3/15 福岡戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2025.3.14

3/15 福岡戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

<前節・湘南ベルマーレ戦のレビュー>

2試合続けて決定力を欠いて勝点3を手にすることができなかった一方で、内容には確かな手応えを感じるゲームとなった。

序盤から一進一退の攻防が続くなか、東京はボランチに入った橋本拳人選手が最終ラインに落ちながらビルドアップに加わり、3バックの左右ストッパーがサイドバックのような立ち位置をとることで相手のプレスを機能させないことに成功。ここを起点に主導権を握り、前線からの守備も機能したことで、試合は東京ペースで進んでいく。

相手に押し込まれて苦しい状態でつなぐのではなく、チームとしてしっかりと狙いを持った再現性のあるパスワークで攻めどころを探り、何度も決定機を作った。しかし、数多く生み出したチャンスを決めることができない。

後半22分には途中出場した佐藤恵允選手が右サイドから力強く突破。この折り返しを俵積田晃太選手が狙うもゴール上。後半32分にはJ1リーグデビュー戦となった常盤亨太選手の右クロスを中央でフリーになった俵積田選手が頭で合わせたが、惜しくもゴールキーパーの正面を突いてしまう。試合終了間際には仲川輝人選手、野澤零温選手に立て続けにビッグチャンスが訪れたが、これも決めることができずに試合終了。攻守にサッカーを機能させながら勝利を手にすることができず。スコアレスドローという結果に終わった。


<試合プレビュー>

思えばちょうど一年前のことだった。2024年3月16日、苦手にしていた九州でのアウェイゲームで東京がアビスパ福岡から2024シーズン初の勝利を収めて“鬼門”突破に成功。この試合で青赤デビューを飾った高宇洋選手が攻撃の起点として活躍し “リンクマン”としての立場を確立すれば、日本代表復帰が発表された直後の長友佑都選手はJリーグで約14年ぶりのゴールを決めて東京が3-1で快勝。この福岡戦をきっかけに調子が上向き、少しずつ軌道に乗せていくことに成功したことは記憶に新しい。

迎えた今シーズン、松橋力蔵監督に率いられた青赤軍団は新しく3バックを導入し、ボールを大切にしながら鋭い攻撃を織り交ぜるサッカーが確実に機能し始めている。明治安田J1リーグ第4節鹿島アントラーズ戦は0-2の敗戦、第5節湘南ベルマーレ戦はスコアレスドローと直近では勝利こそ手にできていないが、フィニッシュまで持ち込む形や、試合ごとに形を変える可変式ビルドアップ、前線から見せるハードな守備など、チーム状態は決して悪くない。だからこそしっかりと決めるべきところで決めて勝利をつかみ取り、勝ちながら積み上げていくサイクルに入っていきたい。


注目選手は俵積田晃太選手。今シーズンも得意のドリブルを武器に数多くのチャンスを演出しているが、この2試合は決定的なチャンスを決めることができず、本人も「自分が決めていれば勝てていた。初心に戻って一からやり直したい」と責任を感じている様子。まだ二十歳の若さではあるが、開幕前に「年齢に関係なく結果とプレーでチームを引っ張っていきたい」と語っていたこともあり、この壁を乗り越えて青赤に歓喜をもたらせられるかに期待が集まる。

また、昨シーズンと同じく試合直前に日本代表選出が発表された長友選手にとっては、高校時代を過ごした福岡の地での戦い。自身5度目のワールドカップ出場という目標を実現するために、そして東京に熱狂をもたらすためにピッチでの躍動を誓っているはずだ。

対する福岡は開幕3連敗という苦しいスタートとなったが、直近2試合はヴィッセル神戸、京都サンガF.C.に連続完封勝利。今シーズンから指揮官に就任した金明輝監督らしい堅守をベースにしたサッカーで結果を出し始めている状況だ。かつて青赤でともに戦った紺野選手は前節で決勝ゴールを決めるなど好調。鋭いドリブルを持っているだけに、しっかりと警戒しておきたい。

アウェイに乗り込む東京としてはしっかりボールを握りつつ、ピッチ内で臨機応変なサッカーを展開して主導権を奪うことができるか。松橋監督は試合に向けて「優位性を生み出すのは自分たちの積極的なアクション」というポイントを挙げている。チャンスを生み出そうとする選手たちの目線が合ってきているのも事実。攻守にアグレッシブなサッカーを披露し、大事な場面で決め切る勝負強さを見せて、今シーズンも未来へのきっかけになるような勝利をアウェイ福岡の地で手にしたい。


[松橋力蔵監督 インタビュー]


Q、2連勝で東京との対戦を迎えるアビスパ福岡をどのように分析していますか。
A、良い勢いをつけて今節に臨んでくると思いますし、十分に警戒したいです。もちろん、相手のことだけを見ているわけではありませんが、好調であることに違いはありません。(試合中に)良い時間と悪い時間があるなかで、そこを最終的に勝利へとつなげられていることは調子の良い証だと思います。

Q、3バックと4バックを併用する福岡に対してどのような戦い方が求められますか。
A、ミラーゲームになったとしても、プレーにおける局面で自分たちが優位性を保つために、いかにアクションを起こすことができるかが重要です。お互いのシステムだけをみれば、ミラーゲームだとすると、当然優位性はありません。積極的かつアグレッシブなアクションが優位性を生み出します。どのポジションの選手にも求めていきたい部分です。

Q、自分たちの戦い方を整備していくうえで、特に守備の部分で良くなってきている手応えは感じていますか。
A、選手たちも感じていると思います。実際に試合を重ねていくうえで、精度が高まっていますし、選手同士の目線も合ってきています。しかし、良い形の崩しやチームとしてやろうとしていることが全員の頭に入っていても、タイミングがズレてしまえばスペースが生まれたり、誘導するポジションやポイントも変わってきます。まずは“合わせる”こと。もちろん、試合中に見極めていくことも大切です。これは攻撃も同じです。すべての局面で、フルパワーでいくことが決して良いことではありません。試合の流れを手中に収めながら、どのタイミングでパワーとスピードを使って仕掛けられるか、そのタイミングをどう合わせられるかを求めていきたいです。


[選手インタビュー]

<山下敬大選手>


Q、3月13日に29歳の誕生日を迎えてから最初の試合が地元福岡での一戦となります。どのようなプレーをしたいですか。
A、誕生日を迎えたからといって何か特別に意識することはありませんが、29歳になって最初の試合でゴールを決めてチームを勝利に導くことができれば、自分にとって良いシーズンを過ごすきっかけになると思います。まずは勝ちたいです。リーグ優勝を目標としているなかで、引き分けではなく勝ちたいです。点をとって勝つことが一番気持ち良いですし、得点にこだわってプレーしたいと思います。

Q、守備のブロックを崩すのに苦戦している福岡との試合です。どのようなプレーが有効だと思いますか。
A、チームとして良い守備からショートカウンターでチャンスを作ることはできていますが、その回数であったり、シュートの本数をもっと増やしていきたいです。僕自身もシュートに繋がるプレーを意識しています。あとは決めるべきシーンでしっかりと仕留めること。チームを勝たせられるように決め切りたいです。

Q、名古屋グランパス戦、湘南ベルマーレ戦ではスタメン出場。攻撃面や味方との連動で意識していることはありますか。
A、攻撃面はチームメイトとの関係性を持って、三人目の動きを意識しています。ボールを受ける動きや要求するプレーが僕自身足りていないと感じています。要求したシーンでしっかりと受けてシュートまで繋げられれば、チームとしてのゴール数も増えてくると思います。


<長友佑都選手>


Q、昨シーズンの同時期に開催されたアビスパ福岡戦では得点も決めました。
A、昨シーズンも同じような状況でした。1年3か月ぶりに日本代表復帰が決まった後のアウェイ福岡戦でゴールも決めました。(明日の試合で)これはもうデジャブが起こりますよ。

Q、第4節の鹿島アントラーズ戦では、惜しいシュートシーンもありました。
A、今はウイングバックのポジションでプレーする回数も多くて、サイドバックとは違い、より攻撃的なプレーが求められています。攻撃により多く関わっていきたいですし、僕自身もまだまだ足りないと感じています。出場した試合では、得点やアシストの数字にもこだわっていきたいです。