8/7 ガンバ大阪戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2024.8.07

8/7 ガンバ大阪戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>

約2週間半の中断期間が明けて迎えるゲームは、アウェイのパナソニックスタジアム吹田でのガンバ大阪戦。勝点8差で2位に付ける相手との一戦は、上位戦線に生き残るための重要な意味を持つ試合となった。

U-23日本代表から戻ったばかりの野澤大志ブランドン選手がスターティングメンバーに名を連ね、センターバックは岡哲平選手と土肥幹太選手という若手がコンビを形成。右サイドバックには中村帆高選手が、左サイドバックには長友佑都選手が入った。そして、ボランチは小泉慶選手と高宇洋選手が並び、1列前に原川力選手を配置。前線は右ウイングに安斎颯馬選手、左ウイングに遠藤渓太選手、中央に仲川輝人選手を起用した。野澤大志選手と同じくU-23日本代表から戻ったばかりの荒木遼太郎選手もサブメンバー入りし、この重要な一戦に臨んだ。

1stHALF—苦しい時間が続くも守護神が三度ファインセーブ

苦しい45分間となった。立ち上がりこそお互いに睨み合う展開で進んでいき、前半8分にはオフサイドの判定になったが、トップ下に入った原川力選手が相手の最終ラインの裏に抜け出してゴールに近付いた。しかし、徐々にガンバ大阪に押し込まれる時間が長くなっていく。

前半15分を過ぎてからは自陣に釘付けの展開となり、決定的なピンチを連続して迎えてしまう。前半16分にはゴール前で起点を作られ、イッサム ジェバリ選手に強烈なシュートを打たれ、前半23分には右サイドから斜めに走ってきた山下選手に抜け出され、またしてもイッサム ジェバリ選手にヘディングシュートを許す。

それでも、二つのシュートを野澤大志選手のファインセーブでしのぐと、前半32分のダワン選手のミドルシュートも野澤大志選手がはじき出し、先制点を許さなかった。

何とかガンバ大阪の猛攻をしのいだ東京は、終盤になって敵陣でプレーする時間を作る。前半38分には原川力選手が巧みなターンでボールを前線に運び、左サイドへと展開。長友選手のシュートにつなぐと、前半40分には左サイドでボールを動かし、ゴール前に入ってきた中村選手がミドルシュート。枠は外れたが、ようやくボールを動かしながらゴールに迫るシーンを作り、流れを変えたところで試合を折り返した。

2ndHALF—荒木&小柏で反撃。激闘の末の勝点1

仕切り直しの後半、最初にチャンスを作ったのは東京だった。後半2分に右サイドでフリーキックを得ると、原川選手が鋭く低いボールをゴール前に通す。ファーサイドからゴール前に飛び込んできたのは安斎選手。難しいバウンドに頭で上手く合わせてゴールマウスを捉えたが、ここは相手ゴールキーパーにはじき出された。

後半は良い入りをしたように見えたが、後半4分にはゴール前で押し込まれ、ウェルトン選手に決定的なヘディングシュートを打たれる。しかし、ここは中村選手の身体を投げ出した懸命なブロックでゴールを守った。

その後も、ガンバ大阪のペースで進んでいくが、前半に比べて中盤にスペースができるようになると、東京もカウンター気味に反撃に出る機会が増えてくる。そして、後半19分には荒木選手と俵積田晃太選手を投入。ワンプレーで局面を変えられる二人を送り込み、反撃を狙っていく。

後半35分には切り札である小柏剛選手を送り込むと、久々にピッチへと戻ってきた11番がアクセントになって流れを引き寄せる。力強くボールを運びながらペナルティエリア内まで入り込むなど、ゴールに向かっていく縦への推進力となった。

ただ、リーグ最少失点のガンバ大阪の守備陣は堅く、ゴールネットを揺らすまでには至らず。ゲーム最終盤はカウンターを打ち合う展開にもつれ込むも、最後まで失点だけは許さずに勝点1を分け合うこととなった。

次節からは味の素スタジアムに戻ってホーム連戦を戦う。次節には川崎フロンターレとの『多摩川クラシコ』を控える。真夏の反撃へ、東京が上位との激闘で掴んだ勝点1を次節へとつなげた。

MATCH DETAILS
<FC東京>
STARTING Ⅺ
GK野澤大志ブランドン
DF中村帆高/土肥幹太/岡哲平/長友佑都
MF高宇洋/小泉慶/原川力(後半19分:荒木遼太郎)
FW遠藤渓太(後半19分:俵積田晃太)/安斎颯馬(後半35分:白井康介)/仲川輝人(後半35分:小柏剛)

SUBS
GK波多野豪
DF森重真人
MF東慶悟

GOAL

<ガンバ大阪>
STARTING Ⅺ
GK一森純
DF福岡将太/黒川圭介/中谷進之介/松田陸(後半35分:岸本武流)
MF鈴木徳真/山下諒也(後半35分:食野亮太郎)/ダワン(後半35分:ネタラヴィ)/ウェルトン
FWイッサムジェバリ/坂本一彩(後半25分:ファンアラーノ)

SUBS
GK石川慧
DF江川湧清
MF山田康太

GOAL


[ピーター クラモフスキー監督インタビュー]


Q、試合を振り返ってください。
A、ガンバ大阪は非常に良いプレーが多かったのでタフな試合でした。前半に関しては、自分たちで試合をタフにしてしまった部分がありました。ボールを奪った後に自分たちでボールをキープする時間を作ることができれば良かったと思います。それができなかったことによって相手にボールを持たれる時間が続いてしまいました。そうしたこともあり前半は難しい展開になりました。後半になって良くなったと思います。自分たちがリズムを作りながら試合を進めることが自分たちの戦い方だと思います。タフな試合で勝点1をとれましたが、攻撃の部分でフィニッシュまでいくところなど、まだまだ改善できる点があります。大事なことは、ここからリカバリーをしてまた自分たちのパフォーマンスを分析することです。そして、何をすればより良くなるのかを確認していくことです。数日後には大事な試合がまたやってきます。クラブにとってもファン・サポーターにとっても大事な試合です。彼らが誇りに思えるように、彼らが喜べるように、全力を出して戦っていきたいと思います。

Q、攻め込まれる時間が続いていましたが、守備の面をどのように評価していますか。
A、もちろん、今日よりも良い試合ができれば良かったと思っています。もう少しプレスのかけ方を改善したり、守備のところでプレッシャーにいかなければならない部分がありました。その部分は分析して、改善していけるようにしていきたいと思います。今日ポジティブだったことは、守備の時間が長くなってしまいましたが、無失点で試合を終えることができたことです。ただ、もっと自分たちがアグレッシブに前から守備にいけるように積み上げていきたいと思います。前半の攻撃の部分で、ボールを持った時に自分たちらしさを出せていませんでした。前半の終盤の残り10分ぐらいから良くなってきました。後半になってさらに良くなりましたし、相手にも圧力をかけることができるようになりました。もっと早い段階からそうしたプレーができるようにしていきたいと思います。今日は勝点を奪えたことは良かったですが、自分たちはもっとよくなっていけるはずです。

Q、川崎フロンターレ戦に向けてどのように改善をしますか。
A、全ての部分を改善していきたいと思います。攻撃、守備の両面でまだまだ改善しなければいけない点がありました。そこをしっかりと積み上げていくことが大事です。良くできなかったネガティブな面もありますが、これが自分たちのフットボールだという形も出せた部分もありました。そこはしっかりと継続してやっていきたいと思います。そして、今日のこの教訓からもっと良くなるようにしていきたいと考えています。次に続く2試合がファン・サポーター、クラブにとって非常に大事な試合だということを理解しています。しっかりと次の試合に向けてリカバリーし、良い準備をしていきたいと思います。

Q、U-23日本代表の活動から戻った野澤大志ブランドン選手をスターティングメンバーで起用しました。評価をお願いします。
A、今日の野澤選手は非常に良いパフォーマンスを出していました。彼は自身の力をしっかりと出し切ってくれたと思っています。


[選手インタビュー]
<野澤大志ブランドン選手>


Q、U-23日本代表の活動から戻ってきたばかりで難しいところもあったと思いますが、今日の試合振り返って手応えはいかがでしたか。
A、代表から帰ってきて疲れが残っているのかもしれないですが、それでもやはり試合ができることが本当に喜びでしたし、サッカーできることは楽しいので、そこは感謝しています。0-0で勝点を持って帰れたことはポジティブですが、同時にもっと上手くプレーできる部分もありましたし、課題も残っていると思います。ただ、ガンバ大阪も全員の質がかなり高くて押し込まれる時間が長かったですが、やはり前半を0-0で折り返したからこそ、後半は僕らにも少しチャンスが出てき始めました。試合の流れとしては悪くなかったのかなと思います。

Q、野澤大志ブランドン選手のセーブに救わる試合となりました。今日の試合でポイントになるシーンやセーブはありましたか。
A、前半に三つぐらいピンチがありましたが、そこを乗り越えたことが良かったと思います。試合全体を通して、ゴールキーパーとしてゴールを守るという点においては、チームに貢献できたので良かったです。

Q、パリの地で多くのものを吸収してきたと思いますが、川崎フロンターレ、東京ヴェルディとホームゲームが続くなかで、どのような積み上げを行っていきますか。
A、チームメイトと話して、さらにチームとしてもっと良くしていくために改善をしていかなければいけません。川崎戦まで数日ありますが、まずはしっかりリカバリーをしてから、チームとして修正するべきことをしっかりと練習で取り組んでいきたいです。ホーム味の素スタジアムでの試合ですし、観に来てくださる方々に、楽しかったと思ってもらえるサッカーをして、勝ってファン・サポーター、チームメイトと一緒に喜びたいと思います。


<土肥幹太選手>


Q、久しぶりのフル出場となりました。試合を振り返ってください。
A、練習試合で柏レイソルとやった時とは違って、ビルドアップもうまくいかず、守備もあまりはまっていませんでしたが、失点をせず最後まで耐えたのは大きいと思います。次の川崎フロンターレ戦に向けて、守備とビルドアップの部分は大きな課題ができたと思うので、そこを修正できるように準備していきたいと思っています。

Q、パスをつなぐ場面で詰まってしまった印象を受けました。
A、人と人との距離感が悪かったり、ボールを奪った後やセカンドボールが相手に渡ってしまったり、そういう球際の部分で今日は負けていたと思います。距離感が遠く感じたので、一人ひとりの距離感をもう少し近くしていけば、ボールはつなげられるようになると思っています。

Q、ハーフタイムを含め、試合中にどういった修正をしていきましたか。
A、自分たちセンターバックのラインが低かったのもありますが、後半はしっかりとラインを高くして、前からの守備というのを一番に意識しました。

Q、ここから川崎フロンターレ戦、東京ヴェルディ戦と負けられない試合が続きます。改めて意気込みをお願いします。
A、今日のような展開になっても、全員が身体を張ればゼロに抑えられるというのを証明できたと思います。ここからもっと試合内容を良くしていき、失点をゼロに抑え、点をとっていけるようにしていきたいです。


<小柏剛選手>


Q、後半の終盤からの出場となりました。どのような狙いで試合に入り、ピッチでの手応えはどうでしたか。
  A、前半からガンバ大阪のペースで、かなり難しい試合展開でした。それでも後ろの選手たちは失点をゼロで抑えてくれていたので、一つ自分が得点を決められれば、勝てると思っていたので、得点を取ることを目標に試合に入りました。

Q、コンディション的にまだ100パーセントではないのもしれませんが、局面で相手を剥がすプレーやゴールに向かって切れ込んでいくプレーが見られました。プレーの手応えはどうでしたか。
A、そこはできたところもありましたが、ポジション的に前線からのプレッシャーなど運動量を求められていたので、連続した動きで少し息が上がってしまいボールを受けられなかったシーンもあったので、ここからコンディションを上げていかなければいけないと思いました。シュートを一本も打てなかったので、剥がして最後にシュートを打つ、フィニッシュまで持っていくというところは課題かなと思います。

Q、前半は押し込まれ続ける試合展開でした。それを改善するためには、前線の選手としてどういったプレーが今後必要になってくると思いますか。
A、今日は鈴木選手のところでボールを持たれてしまっていたので、そこのパスコースを消すようにフォワードが中を締めながら寄せにいくのか、ボランチを押し出すのかというところをもっとコミュニケーションをとってやらないといけないと思いました。ピッチ内の選手も感じていたと思いますが、奪った後のボールをすぐに取り返されてしまい、ずっと攻撃されてしまう場面が多かったです。そこでどうやってボールを逃して、自分たちのリズムを作るのかというところは大事だと思います。