7/1 柏戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2023.7.01

7/1 柏戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>
ピーター クラモフスキー体制での2試合目を迎えた。相手はリーグ戦で7試合勝利がない柏レイソル。しばらく勝利から遠ざかっている相手だが、指揮官は、だからこそ緩められないとチームの手綱を締め直した。

前節、チームはクラモフスキー監督が求める強度の高い戦い方をピッチで体現し、上位を争っている名古屋グランパスを相手に2-0で勝利を収めた。相手が変わっても戦い方は変わらない。ホームで連勝し、リーグ後半戦を良い流れで進めるために雨中の一戦に臨んだ。

1stHALF—今シーズン10点目のディエゴールで先制

序盤こそ出足の鋭い柏の守備に苦しんだが、東京は粘り強くボールを動かして相手を押し込んでいき、好位置でセットプレーのチャンスを得るなど攻勢に出る。前半6分にはフリーキックのチャンスで松木玖生選手が直接狙うが、相手ゴールキーパーに阻まれた。

攻撃から守備への切り替えでも相手にボールを動かす時間を与えず、前線から猛然とボールを追いかけ、後方も連動してボールサイドへと寄せることで、すぐにボールを回収して試合の流れをしっかりとつかむ。

試合が動いたのは前半35分だった。じっくりと組み立てながら左サイドの深い位置まで入ると、大きく開いた位置でボールを受けた俵積田晃太選手が鋭い切り返しでマーカーを振り切ってクロスボールを入れる。ゴール正面の位置にいたディエゴ オリヴェイラ選手が頭で合わせ、狙いすましてゴール右隅へと流し込み、東京が先制に成功した。

先手をとっても東京の強度は落ちない。しっかりとボールを追い、球際でも体を張ってたびたびボールを奪うと、的を絞らせない攻撃でゴールへと向かっていく。

前半42分には、右サイドから大きくクロスボールを入れると、ファーサイドでディフェンダーがクリアし切れなかったボールがペナルティエリア際にこぼれる。居合わせた俵積田選手がダイレクトでシュートに持ち込んだが、ゴール右隅を捉えたボールは相手ゴールキーパーの好守に阻まれた

2ndHALF—相手に押される時間帯も焦れずにクリーンシート

後半に入っても東京の勢いは止まらない。立ち上がりの後半2分、松木選手がドリブルで持ち出してミドルレンジで思い切りよくシュートを放つ。ディフェンダーにブロックされたボールは方向を変えてループ気味にゴールに向かったが、相手ゴールキーパーが枠からかき出した。

時間が進むと、前がかりになって攻める背後を突かれ、カウンターを受けるシーンが見られるようになる。相手の勢いに押される時間帯では、全員が自陣に戻って守備陣形を整えてスペースを消すような守備でも対応した。

ボールを持たれながらも決定的な場面を作らせず、球際での強度を保った戦いを見せると、試合終盤には交代枠を使い切った直後に交錯プレーで森重真人選手が痛めてピッチを離れるアクシデント。治療を終えてピッチに戻ったが、森重選手を最前線に置き、守備陣形を整えるスクランブル体制を組みタイムアップを迎えた。

最少得点差ではあったが、攻撃でも守備でもほとんどの時間帯で主導権を握り、クラモフスキー監督体制での2勝目を手にした。

MATCH DETAILS
<FC東京>
STARTING Ⅺ
GKヤクブ スウォビィク
DF小泉慶/森重真人/エンリケ トレヴィザン/長友佑都
MF松木玖生/安部柊斗/塚川孝輝(後半34分:野澤零温)
FW渡邊凌磨(後半40分:寺山翼)/ディエゴ オリヴェイラ(後半40分:ペロッチ)/俵積田晃太(後半15分:東慶悟)

SUBS
GK野澤大志ブランドン
DF徳元悠平/木本恭生

GOAL
前半35分:ディエゴ オリヴェイラ

<柏レイソル>
STARTING Ⅺ
GK松本健太
DF三丸拡/古賀太陽/立田悠悟/川口尚紀(後半39分:土屋巧)
MF椎橋慧也(後半30分:仙頭啓矢)/高嶺朋樹(後半16分:戸嶋祥郎)/落合陸(後半0分:小屋松知哉)
FWマテウス サヴィオ/武藤雄樹(後半0分:フロート)/細谷真大

SUBS
GK守田達弥
DF田中隼人

GOAL


[ピーター クラモフスキー監督記者会見コメント]


Q、本日の試合を振り返ってください。
A、前半はすごく良い戦いができていたと思いますし、そのなかですごく良いパフォーマンスを出せていて、自分たちが予期した戦い方ができていました。本当に、90分間戦ってくれた選手たちを誇りに思います。後半に入り、いくつかの理由によりタフな時間帯がありましたが、そのなかでも多くのことを学んだゲームでした。自分たちが2-0にできた場面もあったと思いますが、粘りだったり、献身的に規律を守りながらよく戦ってくれたと思います。そういった意味でも、本当に選手たちはしっかりと自分たちのパフォーマンスを出してくれました。

Q、後半40分に交代枠を使い切った後に森重真人選手のアクシデントがあり、松木玖生選手をセンターバックにする判断をしました。そういった想定はしていたのでしょうか。
A、フットボールでは何が起こるか分かりません。そのなかで自分が学んできたことは、毎日の練習でやっていることが解決法だということです。チームとしても個人としても、自分たちが今までやってきた基盤を積み上げることで強く戦えたと思います。正直、選手たちがよく戦ってくれたと思います。松木選手はセンターバックでもしっかりとやってくれましたし、森重選手も最後まで戦い抜いてクラブに貢献してくれました。交代出場した選手たちも献身的に戦ってくれて、自分たちの仕事をしっかりとやり切ってくれました。彼らが持っている信念や今までやってきたことがしっかりと反映された戦いだったと思います。我々には特別なファン・サポーターがついていて、彼らが背中を押してくれて、勝点3を獲る最後まで一緒に戦うことができたと思っています。

Q、切り替えの早さ、守備の強度が目立っていました。
A、今改善していて、自分たちが良くなっている要素の一つです。いつも言っているように、大事なのは運動量や献身的に戦うことです。そしてそれを明確にしていくことや、ポジショニングがしっかりできているので、選手たちが助け合って戦うことができていると思います。すべての要素において前半の戦いでは良いものが出せましたし、そのなかで得るものも多くありました。後半の時間帯では学ばなければいけない部分があったと思いますが、私が選手たちを最高に誇りに思うのは、自分たちが教訓として学ばなければならない状況のなかでも、献身的に戦うことで勝点3を奪い切ることができたことです。ただ、もっと良いチームになっていくために一歩一歩やっていくことが必要だと思っています。

Q、前半は一方的な展開でしたが、後半はタフなゲームになりました。その原因をどう考えていますか。
A、後半に流れが変わってきたのは、柏レイソルが前に出てきたからだと思っています。そのなかでも強く守れましたし、クリーンシートで終えられたことは自分たちにとってすごく良い点です。教訓となったのは、もっと自分たちでゲームをコントロールするところですとか、ボールをもう少しうまく動かせた部分です。チャンスは多くありましたし、そこで2点目が取れていれば、もっとスタジアムが飛び跳ねるような試合になっていたと思います。


[選手インタビュー]
<ディエゴ オリヴェイラ選手>


Q、本日の試合を振り返ってください。
A、非常に難しい試合でした。柏レイソルは苦しんでいますが、非常にクオリティの高いチームでしたので、その相手に勝利できたことは良かったです。私たちも苦しんでいる部分はありますが、今日は全員で走り切って戦えたことは良かったと思います。これからも簡単な試合はないので全員で乗り越えていきたいと思います。

Q、得点シーンを振り返ってください。
A、俵積田晃太選手はドリブルでの突破が持ち味の選手で、常に信じてゴール前で相手選手と駆け引きをしています。今日も非常に良いクロスを上げてくれたので、今日は得点することができたと思っています。今日は私が得点を決めて勝利しましたが、得点を決めるのは誰でもよいと思っています。チームが勝利することが一番だと思っています。

Q、公式戦3試合連続での得点となりました。
A、ゴールは簡単に決められるものではありません。今はチームに良い流れがありチャンスが多くきているので、数多くのチャンスのなかから得点を決めることができています。

Q、次節の浦和レッズ戦に向けて意気込みをお願いします。
A、浦和戦は厳しい試合になることが予想されます。相手はホームでの試合となりますし、埼玉スタジアム2002は他のスタジアムとは異なる雰囲気もあります。勢いを持って相手も来ることが予想されますが、なんとしても勝利して味の素スタジアムに帰ってきたいと思います。


<小泉慶選手>


Q、ホーム連勝です。試合を振り返ってください。
A、立ち上がりから高い強度でプレーすることができましたし、得点が欲しいと思っていたタイミングでディエゴ オリヴェイラ選手がゴールを決めてくれました。先制点を奪えたことが、前半を良い形で終えることができた要因だったと思います。前半、特に良かったのは相手のシュートを0本に抑えられたことです。非常に大きかったと思います。後半は苦しい時間帯もあり、シュートを打たれてしまうシーンもありましたが、身体を張ったプレーで接戦を制することができました。追加点を奪い、複数得点で勝利することは理想的な形ではありますが、1-0という難しいゲームで、しぶとく勝利できたことはチームとして大きな収穫だったと思います。

Q、後半の守備の対応について、しぶとさとハードワークを特に感じました。
A、1対1の局面で負けないことが大切です。相手のサイド攻撃が特に多かったので、主にサイドバックの対応の仕方が重要になっていました。簡単にクロスを上げさせない、シュートを打たせない、根本的な部分をさらに突き詰めていきたいと思います。守備の間合いやボールを奪い切るところ、ビルドアップの精度も高めていきたいと思います。

Q、サイドバックとして、試合を重ねるごとに安定感が増しているように思います。
A、東京に来てからはまだ数えるほどですが、過去に所属していたクラブではサイドバックとして出場する機会もありました。経験があるポジションの一つなので、難しさを感じることなくスムーズにプレーできています。個人として満足できる内容のプレーにはまだ届いていない部分もあり、チームメートに助けられているシーンも多くあります。勝利のために、こだわりをもってプレーしていきたいと思います。


<松木玖生選手>


Q、今日の試合を振り返ってください。
A、前半の早いタイミングで得点を奪うことができて、そこから後半は苦しい時間帯もありましたが、なんとか失点をゼロに抑えて勝ち切ることができました。2試合連続で無失点に抑えることができたのは大きいことだと思います。

Q、フリーキックや攻撃参加など、特に得点を獲ろうとする意欲を感じました。
A、ボランチなので、リスク管理をしながら、前のスペースが空いていれば狙っていこうと思っていました。あの場面で決められないと上位は狙えないので、次は決めたいです。

Q、ダブルボランチのコンビネーションが良かったと思いますが、安部柊斗選手とどのようなコミュニケーションを取っていますか。
A、特に話し合いはしていません。昨シーズンからずっと一緒にプレーをしてきて、お互いの特長は分かっているので、阿吽の呼吸ではないですが、ここ2試合はお互いをカバーするプレーが確立できていると思っています。

Q、ピーター クラモフスキー監督になってから2連勝ですが、ここからどうやって上をめざしていくか、教えてください。
A、失点しないことが重要だと思っています。失点しなければ勝点が生まれます。そこでディエゴ オリヴェイラ選手をはじめ、得点を決めてくれる絶好調な選手たちがいるので、自分もボランチとしての役割を果たしながらゴールを狙っていけば、勝点3につなげられます。次の試合も、その次の試合も勝利をめざしてやっていきたいと思います。


<俵積田晃太選手>


Q、試合を振り返ってください。
A、一つ結果を残せたことは良かったです。チームとしても無失点で勝てたことは良かったと思います。

Q、ディエゴ オリヴェイラ選手の得点シーンを振り返ってください。
A、クロスの練習をここまで続けていましたし、試合前にはディエゴ選手と常にコミュニケーションをとっていたので、今日の得点に繋がったと思います。

Q、惜しいシュートシーンもありました。
A、最後の決め切ることができない部分は、力不足だと思います。アシストで満足せずに、向上心を持ち続けて得点を獲れるようにしたいと思います。自分自身は、守備や体力の強度も足りていないので、しっかりとレベルアップできるようにしていきたいです。

Q、2試合連続でスタメンでの出場となりました。
A、チャンスをもらい試合に出続けることができているので、自分の成長に繋がっていると思います。このチャンスを逃さないように、日々トレーニングを積み、結果を残したいと思います。

Q、次節の浦和レッズ戦に向けて意気込みをお願いします。
A、次の試合では、自分が得点をしてチームを勝たせられるようにしたいと思います。チーム一丸となって戦い、ファン・サポーターのみなさまに勝利を届けられたら良いと思います。相手には酒井選手もいるので、自分のドリブルが通用するのか楽しみですし、臆することなくチャレンジしていきたいと思います。