います。試合結果は我々が期待するものではありませんでした。そして我々はとても素晴らしい試合をしたわけでもありませんでしたが、多くの決定的なチャンスを作ったという意味でも、負けというのは決して相応しい結果ではないと思います。
そして戦術面においては、プレーが可能な選手たちを踏まえて、色々な組み合わせや立ち位置を考えて、試合中も様々なコンビネーションを考えて戦いました。通常プレーしていないポジションでプレーしなければいけなかった選手もいました。そのような状況にも関わらず、様々なポジションチェンジをしながら決定的なチャンスを複数作れていたことは称賛に値すると思います。

Q、選手に限りがある中で、青木拓矢選手が負傷交代しましたが、状態はいかがですか。
A、単純に打撲だけで、すぐに回復してくれることを願っています。精密検査を受ける予定ですが、打撲だけで済むことを願っています。

Q、試合開始から高い位置でプレッシャーをかけていましたが、開幕戦に比べるとかなり良かったのではないですか。
A、良い状態を維持できていた時間帯は、試合を我々の支配下に置くことができていました。ただ、後ろからのビルドアップのところでミスをしてしまいました。我々のミスから生まれたチャンスを生かされて失点してしまいました。その後に10分ほどドタバタしてしまう時間帯もありましたが、そこからあらためて落ち着いて試合を支配し続ける時間は長かったと思います。そして後半も多くの時間帯で試合をコントロールできていたと思います。
多くの選手にとって公式戦初出場でした。療養期間が終わってから数日間でこの試合に臨まなければいけない選手もいました。そういう意味でも、みんなにとって難しい試合だったことは理解してもらいたいと思います。ただ、そのような状況の中でも、しっかりとプレーをしてくれた選手たちは讃えられるべきだと思っています。


[選手インタビュー]
<山下敬太選手>

Q、メンバーが限られている中で、またコンビネーションにも不安がある中でどのように試合に臨みましたか。
A、90分間とおして、シュートの本数が少なく、ボールに関わるシーンも少なかったので苦しい状況ではありましたが、もっとできることはあったように思います。

Q、出身の福岡での試合事で期するものはありましたか。
A、地元の福岡という事ではあるのですが、FC東京の選手としてデビュー戦でしたし、この一戦にかける想いを持って臨んだので、勝てなかったことは残念に思っています。

Q、リーグ川崎戦も含めて、ボールは握っているが最後のところがなかなか決まらないという点についてはどうとらえていますか。
A、選手一人ひとりがゴール前でのクオリティを上げていくしかないと思っています。ポジショナルプレーでボールを大事にすることに自分たちは取り組んでいますが、その目的はゴールを決める事です。その部分にもっとフォーカスして“ゴールを取るため”にやっていかないといけないと感じています。

Q、難しい状況で試合に臨んだと思うが。このメンバーで声を掛け合ったことはありますか。
A、おっしゃる通り難しい状況での試合となりましたが、ピッチに立つ以上は、選手一人ひとりがFC東京を代表して出場しているので、言い訳にしてはいけないと思います。合わせていく時間は少なかったですが、キャンプで積み上げたものをだしていこうとメンバー全員で体現しようと話をして臨みました。

Q、特にコンディション面は難しさを感じましたか。
A、正直、体力面もコンディション面も難しかったところはありましたが、ここからメンバーも戻ってくるので、またチームとしていい方向に向かえるように全員で取り組んでいきたいです。


<紺野和也選手>

Q、今日の試合で感じた手応えはありますか。
A、ボール支配率は上回ったと思いますし、90分通してゲームは支配できていたと思います。
自分のところでも、相手をドリブルで剥がしてチャンスを作ることはできていましたが、そこでゴールやアシストという結果を残すことができないと意味がありません。
そこをもっと突き詰めていければ、もっと内容も良くなると思いますし、ゴールも入るだろうなという良い感触はあるので、ここからもっと良くしていきたいです。 

Q、サイドで起点をつくるという意識を持って、あのポジションをとっていましたか。
A、監督からの指示も『サイドに入って、良い状態で持ったらどんどん仕掛けろ』というものだったので、今コンディションも良いですし、1対1でもほぼ負けずにクロスをあげたり、シュートを打つことができていました。
ただやはり最後の部分の精度を上げて、ゴールを決めなければ意味が無いので、そこはもっと練習を積まなければいけないです。

Q、前半のアダイウトン選手につなげたサイドチェンジのパスは、カットインからのシュートを見せていたからこそ通ったボールですか。
A、カットインだったり、クロスやシュートなど選択肢を多く持ちながらプレーできていたので、ほぼほぼボールを失うことなくプレーできました。決め切るところは課題ですが、そこは良かったかなと思います。

Q、今日はサイドの髙い位置で起点を作れていたが、ポゼッションの精度があがっているという印象ですか。
A、監督の考えも後ろでずっと回すのではなく、前に早くボールをつけて、攻撃するためのポゼッションなので、その部分に関しては、周りの選手と連携をして起点を作ることができていたと思います。後は、足元でもらう時と裏に抜ける時との使い分けをうまくやっていきたいです。 

Q、開幕から2戦まだ結果が出ていませんが、そこはひとつひとつの精度を上げていくしかないというところでしょうか。
A、監督からも「このまま積み上げていければ必ず結果はついてくる。だから全員で信じてやっていこう」という話をしてくれています。
自分たちもそうだと思いますし、ここ2試合0点で、前線の選手としては悔しいですが、次の試合では絶対点を取るという気持ちでやっていきます。 

Q、中3日で迎えるセレッソ大阪戦に向けて意気込みを聞かせてください。
A、相手がどう守ってくるかということはもちろん重要ですが、自分たちのプレーだったり、立ち位置が本当に大事になってくると思います。次の試合まで準備期間は短いですが、全員でしっかりと準備をして、今日の試合よりも内容良くしていきたいと思います。


<小川諒也選手>

Q、プレーできる人数が限られている中で、久しぶりのセンターバックでの起用でした。何を意識してプレーしましたか。
A、公式戦でセンターバックをやるのはほぼ初めてでした。あまり準備をする時間はありませんでしたし、このメンバーで試合をしたこともありませんでした。そのため、試合では、声をかけあうことであったり、自分達のコンディションもあがっていなかったので、コンディションをあげることも意識しながらプレーしました。

Q、コンディションが整わない中でも、動けていたと思いますし、やろうとしてるサッカーが出来ている部分もあったと思いますがいかがでしたか。
A、今日は若手の選手も多く出場しました。その中で出来てない部分と出来た部分はありますが出来た部分も多かったですし、これからもリーグ戦でみんなが帰ってきたとしても絡めるような活躍を自分達がやれるとこを証明できたと思います。

Q、リーグ戦に続いて1点が入らなかった課題についてどう思いますか。
A、今日も川崎戦もチャンスは作れていましたし、その中で決定力をあげていかないと、いつまでも内容は良かったけど勝ちきれなかったね、という試合になってしまうので、しっかり決めるとこを決めていかないといけないと思います。

Q、フリーキックなどで惜しいシーンも演出していたと思いますがいかがでしたか。
A、全体を通してキック自体は良かったと思いますが、結局得点に繋がっていないのが現状だと思います。キックの精度をもっと高めていかなければいけません。

Q、若手の選手や初出場の選手も多くいる中で、チームをまとめていく部分でなにか声かけなどもしたのでしょうか。
A、10代の選手が多く出場したり、自分よりも若い選手が何人もいたので、積極的に声をかけていました。出来れば交代で入ってくる若い選手たちに勝ってる状態でプレーさせたかったので、そこがですが少し残念です。

Q、具体的にどのような声かけをしたのですか。
A、悠汰(荒井悠汰選手)が後半から入ってくるときに、自分のプレーをどんどん出していけと言いましたし、ドリブルが得意な選手なので、周りに気を使わずにプレーしていいぞという話をしました。

Q、アビスパ福岡のようにディフェンスを固める相手をどう崩していくかが課題だと思いますが、決め切る部分についてはいかがですか。
A、自分たちのスタイルを貫いていけば、がっちりと守備を固めてくるチームも出てくると思います。そうした相手を崩すためには、アタッキングサードでの精度をあげていかないとパスがずれたりして、ボールを取られることが多くなってしまう。ラストパスの部分を精度をあげていく必要があると思います。

Q、試合の終盤、交代選手がアタッキングサードに侵入出来ていたと思いますがいかがでしたか。
A、良い部分がたくさんあったと思いますし、ただそこからは自分たちのアイデアと連携のすり合わせだと思うので、そこがうまくいけば得点につながるかなと思います。