10/29 名古屋戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2022.10.29

10/29 名古屋戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>
約3週間の中断を挟んでの戦いとなった今節は、昨シーズンまでFC東京を率いていた長谷川健太監督が指揮を執る名古屋グランパスとの対戦となった。12日にホームでセレッソ大阪を4-0で下した勢いそのままに連勝をめざしてキックオフを迎えた。

1st HALF-ボールは握るも主導権は握りきれず
立ち上がりはこの試合がホーム最終戦となる名古屋の鋭い出足に押し込まれる。3分にはいきなりピンチが到来。右サイドからのFKを大外で藤井陽也選手に折り返されるとフリーで待っていたのは、この夏まで青赤のユニフォームを来て一緒に戦っていた永井謙佑選手。ただ、枠を捉えた強烈なシュートをGKヤクブ スウォビィク選手が素晴らしい反応でかき出し決定機を阻止した。

10分に今度は左サイド深くでFKを与えてしまう。永木亮太選手が右足で入れたボールをニアでそらされると、ゴール前で酒井宣福選手に押し込まれ、立ち上がりにビハインドを負う展開となってしまった。

ようやく東京の攻撃にリズムが出てきたのは20分を過ぎた頃から。敵陣でボールを動かせる時間が長くなり、シュートで終わるシーンも増えていく。24分には中盤でのパスカットからレアンドロ選手が右足を振り抜けば、28分にはカウンターから渡邊凌磨選手と東慶悟選手が立て続けにシュート。名古屋ゴールに迫る。

それでも1点が遠く、リードを許して折り返しを迎えた。

2nd HALF-同点に追いつくも一瞬の隙を突かれ敗戦
両チームとも選手交代なしでスタートした後半。東京はスムーズにボールとともに前進することができ、攻撃にリズムとテンポが生まれる。その流れでいきなりゴールネットを揺らす。後半4分、左サイドでバングナーガンデ佳史扶選手と松木玖生選手が絡みながらクロス。一度はクリアされるが、セカンドボールを拾った木本恭生選手が巧みなコントロールから右足を振り抜くと、豪快にゴール右上隅に突き刺さった。

同点ゴールをきっかけに圧倒的に攻め込んでいく東京。選手同士の距離感がよくショートパスをつないでいき、失っても素早い切り替えからすぐに奪い返し二次攻撃、三次攻撃に転じていった。

ところが、逆転ゴールの雰囲気が高まってきていた中で一瞬の隙を見せてしまう。後半24分に左サイドでFKを与え、素早いリスタートを許してしまう。森下龍矢選手の低くて速いクロスはGKヤクブ スウォビィク選手が弾くが、詰めていた永井謙佑選手に押し込まれ、再び勝ち越し点を奪われてしまった。

何とかまずは同点、そして逆転に持ち込みたい東京はアダイウトン選手と安部柊斗選手を送り出す。しかし、中央を固めてくる名古屋の守備ブロックは堅くチャンスを作り切れない。我慢の時間が長くなっていった。

結局、2度目の同点ゴールを生むことはできずタイムアップ。連勝は飾れず、次節はホームでの最終節にリーグ3連覇の可能性を残す川崎フロンターレを迎えての多摩川クラシコを戦う。

MATCH DETAILS
<FC東京>
STARTING Ⅺ
GKヤクブスウォビィク
DF 長友佑都(後半42分: 中村帆高)/木本恭生/森重真人/バングーナガンデ佳史扶
MF 塚川孝輝(後半30分:安部柊斗)/東慶悟/松木玖生(後半42分: 三田啓貴)
FW 渡邊凌磨(後半30分: アダイウトン)/ルイスフェリッピ/レアンドロ(後半17分:紺野和也)

SUBS
GK 波多野豪
DF /木村誠二

GOAL
後半4分木本恭生

<名古屋グランパス>
STARTING Ⅺ
GK ランゲラック
DF 丸山祐市/藤井陽也/中谷進之介
MF 相馬勇紀/森下龍矢(後半26分: 宮原和也)/稲垣祥/永木亮太(後半44分: 仙頭啓矢)
FW 酒井宣福(後半11分:重廣卓也)/永井謙佑(後半26分: レオナルド)/マテウスカストロ(後半44分: レオシルバ)

SUBS
GK 武田洋平
DF チアゴ 

GOAL
前半10分酒井宣福
後半24分永井謙佑


[アルベル監督インタビュー]

Q、試合を振り返ってください。
A、選手たちにも伝えましたが、彼らの今日のプレーを誇りに思っています。よいプレーとともに90分間勝利をめざしてプレーしていた姿をご覧頂いたと思います。当然、試合結果には満足していませんし、細かいところでセットプレーから2失点してしまった部分は改善の余地があります。ただ、サッカーのクオリティでは相手を明確に上回ることができていたと思います。チームが、そしてクラブがめざしている方向性、スタイルを明確に選手たちは表現してくれていたと思います。時間が経つごとに試合を重ねるごとに選手たちは相手を押し込んで、冷静にプレーできるようになってきています。それが私の理解の仕方、解釈の形です。賢いプレーを選手たちに求め、難しい課題を与え、打開することによって選手が成長していく。それが私の解釈です。

当然、試合結果が一番大事なことだとは理解しています。けれども、このチームの監督として8か月経ったいま、選手たちがこのような高いレベルを素晴らしいスタジアムで表現できるところまで辿り着いたことを心から誇りに感じます。

試合結果は、我々ではコントロールできない要素によって決まるところもあります。けれども、監督としてチームがよい方向に進んでいるかどうかを冷静に分析、判断しないといけません。その視点から見ると、チームはよい方向に進んでいることを証明した試合だったと思います。FC東京は背負う名前ゆえにより攻撃的なサッカーをより魅力的な試合をすることが要求されているクラブだと思いますし、我々はいまそれをめざしています。ホームであれアウェイであれ、我々はそういうプレーを表現する立ち位置に行くと思います。そのように取り組むことが私のサッカーの解釈の仕方であり、人生の解釈の仕方でもあります。

Q、最後、アタッキングサードを崩すために必要だと感じていることは何でしょうか。
A、今日、相手チームは9人がペナルティーエリア内に入って守備をしてきました。そのチームに我々は攻撃をしないといけなかった状況だったことは理解しないといけません。相手が守備を固めてきている展開で多くのチャンスを作れていたと思います。相手チームは少ないチャンスしか作れていませんでした。攻撃に関してはしっかりとよい攻撃をしていた時間帯が多かったです。チャンスを作れていたという感覚が大事だと思います。私はチームがよい攻撃をしていたという感覚ともにこの試合を終えました。

立ち上がりの10分、15分のプレーはまだ改善の余地があるプレーが多かったと思います。ただ、シーズンを振り返った場合、開幕戦から今日までチームが大きく変化したことは見受けられたと思います。変化はありましたでしょうか?ホームでの名古屋戦を思い出してほしいです。あの試合では試合を支配できていなかったでが、今日はアウェイで明確に相手を上回る形で支配出来ていたと思います。試合には負けました。でも、よい方向に進んでいないかと言えば、そうではなく、逆によい方向に進んでいることが明確になった今日の試合だったと思います。順位表を見れば、決して悪くない順位にいます。来週、川崎フロンターレ戦が残っています。そこでも今日のようなプレーを表現して、勝利を収めたいと思います。われわれのスタイルを表現しながら勝利をめざしたいと思います。


[選手インタビュー]
<木本恭生選手>

Q、悔しい敗戦でした。
A、先制をされる前にも決定機をつくられていて、前半のセットプレーから失点してしまうと難しい試合になってしまいます。

Q、そのなかでも同点ゴールをとりました。
A、1点を取れば逆転できると思っていたので、思い切って打ったシュートが入ってよかったです。

Q、一番決められたくない選手、永井選手に決められてしまいました。
A、流れのなかではやらせていなかったと思いますが、セットプレーで自分たちが足を止めてしまって、集中力を欠いてしまいました。ああいった場面で失点をしてしまうと負けてしまうのがJ1リーグです。

Q、豊田スタジアムでの試合はいかがでしたか。
A、多くの人が来場していていい雰囲気でしたし、やりやすい環境でした。ただ、負けたくないという気持ちが強く、順位としても上をめざせる状況で、今シーズンは「ここで勝てば」というところでなかなか勝てないもどかしさというか、自分たちの力のなさを痛感しています。こういうところで勝てないと上にいけないと思いますし、来シーズンに活かしていきたいと思います。

Q、先制されたことで相手に引かれてしまいました。引かれた相手をどう崩していくべきでしょうか。
A、ボールを保持するチームとしてぶつかる壁だと思います。負けている状況だとブロックを組まれて難しい状況になってしまいます。前半は安全なパスが多かったと思います。クロスであったり、シュートでしっかり終われるように、大胆なプレーをしていこうと話をしていました。

Q、そういった意味では木本選手が点をとったようなプレーも大事になると思います。
A、得点の場面でもクロスに何人も入っていたと思いますし、そういったアグレッシブさが出たときに得点が生まれると思います。そうしたシーンを増やしていきたいです。

Q、今日の結果で3位の可能性がなくなってしまいました。
A、今日の(他会場の)結果を見れば可能性があったわけですが、もともと他力のところもあったので、あまり考えずに今日勝つことだけを考えていました。「ここで勝てば」と言う試合は今シーズン何試合もあったので、今回の1敗だけの話ではないと思います。来シーズン上位にいくためには大事な試合で勝ち切る力が必要だと思います。

Q、次節は最終節でのホーム多摩川クラシコです。
自分たちのやることは変えずに、来シーズンに向けてもそうですし、最終節をホームでできるので、1年間の良い締め括りにしたいです。相手は優勝がかかっていて気持ちが入っていると思うので、そこで上位にいる川崎に勝つことができれば自信になると思いますし、今日できたことを継続しながらラスト1試合戦いたいと思います。

Q、名古屋まで応援に来てくれたファン・サポーターに一言お願いします。
A、応援が力になりましたし、試合後の挨拶でも力をもらえる応援をしてくれたので、ホームで良い試合をして、勝ってみんなで喜びたいです。


<ルイス フェリッピ選手>

Q、長い時間のプレーは久々だったと思いますが、感想を教えてください。
A、長い時間出場できたことは久しぶりだったのでポジティブに捉えています。次の試合でも長く出場できるように練習から取り組んでいきたいと思います。

Q、フィニッシュだけではなくチャンスメイクの起点になるなど幅広い仕事がタスクとしてあったと思いますが、そこについてはどう感じていますか。
A、常に自信を持ってプレーすることができていましたし、そのプレーを長い出場時間のなかでできていたことはポジティブに捉えていますが、その自信を結果として目に見えるようにしていかなければいけないと感じています。

Q、レアンドロ選手との連携で多くチャンスを作ることができていたと思いますが、ゴールに結びつかなかったことは何が足りなかったと感じていますか。
A、最後の部分でもっと良い判断をしなければいけなかったと思います。今日はその場で生まれるプレー選択のなかで良い判断ができなかったことでゴールを取ることができなかったと思いますので、次の試合ではもっと落ち着いて良い判断ができるようにしたいです。

Q、次節最終戦の川崎戦に向けて意気込みをお願いします。
A、チームとしてタイトル獲得はできませんでしたが、個人としてできることに対してのモチベーションは高く持っています。長い時間出場すること、ゴールを取ること、そこに執着をして、チームを勝利に導くことができるようにプレーしたいと思います。 


<長友佑都選手>

Q、ボールを支配しながらも残念な結果となりました。
A、結果はもちろん残念ですが、アルベル監督になって、明らかに試合を支配できる試合が増えていますし、自分たちの成長を感じられています。ただ、(今日の)結果は負けていますし、勝負強さだったり課題という面はまだまだありますが、自分たちが進んでいる道は間違いないんだと僕は感じています。

Q、試合を通してご自身のコンディションはいかがでしたか。
A、いい部分と改善すべき点はありますが、全然問題ないです。


<渡邊凌磨選手>

Q、試合を振り返ってください。
A、良いサッカーをしても勝てるとは限らないと改めてわかった試合でした。結果は出ませんでしたが、積み上げてきているものは間違っていないと感じますし、率直に試合を楽しめていました。これを結果につなげていかないといけないのは事実ですので、今日の試合で言うと1-1になったときに(次を)仕留めることができなかったところが敗因だと思います。

Q、1点先行された中で、相手陣内で押し込むシーンも多く作れたと思います。それが木本選手の同点ゴールに繋がりました。
A、チームとして守備の面で前から行っていると、あのような場面も起きてくると思いますし、引いて守っているとあそこまで木本選手は入ってくることはないと思います。今日はそこの部分で点を取ることができましたし、そこは続けていきながら良い方向に行けばもっと点は取れると思います。同時に失点を減らすことは全員で意識を高めていきたいと思います。

Q、最終戦のホーム川崎戦に向けて意気込みをお願いします。
A、相手は優勝がかかっている試合ですし、それを阻止することは凄く楽しみです。


<紺野和也選手>

Q、試合に出てみてPKになりそうなシーンもありましたがいかがでしたか。
A、押されて倒れましたが、結果的にファールはもらえませんでした。もっとあそこで耐えられるようにならなければいけないですし、倒れない強さをもう少し身に着けないといけないと感じました。

Q、何度も仕掛けて最後の打開の部分ではチームに貢献できていたと思います。
A、相手がリードしてから守備のブロックをひいて、自分たちがボールを持つ時間があったのでサイドでボールを受けたときに、アクセントを加えられればと思ってプレーしていました。そういう意味では悪くはなかったと思いますが、結果的にシュートも打てなかったですし、同点ゴールも決められなかったのでそこは反省点です。 

Q、チームとしてもボールを保持することはできていると思いますが最後の崩すところが課題でしょうか。
A、最後の3分の1のところまではスムーズにいくことができてきているので、最後のシュートやクロスの質、個人的な部分のところにもなってくると思うので、1人1人がもっと意識しないといけないですし、僕自身ももっと質をあげていかないと、ゴール数が増えていくところにはつながっていかないと思います。

Q、個人個人が1つずつ上げていかないといけないでしょうか。
A、それが結果的にチームのレベルアップにもつながると思うので、まずは自分自身がもっとレベルアップできるようにやっていかないといけないと今日改めて感じました。


<東慶悟選手>

Q、名古屋の前線からの守備にうまくいかない時間帯があったと思いますがいかがでしたか。
A、そこの部分は課題になると思いますし、ボールを保持しながら試合を進めていくチームにはぶつかる壁だと思います。やはりブロックをつくって守備をする相手にどう崩していく作業はまだまだ足りないところだと思います。ですが、後半は良い時間帯もあったと思うのでそれを前半からできるようにすることが課題です。 

Q、課題ではありつつも進んできているからこそ直面する壁でもあるということでしょうか。
A、そうですね。湘南戦ではなかった絵だと思うので、そういう意味では選手のなかでも、相手の状況に応じて攻守において、改善の余地があると思います。

Q、例えばどんなところでしょうか。
A、試合をしてまだ映像を見ていないので何とも言えないですが、細かいところを言えば先制点を奪われないこと、セットプレーでやられないこと、0-0で進めればまた違った絵になると思うので、そこは心理的な面も含めて感じます。

Q、永井選手との対戦でしたが改めてピッチで試合をしてみていかがでしたか。
A、楽しかったですね。本当にバチバチにやれたと思います。ゴールシーンは彼の嗅覚だと思いますし、フォワードとして持っているものなので、そこは相手チームですが讃えたいと思います。改めて良い選手だと感じました。こうやって戦えたことは良かったです。

Q、最後にユニフォームは交換されましたか。
A、そうですね。最後終わって交換しました。健太さん(長谷川監督)とは、前半戦ホームで試合に出場できなくて、今回目の前でプレーすることができました。また元気な姿を来シーズンも見せられればと思います。 

Q、立ち上がりに永井選手と森重選手が競り合って、そこに大丈夫かと駆け寄ったところが不思議な光景だなと感じました。
A、僕だけでなく、永井選手のキャラでもあると思いますし、彼の人間性を知っているので、名古屋でも元気よくやっているので本当に嬉しいです。

Q、最終節はホーム川崎戦です。
A、順位に関して言えば何もかかっていないですが、自分たちのために積み上げてきたものを表現できる場だと思います。最終戦良いプレーができればまた来シーズンにもつながると思いますし、それが自信になって良いスタートにつながると思うのでそういう試合にしたいです。


<バングーナガンデ佳史扶選手>

Q、悔しい結果となりました。試合を振り返ってください。
A、自分たちの時間もあった中で、決めきることができなかったことと、2失点目はもったいない失点だったので、そこの部分は修正していかないといけないと思います。

Q、イエローカードをもらうくらい激しく相手にはいっていた印象でした。
A、イエローカードの所は累積の事を考えずにいってしまったので反省です。試合の始めからガツガツいけたと感じています。

Q、今日の試合で得られた課題はありましたか。
A、守備のポジショニングに関しては、まだまだと感じていますし、前半も2本くらい裏を取られて森重選手に助けられたシーンもありました。後半はクロスの精度も落ちてしまったところも改善点です。

Q、相手は守備に多くの人数をかけていて、やり辛さはありましたか。
A、自分たちのサッカーを警戒されてこれからそのような試合も多くなると思うので、対策をされても点を取らないと勝つことはできないので、そこは続けていきたいと思います。

Q、大きなけがから復帰されて、守備の部分でも成長された一年ではなかったでしょうか。
A、初めと比べたら成長はしていると思いますが、初めのポジショニングなど、まだまだだと感じる部分も多いので、結果が出せるように突き詰めていきたいと思います。