PLAYERS FILE 2024<br />
DIEGO OLIVEIRA

COLUMN2024.2.22

PLAYERS FILE 2024
DIEGO OLIVEIRA

本気でリーグ制覇を狙う大エース
J1リーグ通算100ゴールも視野に
FW 9 ディエゴ オリヴェイラ



2024シーズンに挑む全青赤戦士を紹介していくスペシャルコンテンツ。果たして開幕を控えた選手たちは何を考え、どんな覚悟で一年に臨もうとしているのだろうか。クラブ愛、タイトルへの渇望、活躍への想い、そして果たすべき役割を胸に秘めた選手たちのストーリーとは──。近年の東京にあって、最大の得点源となってきたディエゴ オリヴェイラ。ブラジル出身の大エースは自らのゴールを積み上げていくことが、チームの勝利に直結していくことも十分に理解している。「サッカーは勝つためにやるもの」。そんな哲学を胸に、ディエゴが本気でリーグ制覇を狙う。




背番号9を担うブラジル人はどの国でも貴重な存在であり、人々の憧れとなる。ディエゴ オリヴェイラもその一人だ。Jリーグでプレーを始めてから9シーズン目。とうとう日本でのプロキャリアがブラジルでの年数を超えた。ゴールの山を築いてきた実績、周囲の人々を敬う人間性、何よりファンタスティックなプレーを支える高度なテクニック。すべてをひっくるめて、今や東京を象徴する“アイコン”だと言っていい。

「ブラジルからはフォワードに限らず、色々なポジションの選手が地球上のあちこちに輸出されている。でも、海外でプレーをするのは誰にとっても難しい。私が高いレベルに達しないと入れないJリーグでここまでやってくることができたのは、周囲の支えもあったからだ。それを大変うれしく思う。東京は世界でも大都市に数えられる街。その首都クラブを代表してプレーすることにもちろんプレッシャーはある。それを苦にするのではなくやりがいにして、この先も戦っていきたい」

2023シーズンまでにJ1リーグで重ねたゴール数は85。昨シーズンと同じ15ゴールをマークすれば、今シーズン中にも記念すべきJ1リーグ通算100ゴールに到達する。「まだまだやらなくちゃいけないことはある」と自己研鑽の必要性を挙げながらも、「これは重みのある数字。ゴールを決めることがチームのためにもなる。自分としても達成したいと思っている」と視野に入ってきた大記録を己のモチベーションに変えている。

そして個人的な記録の先にはクラブとしての念願がある。

「誰しもが1試合でも多く勝ちたいと思う。それは私たちも同じだ。試合は勝つために戦うものだから、もちろん目の前の試合に勝つことが目標。一つひとつの勝利が積み重なって優勝に到達するのが理想だ。最終的には私たちが一番多く勝つ」

2000シーズンのJ1リーグ昇格を受けて、リーグ優勝を本気で狙っていたのはアマラオだった。時を超えて今シーズン、ディエゴもJ1リーグ優勝を成し遂げることしか考えていない。ブラジルから来たエースはいつの世も、自身のシュートで人々の夢を運ぼうとする存在であり続ける。



Text by 後藤勝(フリーランスライター)