9/21 浦和戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW<br />
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INTERVIEW2024.9.20

9/21 浦和戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW
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<前節・名古屋グランパス戦のレビュー>

一戦必勝。東京に関わるすべての人が強い気持ちを持って臨んだゲームで大きな輝きを放ったのは、ここまで悔しい想いを溜め込んできた背番号10だった。

リーグ戦で今シーズン初めてスターティングイレブンに名を連ねた東慶悟選手。なかなか出場機会を得られずに苦しい時間を過ごしてきた34歳が、ようやく巡ってきたチャンスにピッチで躍動する。

開始40秒でチームのファーストシュートを放つと、ボランチのポジションで展開を読んだ的確なポジショニングと正確なパスでゲームをコントロール。全体のバランスをとりながら存在感を強めていく。

前半13分には前線へのフリーランニングで相手ディフェンス陣のマークをずらし、空いたスペースを活用した仲川輝人選手の果敢なドリブルシュートのこぼれ球に詰めて先制点をマーク。早い時間帯にチームを助ける一撃で国立競技場を熱狂させ、ゴール裏からは彼を称えるチャントが響き続けた。

「テルが思い切って打ってくれて、良いところにこぼれてきた。こっちに転がってくると思わなかったので、ラッキーでした。苦しい思いもしましたけど、必ずチャンスがくると信じて練習してきた。貴重な先制点をとれて良かった。何かご褒美として(自分の前にボールが)転がってきたのかな。サッカーの神様に感謝します」

絶対に勝ちたいと思っていた。「サンフレッチェ広島戦も含めて難しい時期でもファン・サポーターのみなさんが後押ししてくれたことは選手たちにも響いていましたし、必ず応えなければいけないと思っていた」というベテランに引っ張られたチームは、その後も東京らしい鋭いアタッキングに加えて、巧みなボールポゼッションでゲームをコントロール。ディエゴ オリヴェイラ選手のペナルティキック、高宇洋選手の青赤初ゴールや仲川選手の豪快なダメ押し弾で得点を重ね、合計4ゴールをマークして快勝。新国立競技場での無敗記録を伸ばし、リーグ戦7試合ぶりの白星を挙げた。

試合後、ゴール裏で選手たちが肩を組み、久々に勝利の『You'll Never Walk Alone』でスタジアム全体と喜びを分かち合った。

「東京のファン・サポーターはやっぱり最高だなと思ったし、そういう人たちのためにももっともっと頑張らないと。チームとしても課題はあるし、この1勝で満足していたら終わり。僕は優勝争いをしているなかでの『ユルネバ』を経験しているんで、そこに戻れるように一つずつやっていきたい」

まだまだ終われない。応援してくれている人たちに結果で応えたい。青赤の誇りを胸に戦う背番号10の意地が、国立競技場に詰めかけた55,896人を熱狂させるゲームとなった。



<マッチプレビュー>

“俺たちの国立”で誰もが待ち望んでいた白星をゲット。名古屋グランパスを相手に大量4ゴールを奪い、約2か月ぶりのリーグ戦勝利を手にした。

数々の悔しさを乗り越え、青赤軍団が気迫の戦いで勝利をつかみ取った。試合はボランチで今シーズン初めて先発出場した東慶悟選手がバランサーとなり、前半13分にはチームを勢いづける先制点をマーク。その後もチーム全体が統一された意識の下でハイプレスやショートカウンター、サイド攻撃を織り交ぜながら相手陣内に迫り、ボール保持率を高めながら落ち着いた試合運びを見せて快勝。高宇洋選手の青赤初ゴール、仲川輝人選手の1ゴールを含む3得点に絡む活躍など、経験豊富な選手の奮闘が目立つ試合にもなった。

これが7月13日の明治安田J1リーグ第23節アルビレックス新潟戦以来、実に約2か月ぶりのリーグ戦勝利。6戦未勝利という苦しい時期を越えたことでチーム全体が勢いに乗り、今節の浦和レッズ戦で連勝を収めて再浮上のきっかけとしたいところだ。

また、今週、鼻骨骨折などで離脱していた安斎颯馬選手がチーム練習に完全合流。複数ポジションでプレーできる選手だけに、大きな戦力アップとなるのは間違いない。

対する浦和は前節、アウェイのガンバ大阪戦に1-0で勝利。8月末にペア マティアス ヘグモ監督を解任し、昨シーズンまで指揮を執っていたマチェイ スコルジャ監督が復帰。その初戦で白星を手にした。これが実に6月30日以来となるリーグ戦での勝利。チームに生じた大きな変化を経て、東京と同じく長いトンネルを抜け出した状況だ。

前回、4月に国立競技場で対戦した時から大きく選手編成が入れ替わっている。酒井、伊藤、岩尾ら多数の選手がチームを離れ、本間、長沼、二田の各選手を獲得。さらに9月1日には元日本代表の原口選手が10シーズンぶりに復帰し、前節でさっそく途中出場。ボランチの位置で起用されて試合を締めくくり、3,758日ぶりとなる浦和での公式戦出場で勝利に貢献した。強烈なメンタルを持つベテランは攻撃的な役割でのプレーも希望しており、東京としては起用法を問わず警戒すべき存在となりそうだ。

今節はスコルジャ監督、原口選手にとってホーム凱旋試合となるが、アウェイに乗り込む東京にとっては、埼玉スタジアム2002が持つ独特の雰囲気に負けない熱量を披露して連勝を収めたいところ。国立で見せた勝利への執念、展開を読んだゲーム運び、そしてピッチとスタンドが一丸となった戦いを継続させることができれば、必ずや勝利は近づくはずだ。



[ピーター クラモフスキー監督インタビュー]


Q、前節の勝利をどのように繋げていきたいですか。
A、先週もお話ししましたが、良いパフォーマンスを次の試合に繋げていくことが重要です。浦和レッズ戦も同様に良い部分を継続していくだけです。

Q、今節対戦する浦和も前節勝利し、調子を上げているチームです。
A、良いチームですが、自分たちが浦和を相手にどのように戦うかに焦点を置きたいと思っています。チームの決まりごとを体現すること、高いパフォーマンスを発揮すること、結果に繋げるためにハードワークを惜しまないことを求めていきたいです。浦和にはクオリティの高い選手が揃っていますが、攻撃においては相手のスペースを有効活用すること、相手ディフェンスの裏に飛び込んでいくこと、駆け引きで負けないことが重要です。守備の部分ではコンパクトな陣形を崩すことなく、ボールを動かす相手に強く対峙し、我慢強く戦うことが無失点に繋がると思っています。

Q、浦和とのアウェイゲームで、どのような点に注意すべきですか。
A、これまでクラブ(浦和)に多くのものを残してきたマチェイ スコルジャ監督が復帰し、前節勝利をして、彼らはホームに帰ってきます。相手のホームの雰囲気に飲み込まれないようにすることが重要です。そのためには、我々のフットボールをすること、ゲームをコントロールすること、先制点を奪うことが、試合を優位に進めるポイントです。そのようなゲームをピッチで表現することで、アウェイ特有の感情が取り除けると思っています。東京のファン・サポーターが飛び上がるような歓喜を届けたいです。



[選手インタビュー]
<俵積田晃太選手>


Q、前節の名古屋グランパス戦では久しぶりのスタメン出場でした。
A、チームは4-1で勝利しましたが、僕自身ゴールやアシストなど数字として示すことができませんでした。個人として何一つ満足はしていないので、次の試合に向けてしっかりと準備をしていきたいと思います。

Q、しばらく勝利から遠ざかっていたなかで、名古屋相手に4得点できた要因を教えてください。
A、先制点を奪えたことでチーム全体に勢いが増した印象です。プレーするうえで勢いは大事ですし、前節の勝利を浦和戦にも繋げていきたいと思います。

Q、7月6日柏レイソル戦以来のスタメン出場でした。チームも同時期に苦しい期間を過ごしましたが、俵積田選手自身、どのようなことに取り組みましたか。
A、今シーズンが始まってから継続的に取り組んでいるクロスの精度、質についてはトレーニングから強く意識していました。とにかく継続することが重要だと思っていますし、やってきたこと、積み重ねてきたことが試合のパフォーマンスに繋がると思っています。継続して今後も取り組んでいきたいです。

Q、前々節のサンフレッチェ広島戦では小柏剛選手の得点をアシスト。あのゴールが名古屋戦の勝利に繋がったと思います。
A、前節の名古屋戦は相手が守備ブロックをしっかりと組み、ボールに対して密集するような守備、常に目の前に相手選手が多くいるような状況でした。広島戦は試合終盤でしたし、多少オープンな展開になっていました。そのような状況であればスペースもできて、より自分の強みが活きますし、小柏選手の得点をアシストしたシーンのようにボールを前に運ぶプレーもできます。反対に、名古屋のようにスペースを与えないような守備をされた時に、どのように打開するかが求められているポイントだと思っています。

Q、今節は浦和レッズとの一戦です。前回対戦では俵積田選手のアシストが決勝点に繋がりました。
A、まずはシュートの意識を持つことが大切だと思います。僕らの調子が悪い時は、シュートまで持ち運ぶことができない、シュートで攻撃を終えられない印象です。その意識を強く持って、この試合に臨みたいと思います。


<小泉慶選手>


Q、今節は浦和レッズとのアウェイゲームです。連勝のために必要なことを教えてください。
A、前節の結果は一旦忘れて、浦和戦の結果や内容にこだわることで連勝に繋がると思います。名古屋グランパス戦で勝利できた一番の要因は、根本的な部分で相手より戦うことができていた点です。積極的な姿勢、相手より戦えたことが、多くのチャンスに繋がり、勝利に繋がりました。根本的な部分や戦ううえで絶対的に必要なペースにフォーカスすることで、勝利の確率も高まると思っています。選手一人ひとりに求められている部分だと思います。

Q、前節、久しぶりの勝利を手にできたのは小泉選手が言う“根本的な部分”を表現できた結果でしょうか。
A、約2か月勝利から遠ざかり、チームも選手個人もたくさんもがきました。“どうすれば勝てるのか”を全員が模索した結果が、名古屋戦の勝利に繋がりました。そのなかで、ピッチ上で感じたことはプレーの局面で相手との戦いに勝てていたことです。局面で上回ることが試合の結果にも大きく影響しますし、相手を上回らないと試合内容も結果も難しいものになります。もちろん、この“根本的な部分”はすべての試合で絶対に必要です。もしかすると、僕らだけではなくJリーグ全体に求められているようにも感じています。

Q、名古屋戦では久しぶりの右サイドバックで出場。あらためて、課題や手応えをどのように感じていますか。
A、サイドバックの選手としては、まだまだ課題が多くあります。物足りなさを感じていますし、得点に絡むプレーや対人守備の強度も、もっと自分自身に求めていきたいと思います。相手のミスに救われたシーンも多くありました。しっかりと改善して、名古屋戦で表現できた部分は継続して高めていきたいと思います。もっとやれる、もっとやらなければいけないので、チームが勝つために、ポジションに関係なく良い準備をしていきたいと思います。