INTERVIEW2022.6.25

6/26 鳥栖戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

<マッチプレビュー>
いよいよJ1リーグは年間34試合を折り返し、後半戦に突入する。そんなタイミングで、東京はまた、進化の道程で試練に直面している。今回、J1リーグ後半戦の最初の一戦は、その試練を乗り越えるためのヒントを得るにはもってこいの相手との対戦だ。

東京は前半戦の終盤、清水エスパルスと鹿島アントラーズに連勝し、またどちらも内容面で大きな成長の手応えを得た。しかし、前半戦を締めくくる湘南ベルマーレとの一戦では、相手のプレスと素早い守備への切り替えの前に攻め手を見出せず、4試合ぶりに勝点を落とした。

そして、湘南戦から中3日で迎えた天皇杯3回戦では、V・ファーレン長崎を相手に2-2で延長となり、延長前半に決勝点を決められて大会の敗退が決まった。長崎もまた、前線からのプレスこそ強度は高くなかったものの、守備を整えるスピードが速く中央に人数をかけて堅牢な守備ブロックを構築。一方、東京はボールを保持しながらも、勝利に繋がるゴールを奪うことができなかった。

さらに中3日で迎える今回の一戦は、サガン鳥栖が相手だ。前半戦の対戦時にも触れたとおり、ここ数シーズン、東京は鳥栖を苦手としている。2019シーズン以来、リーグ戦では6連敗中という戦績だ。今シーズンの前半戦の対戦では、東京の決定機が2度もポストに当たるなかで、フリーキックで失った1点を追い付けなかった。

鳥栖もまた湘南と同様に前線からボールサイドに厳しく寄せてくる強度の高さが特徴だ。前半戦の戦いでも、マンツーマン気味に選手が捕まえられてビルドアップが上手くできずにボールを失い、ショートカウンターで後方からどんどん選手が飛び出してくる鳥栖のダイナミックな攻撃に押し込まれる場面があった。

逆に言えば、人を捕まえに来る相手に対して、数的優位の局面を作ってボールを動かしてはがしていき、ボールを保持する時間を伸ばしていくことができれば、同様の戦い方をしてくるチームへの対策は大きく進めていける。成長のためにはチャレンジも必要だ。苦手とする鳥栖を相手に、ハイプレスにも動じないビルドアップの形を見出したい。

そして何より、移籍前の最後の試合となる小川諒也選手を勝利で送り出したい。


[アルベル監督インタビュー]

Q、鳥栖戦はフレッシュな選手を連れていきますか。
A、3試合4試合5試合と試合が続く場合はコンディションを優先する選手選考が出てくるかもしれないですが、3試合連続はそこまで重要視しなくても大丈夫です。4試合5試合と2週間連続で平日開催がある場合は過密なスケジュールになるので、コンディションを考えての選手起用が大事になります。

Q、鳥栖戦は良い状態で臨めそうですか。
A、先日延長戦があったことは考慮しなければいけません。延長戦を戦って極端に疲労が残る選手もいるのでそこは考慮しています。ただ、延長戦をしてもコンディションを維持できている選手もいるのでそれは個別で対応します。センターバックのポジションに怪我人がでたので、デリケートな形で選手選考をしなければいけません。いずれにせよ良いメンバーで試合に臨めることには間違いありません。

Q、小川選手のラストマッチですが、どんなプレーを期待していますか。
A、彼はフィジカルコンディションの良い選手の一人です。彼とはシーズンが始まる前に話しましたが、ヨーロッパに行きたいという希望を常に強く持っていました。それならば少なくとも半年間の夏までは私とともにヨーロッパのスタイルのサッカーを学んで良い準備をし、ヨーロッパに挑戦するのはどうかと言っていました。そのような流れになったのでそういう意味では彼が向こうで活躍してくれることを願っています。彼が行くリーグはヨーロッパのなかでは中堅だと思います。そういう意味でもそこでしっかり活躍して次のステップに、本来のヨーロッパにステップアップできることを願っています。(小川)諒也のこの半年間のプロフェッショナルな行動、そしてプレー、パフォーマンスには満足していますし彼の今後の更なる活躍を期待しています。

Q、湘南戦と天皇杯の長崎戦に負け、鳥栖戦は重要な試合になると思いますが、選手たちに求めることはなんですか。
A、湘南戦は今シーズンにおいて最も内容の悪い試合だったと思います。それは当然起こりうることで、それが湘南戦で起こったというそれ以上でもそれ以下でもありません。一方で天皇杯の長崎戦は良い試合をしたと私は評価しています。当然試合結果のみに注目する人々が多いのは私も理解しています。ですが私は別の部分を見ています。試合結果だけでない部分にしっかりフォーカスする役割を私は担っているわけです。長崎戦においては120分を通して明確に我々のほうがプレー内容でもチャンスの数でも上回っていたと思います。ただ、サッカーではあのような試合展開が起こりうるものです。相手チームが数少ないチャンスを全て決めて試合に勝つということです。ただ、リーグ戦のような長い戦いではコンスタントに良いプレーをするチームが上に行くと思います。我々がいま求めているのはコンスタントに良い結果をもたらすプレースタイルの構築です。つまり、リーグ戦という長い戦いにおいて継続的に良い成績を残すための戦いです。カップ戦で良い結果を残すためのプレーではありません。当然、長崎は彼らの形で勝利を収めたと思いますが、一方で負けはしましたが私はあの試合での選手たちのパフォーマンスにはとても満足しています。明日はまた別の戦いとして難しい試合が待っていますが良い形で勝点をもぎ取りたいと思います。

Q、リーグの後半戦が始まり一回対戦した相手と試合をしていくわけですが、初めて対戦した前半戦となにか戦い方は変えますか。
A、もちろん1試合戦っているということで影響はあります。ただ、前回の鳥栖戦からかなり時間が空いていますし、その間に色々なことが起こりうるのがサッカーです。ここ最近の傾向や調子というのもあるので、影響はしますがそれほどではありません。我々のチームも成長しています。そういう意味ではその成長を踏まえたうえでのプレー内容が重要ですし、同時に試合結果というのも重要です。ただ、試合結果というのは我々のプレー内容だけで決まるわけではなく、色々な要素によって試合の結果が決まるので、試合結果に関しては我々だけでコントロールできるものでもないのです。今まだチームは成長段階ゆえに常に継続的に自分たちのプレースタイルを表現し、良い形で試合を決められる状況にいるかというとそこまで安定した状態にはたどり着けていません。我々の選手個人のミスが試合結果に及ぼすこともあるでしょう。一方で試合内容がチームとして悪いといえ、個の選手の一つのアクションが試合を勝たせることがありうるのがサッカーです。そのような一つのアクションが試合の流れを決め、試合展開が大きく変わるのも試合では起こりうるので、それに我々は適応して戦わなければいけません。
チームは良い方向に成長していますし試合を重ねるごとに試合内容は良くなっていると思います。ただ、安定しているかというとまだそこには辿り着けていません。常に複数得点をして相手を上回れる状況かというと決してそこのレベルには達していないと思います。そういう意味でも1試合というものに限ればまだ何が起こるか我々では十分コントロールできていない状況かと思います。いま成長の第2のフェーズにいてチームはまだ不安定な状態かと思います。チームは成長段階でまだ不安定な状況ゆえにそのなかでもより良い試合結果を継続的に勝ち取るためには、選手たちにも伝えましたがしっかりと集中してインテンシティの高いプレーを継続的に続けることが成長の第2フェーズでも多くの勝点をとることに繋がると思います。


[選手インタビュー
<青木拓矢選手>

Q、天皇杯は均衡した戦いで長崎に敗れてしまい、残るはリーグ戦になりました。
A、ACLに行けるチャンスでもあった大会だったので本当に残念ですが気持ちを切り替えてやっていくしかないです。

Q、新しいサッカーをめざすなかで、ボールを保持し攻撃を構築していく部分でできてきている感触もあると思うのですが、青木選手はどのように感じていますか。
A、もっとアタッキングゾーンまで運ぶバリエーションを増やしていきたいですし、もっとボールをスムーズに動かしていきたいと思っています。

Q、青木選手から見て新しいスタイルで次のスタップにいくためにどのようなプレーが今後大事になってくると思いますか。
A、一人ひとりがゲームを作る意識を持ち、試合のなかでどこからでもゲームメイクできればさらに良くなると思います。使われる選手、使う選手がいますが、全員が両方できるようになればいいと思います。

Q、鳥栖はどんな印象を持っていますか。
A、若い選手が多く走れてハードワークをしてくる印象です。連戦ですが僕らも負けないように、ここ2試合不甲斐ない試合をしてしまっているのでアグレッシブさをもっと出していかなければいけないと思います。

Q、勝利への鍵は何ですか。
A、まずはアグレッシブにプレーして、走り、戦うというところです。湘南戦はそこでやられてしまったので、その部分を出していかなければいけないと思っています。

Q、チームとして個人としての意気込みをお願いします。
A、ここからリーグ後半戦でまだまだ上に行くチャンスはありますし、一試合一試合勝てるように気持ちの面でも準備して戦っていきたいと思います。


<小川諒也選手>

Q、FC東京でのラストマッチになりますが実感はありますか 
A、実感はまだないです 

Q、左サイドバックとしてプレーをし続けてきたわけですがポルトガルに行ったら東京での経験どう活かしていきたいですか。 
A、東京のエンブレムを背負い多くの試合に出場し経験させてもらえたことが財産ですし、それだけ東京で試合に出場させてもらえたこと自信をもます向こうでも自信をもってプレーしたいと思います。 

Q、活躍するイメージはもう湧いてきていますか。 
A、そうですね。自信をもっていますし、活躍するつもりで行くのでイメージはできています 

Q、言語の壁も出てくるかと思いますがどう乗り越えていきますか。 
A、最初は大変だと思いますが、そこは前向きやっていきたいです。そもそも自分はナイーブになるタイプではないですが、色々とジェスチャーも使いながら、とにかく明るく接することで向こうもどういう人なのか分かると思いますし、ポルトガルに行って徐々に慣れていくことが大事だと思います。 

Q、鳥栖戦はどんな気持ちで臨みたいですか。 
A、ここ数試合、ファン・サポーターのみなさんも納得していない結果が続いているので、最後は絶対に勝って終わりたいです。 

Q、得点やアシストも狙っていますか。 
A、狙っていますが、一番はチームが試合に勝利することなので、とにかく決めるのは誰でも良いので得点を奪って勝利できればと思います。 

Q、ラストマッチに向けた意気込みをお願いします。 
A、本当に東京での最後の試合になるので、自分にとっては特別な試合になると思いますし、すごく気持ちの入った試合になると思います。必ず勝ちという結果を求めてプレーしたいです。 

Qこれまで支えてきてもらった東京のスタッフや関係者、ファン・サポーターに向けてメッセージをお願いします。 
A、7シーズン自分がこうやって海外に呼んでもらえるまでのレベルに成長できたのは100パーセント東京のおかげですし、18歳の時に東京に入ることを決めたことに間違いはなかったです。本当に感謝していますし、その感謝を最後の試合で勝利という形で少しでも恩返したいと思います。 

小川諒也選手の東京での歩みを辿るコラム
「心優しきGentleman Boy」(馬場康平/サッカーライター)

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