10/8 湘南戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2022.10.08

10/8 湘南戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>
今シーズンもラスト4試合となった。京都サンガF.C.と鹿島アントラーズに連勝した東京は6位に順位を上げ、中3日でのホーム連戦に突入。今節は湘南ベルマーレと戦った。前半戦最後の一戦で対戦した際には敗れており、ホームで迎える今節は約4か月でチームが積み上げてきたものを発揮し、成長の足跡をしっかりと証明したい一戦となった。

東京は、代表活動の疲労を考慮して前節の鹿島戦でベンチスタートとなった長友佑都選手をスタメンで起用。前節の試合でクラブのJ1リーグ通算1000ゴール前をマークした安部柊斗選手もスタメンに戻った。

1st HALF-ボールを保持しながらもフィニッシュまで持ち込めず
立ち上がりは湘南の攻守の切り替えが速く、奪ったボールを素早く前線に運ばれ、東京の守備陣形が整う前にフィニッシュまで持ち込まれる。前半9分には自陣ペナルティエリア右角でフリーキックを与えると、ゴール右隅を狙ったシュートを打たれるが、これはわずかにゴールの右側へと外れた。

前半の10分を過ぎてからは東京がボールを保持し、ワイドにボールを動かしながら徐々に相手を押し込んでいく。サイドを起点にボールを相手陣内深い位置まで運んでいくが、クロスボールやくさびのパスがなかなか合わず、上手くフィニッシュまではもちこむことが できない。一方でポゼッションでの打開にこだわらず、相手の反撃を高い位置で潰し、カウンターで相手の守備が整う前に攻め切ろうとするが、それでもフィニッシュの一手前のパスが合わずにシュートを打ち切ることができない。

なかなかチャンスを作れない中で、前半23分にはバングーナガンデ佳史扶選手が左サイドの相手陣内深くまでボールを持ちこみ、マイナス方向のクロスボールを入れる。ゴール前に飛び込んできたディエゴ オリヴェイラ選手と塚川孝輝選手には合わずにペナルティエリアの外へとボールがこぼれたが、そこに飛び込んできたレアンドロ選手がワンタッチで強烈なシュート。相手ディフェンダーにブロックされたが、ようやく相手を揺さぶってチャンスを作り出した。

前半31分には森重真人選手が自陣から相手守備陣の背後にミドルパスを通し、渡邊凌磨選手が抜け出してペナルティエリア内へ。ゴールを横切るパスを送ったが、右サイドでゴール前に飛び込んできた安部選手が合わせたがミートし切れず。渡邊選手がわずかに早く飛び出し、オフサイドと判定された。

相手のカウンターに対しては、攻守の切り替えをスピードアップし、かつボールホルダーにも早く厳しく寄せることで序盤ほど機能させない守備を展開。押し込まれても揺さぶりに粘り強くついていき、決定的なチャンスを与えずに試合を折り返した。

2nd HALF-立ち上がりのチャンスを決め切れず終盤に失点
後半立ち上がり、2分に相手ゴール前でフリーキックのチャンスを得る。レアンドロ選手がゴールに向かう鋭いボールを入れると、飛び出した渡邊選手が頭で合わせたが、相手ゴールキーパーにブロックされた。

お互いに前半よりもパスワークやプレッシャーのテンポが速くなる中、東京は慌てずにボールを保持して、機を見てスピードアップして相手ゴールをめざす。後半10分にはペナルティエリアの左のエリアでスイッチしながら塚川選手がボールをゴールライン際まで持ち出してゴール前にクロスを入れる。待ち受けていたディエゴ選手がヘディングで合わせたが、ミートし切れずゴール右へと逸れた。

後半13分には左からのコーナーキックをニアサイドで森重選手が頭で合わせる。完全にマーカーを振り切ってシュートまで持ち込めたが、ボールはゴールの上をかすめるように外れていった。

後半も半分が過ぎてくると、お互いに陣形が少しずつ間延びしていき、スペースを素早く使って攻撃するオープンな展開になる。東京も自陣内にスペースができてきたところで一瞬の隙を突かれる。後半33分、阿部選手がボールを持つと、ワンフェイトでかわされてミドルシュートを許すと、ゴール左隅に流れて先制を許した。

後半37分、反撃に出たい東京は相手陣内の狭いエリアでショートパスをつないで打開しようとするが、ボールロストしてカウンターを受ける。右サイドを突破しようとする町野選手を止められず、ゴール前まで侵入されると、1対1の場面をゴールに流し込まれてリードを広げられた。

交代で入った選手を中心に攻撃のギアを上げて相手ゴールに迫ったが、ゴールをこじ開けることができず。後半立ち上がりのチャンスを決め切れなかったことが響き、3連勝を逃してしまった。

MATCH DETAILS
<FC東京>
STARTING Ⅺ
GKヤクブ スウォビィク
DF長友佑都(後半38分:中村帆高)/木本恭生/森重真人/バングーナガンデ佳史扶
MF安部柊斗(後半38分:紺野和也)/東慶悟/塚川孝輝(後半28分:松木玖生)
FW渡邊凌磨/ディエゴ オリヴェイラ(後半22分:ルイス フェリッピ)/レアンドロ(後半28分:アダイウトン)

SUBS
GK波多野豪
DF木村誠二

GOAL

<湘南ベルマーレ>
STARTING Ⅺ
GK谷晃生
DF舘幸希/山本脩斗/杉岡大暉
MF石原広教/池田昌生(後半13分:/町野修斗)/茨田陽生(後半41分:山田直輝)/平岡大陽(後半13分:瀬川祐輔)/中野嘉大
FWウェリントン(後半41分:米本拓司)/タリク(後半31分:阿部浩之)

SUBS
GK立川小太郎
DF福島隼斗

GOAL
後半33分:阿部/後半37分:町野


[アルベル監督インタビュー]

Q、試合を振り返ってください。
A、今日の試合が難しいものになることは分かっていました。モチベーションの部分で懸念していましたが、選手はしっかりと戦う姿勢を持って今日の試合に臨んでくれました。
戦術面について、最初の10分間は、ボールを保持して試合をコントロールすることができませんでした。湘南はボールをもたせると素晴らしいチームだと思います。開始10分が過ぎたあとからは、しっかりとボールとともに試合を支配することができたと思います。対戦相手の湘南も、東京も、おそらくこの試合が先制点が重要になるのではないか、ということは分かっていたと思います。
後半はしっかりとボールを保持して、試合を支配できていました。ただ、そこでしっかりと決め切ることができず、後半ラスト10分から15分くらいのオープンな展開になってきた時にスコアレスで試合が進んでしまうと、どちらかがゴールを決めて試合が決定してしまうところがあります。
鹿島アントラーズ戦では、それが我々であって、素晴らしいゴールで勝つことができました。ただ、今回の試合は、ゴールから遠く離れていた位置からのシュートだったので危険はないように思えましたが、湘南のシュートが入ってしまいました。最後の10分から15分のところで先制されてしまうと、相手も守りに入ってしまうため、そこから追い付き逆転することは難しくなります。
今週、チームは素晴らしいトレーニングをして、モチベーションも問題なくしっかり戦う姿勢を持って臨んでくれたと思います。サッカーの面でいうと、前半から積極的に先制点を狙いにいって、後半の残り10分15分までに試合を決めていくことに挑戦しなければいけません。ただ、そうするには試合開始直後から相手を支配して、決定的なチャンスを作っていかなければいけないのですが、まだそのレベルには達していないと思います。立ち上がりから試合を支配できないと、試合はスコアレスでオープンな展開になっていって、どちらにもチャンスがあるような状態になると先制点が勝敗を決する大きな鍵になってしまいます。
もう一度言いたいのは、選手たちの戦う姿勢というのは誰にも批判できないと思いますし、私自身も何の疑いも持っていません。ただ、サッカーの面ではもっと向上していかなければいけません。湘南が良かった、我々が悪かった、という話ではなく、どのチームにも起こりえることです。湘南の幸運を祈っています。我々は、次のセレッソ大阪戦がすぐにやってくるので、そこに向かって集中して準備を進めていきたいと思います。

Q、湘南は相手を見ながらポジションをとるサッカーに取り組んでいますが、そのクオリティについてはどう思われましたか。
A、湘南は、鳥栖のように素晴らしいチームだと思います。ただ先制点をとられた時に、相手に引き込まれてから攻撃をされるとより難しくなってくると思います。それが今の順位にいる理由ではないかと思います。
守備の部分でいうと、ディフェンスラインをすごくコンパクトに保って、ハイプレスとミドルプレスをうまく使い分けることで相手を混乱に陥れ、先制できたら全員でブロックを下げて守るというスタイルが明確なチームです。
自分たちにフォーカスすると、東京がこれからめざしていかなければいけないのは、前半のうちに先制点を決めて試合を終わらせにかかる、というメンタリティです。特に今シーズン、J1リーグはレベルが拮抗しています。データにも出ていますが、我々が先制した試合は100%勝っています。拮抗したリーグでは、先制点を決めたチームが優位に試合を進めることができると言っていいと思います。特にホームゲームでは、前半から攻撃的に出て先制点をとりにいくメンタリティが必要だと思います。前半から貪欲にゴールを狙って、もっと攻撃的になっていくということです。


[選手インタビュー]
<塚川孝輝選手>

Q、試合を振り返ってみていかがですか。
A、相手に意地を見せられたなと思います。相手は決められるところを決めて、僕たちは決めきれませんでした。ただ悪くはなかったと思います。最後の局面で決めきれるか、そのようなところがサッカーの勝敗にはあると思うのでこだわらなければいけません。

Q、中央突破ができなかったり裏に抜けてもゴールに行けないプレーがあったように思います。
A、裏も抜けて通っていましたし悲観するほどではないと思います。前半の初めは相手がマンツーマンで圧が想像以上にあり、目が慣れていないと感じました。改善しないといけない部分ではありますが、見えてくるようになったら食いついた後に裏がとれていたりしていました。中央で相手を剥がせていないわけでもなかったので、クオリティを上げてその回数を増やしていきたいと思います。

Q、今日の課題はそのようなプレーの量より質だと感じますか。
A、そうですね。質は常に大事ですしチームとして持っておかなければならないところだと思います。


<木本恭生選手>

Q、試合を振り返って湘南はいかがでしたか。
A、相手は残留争いをしているなかで勢いよくきましたし、相手のペースでやらせてしまったと思います。最後はオープンな展開から失点してしまい、自分たちの思い描いた展開ではなかったです。

Q、ボールを持ったときにボールの出しどころがなかったので、前線から守備にくる分、相手の背後が空いていてそこに蹴るのも1つの選択しだったと思います。
A、相手は前線から来ていたので、背後のところはもちろんチャンスをつくるうえで大事だったと思います。ですが、ロングボールだけになってはいけないと思っていたので、そこのロングボールとショートパスの使い分けがやはり今年すごく難しく、今日も振り返ってみると難しかった印象があります。何が正解だったかと考えていますが、(現時点では)見つからないと言いますか、相手のプレスが良かったので、それを崩していくのがこれからの課題です。

Q、我慢している場面もあるなかで2失点してしましました。
A、上の順位にいくためには、そこでも耐えることが必要だと思います。前半で失点しなかったことは非常に良かったですが、最後の時間帯で失点してしまったのは上位行くためには足りない部分かと思います。


<ディエゴ オリヴェイラ選手>

Q、今日の試合を振り返ってください。
A、非常に難しい試合でした。相手はコンパクトに守備をしてきた中で、前に長いボールを入れてきて、我々のミスを誘うという戦い方で点を取ることを狙ってきたと思います。その中で後半失点をしてしまい、そこからは相手のやりたいような試合になってしまいました。誰のせいというわけではなく、自分たちが望んでいない結果で終わってしまったことがとても残念です。

Q、ディエゴ選手に良いボールが来なかったようにみえました。チームとしての反省点はどこにありますか。
A、相手は5バックのようなシステムで高いラインを敷いてきたというところで、攻撃に難しさがあるのは当然でしたし、その中でも自分たちが対策を試合中で見つけて、しっかりシュートまでつなげていかないといけないと思っています。今日の反省を生かして今後の試合に臨んでいきたいと思います。

Q、 内容より勝ちが欲しかった試合でしたか。
A、サッカーですので、結果が一番大事というのは理解していますし、今日の難しい試合のなかで勝つことができなかったのは反省の一つではあります。ただ、結果にこだわっていた中で勝つことができなかったことで顔を下げるのではなくて、水曜日の試合に向けてしっかりやり直して、たとえ難しい試合でもホームでファン・サポーターと一緒に戦えるので、しっかりと準備をしていきたいと思います。

Q、セレッソ戦をどのようなゲームにしていきたいですか。
A、勝つサッカーをめざしていきます。誰が出ようとも出た選手が必死に走り、戦う。そのような姿を見せていきたいと思います。


<渡邊凌磨選手>

Q、悔しい結果になりましたが試合を振り返ってください。
A、前半の立ち上がりと後半の立ち上がりで決めるべきところを決めたり、自分たちがやるべきことちゃんとできていれば、こんな苦しい展開にはならなかったと思います。そこはまだまだ自分たちに足りていない部分だと思います。

Q、相手の背後を狙うという打開策が見つかっていたように感じました。
A、それも凄い苦し紛れという印象がありました。センターバックからのビルドアップの時に、どこに立ち位置をとれば良いのかが90分の間に見つけることができなかったことは個人的な反省点でした。またこれから今日の試合を映像で見て、反省をして次の試合に活かさなければいけないです。


<森重真人選手>

Q、前半かなり相手の圧を受けたなかで打開策などどう考えていましたか。
A、もう少し前線から守備をして相手からボールを奪う回数を増やしていきたかったのが前半終わってみての印象です。

Q、後半盛り返してきたなかで、ディエゴ選手が交代で変わって、前線の動きが少なくなった形だったと思います。
A、ディエゴの(交代の)ところと相手が交代で入ってきて、もう一度前線から守備に来られたときに、パスの出しどころがないというのが続きました。自分たちがもっと前からプレスにいってボールを奪いたい気持ちはありましたが、上手く連動してできなかったですし、なかなかパスの出しどころがなかったのが後半の印象です。 

Q、また中3日でC大阪戦ですがいかがですか。
A、すぐに試合がくるのので、攻守においてもっとアグレッシブにできると思うので、もう一度みんなで話し合いをしてまた、良い姿をファン・サポーターのみなさんに見せたいです。