6/7 福島戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2023.6.06

6/7 福島戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

<マッチプレビュー>
今シーズン3つ目の大会となる天皇杯のスタートを迎える。東京を含めてJ1リーグのチームはこの2回戦から登場し、大会の初戦を戦う。

初戦の相手はJ3リーグに所属する福島ユナイテッドFC。FC東京U-23としてはJ3リーグで8試合の対戦実績はあるが、トップチームとしては公式戦で初めて対戦する。東京としては、東日本大震災復興支援活動を通じて福島のスタジアムグルメとしておなじみの「いもくり佐太郎」を東京のホームゲームで開催している青赤パークで販売していただくなど、ピッチ外では縁のある相手でもある。

福島は今シーズン、J3リーグ戦で12試合を戦い3勝3分6敗の18位という状況。守備を固めて相手の攻撃を撥ね返し、奪った後は速攻を仕掛ける戦いを展開している。多くのクラブでゴールを任されてきたベテランの山本海人選手を中心に、まずは東京の攻撃に対してリトリートして守備を固めてくることが想定される。

東京としては、ボールを保持する時間が長くなることが予想される。スペースが埋められているなかでも焦れずにボールを危険なエリアに出し入れし、ボールを失った後にはすぐさま切り替えてカウンタープレスを仕掛けたい。同時にディフェンスラインの背後のスペースのケアも怠らず、また相手のセットプレーのチャンスにも細心の注意を払いたい。

一発勝負の天皇杯の怖さはクラブとしても多くの経験のなかで痛感してきた。カテゴリーが異なるチームとの試合は特に注意が必要だ。ワンチャンスに全精力を傾ける相手は、1点を先制した際、ゴール前を入念に固めて逃げ切りを図ってくる。通常のリーグ戦とは違う「負けたら大会から敗退」というプレッシャーとも戦いながら、東京がめざすスタイルを継続して3回戦への道を開きたい。


[アルベル監督インタビュー]


Q、中3日で迎える天皇杯2回戦となります。
A、カテゴリーの違うチームと対戦することが難しいのは、みなさんもご存知の通りだと思います。もちろん、私たちは勝利のみをめざしています。試合の難しさを踏まえたうえでプレー時間に恵まれていない選手と若手選手にチャンスを与えたいと思っています。

Q、福島ユナイテッドFCとの一戦をどのように捉え、分析されていますか。
A、私の記憶が正しければ、2021シーズン、東京は大学生に負けていると思います。昨シーズンも大学生と戦いましたが、苦しい戦いとなりました。天皇杯はそういうことが起こり得るトーナメント戦です。当然、現状のカテゴリーの差はありますが、上のカテゴリーのチームに勝とうと、いつも以上にインテンシティの高いプレーで仕掛けてくる傾向にあります。だからこそ、難しい試合内容になります。我々も、集中した形で少なくとも相手と同じインテンシティをスタートラインにしなければならないとピッチに立つ選手たちが認識し、スタートから高い強度でプレーしてほしいと思っています。間違いなく難しい試合になることでしょう。福島は守備の時に5枚の選手を並べて固めてくる傾向にあります。もちろん分析をしていて、ボールを大切にする素晴らしいチームだという認識も持っています。リーグ戦とは違い、負ければ終わるトーナメント戦では、雰囲気も含めて大きな違いがあると思っています。

Q、福島を相手に、強度の高い守備でボールを奪いに行くことが大事になりますか。
A、良いプレスをして、素早い守備から攻撃への切り替えはキーポイントの一つです。合わせて、自分たちのスタイルを相手より表現することも重要です。適切な形でプレスを掛けることによって、相手に狙い通りのプレーをさせないことにも繋がりますし、良いプレスからボールを奪うことで我々の攻撃に繋がります。

Q、アップセットを防ぐために重要となることを教えてください。
A、まずは、インテンシティを高い状態にして試合をスタートすることです。90分という時間があると、冷静にプレーすることは重要ですが、落ち着き過ぎた形でスタートしてしまうと、間違いなく難しい試合になります。もちろん、試合では戦術の部分が重要になってきます。ですが、それ以上に大切なことは心理状態を良い形で保つことです。試合が開始されれば、予想通りかつ想定の範囲内の試合展開になる場合もありますが、そうではない場合もあります。そのような時に、心理的に受けた影響にどう対応するかが重要です。良い心理状態でスタートすることが重要になります。


[選手インタビュー]
<鈴木準弥選手>


Q、得意とするクロスが活きる試合にしたいですね。
A、思い切りの良いプレーを見せたいと思います。東京の前線には高さや強さを持った選手が揃っているので、ピンポイントで合わせるクロスを狙っていきたいと思います。

Q、試合の流れのなかで、高い精度のパスをどのように繰り出していきたいですか。
A、アルベル監督が求めるボールを大切に繋ぐサッカーを展開することで、相手はボールを奪いに来ると思います。そのタイミングで相手ディフェンダーの背後に空いたスペースや逆サイドのウイングの選手の動きを見つつ、ボールを供給したいと思います。チーム戦術を遂行したうえで、自分の強みを活かす選択を忘れずにプレーしたいと考えています。

Q、同サイドのウイングの選手との連携を意識しつつ、ご自身の武器を活かすというイメージですか。
A、自分の強みを出すための選択や判断を僕自身が思い切ってすることで、東京の選手も僕の判断に合わせやすいと思いますし、中途半端なプレーは混乱を招くと思っています。僕の特長をチームメートは分かっているので、積極的な姿勢でプレーすることで、前や横にいる選手との関係も良くなると思います。僕自身も3シーズン前まではJ3リーグでプレーしていました。自分の良さを発揮して、違いを見せたいと思います。対峙した福島ユナイテッドFCの選手に“やれるな”と思わせたくはないです。思い切りプレーしたいと思います。

Q、鈴木選手自身の変化や成長が実感できる一戦にしたい想いは強いですか。
A、今の東京のサッカーに順応することで得られる成長ももちろん大事ですが、現状、スターティングメンバーとして名を連ねている選手たちは“自分たちの色”をしっかりと表現している印象です。僕自身もチームとしてやるべきプレーをしっかりと見せつつ、自分の良さを出せる試合にしたいです。明日の試合だけではなく、今後、試合に関わるメンバーに食い込んでいくためにも必要になると考えています。

Q、天皇杯で格上クラブと対戦する際のモチベーションの高さは経験されていると思いますが、どのようなモチベーションで戦うことがベストですか。
A、相手どうこうより、まずは僕自身も東京でしっかりと結果を残したいという気持ちが強いので、受けて立つスタンスは一切ないです。僕個人としては、思い切りプレーすることを一番に考えていますが、チームとしてカテゴリーの違う相手と戦う難しさは実際あると思います。ですが、明日の試合に出場する多くの選手が“結果を残したい”と強い気持ちで意気込んでいるので、選手個々が持っているエネルギーを、試合開始からペース配分を誤ることなく出し切りたいと思います。