小川諒也選手 WEB囲み取材

INTERVIEW2022.1.28

小川諒也選手 WEB囲み取材

Q、昨シーズンは中に入るということを自分の判断でやっていたと思うのですが、今シーズンは相手の立ち位置によってどうプレーするのか、具体的な指示はされていますか。
A、そこまですべて型にはめてというわけではなく、自分たちが考えるアイデアを尊重してくれています。言われていることといえば、自分の前がアダイウトン選手だったとしたら、自分とアダイウトン選手が縦でかぶらないように、自分が開いているならアダイウトン選手が中に入るとか、その逆とか、かぶらないようにとだけは言われています。

Q、同じレーンでかぶらないようにとは言われているわけですね。
A、そうですね。選手の距離感とレーンがかぶらないということはすごく言われています。

Q、原則を踏まえていれば、あとは自分たちの判断でどんどん展開していけるということですか。
A、特にゴール前とか、攻め込んだ時には自分たちのアイデアで崩してくれと言われています。自分たちもその方がやりやすいというか、型にはめられ過ぎてしまうと、それができなかったときに対処できないと思うので、そこは自由にやらせてもらっています。

Q、まだ日が浅いですが、やるごとにパターンみたいなものは増えていっていますか。
A、監督のメッセージはすごく理解できます。ただ、まだアルベル監督が理想としている形に自分たちがまだまだ近づけていないというのも分かっています。そうそう簡単にできるサッカーではないと監督も言っていますし、自分たち自身も実感しています。ただ、そのなかでレーンがかぶらないとか、選手間の距離を大事にしていったら自ずと上手いプレーやコンビネーションが生まれてくると思います。

Q、糸満でも練習試合が組まれていますが、ここで実際にJクラブを相手にすることでどれくらいできたかできなかったかが分かるところでしょうか。
A、試合でしか分からないことは多くあると思いますし、すべてが上手くいくとは思っていません。自分では上手くいかないことのほうが多いと思っていますが、それでも課題が出るたびに改善していけば、すごく良いサッカーができるようになると思いますし、良いチームになると思います。

Q、昨シーズンの怪我でケアに対する認識が変わったところはありますか。
A、昨シーズンはトレーナーに診てもらったり、マッサージしてもらうことはあまりなかったんですが、怪我してからこのキャンプでも入念にチェックしてもらっていますし、治療してもらっています。自分でもストレッチを練習前後により入念にするようにはなりました。

Q、自分の体への向き合い方や自分のプレーに対して変化や影響があった実感はありますか。
A、プロに入ってからあまり怪我をすることがなかったので、怪我した時期はすごく考えさせられました。怪我を怖がってプレーが委縮することはないですが、全体的に準備することが多くなったので、プレーにスムーズに入れていると思います。

Q、長友選手の加入やバングーナガンデ佳史扶選手が出場し始めたことで、右サイドバックでもプレーしましたが、今シーズンはやはり左で勝負したいですか。
A、やっぱり右サイドはほとんどやったことがなかったので、また新しい感覚ですごく楽しかったんですが、自分としてはやはり左サイドで上をめざしたいという気持ちがあり、今シーズンは左サイドをやりたいという気持ちが強いです。でも、右サイドをやったときは中にポジションをとるプレーが多かったので、今シーズンは左サイドでその経験が生かされていると思います。

Q、今夜(1/28)の日本代表の試合はご覧になりますか。
A、はい、見ます。代表戦も他のサッカーの試合も見るようにしています。

Q、昨シーズン、代表に入って、森保監督が言うところのラージグループの一員ではあると思います。怪我が治って、そこをめざしていく意識について教えてください。
A、サッカー選手である以上は日本代表をめざしていくべきだと思いますし、自分もそこを目標にしています。今シーズンはワールドカップもあるので、日本代表に戻れるように意識してやっていきたいと思います。

Q、右サイドバックをやった時に、右足と左足の使い方はどのようなバランスでプレーしていましたか。
A、右サイドの時は、どうしてもオープンに持たないといけない場面があったので、右足を使う場面はありましたが、自分の強みとしては左足でのプレーなので、そこを生かせるように内側にポジションをとるプレーだったり、できるだけ左足を生かせるプレーをしていました。

Q、今年は状況によって中に入ってプレーする機会が増えてくると思いますが、その時に昨シーズンの経験が応用できるのではないでしょうか?
A、中に入るプレーというのは、そこまで自分にとって窮屈なイメージはないので、流れの中でプレーできると思いますし、昨シーズンに右サイドでやったというのを生かせると思います。

Q、アルベル監督は、基本的なレーンの動きは要求しても最後の場面は任せてくれるという話でしたが、もしかしたらベースを入れている段階であって、新潟でもそうでしたが引き出しがあって2シーズンでやっていることも違いました。その点について、やろうとしていることが、今後さらに発展しそうな感じはありますか。
A、練習の中でも、監督がやりたいサッカーというのを自分たちが理解してきていると思います。ただ、それをまだ体現できていないのが現状であって、監督が思い描くサッカーができたときには自分たちも一人のサッカー選手として成長できていると思いますし、チームとしてもすごく完成された強いチームになっていると思います。

Q、東京でも日本代表でも当てはまる話だと思いますが、世界的にもフォーメーションというのはスタートポジションだけで、キックオフしてしまえばないようなものだという話もありますが、よくなっていけばいくほどフォーメーションが関係なくなっていくような気がするのですが、その辺の道筋は見えているものはありますか。
A、それこそ、アルベル監督が最後のところは自由と言っているように、自分が中に入っていくポジショニングもそうですし、サイドバックというポジションですがボランチのような役割もあるでしょうし、そのボランチがフォワードのように裏に飛び出していく場面もあると思います。ポジションの型にはまっていたら相手も守りやすいと思うので、攻撃の最後の場面は自由にポジションの枠に捉われすぎることなく流動的に崩せるようになれたらいいなと思っています。

Q、これまでの4シーズンでは長谷川前監督のもとで堅守速攻をやってきて学んだこともあると思うのですが、アルベル監督のもとで違うスタイルに取り組むことで楽しみにしていることはなんですか。
A、サッカー選手として上手くなれるというか、足元が身につく感じはします。

Q、レーンや立ち位置の話がありましたが、このサッカーではサイドバックが司令塔であったり、多くの役割を求められると思いますが、そこはどう感じますか。
A、サイドバックのポジショニングはすごく求められます。受けてからオープンに持つ持ち方についても言われます。サイドバックから攻撃がはじまる形が多いと思うので、そこは自分が舵を取らないとチームが上手くいかないなと感じます。

Q、一方で、攻撃的なサッカーをするからこそ守備の部分で大事にしていること、リスク管理で意識していることはどんなところですか。
A、下がってリトリートする守備というよりは、自分たちがボールを持ち続けて相手に攻撃させないというやり方なので、ボールを奪われた後に前線ですぐとり返して自分たちのボールにすることを望んでいると思います。攻守の切り替えの部分や前線からのハイプレスは昨シーズンからやっていましたが、プレスのかけ方が違うので、そこはすり合わせながら監督が言っていることとピッチの中で調整しながらやっています。基本的には前からプレスをかけるというのは変わらないかなと思います。

Q、練習をみていても、アルベル監督は切り替えやテンポやスピードを意識していると思うのですが、攻守ともに求められていますか。
A、攻撃もそうですが、守備に切り替わったときのプレスというのはすごく言われますし、そこで相手からとりきることを意識しています。

Q、今シーズンから森重選手がキャプテンに就任しましたが、慕っている森重選手を支えていく意識はどうですか。
A、あの人は、支えがいるんですかね(笑)。自分が支えるほど必要ではないと思いますし、前にもキャプテンをやっていましたし、自分の中では1年目から森重選手がキャプテンだったのでそのイメージが強いです。副キャプテンのディエゴ選手もそうですが、(キャプテンだけではなく)それぞれの選手がキャプテンシーではないですが、自分の中で意識をしっかり持ってプレーしたいと思います。

Q、森重選手がサッカーに取り組む意欲について話されていたのですが、小川選手も含めて全体的に前のめりに練習に臨まれていますか。
A、また新しいサッカーで選手たちも新鮮だと思いますし、練習メニューも変わりますし、難しい部分もすごく多いと思いますが、その中で一人ひとりがすごく成長できるという実感があると思います。

Q、これまでと違うサッカーになるにあたって、新加入選手が鍵になると思います。ディフェンス陣の中で、木本選手やエンリケ選手はどんな印象でしょうか。
A、木本選手はもともと足元がある選手ですし、アルベル監督のサッカーにはまっていくと思います。エンリケ選手については、チームにブラジル籍選手が多いので、ディエゴ選手やレアンドロ選手が輪に入れてくれています。左利きなので自分とポジションが近くなると思いますし、そこでのコミュニケーションはかなりとれていると思います。

Q、若手の新加入選手も多いですが、迎え入れる先輩選手たちの様子はどうですか。
A、東京の中で中堅の年代が少なくて若い選手が多いので、遠慮せずにやってほしいですし、グイグイと先輩選手を削るくらいできてもらっていいと思います。もっともっとキャンプの時からガツガツきてもいいかなと思います。

Q、長友選手もいて、ポジション争いで勝たなければ左サイドバックでは試合に出られないと思いますが、その点はどう思いますか。
A、基本的に、自分は日本代表をめざしていて、日本代表の左サイドバックにいるのが長友選手なので、結局は一緒かなと思います。そこで勝たないといつまでたっても日本代表に入れないと思っています。

Q、今年の終わりにはワールドカップがありますが、意識はしますか。
A、意識しないと言ったら嘘になりますし、ワールドカップに出たい思いはすごく強いので、今年はチャンスだと思いますし、ポジションを奪うためにも今年は大事な1年になると思っています。

【取材の様子】