3/20 奈良戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2025.3.19

3/20 奈良戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

<試合プレビュー>

「目の前の敵が最強の敵だ」

 奈良クラブとの試合前日、松橋力蔵監督が選手たちに向けてフォーカスした言葉に、すべてが詰まっている。

3月20日に開幕する2025 JリーグYBCルヴァンカップ。昨シーズンからJリーグ全60クラブが参加するトーナメント制に変更となり、今シーズンはJ1クラブが1stラウンド1回戦から出場するフォーマットが採用されている。東京が初戦で激突するのは、J3リーグの奈良クラブ。アウェイのロートフィールド奈良に乗り込んで大会をスタートさせることになった。

1stラウンドの1回戦から3回戦は文字どおり1試合で勝敗を決する一発勝負のトーナメント戦。下位カテゴリのクラブが上位を破る“ジャイアントキリング”が起こりやすい大会でもあるが、松橋監督は気の緩みを一切見せず、選手たちに一戦必勝の構えを促した。それが冒頭の言葉だ。

「リーグ戦と変わらない本当に大事な一戦になります。相手のカテゴリがどこでも全く関係ないですし、これまでの歴史を見てもカテゴリが上のチームが敗れていることも多くある。そこは本当にフラットな目線で臨みたい」

格上、格下ではなく、自分たちが本当により良いチームになっていく上での大事な一戦。指揮官は「最初から『J3が相手だから』なんて思っていたら、確実に足元をすくわれます。そういうメンタルではダメ。そこをしっかり位置付けられるかが非常に大きい」とさらに気を引き締める。チームは現在リーグ戦で3試合連続無得点という苦境にあるだけに、しっかりと得点を奪って勝利することで今後に弾みをつけたい試合でもある。

フレッシュな選手起用も考えられるが、松橋監督は「ターンオーバーという考え方が最初からあるわけではない」と選手たちに説明。選手のコンディションやこれまでの出場時間など、様々な要素を含めて選手起用を考えていくことを明らかにしている。出場機会に飢えている選手も多く、監督自身も誰が出ても変わらないサッカーを求めているだけに、ここで誰がどんなプレーを見せてくれるのかにも注目が集まる。

Jの“聖杯”をめぐる青赤の戦いが、奈良とのアウェイゲームからスタートする。新しい大会の開幕ではあるが、チームとしてしっかり一戦一戦を積み上げていく姿勢は変わらない。それこそがリーグ戦、そしてチームの大きな未来へとつながるはずだ。指揮官と選手たちが一戦必勝で臨む重要な一戦をしっかりと見届けてほしい。


[松橋力蔵監督 インタビュー]


Q、アビスパ福岡戦から中4日かつ次のリーグ戦まで期間があります。どのような選手選考をしますか。
A、奈良クラブ戦はルヴァンカップの大事な初戦ですし、中4日あれば福岡戦に出場した選手もこの試合に向けて作り込むことができます。この期間を活用して休ませる選手もいますし、様々な内容を考慮して選考したいと思います。

Q、この試合を活用して出場させたい選手もいますか。
A、僕の頭のなかにターンオーバーという考えが最初からあるわけではないです。もちろん、試合に出場しているメンバーを見た時に選手が入れ替わっている可能性もあります。これまでの取り組みや試合出場時間や機会を見ながら決めていきたいと思いますが、一番は日頃のトレーニングから良い状態を保てているかどうかです。

Q、対戦する奈良クラブの印象を教えてください。
A、ボールを大事にしながら試合を組み立てるチームですし、様々なチャレンジを試合のなかでも行っている印象です。僕らはリーグ戦と同じマインドでこの一戦に臨みたいですし、カテゴリーの違いは一切関係ないと思っています。これまでの大会の歴史を見ても、上位カテゴリーのチームが敗れた試合が数多くあります。ですが、そのような試合にしてはいけない、という視点ではなく、“同じ目線でこの試合に臨む”ということを意識したいです。

Q、福岡戦では前から追って来る守備に対して、苦しんだ印象もありました。
A、当然、技術的な部分もありますが、立ち位置なども含め、大胆かつ明確に変える必要もあったと感じた部分がありました。明確に示すことができなかった反省もありますが、トレーニングにしっかりと落とし込むことで、同じ轍を踏まないようにしたいです。チームとしてバランス良く準備をして、次の試合に臨みたいと思います。


[選手インタビュー]

<佐藤恵允選手>


Q、アビスパ福岡戦は悔しい結果となり、勝利から遠ざかっている状況です。どのような改善が必要でしょうか。
A、J1リーグ開幕から、ここまでの試合で監督がやろうとしているサッカーへの理解もチーム全体で深まっていますし、少しずつですが、成長しているとも感じています。ただ、完成を早くしないと結果がついてこなくなってしまうので、少しでも早く完成に近付くことができるかが重要になると思います。前線の選手が点をとれていない現実があります。自分も含めて前線の選手が点をとり、勝てるチームにしてかなければいけないと思っています。

Q、点がとれていないこの状況を打開するためには、どのようなことが必要になると思いますか。
A、ゴール前での思い切りの良いプレーが少ないと感じています。ブロックを敷いてくるチームも多いなかで、アタッキングサードに入った時に無理にでも強引にシュートを打つことなども必要だと思っています。きれいに崩すことも重要ですが、それに固執し過ぎてゴールがとれなかったら意味がありません。泥臭い形でもゴールを狙う姿勢が大切だと思っています。

Q、奈良クラブはJ3リーグに所属するチームになります。J1リーグ所属クラブとの対戦ということで相当なモチベーションで臨んでくると思います。
A、誰一人、油断はしていないですし、監督からは目の前の敵が最強の敵という言葉もありました。相手がどのカテゴリーに所属しているのかは関係なく、戦い方を変える気もないですし、自分たちがやってきたことを試合で出せれば絶対に勝てると思っています。相手も相当な勢いをもって臨んでくると思いますが、自分たちがそれを上回る勢いで試合に臨めれば絶対に勝てると思っています。


<木村誠二選手>


Q、試合出場のチャンスも大いにあるなか、どのようなプレーでチームに貢献したいですか。
A、リーグ開幕から出場したい思いもありましたが、出遅れてしまっていました。時間はかかりましたが、公式戦出場のチャンスが巡ってきていると思うので、しっかりと良い準備をしたいです。ポジション柄、誰と組むか、近くのポジションの選手が誰かによって求められるプレーや立ち位置も変わってくると思います。ディフェンスの選手ではありますが、しっかりと良い攻撃につながるプレーで貢献したいですし、相手のプレーや状況をしっかりと把握して、後ろから組み立てたいと思います。

Q、チームとしては公式戦で3試合、勝利から遠ざかっています。
A、勝利もそうですが、無得点が続いてしまっているので、まずはチームとして得点をしっかりと奪うことが何より重要だと思います。しっかりと勝利して、良い流れをリーグ戦につなげたいです。まずは奈良クラブ戦で勝利すること、チームとしてしっかりと点を奪うことに集中したいです。

Q、番狂わせが起きやすい一発勝負のトーナメントです。奈良を相手に一番意識しているポイントを教えてください。
A、早い時間の得点が重要だと思います。得点が奪えずに試合が進んでしまうことで、間延びや思うようなプレーができずにズルズルと時間だけが過ぎてしまい、相手のプレッシャーを受けやすくなってしまいます。先制されることは何より避けたいことですし、一発勝負の大会ではどれだけ早い時間帯に先制点を奪えるかがポイントだと思っています。前線の選手が良い攻撃を仕掛けられるような組み立てを後方からサポートしたいです。