5/26 ガンバ大阪戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2024.5.26

5/26 ガンバ大阪戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>

Jリーグ最強の“矛”と“盾”の対決。ここまでリーグ最多26ゴールを挙げている東京が、リーグ最少11失点という堅守を誇るガンバ大阪を味スタで迎え撃った。

5月11日から中2日、中3日と続いた5連戦。リーグ戦では上位進出を視野に入れ始めたタイミングで2分1敗と思うように勝点を積み上げることができなかった東京だが、JリーグYBCルヴァンカップ3回戦では苦手のアウェイ鳥栖で勝ち上がりを決めてホーム味の素スタジアムに戻ってきた。

今節の対戦相手となるG大阪は現在リーグ4位。再び上位争いを視野に入れるために、そして内容を結果に結び付けて再浮上していくため、何としても白星を奪いたい試合となる。

東京はゴールキーパーとディフェンスライン、ボランチ、両ウイングが前節の横浜F・マリノス戦と同じ顔ぶれ。トップ下に荒木遼太郎選手を起用し、最前線にディエゴ オリヴェイラ選手を配置。第3節ヴィッセル神戸戦以来となる荒木&ディエゴの両選手を縦関係に置いた形で試合に臨んだ。

1stHALF—ともにビッグチャンスを決められず

序盤からボールを握って押し込んでくるG大阪に対して、東京はブロックを作って守りながら鋭い攻撃を狙っていく。

まずビッグチャンスを迎えたのは東京だった。前半9分、安斎颯馬選手が右前方のスペースにスルーパスを出すと、相手ディフェンダーとの走り合いで競り勝ったディエゴ選手がキープしながらゴール脇へ。ここからの狙い澄ました折り返しに俵積田晃太選手が右足で狙ったが、至近距離からのシュートがゴールキーパーのファインセーブに遭って先制点には至らない。

続く前半19分にはピッチ中央で起点になった長友佑都選手がゴール前へ。そこで縦パスを受けて左へつなぐと、ペナルティエリア角付近でボールを受けた荒木選手がカットイン。ここからの横パスに後方から走り込んだディエゴ選手が左足ダイレクトで狙ったが、シュートは惜しくもゴールキーパーの正面を突いた。

コンパクトな陣形を敷くG大阪に対して、東京はハイラインの裏を狙ったカウンターを狙うだけでなく、しっかりとボールを握り合う展開も仕掛けていく。

前半42分、左コーナーキックの流れから長友選手が放った力強いミドルシュートが相手にブロックされると、このこぼれ球を拾われてロングカウンターを食らってしまう。山下選手にハーフウェイライン付近から独走を許してしまったが、ここで立ちはだかったのが野澤大志ブランドン選手。相手の強烈なシュートを左手一本で弾き飛ばすスーパーセーブでゴールを死守した。

ともにビッグチャンスを作りながらネットは揺らせず。スコアレスで前半を折り返した。

2ndHALF—大志がファインセーブ連発も終盤の失点に泣く

後半開始早々、宇佐美選手のミドルシュートを野澤選手がファインセーブで防ぐと、ここから東京の左サイドが一気に活性化する。

後半6分、左サイドの狭いエリアでつないだ小泉慶選手からのスルーパスに抜け出した俵積田選手がゴールライン際まで仕掛けてクロス。続く後半8分には俵積田選手がドリブルから折り返したところに長友選手が飛び込むが、クロスの出先で相手ゴールキーパーに弾き出されてしまう。さらに後半9分にはバングーナガンデ佳史扶選手の鋭いクロスを放つが、安斎選手にはわずかに合わず。立て続けに左サイドからチャンスを作り出し、青赤イレブンが勝利をめざしてゴールに迫っていく。

攻勢に出たい東京は後半18分、遠藤渓太、仲川輝人の両選手を投入。鳥栖とのルヴァンカップ3回戦で実戦復帰していた遠藤選手にとっては第9節FC町田ゼルビア戦以来、約1か月ぶりのリーグ戦出場となった。

数多くチャンスを作っていくなか、再び守護神のセーブが輝く。後半22分、相手の左コーナーキックをニアで合わされるが、ダワン選手の至近距離からのヘディングを野澤選手がファインセーブ。素早く右手で弾き出して難を逃れた。

勝負に出る東京は後半32分に2枚の交代カードを切る。トップ下に松木玖生選手、左サイドにジャジャ シルバ選手を投入し、仲川選手を最前線に、安斎選手を左サイドバックに回して打開を図っていく。

しかし後半40分、相手に先制を許してしまう。相手の大きなサイドチェンジから右サイドでウェルトン選手がキープ。ここで直前に投入されていた山田選手に流し込まれた。

終盤に反撃を期す東京は、仲川選手のペナルティエリア内への果敢なドリブル突破や高宇洋選手のシュートなどでゴールへ迫っていく。後半アディショナルタイムには左コーナーキックの流れからエンリケ トレヴィザン選手が蹴り込んで同点に追い付いたかと思われたが、直前のプレーがオフサイドと判定されてゴールは認められず。終盤の失点を追い付けず、今シーズン2度目の無得点での黒星となった。

MATCH DETAILS
<FC東京>
STARTING Ⅺ
GK野澤大志ブランドン
DF長友佑都/木本恭生/エンリケ トレヴィザン/バングーナガンデ佳史扶(後半33分:ジャジャ シルバ)
MF高宇洋/小泉慶/荒木遼太郎(後半18分:仲川輝人)
FWディエゴ オリヴェイラ(後半33分:松木玖生)/俵積田晃太(後半18分:遠藤渓太)/安斎颯馬

SUBS
GK波多野豪
DF森重真人/徳元悠平

GOAL

<ガンバ大阪>
STARTING Ⅺ
GK一森純
DF福岡将太/半田陸/黒川圭介/中谷進之介
MF鈴木徳真/山下諒也(後半39分:倉田秋)/ダワン(後半27分:ネタ ラヴィ)/ウェルトン(後半45+2分:唐山翔自)
FW宇佐美貴史(後半45+2分:松田陸)/坂本一彩(後半39分:山田康太)

SUBS
GK東口順昭
FWイッサム ジェバリ

GOAL
後半40分:山田康太


[ピーター クラモフスキー監督インタビュー]


Q、試合を振り返ってください。
A、両チームともしっかりと出し切った試合だったと思いますし、フットボールの観点で言うと色々なチャレンジがあった試合でした。ただ、それほど何か多くのことが起こっていたわけではないと思います。そして、結果の部分についてはクラブもファン・サポーターも、そして我々もみんなが傷ついた結果になってしまいました。

では自分たちが今日ベストな戦いができたかというと、そうではなかったかもしれませんが、タイトな試合のなかで、勝点3、または勝点1を取れそうなチャンスというのは作れていたと思います。ここからまた自分たちの振り返りを行って、自分たちのパフォーマンスを分析して、この痛みをもってさらに強くなれるようにしていきたいと思います。自分たちにとってうまくいかないことも何度かありましたが、そういった状況も選手たちは今シーズン何度も乗り越えてきていたと思います。今日はその乗り換えるためのチャレンジのなかで、時間が足りなくなってしまいました。

Q、アディショナルタイムのエンリケ トレヴィザン選手のオフサイドの場面について振り返ってください。
A、残念な場面でしたし、ゴールだと思っていました。ただ、判定が自分たちの方にはこなかった、それもフットボールです。大事なことは、そういった時間帯で自分たちがしっかりとチャンスを作ることができていたことです。相手の得点シーンについても、自分たちにとっては良い判定ではなかったかもしれませんが、それもフットボールです。それを乗り越えていくことが必要です。自分たちがコントロールできないものはあると思います。そういったところを、選手たちはしっかりと乗り越えながら今シーズンも戦ってきました。自分たちが前に進んでいくこと、自分たちが信じている方向に進んでいくことを、今日も選手たちが見せてくれたと思っていますし、難しい状況のなかでも乗り越えて戦ってくれていたと思います。

今日の結果は自分たちの気持ちが良いものではありませんが、大事なことはこの痛みをしっかりと自分たちが燃えるものに変えていくことですし、自分たちがもっと強くなれるようにしていくことだと思っています。


[選手インタビュー]
<高宇洋選手>


Q、試合を振り返ってください。
A、センターバックが前に出てボールを奪いに行くなど、うまくハマっているシーンは多くありました。また、僕自身もボールを奪ったあとに前につける意識もありましたが、そこからのチャンスに繋がるシーンが少なかったと思います。相手の背後へボールを送るのか、ボールを保持して押し込むのか、プレーの使い分けが必要だったと思います。

Q、後半からペースがよりあがったと思います。ガンバ大阪の堅い守備をどのように崩そうとしていましたか。
A、後半の中盤まではチャンスもありましたし、背後に飛び出すシーンなどもありましたが、その時間帯で得点を奪うことができれば、試合の結果は違ったと思います。最後に失点してしまったのは、自分たちの弱さです。

Q、一瞬のすきを突かれたような失点でした。
A、あの瞬間もファールか、ファールじゃないかで一瞬チームが止まってしまったと思います。あのようなシーンでも集中力を保ち、守り切らなければいけなかったと思います。

Q、難しい試合内容でも特長は出せていたと思います。
A、ボールを回収するシーンも多く、手応えはありました。個人として、引き続きボールを回収して、前線の選手にボールをつけるシーンを増やしていきたいです。東京には前線に勢いのある選手もいるので、奪った時の優先順位は、まずは前に預けることを意識しています。荒木遼太郎選手やディエゴ オリヴェイラ選手にパスするシーンも多くありましたが、その後の連携面を改善したいです。


<安斎颯馬選手>


Q、試合を振り返ってください。
A、リーグ戦で勝利ができていなかったので、順位的にも勝たなければいけない試合で勝てなかったことは、非常に悔しいです。下を向いている時間はないので、切り替えて次の試合で絶対に勝つことが一番大事だと思います。

Q、試合途中にポジションを変えてプレーしました。どのような意識を持ってプレーしていましたか。
A、前線でプレーしている以上、一番求められている数字を残せていないですし、自分自身も危機感を持っていて分かっています。結果は出ていないので、ウイングの選手が得点に絡まないと勝てるチームにはならないと思うので、まずは結果を残さないといけません。サイドバックとしては、何としても失点をしないことを意識していました。そのなかで失点して負けてしまったことは残念でした。

Q、チームとして失点が続いています。
A、全体的に守備については、決して引いて守ることはせずに、相手を押し込んだなかでプレッシャーをかけることを心掛けています。試合が続いているので、練習ですり合わせる時間はないのですが、試合中に選手同士で話し合って試合中に改善できているところもあります。ただ、試合の入りのところはもっと意識していきたいです。ウイングの位置が少し低い傾向にあるので、自分がもっと押し出さなければいけないと思います。失点が多いからといって、引いて守らないで前線からプレッシャーにいく、攻めの守備を試合開始からしていきたいです。

今日の失点シーンについては、チーム全体の足が止まってしまったということは事実ですし、チームとしてやるべきことを怠ってしまった結果だと思います。あのような失点があると、勝てる試合も勝てなくなってしまうので、チーム全員で試合中に足が止まることがないように、研ぎ澄ましてなくしていかなければいけないと思います。

Q、次節に向けてどのように取り組みますか。
A、リーグ戦では4試合勝てていませんが、その試合を引きずってもしょうがないので、次の試合に“勝つ”ということだけを考えています。アウェイでの厳しい試合になりますが、チーム一丸となって戦いたいと思います。