<試合プレビュー>
公式戦の舞台では、2011シーズン以来12シーズンぶりの対戦となる。
サッカーの試合には相手があり、所属するカテゴリーの違い、所属する選手の顔ぶれ、指向するサッカースタイル、さまざまな面で差があり、それを加味してさまざまな駆け引きがある。
11シーズンの間、両チームはそれぞれの道でさまざまな経験を積んできた。向き合う状況は当時ともまったく異なる。
ただし、この一戦には駆け引きなど存在しない。スタジアムを青赤に染め、ピッチ内外で相手チームを圧倒し、『眠らない街』を響かせる。
ピーター クラモフスキー監督就任後、東京は3試合連続無失点と数字上は守備の強固さが際立つが、チームとしてのベクトルを「前」に向けた攻撃姿勢こそが真骨頂だ。高い強度と勢いの上に個人の技量を重ねて、ひたすらに相手ゴールへと向かっていく。
駆け引きをする余裕があるなら出し切る。勝利のみを求め、クラモフスキートーキョーの4戦目に臨む。
[ピーター クラモフスキー監督インタビュー]
Q、天皇杯で勝ち進んでいくために、選手たちにはどのような働きかけをしていますか。
A、目の前の一戦に集中して一歩一歩進んでいくことが重要です。もちろん、ヴェルディとの一戦も重要だと理解しています。一方で、私は選手たちに、どこのクラブと対戦する際であっても、この青赤という美しきクラブカラーを代表して戦う意義や大切さ、そしてこのモチベーションやメンタリティを常に持ち続けてほしいと思っています。何度も言いますが、明日のヴェルディ戦がどれほど重要かを理解していますし、絶対に勝たなければいけない試合です。ですが、私にとっては東京として戦う全ての試合が重要です。常に高いメンタリティを持つことが、強いクラブになっていくために必要不可欠な要素であると思います。
Q、ヴェルディの印象を教えてください。
A、J2リーグの上位に位置する力のあるクラブだと思います。対戦するうえでのリスペクトの気持ちはありますが、我々にとっても非常に大事な戦いになります。ヴェルディとの一戦がファン・サポーターのみなさんにとってどれほど重要かを私は理解しています。クラブ、選手、ファン・サポーターのみなさん、関わる全ての方々がこの一戦の重要性を知っていると思います。天皇杯のカップを掲げるために一歩前進するには、この一戦で勝利が絶対条件です。しっかりと試合に向けた準備をして、勝ちに行きます。
Q、この独特な雰囲気で迎える明日の一戦をどのように捉えていますか。
A、明日の一戦がどれだけ重要かを私は理解しています。私はアインシュタインのような天才的な頭脳を持っているわけではありませんが、どれだけ大事な一戦かは分かっています。この重要な一戦で勝利し、東京と対戦したくはない、と思うような強さを見せ、東京が憧れられるクラブになるよう、成長を加速させていきたいと思います。ファン・サポーターのみなさんにとって、明日の一戦がどれだけ意味のある試合かを理解して戦うことを約束します。
[選手インタビュー]
<長友佑都選手>
Q、トーナメント方式の天皇杯でヴェルディとの対戦になります。どのようなモチベーションで明日の試合に向かいますか。
A、モチベーションは、言うまでもなく高い状態です。個人としては2008シーズン以来の対戦で、当時の一戦は鮮明に覚えていますし、それくらい思い出深く、熱の入ったゲームでした。数多くのライバル関係が日本にはありますが、この一戦を超えるものはないと思うほど、情熱を感じています。
Q、イタリア時代もミラノダービーなどを経験されています。ヴェルディ戦特有の雰囲気や試合に向けた想いは特別なものがありますか。
A、インテル ミラノに所属していた時は、ACミランとのミラノダービー、ユヴェントスとのイタリアダービーを経験しました。街の雰囲気が一週間前から変わるほど、サッカー界だけではなく街全体が試合に向けて変化していく環境を体感しました。だからこそ、明日の一戦がさらに盛り上がり、日本サッカー界だけではなく、東京という街全体が盛り上がるような一日にしていきたいです。東京を代表するクラブが“青赤の東京” というプライドを持って、戦いたいと思います。
Q、試合が続くなか、長友選手自身のコンディションはいかがですか。
A、コンディションは確実に上がってきています。暑い時期の連戦は簡単なものではありませんが、身体的な疲労をカバーするメンタルの部分で強い気持ちで臨まなければいけないと思っています。
Q、最後にファン・サポーターのみなさんへメッセージをお願いします。
A、明日の試合に勝って、スタジアムを青赤に染めましょう。
<野澤零温選手>
Q、ルヴァンカップの京都サンガF.C.戦から出場時間を増やしていますが、今の手応えを教えてください。
A、個人としては、チームの状況や試合の内容に応じた、個人のタスクとして与えられた仕事を徐々に表現できていると思います。そのなかで、僕自身の特長や色をもっと出していきたいと思いますし、この先、出場時間を増やしていくためには与えられた仕事だけではなく、プラスアルファで何ができるのかを突き詰めていきたいと思います。まだまだ課題は多いです。
Q、出場機会を得ているなかで、プレーで表現できている部分と課題に感じている点をそれぞれ教えてください。
A、できている部分としては、攻守において走り切るプレーやチームとしてやるべき守備は、まだ完璧ではありませんが、できてきている感触があります。課題は、自分自身の特長であるドリブルで相手を抜き切るプレーや背後へ抜け出してチャンスを演出するプレーが足りていないことです。そして一番の課題は、フォワードとして得点という結果を残せていないことです。ストライカーとしてここから成長していくためにも、得点にこだわっていきたいと思います。
Q、明日の天皇杯はヴェルディとの一戦です。この試合に懸ける想いや意気込みを教えてください。
A、アカデミー時代からヴェルディとは対戦していて、当時のスタッフやチームメートもヴェルディには負けない、という強い気持ちで戦っていました。その想いは今でも変わりません。アカデミー時代を経て、プロ選手として東京を背負って戦う特別な想いもありますし、東京を代表するクラブであることを示すためにも負ける訳にはいきません。東京のプライドを見せるために、ピッチに立つ機会があれば、結果にこだわってプレーしていきたいと思います。特に攻撃の部分でプレーのスピードや突破力、得点に絡むプレーをぜひ見てほしいです。みなさんの声援にしっかりと結果で応えられるように頑張りますので、応援よろしくお願いします。
<木村誠二選手>
Q、天皇杯でヴェルディとの一戦です。明日の試合に向けて、どのようなことを意識していますか。
A、試合の内容よりも勝利にこだわる戦いをみせたいと思います。僕たちが東京を代表するクラブであることを示すために、絶対に負ける訳にはいきません。
Q、FC東京U-15深川、FC東京U-18を経て今に至りますが、アカデミー時代からヴェルディに対して強い意識はありましたか。
A、関東リーグで対戦したことやプリンスリーグで対戦したことはあります。当時から、“ヴェルディだけには負けるな”という教えもありました。僕自身、出身が千葉県でFC東京U-15深川の選手としてプレーするまでは、両クラブのライバル関係なども分からないことが多かったのですが、東京のアカデミーの一員としてプレーする時間が長くなるにつれて、特別な想いや感情が増し始めました。周りの方々の教えや、ヴェルディに対するライバル意識や絶対に負けられない相手という自覚を、僕自身が出場する機会があれば、プレーで示していきたいと思います。
Q、リーグ戦とは異なる大会方式かつヴェルディとの一戦です。
A、この一戦で、勝つか負けるかで今後が大きく変わってくると思っています。天皇杯というトーナメントですので、負けてしまえば大会自体が終了します。僕らが出場したタイミングでしっかりと勝利を手にして、次にヴェルディと戦う日まで、“東京を代表するクラブは僕たちだ“と胸を張れるように結果で示していきたいと思います。
Q、アカデミーからトップチームに昇格した選手が“青赤の東京”を代表してピッチで躍動する姿をファン・サポーターのみなさんも期待していると思います。
A、負けてはいけない相手ということを意識しつつ、僕自身としても今後のポジション争いにしっかりと食らいついていけるようなプレーを表現していきたいと思います。ディフェンスの選手ですので、無失点に貢献したいですし、セットプレーのチャンスがあれば得点を狙っていきたいと思います。しっかりと良いプレーをして、結果に繋げられるように頑張りたいと思います。