Q、2020年のルヴァンカップ優勝は永井選手にとっても初めてのタイトルでしたが、キャリアの大きな出来事ではないですか。
A、決勝が1月の開催で、通常だとリーグ戦が終わる前にやっていたはずが、他の公式戦が全部終わった後だったので、独特な感じはしていました。あの時期までサッカーをしたこともなかったし、年を越しているのにまだ体を動かしているということが不思議な感じでした（笑）。個人的には、肩の手術などもあって決勝に照準を合わせていたので、記憶に残っていますね。
Q、タイトルを獲った瞬間はどうでしたか。
A、気持ちよかったですね。自分が、というよりもファン・サポーターの方々がすごく喜んでくれているのを見て、周りの人の喜ぶ姿が嬉しいという感情でしたね。
Q、代表での大舞台を経験していると思いますが、そこで勝つ喜びとも違いましたか。
A、優勝ですからね。リーグ戦の1試合1試合とは違いますから。一発勝負ですし、少し独特な雰囲気というか。初めての決勝でしたし、新しい国立競技場でプレーできるというのも特別でしたね。負けたら何も残らない試合ですから、余計に勝ったことの安堵感はありました。
Q、タイトルを獲得したことで、自分の中で変化はありましたか。
A、正直、特にないですね。30歳を過ぎていたし、サッカー選手としてはある程度考え方みたいなものもできあがった状態でした。そこに向けて積み重ねてきたことがあったからタイトルを獲れたのかな、と思いました。積み重ねて、やっとここまで辿り着いたか、という感覚です。
Q、ひとつ獲ると、次のタイトルの欲も強くなりますか。
A、リーグタイトルですね。年間で頑張らないと獲れないという難しさもあるし、自分が在籍している間で2位までいけましたから。だからこそ獲りたい気持ちは強くなりますよね。
Q、ルヴァンカップでは若い選手が積極的に起用されています。そのプレーを見た印象はどうですか。
A、磐田戦をスタンドから見ていたんですけど、もっとガムシャラにやってもいいのかなと。（荒井）悠汰みたいにゴリゴリ仕掛けていくようなプレーですね。彼を見ていて、若いっていいなって思いましたね。若さって最強の武器だなって（笑）。それは周りの若い選手も持っていると思うし、生かしてほしいですね。そのアグレッシブさがある選手とない選手だと、周りの見え方も違うし、本人が得られる経験も違うので。実際には彼らとしても気持ちを出しているつもりだとも思うので、その出し方がまだカワイイのかもしれません。
Q、荒井選手くらいガムシャラに自分のプレーを出してほしいですね。
A、あらためて、悠汰っていいなーって思います（笑）。僕が彼らと同じくらいの年代の時はガンガンいっていましたし、若い時はとにかく仕掛けてばかりいました。結果を残さないと生き残れない世界という感覚があったので。今の若い世代の選手たちは、どこか待っていれば出場機会が来るような感覚でいるかもしれないですね。出場機会は掴みにいくもので、さらにそこで結果を残さないと次のチャンスはないと思います。
Q、その危機感を持つというところは、先輩が教えるものなのか、それとも若手が感じとるものなのか、どう思いますか。
A、ここ最近の若い選手というのは、自分からベテラン選手のところにいくタイプが少ないですね。歩み寄っていって初めてコミュニケーションが生まれるのにな、と感じます。僕自身が、若い選手がインパクトを残すためには積極的にやるしかないという経験をしているので、そこは遠慮なくもっとどんどん来てほしいです。もちろん、試合展開によってはアグレッシブさを出すのが難しい部分もあるとは思います。選手としては、自分も自身のパフォーマンスに集中しないといけないところもありますが、僕以外にも何かしら伝えられる経験をもっている選手がたくさんいるし、チームのことを考えたらもっと若手に積極的にきてもらって、色々なことを残せたらいいなと思います。
