※5月3日(水祝)アビスパ福岡戦および、5月6日(土)北海道コンサドーレ札幌戦のMATCH PREVIEW & INTERVIEWのめちゃコマについては、制作期間の都合によりお休みいたします。
次回のめちゃコマは5月12日(金)川崎フロンターレ戦のMATCH PREVIEW & INTERVIEWとなります。
<前節・アルビレックス新潟戦のレビュー>
「アルビレックス新潟と同じスタイルを構築するつもりはない」とアルベル監督は語った。在籍選手の特長を踏まえて、選手の力を最大化できる戦い方を選ぶのが、アルベル監督が植え付けようとしている“東京スタイル”だ。
その違いがはっきりとした一戦だった。新潟はひたすらにボールをつないでショートパスをベースとし縦にも勢いを持って押し込む姿勢を見せる。一方の東京も一歩も引かず、ボールサイドには徹底してプレッシャーをかけ、ボールを回収してからは、スペースがあればロングボールも躊躇せず活用し、落ち着かせて攻撃をゆっくり構築させるべき時には、新潟のプレスをいなしてボールを保持しながら相手を押し込んでいく。
生まれたゴールはどちらも豪快さや華麗さがクローズアップされるものではあったが、東京が多くの選択肢を持って試合を進めようとしていることが分かる形でもあった。
1点目はカウンター気味に自陣で奪ったボールを縦方向に少ない手数で動かし、相手の陣形が整う前に仲川輝人選手がキレイなシュートを流し込んだ。2点目は、サイドのスペースをショートパスの連携で打開し、スペースを見出した安部柊斗選手を活用し、相手をゴール前まで押し込んだ。ディエゴ オリヴェイラ選手の豪快な一撃はあったが、チームとしてボールをどのように扱うかの共通認識があり、シュートに持ち込むまでの流れが非常にスムーズだった。
後半に入ると東京の攻撃姿勢や多様性がより際立ち、相手よりも多くのチャンスを創出した状態で1点のリードを守り、今シーズン初となるリーグ戦の連勝を果たした。
<プレビュー>
昨シーズンも同じタイミング、大型連休中の連戦のなかで5月3日に対戦し、松木玖生選手がプロ初ゴールを決めながらも1-5というスコアで敗れる結果となった。
その後ホームゲームでは引き分けており、必ずしもチームとして苦手意識や苦手なイメージがあるわけではないはず。ただ、ルヴァンカップでも対戦しており、福岡の地では2戦2敗という結果もあるため、その印象を払拭する試合を期待したいところ。
東京とアビスパ福岡は、現時点では勝点15で並び、わずかに得失点差+2で東京が一つ上の6位に位置する。勝点差が近い相手との試合は勝点6分の価値を持つとも言われる。まさにこの一戦は、勝点差をつけるのか、つけられるのか、またライバルを少しでも遠ざけていくためになんとしても勝利したい『勝点6の価値がある一戦』となる。
ウェリントン選手やルキアン選手という大型センターフォワードを抱え、万能型の山岸祐也選手がその周りを衛星のように動いてゴールに迫るなど前線に厚みがある。そして何より、昨シーズンまで東京に在籍した紺野和也選手が在籍する。堅守速攻型の福岡において、紺野選手の持ち味であるドリブルは、攻撃のスイッチとして機能している。
昨シーズン、味の素スタジアムで行われた福岡との一戦では、紺野選手が目の覚めるような豪快なボレーシュートを決めた。逆のパターンはなんとしても避けたい。とはいえ、東京というチームと選手個々の特長も知っている相手だけに、手を焼く存在なのは間違いない。ゴールの近くで仕事をする選手たち、そしてゴールにつながる決定的な仕事をするかつてのチームメイトを封じ、東京としては自分たちのペースで試合を運んでいきたい。
アルビレックス新潟戦では、チームで共通認識を持ちながら、速攻と遅攻を使い分けてジワジワとペースを握っていき、後半に入って相手を押し込む時間帯を作っていた。今節も相手の迫力のある攻撃をケアしつつ、自分たちが攻撃に出る場面では、人数をかけてゴールへの筋道を作り出して状況に応じて攻撃に緩急をつけたい。
[アルベル監督インタビュー]
Q、アルベル監督の就任以前から、九州のクラブとのアウェイ戦に苦戦している印象です。今節のアビスパ福岡戦、どのような試合にしたいですか。
A、過去の試合結果については重要視していません。ですが、福岡は守備がとても堅く、難しい相手になることに間違いはありません。当然、福岡にとってはホームゲームとなりますので、守備のインテンシティがさらに増すことが予想されますし、難しい試合になることでしょう。今シーズンの福岡の試合を見ていただければ分かる通り、どのチームにとっても福岡を相手に勝利することは非常に難しいと思っています。
Q、ボールを保持するチームに対し、強力な守備を見せる福岡をどのように打開していきますか。
A、あらためて、福岡の特長は堅い守備とカウンターアタックだと思いますし、我々にとって危険な部分です。彼らにとってはホームでの一戦となりますし、明日の試合は間違いなく難しい試合となることでしょう。一方で、我々も良い状態です。拮抗したJ1リーグのなかで、細部が試合結果に大きく影響します。例えば、先制点をどちらが先に奪うのか、小さなミスがきっかけで試合展開が大きく変わることもあります。チームのことを私は信頼していますし、アウェイゲームですが、もちろん勝利をめざして戦います。
Q、前節のアルビレックス新潟戦について、プレーの強度やスピード感など、監督から見たプレーの評価をお願いします。
A、今のプレースピードには満足していますし、それを踏まえたうえで、新潟戦のゲームプランを組み立てました。新潟戦では9つのチャンスを作ったと認識しています。新潟は今のスタイルで4シーズン戦っていますし、そのクラブを相手にした時にボールを奪うこと、ポゼッション率で上回ることは非常に難しいと予想していました。なぜ、ボールを保持したいかというと、決定的なチャンスを作り上げるためです。カウンターアタックだけではなく、ボールを支配し、流動的なプレーでゴール前に選手が飛び込むシーンもありました。新潟が良い形で試合に入ったと思いますが、両サイドバックが高い位置取りをしたことで生まれたスペースを突いて、先制点を奪うことができました。
この試合のボール支配率は約40パーセントでしたが、我々が期待している決定的なチャンスを多く作り出すことについては、しっかりと表現できていました。3点目が我々に生まれていたとしたら、新潟はさらに前がかりにプレーしていたことでしょう。そうすることで、4-1または5-1という結果も可能性として大いにあったと思います。重要なことは、試合の流れを把握したなかで適切に賢く、効果的なプレーをすることです。新潟戦を見てくださったサッカーファンのみなさんにとって、見ごたえのあるゲームになったと思っています。
Q、福岡戦に勝利するためのポイントを教えてください。
A、インテンシティの高い守備にしっかりと耐え、我々の守備におけるミスをなくすことです。ボールを保持する、攻守の切り替えを素早くする、カウンターアタックを狙うなど、我々の持っている武器を状況に応じて活かすことも重要になると思います。それぞれの場面で、適切な解決策を選択することが重要です。
Q、福岡戦に出場すれば、安部柊斗選手がJ1リーグ通算100試合、仲川輝人選手がJ1リーグ通算150試合達成となります。
A、安部選手の成長と活躍にはとても満足しています。FC東京U-15むさし、FC東京U-18出身の彼には、このクラブの中心選手として長く活躍し続けてほしいですし、さまざまな期待も込めて、今シーズンは3rdキャプテンの1人に任命しました。さらなる成長を期待しています。また、経験豊富でクオリティの高い仲川選手が東京の一員に加わってくれたことは、我々にとってビッグニュースでした。真のプロフェッショナルである彼から、若い選手たちが多くのことを学んでくれることに期待しています。両選手のさらなる活躍を心から願っています。
[選手インタビュー]
<安部柊斗選手>
Q、アビスパ福岡戦出場で、J1リーグ通算100試合達成となりますが、いまの気持ちお聞かせください。
A、100試合達成まで、あっという間だったと思う反面、まだ100試合かという感覚です。300、400試合を達成している選手が東京には多く在籍しているので、そのような選手たちに少しでも近付けるように頑張りたいと思います。出場すれば、福岡戦が一つの記念にもなると思うので、得点と勝利を狙っていきたいと思います。
Q、福岡には東京に同じタイミングで加入した紺野和也選手が在籍しています。
A、昨シーズンまでの3年間、一緒にプレーしていた選手との対戦は不思議な気持ちですし、相手にすると嫌な選手です。その分、知っている部分もたくさんあります。紺野選手が嫌がるプレーや守備を意識していきたいと思います。
Q、堅い守備を相手に攻撃的なポジションでどのようなプレーを意識しますか。
A、相手のポケットになる空間を上手く狙いたいです。常に意識して、相手の陣形を崩していきたいと思います。
Q、敵陣深いエリアでのプレーがポイントになりそうですか。
A、そうですね。相手が下がれば、その分スペースが生まれてくると思っています。積極的に狙っていきたいと思います。
Q、印象に残っている試合はありますか。
A、2019年に特別指定選手として、初めて出場したヴィッセル神戸戦ですね。味スタでプレーさせていただいたこと、神戸のイニエスタ選手と対戦できたこともあり、記憶に残っています。
Q、ここから連戦となりますが、どのように戦っていきますか。
A、僕自身、試合を重ねることでコンディションが上がるタイプの選手ですので、福岡戦は前節よりもキレが増していると思います。
Q、安部選手が描く、トップ下のイメージはありますか。
A、得点を獲りたい気持ちが僕自身、非常に強いです。トップ下というポジションは、チャンスが巡ってくる回数も多いと思っています。得点だけではなく、得点を生み出すパスや動きを増やしていきたいという気持ちは常に持っています。
Q、安部選手含め、東京には運動量が豊富な選手が揃っている印象です。
A、運動量が多く、90分に渡って高い強度でプレーできる選手が中盤に揃っています。そのようなプレーがリーグ戦連勝にも繋がっていると思っています。高い強度で今後も変わらずプレーしていきたいと思います。