9/10 福岡戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2023.9.09

9/10 福岡戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

<試合プレビュー>

ルヴァンカッププライムステージ準々決勝第1戦が行われる3日前、リーグ戦でアビスパ福岡に敗れてリーグ戦通算3勝3分8敗という相性の悪さを露呈した格好となった東京。ルヴァンカップにおいても、第1戦を戦う前の段階で1勝3分2敗と対福岡の戦績で負け越している状況だった。

6日にホーム味の素スタジアムで戦った第1戦では、そのジンクスを打ち破って1-0で勝利し、ルヴァンカップにおいては2勝3分2敗というイーブンの成績まで戻した。福岡が2021シーズンに昇格して以降の8試合で1勝もできなかったことを考えれば、東京にとって大きな前進といえる。

東京は第1戦で、直前のリーグ戦を振り返り、ディフェンスラインを3人で構成するシステムチェンジを行った。これによってサイドで優位性を作り、攻守における福岡の縦方向への圧力をいなすことに成功。守備ではウイングバックも含めてスペースを消して相手の速攻へのケアを徹底し、攻撃ではプレスをいなしてビルドアップをスムーズに行うことができた。

アダイウトン選手の先制点でリードして迎えた後半に相手の勢いを正面からモロに受けてしまう部分はあったが、トーナメントにおける勝利の重要性を認識し、まずは守備を整えるという現実的な戦いを優先し結果を残した。2戦合計のスコアで争う今大会では、第1戦の結果が第2戦に大きな影響を及ぼすことが想定できる。

東京は先勝したアドバンテージをどのように活かすのか。大事なのは、福岡の出方を見極めることだろう。

福岡にとってはホームで戦う第2戦。ホームアドバンテージを背に前に出てくるようであれば、東京としては背後のスペースを上手く活用することが必要になる。一方で手堅い試合に持ち込んで高さのある外国籍選手らを活用し、パワープレーで活路を見出そうとするのであれば、前線への配球拠点をハイプレスで潰し、ディフェンスラインのコントロールにより相手フォワード陣をゴールから遠ざけるような積極的な守備が必要になる。

3大会ぶりのルヴァンカップ制覇に向けて、対福岡のジンクスを打ち破った東京が、準決勝への切符を福岡の地から持ち帰る。


[ピーター クラモフスキー監督インタビュー]


Q、短い準備期間で前節のアビスパ福岡戦では布陣を変え、勝利を収めました。
A、選手たちがチームとしてパフォーマンスを出すために、非常に良い動きをしていました。勝利に値するプレー、良い要素が多く見られた試合でした。良かったものを進化させて、改善することが重要です。前半は試合をコントロールしていました。我々に流れがあり、そのなかで良い動きや連動したプレーがありましたし、その動きが先制点に繋がりました。後半は、前半とは違う視点で試合をコントロールできていたと思います。改善しなければいけない点としては、前半のような戦い方を後半も表現することです。その点を改善できれば、後半に追加点を奪うことができたと思います。チームとしての良い守備もあり、無失点で試合を終えることができた点については良かったと思います。第1戦を終え、我々は言わばハーフタイムの状況にあります。第2戦は福岡の地で勝利をつかみ取れるように戦うだけです。

Q、フォーメーションのオプションが追加されたことで、戦術の選択肢が増えたと思います。
A、我々にとって良いチャレンジでしたし、選手たちはしっかりと遂行してくれました。状況に応じて、色々なことができるチームに成長していきたいと思います。良いステップを歩むことができていますが、私たちには改善しなければいけない点が多くあります。チームとして正しい方向に進みながら課題を改善していきたいと思います。何が一番大切なことか、最大限を引き出すためにどうすべきか、という視点で考えた時の選択が先日の福岡戦でした。正しい選択だったと思います。

Q、3バックで試合に臨むにあたり、チームとしてチャレンジした部分があれば教えてください。
A、我々の現状を考えた時に、3バックで試合に臨むことが一番良い選択だと思っていました。そして、試合まで中2日かつ選手たちの状態を考えました。選手たちがベストな状況でプレーすること、攻守において主導権を握るために、チームとして進化していくための選択でした。ここからさらに進化していくために色々なことにチャレンジしてくことが大切になると思います。


[選手インタビュー]
<熊田直紀選手>


Q、準々決勝第1戦で得た手応えや気付きがあれば教えてください。
A、スタートから出場しましたが、個人として何もできませんでしたし、まだまだやらなければいけないことが多くあると感じました。課題として自分自身のパスミスが攻撃の時に目立ってしまいました。ですが、90分近くプレーできたことには意味があると思っています。ここからの試合で出場できるように頑張っていきたいと思います。どのような形であれ、得点を奪える選手がフォワードとして重要ですし、練習から積み重ねていくだけだと思います。練習から示していかなければ、試合中に味方からラストパスも出て来ないと思っているので、結果にこだわっていきたいと思います。

Q、前節はアダイウトン選手とツートップでした。どのようなことを意識しましたか。
A、僕自身、これまでツートップの一角でプレーする回数が多くあったので、やりやすさはありました。守備の時には、前線の2枚でボールに対して守備をかけることができますし、攻撃に関しては、前線の2枚でうまく連携できれば、攻撃を完結することもできます。攻守において、ツートップがどのように関わるかが重要ですが、ワントップとは違った良さが出せると思います。

Q、攻撃だけではなく、高い強度の守備も多く見られました。
A、ここからさらに高めていく必要があると思っています。守備だけではなく、フォワードとして攻撃の質も高めていきたいと思います。ゴール前でボールを触る回数を増やし、自分の特長を出せるように意識したいです。

Q、チームとして九州のアウェイゲームの勝率が良くありません。現状を打破するために必要なことを教えてください。
A、九州のアウェイゲームで勝てていないことは知っています。それに関しては、僕だけではなくチームとしてしっかりと勝ち切ることが重要だと思います。チームのために、勝利のために戦うだけです。


<渡邊凌磨選手>


Q、リーグ戦、ルヴァンカップと3試合続けてアビスパ福岡と戦うなか、相手の特長や戦い方はどのように見えていますか。
A、3日のリーグ戦はミスマッチが起きていたように感じていました。ピッチ内ではギャップをうまく使われてボールを受けられた印象でしたが、後で映像を見返すとそんなこともなく、守備の立ち位置のズレやまずは守備からという雰囲気を感じました。6日の試合のように、攻撃的な姿勢を貫き、相手をしっかりと捕まえる守備ができれば、自然と良い流れが生まれて、プレーも良くなると思っています。

Q、ルヴァンカップ第1戦では中盤の位置で途中出場でした。攻守両面におけるタスクも多かったのではないでしょうか。
A、クラモフスキー監督から『追加点を取ってこい』という指示は当然ありましたが、第2戦に繋げるということを考えた時に、守備に穴を開けないことが大前提だと思っていました。前節は、セカンドボールをしっかり回収することを特に意識していました。第2戦はスタートからなのか、途中出場なのかは分かりませんが、この意識を継続していきたいと思います。

Q、トップ下や中盤の位置でプレーすることで渡邊選手自身の特長がさらに活きているように見えました。
A、360度で選択肢があると僕自身の良さが発揮できると思っています。ポジティブな部分が多く発揮できるポジションだと思います。

Q、第1戦で勝利しているアドバンテージがあるなか、どのように試合を進めたいですか。
A、1-0で第1戦を終えたことは関係なく、攻撃的にチームとして戦うべきだと思います。少しでも守備的な気持ちが出てしまうと、相手の攻撃を受けてしまい失点するリスクが高くなると思っています。攻撃的に得点を奪いにいく、ファーストプレーでシュートを打つようなプレーを見せたいです。僕自身、アウェイの福岡戦でこれまで勝てていないことに対して気にはしていませんし、第1戦で勝利し、第2戦に向けてチームとして良い感覚を持って試合に臨むことができそうです。良い感覚、インスピレーションを大切にしていきたいと思います。