4/29 G大阪戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2022.4.29

4/29 G大阪戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>

This is TOKYO.

改装後の国立競技場で初めてとなるJ1リーグ開催を担った東京。数々の名勝負や記憶に残るゴールが生まれた国立の地で、新たな一歩を踏み出した。華やかな花火や炎、ライトの演出の中でピッチへと踏み入れる両チーム。強い雨に打たれるなかではあるが、新たな歴史のはじまりにふさわしい雰囲気の中でキックオフを迎えた。

雨によりスリッピーなピッチコンディションの中、お互いにボールが落ち着かずに立ち上がりは行ったり来たりの展開。お互いにゴール前まで迫る中で、東京は前半8分にアダイウトン選手が仕掛けてペナルティエリアに侵入すると、フォローに入ってきた安部柊斗選手を使うが、安部選手の狙いすましたシュートはゴール右上へと逸れた。前半35分にはワイドに揺さぶられて自陣に押し込まれると、マークがズレたところで山見大登選手にミドルシュートを打たれるが、シュートはゴール右へと外れた。東京がボールをコントロールする時間が長くなってきた前半38分、試合が動く。右からのコーナーキックを得ると、小川諒也選手がゴール前ニア寄りにボールを入れると、エンリケ トレヴィザン選手がヘディングで合わせるがポストを直撃。しかし、こぼれ球がペナルティスポットあたりに流れると、待ち構えていたアダイウトン選手が豪快にワンタッチでシュートしたボールはゴール前の密集を抜けてネットを揺らした。先制後もボールをコントロールして相手を押し込んでいくが、高い位置でボールロストをしてカウンターで逆襲を食らう場面も。前半43分には右サイドからきわどいクロスボールをゴール前に送り込まれる場面もあったが、ヤクブ スウォビィク選手とエンリケ選手が身体を張ってブロック。リードを守って試合を折り返した。

後半のスタートは東京が相手陣内でボールを動かしてG大阪ゴールに迫る。後半5分にはゴール前に押し込まれてクリアしたボールを拾ったダワン選手のシュートがクロスバーに直撃した。一方で東京も後半12分に決定的なチャンスを得る。ゆっくりとしたビルドアップから一度は右サイドに流れたボールを相手に奪われかけたものの、長友佑都選手がハイプレスでボールを奪い返すと、ボールを受けた松木玖生選手が豪快なミドルシュートを打ったが、これは相手ゴールキーパーの好守に阻まれた。良い流れを継続したい東京は、後半18分にアダイウトン選手に代えて、負傷離脱から復帰して開幕戦以来の出場となるレアンドロ選手を送り込む。この采配がピタリとハマった。交代して3分後の後半21分、ハーフライン付近でディエゴ オリヴェイラ選手が球際で相手に激しく寄せてボールを奪うと、こぼれ球を拾ったレアンドロ選手がゴールに向かってドリブルを開始。寄せてくる相手選手をはがしながらペナルティエリア付近までボールを運ぶと、味方のフリーランニングでできたスペースへとボールをコントロールして、シュートをゴール左上隅へと叩き込んで追加点を挙げた。後半31分には永井謙佑選手のハイプレスから相手ゴールキーパーとの2対1の局面でレアンドロ選手がネットを揺らしたが、VARのサポートにより永井選手のファウルの判定でノーゴール。終盤には反撃に出たG大阪に押し込まれる時間帯もあったが、守備に回った際にも最後まで集中を切らさず、無失点でタイムアップを迎えた。

国立競技場全体に強烈なインパクトを残し、東京が4試合ぶりの勝利を挙げて3連戦のスタートを切った。次節は中3日でアビスパ福岡とアウェイで対戦し、さらに中4日でホーム味の素スタジアムに戻ってサガン鳥栖と戦う。


[アルベル監督インタビュー]

Q、試合を振り返ってください。
A、前半と後半を分けて振り返る必要はないかと思います。試合全体を通じてしっかりと勝負にこだわったプレーができていたと思います。もちろん、まだボールとともに試合を支配する部分には改善点があります。けれども、良い時間帯があり、チームが成長していることをプレーで表現できていました。まだ(チームが)はじまって数か月しか経っておらず、ボールを持っている際に少し慌てている様子も見受けられました。
レアンドロの復帰によって、チームの中盤が落ち着きを取り戻すことができました。彼はクオリティの高い選手です。彼がピッチに立った時点で、その存在感は明確だったと思います。
ガンバ大阪はハイプレスをかけて我々に自由にプレーさせないことを試みていたのではないでしょうか。そのプレスを上手く打開できていた時間が多かったと思います。我々と同じように今シーズンに監督が代わり、ガンバ大阪も成長段階にあると思います。新しい監督とともにチームは成長し、より攻撃的な良いサッカーを表現できるようになるのではないかと思います。
我々は好守の切り替えは良いプレーがでてきいたかと思います。良い形で好守の切り替えをすることで、試合を支配することができていました。まだ中央でのプレーは改善点が多くあります。今日の試合には広い意味では満足しています。なぜならば、チームが成長していることをしっかりとピッチで表現してくれましたし、勝利にこだわってプレーしてくれました。今日の勝利にはとても満足しています。

今日のポジティブなポイントは、ここ国立競技場でプレーできたことです。FC東京は「東京」という名前を背負っています。このスタジアムは我々の将来の一翼を担っているのではないでしょうか。徐々にこのスタジアムでプレーする試合が増えることを願っています。多くの試合をプレーすることで、このスタジアムが我々のホームだという実感が増えてくると思います。国立競技場とともに多くの方が、FC東京を我々のクラブだと思ってくれることを願っています。

観光客が東京に戻ってきた際には、その方々にもスタジアムにお越しいただきたいと思います。FC東京の試合がこの東京という街のエンターテインメントの大きな部分を担うことを願っています。雨の中、4万人を超える多くの方にお越しいただいたことを、この場を借りて感謝の気持ちを伝えたいと思います。今日、国立競技場で行われた試合が、このクラブの将来を担う分岐点になることを願っています。もちろんプレースタイルの部分はもっと改善しなければいけません。多くの勝利をもぎとらなければいけません。クラブがより大きく成長するプロセスで、東京の中心地にあるこのスタジアムを活かすことができればと願っています。

Q、森重選手が欠場するなかでセンターバックの2選手が頑張っていました。そのエンリケ選手が試合終了間際に怪我をしたようですが、次のプランはありますか。
A、今後、別のオプションを探さなければいけません。すぐに次の試合を控えています。サッカーはこういうことが起こりえます。同じポジションの選手に怪我が連続して起こることがあります。ただ、私はそうした問題を解決するために仕事をしていますので、解決策を見つけたいと思います。なるべく早い時期に、全選手がプレー可能な状態に戻ることを願っています。

Q、プレーをするという面で国立競技場の評価を教えてください。
A、プレーするのにも良いスタジアムだと思います。陸上トラックがないことが望ましいですが、オリンピックが開催されたスタジアムはどの街でも同じ問題を抱えるものです。1992年のバルセロナオリンピックで使用したスタジアムも、長い間放置されたままです。オリンピックスタジアムというのは、良い形で上手く活用されなければいけないものです。新国立競技場を一番良い形で活用できるのはFC東京なのではないでしょうか。素晴らしい、美しいスタジアムだと思います。FC東京のホームスタジアムという実感がより湧くようなデコレーションがよりできるのであれば、よりホームスタジアムと認識することができるでしょう。ニューヨークに観光で訪れた方々は、ヤンキースの試合に訪れます。ニューヨークだけではなく、世界の大きな都市というのは同じような現象が起きるのではないでしょうか。

Q、監督がプレーの面だけでなくクラブの成長やビジョンについてもお話をされる意図はなんでしょうか。
A、私は、自分を一般的な監督だとは認識していません。FCバルセロナを離れたあと、新しいプロジェクトを立ち上げることに関わり続けてきました。新潟でも同じ形でした。私は典型的な監督ではないと自覚しています。リバプールFCの監督になりたいという野望は抱いていません。自分がいる場所で幸せに生活することだけを願っています。重要なのは自分がいた場所に何かを残すことです。例えば、FCバルセロナでアカデミーダイレクターを務めた時には、アカデミーの様々な改革をしてきました。アメリカで仕事をしている際も、新しいプロジェクトに携わり、多くのものを改革してきました。新潟でも明確にプレースタイルを変えることに携わり、それが継続されていると感じています。このクラブでも、私が去った後により大きなことが残るような仕事をしたいと思っています。クラブの改革を誰もが望んでいるのではないでしょうか。この大雨の中でも4万3千人の方がお越しくださいました。


[選手インタビュー]
<レアンドロ選手>

Q、素晴らしいゴールでした。そのシーンを振り返ってください。
A、正直なところあのシーンを明確には覚えていませんが、その前のプレーでディエゴが球際を競り合ったこぼれ球が自分のところにきました。(シュートのシーンは)ゴールが見えていたのでシュートを打って入った、という印象です。

Q、ゴールが入った後、ゴール裏に走っていって喜びを表していました。
A、長期離脱していた中で、戻ってこられて久しぶりの試合で、得点という形でチームに貢献できたところが嬉しかったですし、それをファン・サポーターの前で表現したかったのであのようなパフォーマンスになりました。

Q、ルヴァンカップ決勝に続き、国立では2試合続けてのゴールになりました。このスタジアムに対する想いなどありますか。
A、確かにこの国立の舞台は相性がいいので、この先も毎試合ホームの試合はこの国立で行えるようにお願いしようとおもいます(笑)

Q、試合前に中村フィジオセラピストとの約束をしていたかと思いますが、果たせましたね。
A、もちろん約束どおりゴールを決めることができた事は嬉しく思いますが、今日は何よりもこの悪天候の中、多くのファン・サポーターが来てくださり、そのなかでゴールを決めれた事が何よりもうれしいです。


<アダイウトン選手>

Q、どんな狙いをもって試合に入りましたか。
A、いつも一緒のことを意識していますが、1週間準備してきたことを試合でだすことです。最近ではチームとしてポゼショナルサッカーをしていくうえで、味方がどこにポジションをとるか、あるいは自分がどこにポジションをとるか考えながらプレーしています。

Q、奪ってからの速攻でいい攻撃ができていたと思います。
A、毎試合色んなことに挑戦しているなかで1試合ごとに良くなっている部分があります。そのなかで選手全員が自分たちの持っている最大限のことをした上での、良い攻撃だったと思います。

Q、チームとしてもなかなか得点が取れていない状況でした。
A、無得点が続いていたので今日得点を取ることができ勝利で終われたのでよかったです。ですが、これに満足することなく継続していきたいです。

Q、試合のなかでタフに走れていたと思います。
A、今回だけに限らず、ポジショニングの話もそうですが、チーム全体で良い動きをしています。お互いのクオリティを生かすためのサッカーをするために、背後にボールを出すことや動き出しの部分で自分はいつも通りのプレーを心掛けていのでうまくいって良かったです。

Q、次の試合に向けて意気込みをお願いします。
A、難しい試合になると思いますが練習から集中して良い取り組みをして、アウェイですが勝点3を持って帰りたいと思います。


<安部柊斗選手>

Q、久しぶりの勝利でしたが、国立競技場での試合だったことを含めて振り返ってください。
A、3試合連続でドローだった中でしたが、国立競技場でプレーするというのは自分としては非常に名誉なことでしたし、絶対に勝点3をとるということでチームとしても気持ちが入っていたので、その中で2-0で勝つことができてよかったです。

Q、内容の面でも押し込む時間が長かったり、奪われてもすぐにとり返したり、やりたいことが多くできたのではないですか。
A、今日は自分たちがボールを持つ時間が比較的長かったので、自分たちがやりたいサッカーができた部分もありましたが、まだ簡単にロングボールを蹴ってボールを失う場面もあったので、そこは逆サイドに展開するなど打開策を持つことを改善していきたいと思います。

Q、リーグ戦が10試合終わって、5勝3分2敗で4位につけています。積み上げていく段階でもこれだけ勝てていることをどう受け止めますか。
A、勝って改善していきたいですし、内容があまり良くなくても、勝点3をとれることは大事だと思うので、今後も勝ちながら改善して自分たちのサッカーを成熟させていきたいと思います。

Q、入場前に派手な演出もありました。どのような気持ちでプレーしていましたか。
A、入場の時に花火や炎が上がっていて、選手のモチベーションを引き上げてくれる演出をしてくれたので、自分たちもすごく気持ちが入りましたし、今日もたくさんのファン・サポーターの皆さんがスタジアムに来てくれていたので、コロナ以前の日常に戻りつつあるのかなと思いました。段階的にではありますが、徐々にでも声を出して応援できる日が戻ってくればいいなと思います。

Q、安部選手にとって、このスタジアムでの思い出はありますか。
A、国立競技場は今日で2試合目で、1回目はルヴァンカップの決勝だったので、優勝して良いイメージもありました。

Q、今日の勝利をどう生かしていきますか。
A、中3日で福岡とアウェイで試合があるので、今日できたこととできなかったことをしっかりとミーティングで共有して、今日よりも良いサッカーができるように準備をしていきます。

Q、他のチームは選手を入れ替えながらやっていますが、東京はメンバーを固定しているように見えます。特に中盤の3選手は非常に信頼されていると感じます。3選手のプレーについて、そして監督から要求されていることを教えてください。
A、僕と松木選手は、監督から裏に飛び出す動きだったり、インテンシティの高いプレーをしてほしいと言われています。その中でも自分たちがのびのびとプレーできているのは後ろにいる青木選手がバランスをとってくれているからです。すごく良い関係でできていますし、試合中もハーフタイムもコミュニケーションをとりながらやれています。試合を通して、アンカーとインサイドハーフの関係をもっと良くしていきたいです。


<松木玖生選手>

Q、国立という舞台で戦った90分を振り返ってください。
A、4万人を超えるファン・サポーターが来てくださって、雰囲気を含めて最高の舞台で勝利することができて率直に嬉しいです。

Q、激しく前線からの守備ができていたと思います。
A、自分たちの特徴の一つでもあるインテンシティのところで相手を上回っていたのでそこが勝因だと思います。

Q、先制点が入ってからボールをスムーズに回せていたと思います。
A、自分も徐々に慣れてきて、時間をつくることができるのがわかったので、そこは継続していきたいです。アルベル監督のサッカーを徐々に浸透させることができている印象です。

Q、奪ってからの速攻でもいい攻撃ができていたと思います。
A、ボール奪取も自分の特徴の一つですし、そこから攻撃をしてゴールに直結するプレーができればと毎回思っています。今日の試合では、得点は取れませんでしたが次も貪欲に狙っていきたいです。

Q、勝点3をとりましたが次の試合に向けて意気込みをお願いします。
A、ここから連戦が続きます。自分が思っている以上に疲労感はあると思いますし、しっかり体のケアをして次に備えて頑張りたいと思います。