4/20 名古屋戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2022.4.20

4/20 名古屋戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>
4月の過密日程で戦う7連戦の6試合目は、延期になっていたJ1リーグの第2節。昨シーズン終盤まで東京の指揮を執っていた長谷川健太元監督が率いる名古屋グランパスをホーム味の素スタジアムに迎えた。リーグ戦では2試合続けて0-0で引き分けている続く東京。勝ち切れていないことに注目されがちだが、サッカーの内容の面では確かな手応えを得ているだけに、ホームで勝点3と成長の確信を得たい一戦となった。

立ち上がりからボールを保持する東京は、速いテンポでボールを動かして相手陣内に侵入していく。前半8分にはペナルティエリア外左寄りの位置でパスを受けた永井謙佑選手がゴール右隅を狙ってカーブをかけたシュートを放つが、ランゲラック選手のファインセーブの前にネットを揺らすことができない。その後は名古屋にボールを持たれる時間帯もあったが、奪い返した後には少ないタッチでボールを動かしながら前進し、相手ゴールを狙う。前半30分には、セットプレーのチャンスでゴール前に押し込み、ペナルティエリアの外にこぼれたボールを安部柊斗選手がワンタッチで豪快に狙ったが、密集を抜けてゴールに飛んだボールはまたもランゲラック選手にセーブされた。前半40分には名古屋の一瞬の隙を突く。サイドバックが前に出た背後を狙い、小川諒也選手が縦パスを通す。反応した永井選手は一瞬のスピードを生かした反転でマーカーを置き去りにして深い位置へドリブル。ゴールライン際でマイナス方向のパスを送ったが、ニアサイドに走り込んできた松木玖生選手にはわずかに合わなかった。

攻撃姿勢を強めたい後半だが、立ち上がりの後半4分には柿谷曜一朗選手に背後のスペースをとられる。ヤクブ スウォビィク選手はペナルティエリアを飛び出したところでかわされてしまうが、柿谷選手のドリブルに合わせてペナルティエリアに戻りながら身体と腕を伸ばしてボールをかき出してピンチを免れた。ピンチの後にチャンス到来。後半8分、松木選手のワイドな展開から永井選手が右サイドのスペースを抜け出して名古屋ゴールへ。豪快なシュートは右ポストを直撃し、跳ね返ったボールをディエゴ オリヴェイラ選手が押し込んだが、このシュートもクロスバーに跳ね返されてゴールならず。その後も名古屋のペナルティエリア付近に侵入するシーンを何度も作り出したものの、なかなかフィニッシュまで持ち込めずにタイムアップを迎えた。

中2日でルヴァンカップのグループステージ第5戦を戦うと、ようやく約1週間のインターバルが空く。次のリーグ戦は4月29日に国立競技場で戦うガンバ大阪戦。3試合引き分けが続いた分も、J1リーグ初開催となる国立競技場で勝利の歓喜をファン・サポーターとともに分かち合いたい。


[アルベル監督インタビュー]

Q、今日の試合を振り返ってください。
A、名古屋のポテンシャルは試合前から分かっていました。名古屋がもう少し前から激しくプレスし続けることをイメージしていましたが、ふたを開けてみるとブロックを少し下げた形で守る展開だったと思います。
前半はスペースへの飛び出しを狙い、それが得意な選手を起用しました。そして、後半はより足元でのプレーが得意な選手を途中から投入するという狙いを持ってプレーしました。ただし、ブロックを下げて守備を固める相手に対して、なかなか攻撃できない展開が続きました。
チームは今、成長段階にいますが、そこで大きなミスをせずにボールとともに試合を支配する点には改善が見られました。ただ、我々が小さいミスをしたところから名古屋のカウンターが発動されてしまった部分は改善点として残っています。
J1リーグでは拮抗した試合が続いています。それゆえに試合の結果は細部によってどちらかのチームに転がってしまうようなところがあると思います。我々には後半、2回続けてポストに当たるというチャンスがありました。
今日、選手たちがボールとともに長い時間、試合を支配することができたことに私は満足しています。チームがスタートして3か月ほどしか経っていませんが、チームはしっかりと成長してボールとともに試合を支配するまでに成長しています。選手同士の理解も試合を重ねるごとに高まっています。そこでオートマチックに良いプレーができるようになっています。
そして選手たちは、勝負にこだわったプレーを高いレベルで披露してくれています。チームのために全員が全力を出してくれています。例えば、森重が試合終盤にとても強い痛みを抱えながらもチームのためにプレーし続けてくれたことが、チームの勝利のために全力を出す姿を象徴しています。さらに試合終盤に途中交代で出場した選手たちは、難しい時間帯での出場だったにも関わらず素晴らしいパフォーマンスを披露してくれたことを高く評価しています。

Q、名古屋がボールを持つ時間が続いたところで3人の選手を同時に交代し、流れが変わったように見えました。3人に求めた役割も教えてください。
A、明確なのは、東京は常に勝利をめざしてプレーしているということです。今日、我々は勝点1を得たことによってまだ上位に食いついています。それで満足する人もいるでしょう。しかし、我々は常に勝利をめざしてプレーしていますし、勝利できない時にはイライラするものです。
3枚の交代カードを切った際には、名古屋に試合をコントロールされていましたが、勝利するために交代し、チームは良い形でアクションをしてくれました。そして、あらためて試合を支配する展開になったと思います。
彼らに求めたことは、まずは攻撃の強度の高いプレーです。そして、勝利のために大胆なプレーをすることです。(中村)帆高の投入というのは、(小川)諒也が疲れていたこともあって、守備での貢献を求めました。三田と(山下)敬大の投入は攻撃の部分で、勝利をめざしてゴールに向かうプレーを求めました。
トータル5枚の交代カードを切ったことはリスクを伴ったと思います。そのリスクをとったために、終盤に森重が痛んだにも関わらず交代ができない状況になりました。しかし、リスクをおかさないと何も勝ちえないと思います。東京も私も臆病ではありません。

Q、後半開始直後に背後を突かれたピンチがありましたが、スウォビィク選手の好守がありました。評価をお願いします。
A、決定的なピンチがありましたが、私の記憶が正しければ、我々のミスから生まれたピンチでした。あそこでクバ(スウォビィク)が素晴らしい反応をしてくれたことは良かったです。彼らの狙い通りのカウンターかというとそうではなく、我々のミスから生まれた場面だと認識しています。


[選手インタビュー]
<木本恭生選手>

Q、ディフェンスの選手としては、3試合連続で完封している手応えがあると思いますが、チームとしては得点がとれていない現状をどのように捉えていますか。
A、結果として3試合無失点で終われていますが、やはりピンチはありますし、ゴールキーパーのビッグセーブで勝点1を拾えているのが現状なので、もっとチャンス自体を作らせないということをやっていきたいです。
点がとれていないことに関しては、前線だけの問題ではなくて、後ろからの配球がここ数試合は上手くできていないので、後ろと前の距離感やボールの質を上げていかなければいけないと思います。

Q、開幕直後はハイプレスという分かりやすいスタイルがありましたが、今はそこに色々積み上げている段階だと思いますが、その段階で課題をどう認識していますか。
A、昨シーズンまであった速攻のスタイルを出せた部分もあるので、その速攻の部分と遅攻の部分の使い分けができないとチャンスが増えていかないと思います。

Q、遅攻というのは構築に時間が掛かることだと思いますが、どういったことにトライする必要があると思いますか。
A、もっと迫力を持ってチャレンジをしたいです。裏への動きをしたり、大胆にダイレクトなパスを使ったり、もっと工夫が必要だと思います。ミスを恐れずにやったほうがいいですし、開幕の頃は自分も含めてもっとチャレンジするところがあったので、そこが必要だと思います。

Q、古巣との対戦でしたが、柿谷選手などやりづらい選手もいたと思います。あらためて対戦してみた感想はいかがでしたか。
A、ドリブルなど個人のレベルの高い選手がいますし、(柿谷)曜一朗さんやマテウスは昨シーズン一緒にプレーしていて頼もしい選手だったので、今日は苦しめられた印象があります。

Q、チャンス自体を作らせないという話がありましたが、無失点でもまだ改善点があるということでしょうか。
A、上手くディフェンスラインで連携して守れたシーンもありましたが、相手のミスがあったからボールを奪えた場面もありました。そういう意味では、無失点では終われていますが、守備のレベルをさらに上げていく必要性を感じています。


<永井謙佑選手>

Q、名古屋の長谷川監督との対戦でした。どのような心境でむかえられましたか。
A、4年間一緒に戦って、今年、対戦相手にいるという事が不思議な感覚でした。

Q、後半8分のポストに当たったプレーを振り返ってください。
A、松木選手が良いパスを出してくれて、トラップもうまくいったのでシュートまでいけたのですが、ランゲラック選手に触られてポストに当たってしまいました。

Q、3試合続けてのスコアレスドローでした。攻撃の選手としてどう受け止めていますか
A、チャンスがある中で前線の自分たちが決め切れていないので、責任を感じていますし、後ろが無失点で守ってくれているので、1点決めて良い流れを作っていければと思います。

Q、ボールを大切に繋ぐことをチームとして取り組んでいるかと思いますが、開幕の頃より迫力が欠けている印象があります。
A、得点が取れていないことが全てだと思いますし、得点が入るとテンポや流れが良くなると思うので、ゴールにこだわっていきたいと思います。

Q、今日の長谷川監督の名古屋はどう映りましたか。
A、東京のときは3-5-2はやっていなかったので、中々(言葉にすることが)難しいですが、前線には強力な2トップがいるので、そこに合わせてくるだろうなと思っていましたし、その部分をチーム全体で意思統一して臨みました。


<ヤクブ スウォビィク選手>

Q、90分振り返ってみていかがでしたか。
A、勝点3を取れた試合ですし取れなかったことはすごく残念です。簡単ではない相手で東京にも名古屋にもチャンスはありましたし引き分けは妥当な結果かなと思います。

Q、何度も危ないシーンをビッグセーブで守りましたがいかがでしたか。
A、自分の仕事はゴールを守ることですし、もちろん自分一人の力ではないですが、最後に自分が守ることで、チームが無失点で結果が出るならば、そこに全力を尽くすだけです。今日チーム全体で無失点に終われたことは非常に良かったと思います。

Q、押し込まれるシーンもありましたが集中して守りきれたと思います。試合の中でどんな声かけをしていましたか。
A、試合を通して難しいシーンが続いたこともありましたが、ディフェンスラインと全体に対してしっかり守備を構築すること、どういう守備をしたらいいかを意識して声かけをしました。
ファン・サポーターの方々が声を出して応援することが出来ないことは残念ですが、指示が聞きとりやすい環境ではあるので、集中を保ちながら良いオーガナイズができていたと思います。ただ今日引き分けに終わったことは残念です。チームとしてなんとかこの状況を乗り越え勝点3を取るためにしっかりいい準備をしていきたいです。

Q、引き分けが続いていますが次の試合に向けて意気込みをお願いします。
A、全選手が勝つことを望んでいますし、次のリーグ戦に関してはガンバ大阪という素晴らしい相手と国立競技場で自分たちのホームゲームとして試合ができるので、しっかりチーム一丸となり勝つために練習から良い準備をして勝点3をファン・サポーターに届けたいです。


<安部柊斗選手>

Q、90分振り返ってみていかがでしたか。
A、チャンスはあまり多くつくれなかったですが、そのなかで限られたチャンスを決めきれなかったことがとても悔しいです。守備の面では無失点で抑えられたのは一つの収穫になったと思います。

Q、サイドのスペースに飛び出して、打開できていた場面もあったと思います。
A、練習からスペースが空くことは監督から言われていたので意識しながらプレーしていました。ですが、走っていればチャンスになったシーンもあったので、もっと回数を増やしても良かったと思います。

Q、前節の札幌と名古屋と3バック相手でしたがいかがでしたか。
A、相手は3バックでサイドが落ちれば5枚になり、中盤が空かずなかなかブロックをこじ開けることが難しかったです。そこを3人目の動きなどを増やして、うまく打開していかなければ得点は奪えないので、練習からみんなで合わせていくしかないと思います。

Q、後半から守備をコンパクトにできていたと思います。
A、あまり崩されるシーンはなかったですが、ボールの失い方が悪く、カウンターを受ける場面が数回あったのでボールの取られ方を改善していけば良くなると思います。

Q、ボールを奪ってからの攻撃でいいシーンが何個かありました。
A、良い位置でボールを奪ってからの攻撃で確実にゴールを奪わないと厳しい展開になりますし、そこにパワーもかけているので体力的にも失う部分があります。高い位置でボールを奪ったらゴールを決めきる力を備えなければいけないと思います。

Q、次のリーグ戦は国立競技場ですがどんな準備をしたいですか。
A、3試合連続無得点なので、その鬱憤を晴らせるように、週末にはルヴァンカップもありますが、しっかりみんなで良い準備をして、国立という舞台で勝点3をとってファン・サポーターにプレゼントしたいと思います。