6/22 G大阪戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2025.6.21

6/22 G大阪戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

<前節・セレッソ大阪戦のレビュー>

味の素スタジアムでセレッソ大阪を迎え撃った、2週間ぶりのJ1リーグ再開戦は激しい打ち合いの末に2-2で勝点1を分け合った。松橋力蔵監督は開幕から継続してきた3バックに一区切りをつけ、中断期間中に4バックを導入。開始直後、その“ドレスチェンジ”が先制点につながった。キックオフからわずか3分だった。連動したプレスで左サイドに追い込み、挟み込んで高宇洋選手が高い位置でボールを奪うことに成功する。その勢いのままゴール前へとラストパス。これに反応したマルセロ ヒアン選手がワントラップから右足で流し込んでリードを奪った。

だが、前半42分にC大阪に一瞬の隙を突かれてしまう。敵陣に攻め入ったところでこぼれ球を香川真司選手に拾われると、ロングフィードでラファエル ハットン選手に抜け出されて失点。1-1で後半へ折り返すと、後半26分にシステム変更の虚を突かれてしまう。3列目から走り込んできた田中選手のマークにつききれず、スルーパスを通されて勝ち越しを許してしまう。


味スタで負けられない東京は後半36分、ホームの声援に背中を押されて反撃に出る。途中出場の野澤零温選手が右サイドで起点を作り、背後のスペースへと流し入れる。そこにヒアン選手が走り込んで右足で試合を振り出しに戻す同点ゴールを決めた。

勢い付く東京は攻勢を強めるも、逆転まであと一歩及ばず。タイムアップの笛が吹かれた。新システムの手応えと課題の両方が見えた一戦となった。

試合後、2得点でチームを救う活躍を見せたヒアン選手が「チームを救いたい一心でプレーしていたし、その想いが同点ゴールにつながった。試合終盤にかけて優勢に進めることがチームとしてはできていたが、逆転できず非常に悔しい」と唇をかみ、「次の試合は何としても勝利を掴み取りたい」と前を向く姿が印象的だった。


<今節のプレビュー>

天皇杯2回戦のツエーゲン金沢戦を挟み、今節はパナソニック スタジアム 吹田に乗り込んでガンバ大阪と対戦する。天皇杯から中3日の限られた準備期間となったが、松橋監督は「コンディション面の調整と細かい部分の目線を合わせること。戦術の確認をミーティングで共有した」と言う。

2025明治安田J1リーグは19試合を消化。東京は、5勝5分け9敗で勝点20の17位に沈む。得点はリーグ14番目の『19』で、失点はワーストタイの『28』。歯止めが効かない失点をいかに減らし、得点を伸ばしていけるかは4バックシステムの成熟に懸かっている。指揮官はこう言葉にする。

「失点がここまで多いですし、引き締め切れていません。ただ、全体のバランスが重要だと思っています。攻守のバランスをしっかりと見て試合を進めていきたいです」


4月の前回対戦では、国立競技場で3-0と勝利を収めている。だが、松橋監督は「前回の対戦結果は今節の参考にはならない。攻守ともに締まったゲームにしたい」と語る。

4-4-2はオーソドックスなシステムだが、反対に誤魔化しがきかない。守備では各選手の持ち場がハッキリするため、個々の局地戦で勝利できるかが勝敗に直結しやすい。前線からの連動したプレスがしっかりとはまれば、ヒアン選手を中心にスピードを生かしたショートカウンターも機能するはずだ。

G大阪にはクラブワールドカップ開催に伴う特別移籍期間の今月に安部柊斗選手が加入した。古巣の青赤との初対戦を前に、前節の清水エスパルス戦で移籍後初先発を飾り、準備も万全だろう。

吹田では過去公式戦1勝5分け5敗と相性は決して良くないが、青赤の誇りを懸けた戦いが幕を開ける。


[松橋力蔵監督 インタビュー]


Q、天皇杯2回戦のツエーゲン金沢戦から中3日でガンバ大阪戦を迎えます。
A、コンディション面の調整と、細かい部分の目線を合わせることや戦術部分の確認をミーティングで共有しました。ミーティングで理解をさらに深め、トレーニングでは同じ画を描けるように意識をしてもらいました。中3日という限られた期間、コンディション面を考慮しながらの調整でしたので、時間とボリューム感をコントロールしながらG大阪戦に向けて進めてきました。

Q、前回の対戦ではホームで3-0と勝利した相手になりますが、あらためてどのような印象をお持ちですか。
A、前回の対戦時では、勝利しましたが試合終盤までどちらに転んでもおかしくはない試合展開でした。前回の対戦結果は今節の参考にはならないと考えています。我々も戦術的な側面で戦い方が変わっている部分もあります。個々の戦いで負けないことが大事になりますし、相手の特長も理解しつつ、攻守ともに締まったゲームにしたいです。

Q、システム変更の手応えはいかがですか。
A、常に完璧はありえないと思っていますし、“ここが足りない”という部分で言えば、守備面が挙げられます。失点がここまで多いですし、試合をしっかりと締め切れていません。全体のバランスが重要だと思っています。守備を気にし過ぎてしまうあまり、攻撃が手薄になれば試合に勝ち切ることができません。当然、点をとらなければ勝てません。攻守のバランスをしっかりと見て、試合を進めていきたいです。


[選手インタビュー]

<波多野豪選手>


Q、チームとして失点を減らすことが求められています。
A、連戦でしっかりと時間をかけて確認することは難しい状況ではありましたが、練習から良いコミュニケーションがとれましたし、内容の濃い練習ができました。天皇杯2回戦のツエーゲン金沢戦は出場できませんでしたが、練習から様々なシチュエーションを意識して取り組んできました。最善の準備を経て、ギラギラした気持ちを前面に出した、最高なプレーを見せたいです。

Q、セレッソ大阪戦の2失点目は後ろから飛び出してきた選手を捕まえ切れずに、得点を許してしまいました。
A、もちろん、試合後のミーティングで共有しましたが、僕個人の立場で言えば、“僕が止めれば良いだけ”とも思っています。ディテールにこだわったプレーをより自分自身に求めていきたいです。

Q、安部柊斗選手との対戦も今節の注目ポイントだと思います。
A、相手として戦うこと自体が“人生初”です。当時、通っていた高校も同じで、体育祭でも同じチームでした(笑)。敵として戦うことが初めてなので、思い入れのある一戦になります。不思議な感覚ですが、本当にピッチ上で対戦できることを楽しみにしています。ワクワクしています。(安部選手も背番号13を着用していますが)選んだ理由は分からないですけれど、同じ背番号に合わせてくるあたりが面白いですよね(笑)。色々な背景がありますが、まずは本当に勝ちたいです。上の順位をめざしていきたいですし、いろいろと考え込み過ぎず、固くなり過ぎずにチームを勝たせられるようにプレーをしていきたいです。そして、それが結果として無失点勝利に繋がるようにしたいです。


<木本恭生選手>


Q、これまでは3バックで試合をしていましたが、セレッソ大阪戦は4バックで臨みました。
A、守備の部分も攻撃の部分もやり慣れているフォーメーションだったので、迷いは少なくなりました。攻撃的な選手を活かすことができる形だったと試合を終えて感じました。そこは、ポジティブに捉えたいです。3バックでやってきて、良さはもちろんありましたし、3バックでやってきたからこそ身に付けられたこともありました。それを4バックになっても継続してやっていきたいです。この半年間やってきたことを無駄にしてはならないと思っています。そういう意味でも4バックだからと言って、半年間やってきたことをやらなくなってしまったり、できなくなってしまってはいけません。両方の良いところをしっかりと積み上げていく必要があると思います。

Q、そのなかで、C大阪戦では2失点してしまいました。勝点をとるために失点を無くすことも重要だと思います。
A、2失点とも簡単なやられ方でした。1失点目に関しては、自分が前の選手を潰しにいった判断については、リスク管理の観点で振り返ると、もう少し違う対応ができたと思います。2失点目に関しても失い方が悪く、真ん中のスペースが空いてしまい、失点してしまいました。もう少し自分が声を掛けたり、チームとして一番危ないところを抑える、といった作業をしなければいけなかったです。2失点してしまうとなかなか勝点3は難しくなってしまうと思うので、失点は抑えていかないといけないと思っています。

Q、攻撃面ではセンターバックが攻撃の起点になることが求められているかと思います。
A、後ろの選手がボールを持つ時間が長くなっています。自分たちのスムーズな配球により、チームに安定感を出すことができると思います。それが良い攻撃にもつながります。そこはまだまだ足りないですし、前線の選手と後ろの選手の意図が噛み合っていない部分もあります。そのコミュニケーションをとり、繋ぐべきなのか、シンプルに前線にボールを運ぶのかを、共通認識をもっと持たなければいけないと思っています。

Q、大会は違いますが、天皇杯で勝利して臨むガンバ大阪戦となります。
A、前節のリーグ戦もC大阪に引き分けで連敗を止めることができていました。その流れのなかで、天皇杯で勝利することができて、次のステージに進めたことはチームにとって自信になりました。両試合とも、内容のところではまだまだ改善しなければいけない部分はありました。ここからの連戦では対戦相手を見ても大事な3試合になると思います。まずはG大阪戦では結果が一番ですが、内容にもこだわり、これから上位に行くために勝点3だけを奪いにいく試合にしたいと思います。