5/17 浦和戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2025.5.16

5/17 浦和戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

<前節・ヴィッセル神戸戦のレビュー>

リーグ連覇中の王者を味の素スタジアムに迎え撃った一戦。

ロングボールとハイプレスを中心にパワフルなサッカーを見せてくる相手に押し込まれるシーンが目立ったが、東京は少しずつボールをつなぎながら攻め手を探り、鋭い攻撃でチャンスを生み出していく。

木村誠二選手の正確なロングフィードから白井康介選手の抜け出し、マルセロ ヒアン選手の力強いドリブル突破などでゴールに迫るもネットは揺らせず、お互いに無得点のままハーフタイムを迎えた。

後半もスピード感溢れる攻撃で相手陣内に襲いかかる東京。俵積田晃太選手が切れ味鋭いドリブル突破から周りを活かす仕掛けを見せれば、後半もヒアン選手がスペースを狙ったドリブルでゴールに迫る。

ヴィッセル神戸のゴールが二度に渡ってオフサイドと判定され、東京も後半アディショナルタイムにヒアン選手がゴールを揺らしたかと思われながら直前で仲川輝人選手にハンドがあったとしてノーゴールに。

このままスコアレスドローかと思われた後半アディショナルタイム13分、この試合で今シーズン初めてリーグ戦でスタメン出場を果たしていた波多野豪選手のキックが一気に試合を動かす。

自陣から一気に相手をひっくり返す超ロングキックに仲川選手が抜け出してシュート。このこぼれ球を拾った安斎颯馬選手が狙ったところは相手にブロックされたが、ハンドの可能性があるとしてVARのサポートが入り、オンフィールドレビューを経てペナルティキックの判定に。

土壇場で巡ってきた最大のチャンスを背番号19が右足で冷静に沈め、劇的なゴールで東京が勝利。今シーズン初の連勝を収め、第3節以来となる味の素スタジアムでの白星を手にした。


<今節のプレビュー>

今シーズン初の3連勝をめざす一戦だ。

前節はヴィッセル神戸のパワフルなサッカーに耐え、ボールをつなぐ時間帯も作りながら前線のスピードを活かした鋭い攻撃で相手陣内に攻め込んでいく。そして終了間際のマルセロ ヒアン選手のペナルティキックが決勝点となり、今シーズン初の連勝を収めた。

リーグ戦初スタメンで注目された波多野豪選手の活躍も大きかった。ハイボールの処理で圧倒的な存在感を見せ、安定したキャッチングも披露。劇的な決勝弾の起点となる力強い超ロングキックも繰り出した。ここまでファインセーブを連発してきた野澤大志ブランドン選手とのポジション争いが激化するのは必至。誰がゴールマウスに立ち、どんなパフォーマンスを見せてくれるのかも楽しみの一つになりそうだ。

この連勝で東京は5勝4分6敗の成績に。今節で勝利すれば五分に戻すことができる。直近のシーズンでは、「ここで勝てば勢いに乗れる」と思われる試合で勝利を逃すことが多かっただけに、きっちりと勝点3を手にすることで一気に勢いに乗りたいところ。松橋力蔵監督も「今節で勝利して勝点を上積みすることで、3連勝だけでなく、その先も見えてくる」と話しているように、単なる1試合ではない重みを秘めた一戦とも言える。

浦和レッズは開幕4戦未勝利で一時は19位まで沈んだが、そこから少しずつ復調して第10節からの5連勝で一気に上位へ。その最大要因が1トップに松尾選手を置き、2列目に金子、渡邊、マテウス サヴィオの各選手を並べた布陣へのシステム変更だ。流動的にポジションを変えながら攻め込むことで攻撃に怖さをもたらし、一気に得点力を向上させた。カウンターの破壊力もあり、守備の堅さも持っているチームだ。

もちろん弱点がないわけではない。ガンバ大阪は前々節で守備を固めてスペースを消し、浦和の良さを消すことで勝利。見事にアウェイで浦和の連勝を止めた事実もある。この試合を踏まえたうえで、“力蔵トーキョー”はいかなる戦い方を選択するのだろうか。

ポイントはやはり対応力と臨機応変さになるだろう。相手の良さを出させないために、どう戦うか。そしてどう東京らしさを発揮していくか。ゴールキーパーを含めた数的優位を作りながら、パスコースを増やしながら、バランス良く攻め込むのが理想的。しっかりと立ち位置をとり直すことでチャンスも作ることができている。もし相手が一気に裏返してくるなら、守り方も考えなければならないが、G大阪のように後方を固めて鋭い攻撃を仕掛けるのも一手だ。いずれにしても焦ることなく、試合展開と相手の出方を見ながら対応を変えていく“賢い戦い方”を求めたい。直近の課題だったポイントが今まで以上に試される試合になりそうだ。

まずは戦績を五分に戻して、その先へ──。今シーズン初のリーグ戦3連勝を懸けたゲームは、今後の行方を占う大きな一戦となる。


[松橋力蔵監督 インタビュー]


Q、連勝でチームの雰囲気も良くなっているなか、どのような点をさらに上積みしていきたいですか。
A、目の前の相手を倒すために、情報を整理しながら自分たちの狙いを体現するために、いかに力をかけられるかがポイントだと思います。3連勝、その先を見据えて戦いたいですし、勝点を上積みすることで見えるものも変わってくると思います。勝つことが何より大事です。

Q、攻撃的なサッカーが特長の浦和レッズですが、監督からはどのように見えていますか。
A、攻撃的でありつつ、しっかりとした守備からのカウンターが強みだと思います。様々な視点で警戒して臨まなければいけないと思います。

Q、今シーズンは残り15分間での得点、失点が多い傾向にあります。開始から試合を動かすためにどのようなことが重要になりますか。
A、チャンスを逃さないこと、そしてチャンスもピンチも感じとれる“感度”が重要だと思います。試合序盤はお互いが攻守においてパワーを持って戦う局面が多いと思いますし、時には一対一の個の局面もあると思います。序盤のタフな戦いをいかに制することができるか、が大事になると思います。

Q、攻撃時の人数のかけ方、立ち位置など、試合を重ねるごとに良くなっているように見えます。
A、徐々に、という感覚です。取り組んだからといって、すぐに表現できるわけではなく、日々のトレーニングから選手たちに求めていることが少しずつ染み込んでいき、それがにじみ出るようなことだと思います。データ的な側面でも、数値として向上している部分は多くあります。ですが、決してそのデータに寄りかかり、安心し切っているわけではありません。一瞬一瞬を逃さないこと、五分五分のボールを逃さない、局面で負けないことが勝利につながる重要な部分だと思います。


[選手インタビュー]

<遠藤渓太選手>


Q、今シーズン初の二連勝を勝ちとった、ヴィッセル神戸戦を振り返ってください。
A、難しい試合になったことは観ていた人も分かると思いますし、前半の入りや前半の20、25分ごろはタフな時間帯でした。白井康介選手の一つのラインブレイクで試合展開や雰囲気もガラッと変えられたのは良かったと思いますが、何かのきっかけでそういった現象を起こすのではなく、みんなが雰囲気を変えるきっかけを作り出せるように、常にトライしていきたいです。ただ、そういったきっかけがないと逆に火が点かないといったわけではなくて、きっかけがなくてもスイッチを自分たちで入れなければいけないというのは試合をとおして感じました。スタジアムの雰囲気を含め、最後はあのようにペナルティキックで得点を奪って勝てたことも、スタジアムに来てくれて雰囲気を作ってくれたファン・サポーターの力だと感謝しています。

Q、この連勝している流れを途切れさせないということが、今後上位に食い込んでいくうえで一番必要かと思います。
A、あまり連勝を途切れさせないとか、その先の3連勝、4連勝を意識するよりは、自分たちのやるべきことをやっていれば結果はついてくる、と思っています。あとは自分たちがやるべきことが勝利につながるかは、やれていることが勝利に値するかどうかだと思うので、最初から自信を持って自分たちのプレーをしたいなと思います。

Q、前節は失点をしなかったことが結果として劇的な決勝点につながったと思います。失点が続いていたなかで、どのような守備の改善を行いましたか。
A、チーム全体でよく話すようになりました。自分も周りの選手とはとても話すようになったので、そこも大きいと思います。チームのなかでも無失点で試合を進めれば、どこかで一点とれるという自信もあると思うので、試合をとおして苦しい時間や、押し込まれる展開もあると思いますが、そこを焦れずに守るというのが今はできていると思います。

Q、浦和レッズの印象と、勝つためにはどのようなことが重要になるか教えてください。
A、スタジアムの雰囲気もすごいですし、あの熱量の中でサッカーができるのは味方であっても、相手であっても素晴らしいことだと思います。選手それぞれが、浦和の何万人と入っているファン・サポーターを黙らせるつもりでそこに臨んでいけるかが大事です。少しでもビビったり、雰囲気に呑まれてしまったりしたらすぐにそこを突いてくるチーム、空間だと思うので、そこが重要だと思います。


<佐藤恵允選手>


Q、浦和レッズ戦に向けてどのような準備をして臨みますか。
A、攻め込んでいても奪ったボールを素早く前線につなげてカウンターを仕掛けてくるので、いつもどおり、まずは切り替えてプレスバックや前線からのチェイシングで簡単に前線にボールを運ばせないようにしたいです。相手の前線には強力な選手が揃っているので、そこにボールがいかないようにアプローチをかけてボールを奪って、またそこからのショートカウンターを決められるぐらいやっていきたいと思います。

Q、チームとして、やりたいことも精度が上がってきていると思います。
A、立ち上げ当初からやってきたサッカーも形になってきています。それに加えて、昔ながらの東京の特長でもあるカウンターサッカーの強みがうまく融合して良いものとなってきているので、ここで3連勝して自信をつけてより良いチームにしていきたいです。

Q、先制点をとることで自分たちのチャンスがより増えると思います。
A、そのとおりだと思います。先制できれば相手の選手がボールを奪いに来て背後のスペースも空くと思いますし、しっかりと保持することもできます。いかに先制するかが勝敗を分けるところにもなると思います。

Q、佐藤恵允選手の得点をファン・サポーターも期待していると思います。
A、チームとして3連勝するというところに全力を尽くします。その先に自分が点を決めて勝つことができれば良いと思っています。まずはチームのために戦い、3連勝したいという気持ちが一番強いです。

Q、初めての埼玉スタジアム2002での試合になりますが、いかがですか。
A、過去に一度だけ試合を観戦しに行ったことがありますが、雰囲気がすごかったという印象があります。実際にチームメイトも言っていますし、テレビやDAZNで見ている時も声援や歓声が大きいイメージです。とてもアウェイな環境で戦うことになると思いますが、そういった状況になったほうが、燃えるタイプです。ワクワクしています。