多摩川クラシコ特別対談<br />
高宇洋×三浦颯太

INTERVIEW2024.8.08

多摩川クラシコ特別対談
高宇洋×三浦颯太


――対戦するそれぞれのアカデミーを卒業された両選手。お互いに面識はありましたか。
三浦颯太 「はじめまして」ですね。
高宇洋 今日の対談企画ではじめてお会いしました。

――本日の対談は小平グランドで実施していますが、三浦選手は久しぶりの小平になりますか。
三浦 小平には何度も来たことがありますし、懐かしさを感じます。川崎から小平に向かう道中もとても懐かしい気持ちになりました。小学生の時は国分寺で開催されていた東京のアドバンススクールに通っていました。スクールの開催場所が国分寺から小平に変わり、ここのグランドでサッカーをしていました。

――スクールやアカデミー時代、どのような選手と交流がありましたか。
三浦 FC東京U-15むさしでプレーしていた時は、いまトップチームに所属する寺山翼選手と同級生でチームメイトでした。今シーズン、お互い負傷したタイミングや時期が一緒でしたので、少し連絡を取り合いましたね。
 いま川崎に所属している選手だと脇坂泰斗選手が顔見知り程度ですが、知っていますね。仲の良かった選手は全員海外に移籍してしまいました…。

――アカデミー時代、お互いのクラブをどのように観ていましたか。
 試合もたくさん観に行っていましたし、多摩川クラシコの盛り上がりを会場で感じていました。東京にブーイングしていた記憶があります。(笑)
当時は、川崎の選手として試合に出て活躍したいという想いもありましたし、多摩川クラシコの雰囲気が好きでしたね。まさか、その十数年後に東京のユニフォームに袖を通すとは全く思ってもいませんでした。
三浦 親と東京の応援をゴール裏のスタンドでしていました。もちろん僕も川崎にブーイングしていました。(笑)


――多摩川“コ”ラシコにも出場されていたとか。
 小学何年生だったかは覚えていませんが、出場したことは覚えています。天然芝でサッカーができることが何よりも嬉しくて。
三浦 僕も高選手と同じで、天然芝、プロの選手が試合をするピッチでサッカーができることに興奮しましたね。味の素スタジアムのピッチでプレーしたのを覚えています。

――両選手にとっても多摩川クラシコは他の一戦とは異なる位置づけですか。
高 そうですね。ファン・サポーターの熱量もいつもの試合より一段階高まるような感覚がありますし、“絶対に負けられない戦い”という雰囲気を子どもの時もそうですし、前回の対戦でも感じました。
三浦 非常に盛り上がる一戦ですよね。試合前の煽り映像やプロモーションにも力を入れている印象です。たしか、イルカとタヌキをモチーフにした煽り映像が昔あったような気がして。少しずつ当時のことを思い出してきました。

――当時、憧れていた選手はいましたか。
高 川崎の攻撃をけん引していたジュニーニョ選手ですね。僕自身もフォワードだったので、速さと得点力を兼ね備えているジュニーニョ選手が、とてもかっこよくて。憧れの存在でしたね。
三浦 僕は誰が好きだったかな…。誰か一人、というわけではなくチームを応援していましたね。


――リーグ前半戦に多摩川クラシコのピッチに立ったお二人。それまで、両クラブやクラシコに感じていたイメージや印象から何か大きく変わったものはありましたか。
 僕が川崎のアカデミーに在籍していたころは、(川崎が)準優勝が多かったイメージです。それこそ、当時のナビスコカップで東京が川崎に勝利して優勝した時にはスタジアムで観戦していました。直近のシーズンでは、優勝常連のクラブですし、非常に力のあるチームという印象に変わりましたね。
三浦 どちらのクラブ視点でも、多摩川クラシコは非常に盛り上がっている印象です。ヴァンフォーレ甲府から川崎に移籍して、はじめて経験した多摩川クラシコも、過去に観ていた多摩川クラシコも両チームの熱量とぶつかり合いを感じる一戦でした。

――お互いのプレーの印象を教えてください。
高 左利きで推進力のあるサイドバックという印象ですね。プレーの力強さを感じていました。
三浦 前回対戦した時に、賢い選手だなって思いました。相手の嫌なポジションをとるボランチという印象です。
 0-3でボコボコにされましたけどね(笑)。

――前回の多摩川クラシコは0-3で川崎が勝利しました。
高 リーグ序盤の対戦で、僕自身も東京に加入して2試合目の公式戦出場でした。0-3の完敗は非常に悔しかったです。
三浦 僕らにとっては今シーズンのホーム初勝利でした。その相手が東京だったことは、僕個人としてとても印象に残っています。チームとしての狙いが表現できた試合でもありましたし、個人としては長友佑都選手とのマッチアップが控えていたので、とても気合いを入れて試合に臨みましたね。

――選手にとっても多摩川クラシコはハイテンションになりますか。
 そうですね。今日のような対談を用意していただいたり、いつもと違う雰囲気を試合前から感じています。ファン・サポーターの熱さもいつもより力強いですよね。
三浦 僕自身、等々力での多摩川クラシコが初の経験でしたし、会場の雰囲気や盛り上がりをピッチ上から感じていました。次の対戦は味の素スタジアムですし、また違った雰囲気を楽しみたいと思います。

――お互いに「ここだけは負けたくないプレー」を教えてください。

三浦 『突破力』は負けたくないです。自分の長所でもありますし、何より味の素スタジアムでそのプレーを表現することに意味があると感じています。魅せたいです。 

高 『奪取』にしました。相手からボールを奪うプレー、個人としてもチームとしてもリーグ前半戦で負けているので、勝点3を奪取する意味も込めました。

――最後に、44回目を迎える多摩川クラシコに向けた意気込みをお願いします。
選手、スタッフ、ファン・サポーターのみなさんが一丸となって44回目の多摩川クラシコを勝ち切りましょう。応援よろしくお願いします。
三浦 盛り上がる一戦で、シーズンダブルを狙っていきます。何としても勝ちたい一戦です。応援よろしくお願いします。