アルベル監督沖縄キャンプ総括インタビュー

INTERVIEW2023.1.29

アルベル監督沖縄キャンプ総括インタビュー

<アルベル監督>
Q、沖縄キャンプが終了しますが、ここまでを振り返ってください。
A、プレシーズンの最初のフェーズをここで行ったわけですが、通常5週間でプレシーズンをオーガナイズしてきましたが、今回はオフが長かったので6週間でオーガナイズしています。プレシーズンの準備を同じ場所でやると疲れてしまうので、気持ちを変えるためにもまずは沖縄で、一度東京に戻って次に宮崎でと場所を変えながら準備を進めていくプランです。最初のフェーズである沖縄では、フィジカルコンディションを上げることが最初のテーマでした。ただ、我々の選手たちは素晴らしいプロフェッショナルとしてプレシーズンに良い準備をしてくれたので、コンディションも良い状態でスタートできています。戦術面に関しては飛躍的に成長を遂げた2週間でした。まずは昨シーズンの積み重ねがあったがゆえに、スムーズにスタートできています。加えて新加入選手たちが我々のスタイルに適しています。U-18から昇格した選手たちも、昨シーズンから継続してトップチームの練習に参加していたので、我々が何を求めているのかをしっかりと理解していましたし、そして大卒で入ったふたりも我々がやることを理解して加入してくれたので、それもスムーズに進んだ要因だと思います。

Q、昨シーズンはある程度ルールを植え付けるためのシーズンだったと思います。今シーズンのこれまでは、そのルールを超えるような取り組みに見えます。
A、進化する、というのが適切な表現です。我々がめざしている形で、ボールを主役とするサッカーをしてきた選手もいますし、一方でそうでなかった選手もいます。彼らとともに進化し続けるというのが、今シーズンのめざす方向性だと思っています。そして2021シーズンの終盤に辛い時期を過ごした選手もいます。そこから上向きにするのは難しいことですが、それをやり遂げていると思います。やはり2021シーズンの終盤には、難しい局面を迎えていたチームが、新しいスタイルとともにより攻撃的なスタイルで生まれ変われることを願っています。昨シーズンの新加入選手も協力してくれたおかげで、良い方向にスタートができました。では今シーズンは、新たなコンセプトを加えて、チームと選手一人ひとりがさらに進化することをめざすシーズンにしたいです。昨シーズンのプレミアリーグでは、なるべく早くチームを完成させなければいけないということがありました。一方で、プレシーズンというのは監督の私にとってはとても難しい状況になっています。なぜならば、チーム内でのポジション争いが拮抗していて選手選考が難しくなっているからです。それはチームにとっては素晴らしい状況です。

Q、同じレベルのチームが2チーム作れそうですね。
A、まさしくそのとおりです。ほぼ2チーム、拮抗したチームが編成できるのに加えて、若手選手がそこに割って入るような状況です。それが毎シーズン行われることが理想ですし、ポジション争いがさらに難しくなるようなレベルの高い選手が4人5人と複数の若手選手が加わり、チームが活性化し続けることを繰り返すのが理想の流れです。

Q、キャンプ序盤から反復していたトレーニングですが、ここにきてすごく良い形が続くところまできましたね。
A、メニューが良い形でできていたのは、昨シーズン1年間の積み重ねがあったからだと思います。それがなければ、そのようにはできていなかったと思います。まだスタートして2週間しか過ごしていません。あのようなプレーを求めるフェーズはスタートしたばかりです。この先、引き続きより難しい難易度の高いものを求めて、数か月をかけてより完成度の高いプレーを求めていきたいと思います。

Q、ポケット、というのがこのキャンプで出てきたキーワードだと感じます。
A、重要なのは、ボールとともにチームが成熟することです。選手一人ひとりがより狭いスペースで自信を持って成熟したプレーを表現できるかどうかに懸かっています。やはり狭いスペースで人数をかけて相手を食いつかせると、相手選手がスライドしていることになるので、それはつまり他に効果的なスペースが空くことになります。ではそこで良い形で効果的なスペースにボールを渡すには、まずは良い距離感で相手を食いつかせることが必要になります。それをしっかりとやり続けたいですし、昨シーズンの積み重ねがあってはじめて取り組める要素だと思います。もちろん攻守の切り替えの速さも磨きをかけていきたいですし、素早くゴールに向かうところも磨いていきたいと思います。我々はボールを主役としたプレーをめざしています。それとともにより完成度の高いチームをめざして練習に励んでいます。

Q、残り4週に向けて、どういったことをチームに植え付けていきたいですか。
A、今回、東京に戻ったあとは、シーズン中に通常とおり行われている形で午前中1回のトレーニングを行う形に戻りたいと思っています。その後に3試合過密日程で練習試合を組んでいるので、そこでより公式戦に近付く形で、強度の高い勝負にこだわるプレーをめざしていきたいと思います。

Q、沖縄でも強度が一段階上がった印象です。
A、よりよいプレーが出れば出るほど、強度は高く見える傾向にあります。プレシーズンで大事なのは、段階的に準備を進めていき、怪我人をなるべく少なくすることです。そしてシーズンというのは長いので、1シーズンをより良いコンディションで戦い続けるためにも、良い準備が必要ですが求めすぎてしまうとシーズンの後半にコンディションを落としてしまうチームや選手もいます。我々はそうなりたくないので、シーズンを継続的に良いコンディションで戦い続けられる準備をしていきたいです。1シーズンの区切りではなく、週の区切りを重ねていくというやり方を私は信じています。