4/11 柏戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2025.4.10

4/11 柏戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

<前節・ファジアーノ岡山戦のレビュー>

立ち上がりから東京が圧倒的に攻め込んだ。細かい動き直しと積極的な3人目の動きでパスの選択肢を増やし、高いボール保持率でファジアーノ岡山陣内でのプレーを続ける。

前半5分には佐藤恵允選手が鋭い右クロスでチャンスを演出すると、直後の同6分には土肥幹太選手の縦パスから右サイドで白井康介選手、佐藤選手へとつないで決定機を作る。さらに同7分には俵積田晃太選手のドリブル突破から中央で佐藤選手が再びシュートを狙うが、これも寸前のところで相手のプレスバックに阻まれてしまう。続く同9分には安斎颯馬選手の右コーナーキックを佐藤選手がドンピシャで合わせたが、これはゴールキーパーの正面を突いて得点には至らなかった。


何度も惜しいシーンを作りながら先制点が遠い東京。前半20分過ぎから攻撃が単調になって少しずつトーンダウンしていくと、岡山に押し込まれる時間帯へと移ってしまう。最終ラインの5人と中盤の4人でブロックを構築して対応してきた相手に手を焼き、動き直しやフォローが減って攻撃に厚みを出せなくなってしまう。

後半開始直後にゴールネットを揺らされたシーンはVARのサポートでオフサイドと判定されて難を逃れたが、その後も思うように流れを引き戻すことができない。すると後半16分、クリアし切れなかったボールを後方から走ってきた田部井選手に胸トラップから豪快なボレーを決められてしまい、先制点を奪われてしまった。

選手交代や4バックへのシステム変更で打開を図ったが、試合はこのまま0-1で終了。リーグ戦6戦未勝利という悔しい結果で帰路に就くことになった。


<試合プレビュー>

俺たちの国立ですべての流れを変えたい。

現在、リーグ戦6戦未勝利。連続無得点は前々節の東京ヴェルディ戦でストップさせたが、チームとしては何度もビッグチャンスを作りながら決定機を決め切れず、勝利を手にできない時期が続いている。悔しさは誰もが胸に抱いていることだろう。

結果が出ないことで“矢印”が色々な方向に向いてしまいがちな状況でもある。それでも自分たちが歩んできた道、ここから進む道を信じなければ未来はない。松橋力蔵監督も「安易に違うものに手を出して、うまくいかないからまた違うことをやるようでは、すぐにバラバラになって崩壊する。難しい時期にすぐ諦めるのではなく、耐えながら続けていくことが大事。一つのゴールや勝利という結果で、色々なものがグンと伸びる。選手個人もそうだと思いますけど、成長は徐々にするものではなく、急激に訪れるものだと思っています。そこをしっかり見据えながら、耐えて続けていければ」とチームが持つポテンシャルを信じて前を向く。


ここまで歩んできた道が間違っていないことをチームに伝えるため、指揮官は前節終了後に攻撃面のデータを提示。監督が「主観的にできていると思っていた」ことを客観的な視点から分析・共有し、しっかりと同じ方向へ進んでいけるように目線を合わせた。

耐える。我慢する。やり続ける。これはシーズンを通じての取り組みだけでなく、ピッチ内でも同じことが言える。この数試合、多くのチャンスを作りながらトーンダウンしてしまう傾向が見受けられることについて、松橋監督は「攻めながら耐えること、我慢することが重要」とファジアーノ岡山戦後に話していた。ボールを握っている状況での動き直し、3人目の動き、長短のパスを使い分けるような攻撃、そして攻めながらのリスクマネジメント。点が欲しいばかりに焦って単調な攻撃になってしまいがちな状況で、いかに我慢しながらチャンスを構築し、しっかりとゴールから逆算した攻撃を見せられるか。まさに“力蔵トーキョー”の耐える力、継続力が試されている状況だ。


対する柏レイソルは今シーズン、新たに指揮官に就任したリカルド ロドリゲス監督がポゼッションサッカーにスタイルチェンジし、敵陣ポゼッションはリーグトップの数字を誇る。3勝1分と開幕ダッシュしながら、その後は3分1敗と勝ち切れない試合が続いていたが、前節のガンバ大阪戦で久々の勝利。勢いに乗って乗り込んでくる。注意すべき攻撃のキーマンは、2年目の熊坂選手と昨シーズンまで東京に在籍していた原川選手。中盤でゲームをコントロールする両者に対して、東京としては的確な立ち位置で相手の攻撃を封じながら、ボールをしっかりと握って戦うことで勝利を引き寄せたいところだ。

自分を信じ、仲間を信じ、めざすべき道を突き進む。明けない夜はない。止まない雨はない。だが、待っているだけでは何も変わらない。歩みを自信に変えるゴールと勝利を手にするために。 “俺たちの国立”で、心一つに。


[松橋力蔵監督 インタビュー]


Q、今節のホームゲームは国立競技場での開催です。
A、日本サッカー界の聖地ですし、僕自身プレーヤーとして立たせてもらったこともありますが、いつもと違う雰囲気に多少緊張感が増すのかなと思います。ですが、我々のホームグランドとして、しっかりと勝利をめざして全力で戦いたいです。

Q、難しい試合が続いているなかで、選手に対してどのようなアプローチを意識されていますか。
A、もちろんうまくいっていない、チャンスを得点につなげられていない、簡単な失点を与えてしまったシーンもありましたが、過去のデータなどを踏まえて、客観的に数字だけを見ても良くなってきている部分があります。選手たちには主観的なものだけではなく、客観的なデータを示すことで、我々が進んできた状況を共有し、ちゃんと前に進んでいることを伝えました。

今は、困難な時期を過ごしていますが、やり続けることで必ず良い方向に進むと思っています。これが間違えだ、失敗だと思うのではなく、困難な時だと認識しています。困難と失敗は違います。ですが、個人としてもチームとしても、“なぜそうなってしまったのか”という部分は突き詰めていく必要があります。良い流れが相手に転がってしまう傾向があります。組織に寄りかかりすぎるのではなく、個々の良さや強度が薄まってしまっている印象も受けています。局面の戦いや強さについては、今一度締め直して選手たちも戦ってくれると思います。

Q、柏レイソルはリーグ屈指のボール保持率の高さを誇ります。その相手に対してどのような戦いが求められますか。
A、相手に簡単にボールを渡さないことも大事ですが、そこで渡り合うことだけではありません。主導権を握るためには、様々な局面で上回ることが重要です。一つひとつの場面に“競争”があります。一つでも一回でも相手を上回ることを選手には求めていきたいです。我々の持っているアドバンテージも前面に出して、最終的にチームとして相手を上回れれば良いと思っています。


[選手インタビュー]

<仲川輝人選手>


Q、チームとして相性の良い国立競技場でのゲームです。
A、まずは勝つことだけを考えてプレーしたいです。会場の雰囲気をしっかりと味方につけて、勝負にこだわりたいです。

Q、勝利から離れている試合が続いていますが、ここから浮上するために必要なことを教えてください。
A、会場の雰囲気を味方につけつつ、個人としては、この試合がキーになるゲームだと思っています。ここから順位を上げていくためには、当然、勝ち続けなければいけません。現状、下位のグループにいますが上位グループとの勝点差も詰まっています。ここからの連戦をしっかりと耐えつつ、連勝をめざしていきたいです。勝つ準備をしています。

Q、柏レイソルを相手に主導権をどう握るかがポイントになると思います。
A、面白いサッカーをするチームですし、ボールをどちらが保持するかもポイントですが、相手のボールをどう奪うか、奪いに来た相手をどう裏返してチャンスに繋げるかが勝負のポイントだと思っています。選手それぞれがマンツーマンでプレーする局面が増えてくると思うので、個人の打開やプレーの選択が相手との違いを生むと思っています。


<土肥幹太選手>


Q、前節は後半に点を決められてしまい、敗戦となりました。前節を振り返ってください。
A、最近の試合では、前半は良い形を作ることができているのですが、決め切ることができずに後半に失点をして負けてしまっています。後半の試合の入り方の改善など、もっとできることがあると思います。前半のようなプレーを後半もできるようにしていかなければならないと思います。疲れてきた時にミスが目立ち、そこから失点してしまうシーンが多く見受けられます。そこでいかに声を出すなどして締めることができるのか、など改善すべきところは見えているので、そういった部分を改善していきたいです。

Q、失点する試合が続いてしまっています。どのような改善が必要になりますか。
A、判断ミスが失点に繋がってしまっているので、自分たちが押し込まれているようなシーンであれば、ロングボールを使って一度相手を後ろ向きにさせることが必要だと思います。前節でいうと、風も強かったので、そこを考慮したプレーも必要だったと思います。

Q、柏レイソルの印象を教えてください。
A、しっかりとボールを保持しながらも、得点をしっかりととっています。失点も多くはないので、先制点が重要になります。先制点をとれるように、チャレンジするところはしながらも、リスクマネジメントをしっかりとして失点をしないようにしていきたいです。

Q、国立競技場での試合になります。試合にはどのように臨みますか。
A、試合を追うごとにチャンスの数も増えてきています。良い形をゴール前でも作れているので、1回でも多く作ることができるようにしていきたいです。僕自身、前線の選手へのパスについて、足元だけではなく相手の背後へも出せるようになってきているので、そういった部分は継続していきたいです。ただ、チャレンジすることも重要ですが、質の部分で自分たちのミスをなくさないといけないので、とにかくやっていかないといけないと思っています。試合会場に関係なく勝利が欲しい状況なので、どのような場所であっても、どのような相手であっても、どんな得点でも良いのでとにかく勝ちたいです。