9/21 浦和戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2024.9.21

9/21 浦和戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>

聖地国立競技場で7試合ぶりの勝利を飾った前節・名古屋グランパス戦から1週間、今度は3か月ぶりの連勝をめざし、真っ赤に染まった埼玉スタジアム2002に乗り込んだ。

名古屋戦から先発の変更は一人のみ。ゴールマウスは野澤大志ブランドン選手が守り、センターバックは森重真人選手と7試合ぶりのスタメンとなった木本恭生選手が形成。両サイドバックは小泉慶選手と岡哲平選手が務め、ボランチは高宇洋選手と東慶悟選手のコンビを継続し、前線にはディエゴ オリヴェイラ選手を頂点に左に俵積田晃太選手、右に仲川輝人選手が並んだ。

今季最多の4ゴールを奪った前節の勢いをさらに加速させ、鬼門の地で4シーズンぶりの勝利なるか。シーズン終盤の巻き返しに向けた重要な一戦が、ビジターエリアをぎっしりと埋めた青赤サポーターからの大きな声援を受け、キックオフを迎えた。

1stHALF—試合をコントロールして2点を先行

前半はパーフェクトに近い内容を披露した。ファーストチャンスは浦和レッズに作られたが、エリア内で渡邊選手に打たれたシュートは枠を外れると、その直後の前半8分には東京がゴールに迫る。俵積田選手が左サイドを仕掛けて上げたクロスにニアサイドでディエゴ選手がつぶれ、ファーサイドで仲川選手がシュート。これはゴールキーパーの正面に飛んだが、狙いどおりの形からチャンスを作った。

そして前半9分には先制点を奪う。東選手からのサイドチェンジを受けた俵積田選手が、今度はカットインを選択し、右足でインスイングのクロスを入れる。これが相手ディフェンダーのクリアミスを誘い、そのままゴールに吸い込まれるオウンゴールとなった。さらに前半17分にはコーナーキックの流れから相手のハンドで獲得したペナルティキックを荒木選手が冷静に沈め、2点のリードを手にした。

全体のゲーム運びを見ても、ゆっくりとボールを動かすシーンと一気にカウンターに出て行くシーンのメリハリがついており、3点目を奪えそうな場面を何度か作った一方で、5分あったアディショナルタイムは浦和に押し込まれたが、しっかり全員でブロックを作りながら無失点に抑え折り返した。

2ndHALF—セカンドボールを回収し試合を支配して完封勝利

2点のリードを持つ東京は、慌てずにゲームを進めていく。無理に攻め急ぐことはせずにボールをしっかりと保持。最終ラインでは野澤大志選手も積極的にビルドアップに関わりながら、数的有利を作り浦和のプレッシャーを乗り越えていき、チャンスと見るや3点目を奪いに行く姿勢を打ち出した。

ただ、ホームで負けられない浦和が前半以上に前へ出てきたことでどうしても押し込まれる時間帯は生まれてしまったが、この日の東京はそこの対応も冷静だった。シュートまで持ち込まれるシーンは多くなく、後半16分に招いた数少ないピンチも最後は岡選手が渾身のシュートブロックでゴールを死守。途中からは、長友佑都選手や安斎颯馬選手といったハードワークが売りの選手たちを送り出し、ゲームをクローズしにかかった。

4分のアディショナルタイムでは野澤大志選手が奮闘する。枠を捉えた強烈なシュートを丁寧にセーブすれば、エリア内の混戦では恐れることなく飛び出しボールにアプローチ。チーム全員でしっかりと耐え切った東京は8試合ぶりの完封勝利を飾り、勝点を44まで積み上げた。

MATCH DETAILS
<FC東京>
STARTING Ⅺ
GK野澤大志ブランドン
DF小泉慶/森重真人/木本恭生/岡哲平
MF高宇洋/東慶悟(後半21分:長友佑都)/荒木遼太郎(後半31分:山下敬大)
FWディエゴ オリヴェイラ(後半31分:安斎颯馬)/俵積田晃太(後半21分:遠藤渓太)/仲川輝人(後半45+4分:野澤零温)

SUBS
GK波多野豪
DF中村帆高

GOAL
前半9分:オウンゴール / 前半17分:荒木遼太郎

<浦和レッズ>
STARTING Ⅺ
GK西川周作
DF石原広教(後半0分:松尾佑介)/井上黎生人/マリウス ホイブラーテン/大畑歩夢
MFサミュエル グスタフソン(後半16分:原口元気)/安居海渡/大久保智明(後半16分:長沼洋一)/渡邊凌磨/関根貴大(後半36分:小泉佳穂)
FWブライアン リンセン(前半27分:チアゴ サンタナ)

SUBS
GK牲川歩見
DF佐藤瑶大

GOAL


[ピーター クラモフスキー監督インタビュー]


Q、試合の総括をお願いします。
A、全体的に強いパフォーマンスを出すことができましたし、勝利に値するものを出すことができたと思っています。自分たちがうまくコントロールしながら、攻撃で相手の隙を突いていける時間帯がありました。そのなかで3点目を奪って相手を突き放せる場面もあったと思います。大切なのは自分たちの決まりごとをしっかりとやり切ることで、それを自分たちのパフォーマンスに繋げていくことができました。すべての選手が強いエネルギーと献身性を持って戦ってくれました。また、ポジティブな点として堅い守備ができていて、連動しながら強く守ることができたことで、無失点に抑えることができました。すべての選手が今日の勝利に大きく貢献してくれましたし、選手たちを誇りに思います。そして、ここに足を運んでいただいたファン・サポーターのみなさんに感謝したいと思います。彼らのエネルギーや情熱というものが、95分間ずっと我々の背中を押し続けてくれたと思っています。

Q、久しぶりのスタメン出場となった木本恭生選手の評価をお願いします。
A、すごく良い、強いパフォーマンスを出してくれました。それは彼が毎日のトレーニングからしっかりと準備し、細かい部分までやり抜いてくれていたからだと思います。試合に出られていない時期にリズムを崩してしまうこともあるかもしれませんが、彼は今日の試合でいつもやっていることをしっかりと出してくれました。すべての局面において強く戦ってくれたと思っています。そして試合をうまくコントロールすることができました。

Q、相手の監督が交代し、どのような点に注意されたでしょうか。
A、浦和レッズは非常に良いチームですし、リスペクトしています。監督も非常に優秀だと思いますし、クラブとして非常に良いフットボールをしていると思います。ただし我々にとって大切なことは、相手のことはリスペクトしていても、恐れずに戦うことです。守備の部分では相手の攻撃にうまく対応できましたし、中をしっかりと締めることができていました。そこからサイドに展開されても、自分たちの決まりごとがあるので、きちんと対応できていました。全体を通して選手たちが非常に良いパフォーマンスを出すために献身的に戦ってくれました。攻撃の部分でも良い場面をつくることができましたし、自分たちが使いたいスペースをうまく使うことができていました。ただし、あと1つ、2つのチャンスをしっかりと決め切って試合を終わらせることができれば良かったと思っています。

自分たちのめざすべきプロセスを継続しながら、パフォーマンスをしっかりと分析していきたいと思っています。そのなかで良くできた部分は積み上げていくこと、まだ磨かなければならない改善点もしっかりとやっていきたいです。しっかりとリカバーをして、次の試合に臨みたいと思います。


[選手インタビュー]
<荒木遼太郎選手>


Q、連勝となりました。試合を振り返ってください。
A、2試合とも自分たちのサッカーができました。試合を支配しながら勝てているなというふうに感じています。速い攻撃もそうですが、相手を見ながらボールをポゼッションして進めていくのが今の自分たちのスタイルです。

Q、幸先よく先制して、2点目のペナルティキックのシーンがありました。東京ではディエゴ オリヴェイラ選手が蹴るイメージがあります。荒木遼太郎選手が蹴った背景を教えてください。
A、特に誰が蹴るというのは決まっていないのですが、試合前にちょうどディエゴ選手と話していて、前節は譲ってくれたから次の機会があったら良いよと言われていたので自分が蹴りました。

Q、蹴る前に時間をかけていました。理由はありますか。
A、自分を落ち着かせるのと、どう助走に入ってどう蹴るかというのを頭のなかで整理してシミュレーションしていたら、少し溜める形になりました。

Q、相手のゴールキーパーをよく見ながら蹴った印象です。
A、相手ゴールキーパーを見ながら蹴るようにはしています。いつもかなりシミュレーションをしていて、1本目だったらどうするか、2本目だったらどこに飛ぶかというのを考えながら、最終的には助走の最後の一歩まで見ながら真ん中に蹴りました。少し左寄りだったのも幸いしました。自分のなかでは逆を突いて蹴れた感覚です。

Q、あらためて5月以来のゴールで、決めた後にはガッツポーズも出ました。
A、そうですね。やはり久々に決められて嬉しかったです。

Q、2-0で折り返したハーフタイムに監督からはどのような指示がありましたか。
A、前半、攻守において良い戦い方ができていたので、後半もビルドアップのテンポを上げていこうという指示がありました。

Q、次節に向けた意気込みをお願いします。
A、2連勝で終わらずに、残りの試合も全部に勝つつもりでいますし、まずは目の前の試合で3連勝できるように頑張ります。


<俵積田晃太選手>


Q、試合を振り返ってください。
A、まずはチームが連勝できたことがうれしいですし、自分たちの力も証明できたと思うので、これから波に乗っていきたいです。

Q、縦への突破や相手との駆け引きがうまくいっているように見えました。
A、カットインのコースを切られて相手の守備が2枚でくる場面もありましたが、その分、縦のコースが空いていましたし、中にはディエゴ オリヴェイラ選手など合わせてくれる選手がいるので、クロスで終えることを考えて縦に突破を仕掛けました。

Q、相手のオウンゴールに繋がったシーンはいかがでしたか。
A、クロスを入れようとしたのですが、相手選手が足を出してきてコースがなくなってしまいました。それでも中には選手がいたので、相手に当たってでもなんでも良いから中に入れようと思いました。結果的には相手のミスでゴールに入ったので、運が良かったと思います。

Q、ゴールへの意識が強く、選手の距離感も良かったように見えました。
A、この距離感を継続することが大事だと思いますし、自分自身ゴールへの意識を強く持って、次の試合も勝ちたいと思います。


<岡哲平選手>


Q、左サイドバックとして連勝に大きく貢献した今節の振り返りをお願いします。
A、守備の選手として自分がやるべきことは無失点で試合を終えることです。失点しないために身体を張ることを特に意識しました。サイド際で相手と対峙する時に、自分のゾーンに追い込むことができれば、カットインからのクロスを相手に与えることもなかったと思いますし、良さである一対一の局面で良さを引き出せたと思っています。最後の部分で相手に裏をとられてしまい、野澤大志ブランドン選手に救われたシーンもありました。修正すべき点も多くあったので、慢心せずに成長していきたいと思います。

Q、前半の攻撃時に俵積田晃太選手が外側、岡哲平選手が内側を取る動きが多くありました。
A、俵積田選手へのマークが分散するように、内側を走ってボールや攻撃に関わることを意識しました。俵積田選手とも、試合前に話し合って、ある程度狙い通りに活性化できたと思います。

Q、前後半通して、コンパクトに試合を運べていました。
A、森重真人選手、木本恭生選手を中心に、ディフェンスラインの上げ下げをコントロールしてくれていました。最終ラインを高くすることで、中央の位置も必然的にコンパクトになり、高宇洋選手や東慶悟選手のセカンドボールの回収率も非常に高かったと思います。各選手の動きがコンパクトさを生みました。

Q、岡哲平選手のオリジナリティがプレーに表れていると思います。3連勝に向けて、意気込みをお願いします。
A、自分にしかできないプレーや高さ、ゴール前に入っていく恐さを(チーム内の)他のサイドバックの選手たちと差別化できるくらいになっていきたいです。そして、スライドやランニングなど、自分自身のプレー強度やベースをここからさらに高めていきたいと思います。