9/10 福岡戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2023.9.10

9/10 福岡戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>

2年ぶりの準決勝進出、そして3年ぶりの優勝に向けて1勝のアドバンテージを持って第2戦に臨んだ東京。リーグ戦も含めた連戦のなかで、第1戦からスターティングメンバーを4人入れ替え、木本恭生選手、バングーナガンデ佳史扶選手、渡邊凌磨選手、仲川輝人選手がスタートからピッチに立った。ルヴァンカッププライムステージ準々決勝、“後半90分”のキックオフを迎えた。

1stHALF—堪え凌ぎながらも終盤に2失点

ピーター クラモフスキー監督が選択したのは4日前の第1戦と同じく3バックだった。自分たちからアビスパ福岡のシステムに合わせて、ミラーゲームの構図を作って福岡と向き合った。

ただ立ち上がりから、ホームの大歓声を受ける福岡の勢いを受けてしまう時間が続く。セカンドボールを拾われ、なかなかラインを押し上げ切れずに自陣で過ごす時間が続いた。それでも、右ウイングバックの白井康介選手と左ウイングバックのバングーナガンデ佳史扶選手がタッチライン際で相手をはがした時には相手陣内の深くまでボールを運び、クロスからゴールに迫るシーンを作り出した。

少しずつペースをつかみかけていた東京だったが、前半の終了間際に一気にリズムを崩してしまう。前半38分、福岡の井上選手に右サイドから対角に鋭いフィードを蹴られると、これを小田選手が胸でペナルティエリア内に落とされ、山岸選手に飛び込まれて2試合合計でイーブンとなるゴールを決められた。

さらにアディショナルタイムには立て続けにコーナーキックを与えると、45+3分に2失点目。前選手がニアサイドに入れたボールを小田選手に頭で合わせれ、ヤクブ スウォビィク選手が鋭い反応で一度はボールをかき出したが、VARのサポートによりゴールラインを割ったと判定された。

2ndHALF—終盤のパワープレーも実らず

前半のうちに2試合合計のスコアをひっくり返され、一転して攻撃に出たい東京だが、前半と同様に思うように攻撃を組み立てることができない。後半11分に切り札のアダイウトン選手を投入するが、持ち味であるドリブルを仕掛けるだけのスペースがなく、攻め手がなかなか見出せなくなる。後半20分には塚川孝輝選手、東慶悟選手、徳元悠平選手の3人を同時に送り込むが効果的な打開策とはならず、時間だけが経過していった。

後半30分にはカウンターから紺野選手にディフェンスラインの背後をとられてゴールネットを揺らされるが、ここはVARのサポートによりオフサイドの判定。一縷の望みを試合終盤へと繋いだ。

終盤は前線に早くボールを送り込み、パワープレーでゴールをこじ開けようとした東京だったが、精度が足りず、高さと強さを備える福岡の守備を崩し切れないままアディショナルタイムに突入。最後はセンターバックのエンリケ トレヴィザン選手を前線に置いてパワープレーを強化するも、これも得点にはつながらず。2試合合計スコア1-2に終わり、準々決勝で敗退となった。

MATCH DETAILS
<FC東京>
STARTING Ⅺ
GKヤクブ スウォビィク
DF木本恭生/エンリケ トレヴィザン/長友佑都(後半20分:徳元悠平)
MF白井康介/小泉慶/原川力/渡邊凌磨(後半20分:東慶悟)/バングーナガンデ佳史扶(後半35分:寺山翼)
FW仲川輝人(後半20分:塚川孝輝)/熊田直紀(後半11分:アダイウトン)

SUBS
GK児玉剛
DF土肥幹太

GOAL

<アビスパ福岡>
STARTING Ⅺ
GK永石拓海
DF井上聖也(後半6分:三國ケネディエブス)/奈良竜樹/ドウグラス グローリ
MF前嶋洋太/前寛之/山岸祐也/森山公弥(後半0分:金森健志)/小田逸稀
FW紺野和也(後半45+4分:ウェリントン)/ルキアン(前半17分:井手口陽介)

SUBS
GK村上昌謙
DF湯澤聖人
FW鶴野怜樹

GOAL
前半38分:山岸祐也/前半45+3分:小田逸稀


[ピーター クラモフスキー監督記者会見コメント]


Q、試合を振り返ってください。
A、残念な結果になってしまいました。前半は自分たちがコントロールしながらバランスよく戦えていたと思います。しかし、前半の終了間際に相手がチャンスを作り、そこでうまく決められてしまいました。後半は選手たちが持っているモノをすべて出して戦ってくれたと思います。ゴールを取りに行こうと必死に戦ってくれました。そうした選手たちの取り組みや姿勢を誇りに思います。しかしながら、厳しいチャレンジになってしまい、残念な結果になってしまいました。

Q、第1戦に続けて今日も3バックで戦った意図や狙いを教えてください。
A、水曜日の戦いで良かった要素がありました。その良さを使うことを考えて戦いました。以前にも話したように、今自分たちの状況を考えて、どのような選手を起用できる状況かを考慮して戦い方を決めました。8日間で3試合を戦う連戦だったこともあり、チーム状況を考えて、そうした選択をしました。そのなか、自分たちが進化し、発展していくために必要なモノがつかめたと思いますので、継続して強いチームになっていきたいと思います。

Q、ゴールが必要になった後半はどのように打開しようと考えていましたか。
A、私のメンタリティーとしても、チーム全体のメンタリティーとしても、前半から次のゴールを奪いにいく姿勢がありました。スコアが0-2になってもそれは変わらないですし、自分たちが強いパフォーマンスを出すために戦っていかないといけませんでした。前半は自分たちがコントロールしながら戦えていた部分はあったと思います。しかしながら、ハーフタイム直前の時間を相手に有効に使われてしまった。アウェイでの戦いで大きな失点になってしまいましたが、自分たちがトロフィーを獲るチームになるためには、逆に自分たちがそうした場面をモノにしなければいけないと思っています。


[選手インタビュー]
<東慶悟選手>


Q、得点を取らなければいけない状況でした。どのような意識を持って試合に入りましたか。
A、まずは少ないチャンスをものにし、1点を奪いにいく意識しかありませんでした。前半に2失点してしまい、試合展開を難しくしてしまいました。

Q、試合の入りは、守備的ではなく攻撃的だったと思います。
A、入りはとても良かったと思いますが、失点を機に相手のペースや雰囲気に飲まれてしまいました。立て続けに与えたセットプレーも、“たられば”になってしまいますが、しっかりと防ぎ切る必要があったと思います。0-2の状況を作ってしまったことで、相手のプレーや戦い方がとてもハッキリとしてきました。第1戦のホームのように、うまく試合を運ぶことができませんでした。

Q、相手の非常に堅い守備もあり、最後の局面に持ち込む難しさもあったと思います。
A、同じようなフォーメーションでマッチアップする状況でしたし、試合終盤はパワープレー気味でした。すべては、前半で勝負を決めることができなかったことが要因です。チームとして試合巧者にならなければいけませんし、詰めの甘さや課題を修正していかなければ、ここからさらに上にはいけないと痛感しました。僕自身は途中出場でしたが、ベンチから見ていてもそのように感じましたし、非常に悔しいです。

Q、アビスパ福岡と短い期間で3連戦を戦いました。全体を振り返ってどのような課題と手応えを感じましたか。
A、このような3連戦はなかなか経験できませんし、常に駆け引きがありました。特に両チームの戦術的な駆け引きがあったと思いますし、何としても勝って次のステージにいきたかったです。次に切り替えて進んでいきたいと思います。

Q、残すはリーグ戦のみとなりました。あらためてここからどのように進んでいきますか。
A、リーグ戦で一つでも上の順位にいけるように、各試合で気持ちをしっかりと出してプレーで示していきたいと思います。


<バングーナガンデ佳史扶選手>


Q、悔しい試合になりました。
A、攻撃のところで、クロスボールを何本かあげましたが得点に繋がらなかったこと、根本的にクロスボールの回数や攻撃に絡む回数が少なく、悔しいです。

Q、スタメンでの出場が5月以来でした。また、ウイングバックでの起用について意識していたことを教えてください。
A、久々のスタメンだったのとウイングバックでの出場ということで、攻撃的にプレーすることを意識していたのですが、結果的に得点に繋がるプレーができませんでした。自分自身のプレーについて、反省しています。

Q、2点をとられて後半を迎える際、ロッカーでは、チームとしてどのようなことを共有していましたか。
A、もったいない失点だったの、みんなももっとやれるという自信がありましたし、クラモフスキー監督も「俺たちはこんなもんじゃないだろう!」と声を掛けてくれていたので、巻き返す気持ちで臨みました。良い結果にならなかったのはすごく悔しいです。

Q、スタジアムには独特の雰囲気が漂っていました。ピッチ上ではどう感じていましたか。
A、ピッチ内では、前半は特にやれている感覚がありましたが、失点の仕方やタイミングが良くなくて相手を乗らせてしまいました。そこはチームとして修正していかないといけないと思います。

Q、バングーナガンデ佳史扶選手自身としては、怪我から復帰して久々に長い時間試合に出場しましたが、今後に向けてどのように取り組んでいきたいですか。
A、試合に出る以上は、結果を出さないといけません。結果が一番だと思っています。今回はそれを達成できなかったので、次に試合に出る時には、結果にこだわりたいです。今日、本当に悔しい想いをしたので、今後はもうこうした想いをしたくありません。残りはリーグ戦だけになったので、切り替えてリーグ戦に集中して取り組んでいきたいです。


<寺山翼選手>


Q、ビハインドの状況で試合に入りましたが、意識していたことはなんですか。
A、負けている状況でしたが、1点を取ることができれば2戦合計で追いつけるという状況でもあったので、まずは1点を取ることを意識して試合に入りました。監督からはウイングバックの位置に入って、点を取るための動きをして欲しいという指示も受けていたので、そこは常に意識していました。

Q、練習なども含めてコンディションも上がってきているなかでの出場でした。個人の出来としてはどう感じていますか。
A、今は自分自身でも身体のキレという部分で手応えは感じています。でも、こうした公式戦に出場した時に結果を出すことができなかったり、印象を残すことができなければ意味はありません。それでも、ただ意味がないというだけで終わらせるのではなく、反省してやり続けるしかありません。やり続けていくなかでチャンスをもらえた時に、より結果を出すんだという気持ちを持ってやっていきたいです。

Q、出場したルヴァンカップ準々決勝2試合を通してどう感じていますか。
A、僕自身の持ち味だと思っている球際の戦いで勝つという部分は特に意識をしていて、少しかもしれないですが、この2試合で出すことができたと思います。自分の特長を出すことができるシーンがあるからこそ、自分のなかでリズムが生まれているということも実感しているので、その部分をもっと突き詰めていきたいです。

Q、今日の結果を踏まえて、ここからどのようなプレーを見せていきたいですか。
A、不完全燃焼に終わってしまっているのもすごく悔しいですし、出場時間が少なかったことも悔しいです。そこは今の自分の実力だと思いますし、自分に矢印を向けて、与えられた短い時間で自分は何を表現できるのかというところにフォーカスをして、トレーニングからもっと質にこだわってやっていきたいです。そして、常に結果を出すということをもっと意識していきたいです。