INTERVIEW2022.2.02

練習試合後インタビュー 2/2

<アルベル監督>

Q、今日の練習試合はいかがでしたか。
A、1本目だけでなく2本目もとても満足しています。チーム全体が、私が期待していることをしっかりと理解してプレーしてくれた時間帯が多かったからです。
1本目の対戦相手である琉球は、ブロックを下げて守備をしてきましたので、押し込んだ上で、ボールを奪われた後に奪い返してからのショートカウンターという展開が多かったですし、チームは上手くやっていたと思います。狭いスペースのなかで素早いショートカウンターからゴールを奪えたのは良かったと思います。
2本目の大宮との試合は、相手が前からボールを奪いに来ていたがゆえに、ディフェンスラインの後ろにスペースがある状態での攻撃が多くなりました。大宮はハイプレスを意図していたわけですが、そのハイプレスに対応して上手く打開できた回数も多かったです。2本目で生まれたゴールというのはまさしく相手の背後にあるスペースを突いてのゴールでした。あのようなプレー、ゴールをもっと多くできればよかったですけれども、回数は多くなかったのは課題です。
1本目、2本目を通じて、ボールを支配することによって試合を自分たちがコントロールできる、そのつながりというのを選手たちも感じてくれたと思います。今日は、しっかりとボールを支配することが試合を支配することにつながったという意味でも、自分たちが上回っているということを証明する良い試合ができたと思います。
ただ、まだまだ改善点はたくさん残されているので、今後の成長を期待しています。現在はプレシーズンが始まって3週目に入っていますけれども、重要なことは、チーム全体が私の期待するプレースタイルを理解してピッチで表現し始めていることです。さまざまなプレースタイルをリスペクトしていますし、去年の東京のプレースタイルについてもリスペクトしています。私が期待しているプレースタイルとは違うプレースタイルからの変更というのは、選手にとってとても難しいものですが、それに上手く適応してくれているのは嬉しいことです。

Q、今日は攻守における連動が良かったように見えました。
A、攻守が連動できており、攻守の切り替えも素早くできていたので、それらを含めて全体的に選手の理解度が高まっているということは良いニュースです。
重要なコンセプトは選手たちが理解し始めてくれていますが、細かい部分をもっともっと詰めて完成度を高めていくにはまだまだ時間が必要です。

Q、奪われた後にディレイをせず(遅らせず)、連動して前からプレスをかけて守備をすることは非常に難しい守備のように感じます。
A、決して前向きに守備をすることが難しいとは私は思っていません。私にとって興味深いのは、日本の多くのチームが、まずはブロックを下げて守備をするということです。
ヨーロッパのレベルの高いクラブのほとんどは、ミドルゾーンから可能な限り高いブロックを保って積極的に前掛かりで守備をしています。現代的なサッカーではそれが当たり前だと私は思います。

Q、今日の試合でも高い位置に保てたからこそ、そこから良い攻撃につながったのでしょうか。
A、ブロックを高く保って守備ができていると、そこから奪ってから良い攻撃ができます。長い距離のカウンターというよりは、素早い攻守の切り替えでゴールに向かうプレーができていたと思います。ただ、私にとってもっとも理想的な守備は、ボールを保持して試合を支配することだと思っています。勝利したとしても多くのシュートを打たれてしまうのではなく、今日のようにボールも試合も支配できると相手にシュートを打たれるシーンもゼロに近くなります。私は、ブロックを下げて守備を固めることが、よりよい守備につながるとは思っていません。まずはボールを保持することが最高な守備の仕方だと思っています。

Q、ボールを取った後にすぐにゴールに向かう攻撃が続くと体力的にも厳しいので、試合をコントロールしながら休む時間も必要になりますね。
A、去年までのカウンターアタックを武器にしたプレースタイルで身に付けた素早い攻守の切り替えからゴールに向かう意識というのは、今年も武器になるのでさらに磨きをかけていきたいですし、活かしていきたいです。
ただカウンターの距離が長くなるほど成功率は下がってしまいますし、カウンターばかりになってしまうと相手にボールを支配されて、守備の時間が長くなるという悪循環が生まれてしまいます。
試合をコントロールするところもまだまだ時間をかけて改善するところがあると思います。


<アダイウトン選手>

Q、キャンプも終盤になってきました。ここまで新しいサッカーに取り組んできて浸透度はいかがですか。
A、監督が言っていることをしっかり理解しています。ここ最近は練習や練習試合などの実戦においてもやろうとすることを試せているので、開幕戦までにしっかりと仕上げて、表現できるように続けて取り組んでいきたいと思います。

Q、練習試合の中でゴールに絡んだり、自身でゴールを決めたり、コンディションが上がってきているのが伝わってきます。
A、自分だけでなく、チーム全員がまだ100パーセントではないと思いますが、更にコンデションを上げて、開幕戦までに全員で仕上げていきたいです。

Q、監督から指示がある細かいポジショニングや、チームメイトとのコンビネーションはいかがでしょうか。
A、そうですね、自分がブラジルでやってきたスタイルに似ているのでポジショニングのところなど理解しやすいです。トレーニングを続けていって、選手間の距離感など細かいところも詰めていきたいと思います。


<岡崎慎選手>

Q、新しいスタイルが浸透してきた実感はありますか。
A、自分としては初めからそこまで難しいことは言われていないと思っていますし、ビルドアップのところなどはFC東京U-15のときからやってきていることです。去年からスタイルが変わって、まだ浸透していない部分はあったので、2週間ちょっとキャンプをしてきて、やっとボールの動かし方などの思考は馴染んできた感覚はあります。今日の試合をやってみて、チームとして上手くいっている場面の方が少なかったので、そこは反省しなければいけません。でも、キャンプ中に選手同士で話ができていることはポジティブなことですし、良い方向にいっていると思います。

Q、ディフェンスラインからビルドアップする上で、今までとの違いは感じますか。
A、自分の感覚ですが、相手が寄せてこないのであればボールを持てばいいと思っています。無理にパスを出す必要はないですし、自分のところでボールを持ってドリブルで上がって相手が寄せてきた時にパスを出せばいいと思っています。一方で、テンポを出すためのパスや、安易にボランチにボールを付けずにリスク回避して外から回すなど、基本的なことですが、監督が求めていることに適応していければいいと思っています。

Q、いよいよシーズン開幕が近づいてきました。
A、完成度を高める時間は必要だと思いますが、一方で勝たなければいけません。ボールをつなぐなかでしっかりと勝っていく、勝利を前提にどこまで積み上げていけたかを大事にしていきたいです。公式戦でもトライアンドエラーは続きますし、試合中にミスも起こると思います。守備の連携でも今までとは違う部分があるので、序盤はズレもあると思いますが、その中でもしっかりと勝っていくサッカーができれば、チームとしても選手としても成長できると思います。

Q、このサッカーをやる上で楽しめていますか。
A、ボールを触ってプレーをすることが好きですし、後ろから組み立てていくサッカーは自分の特徴が出しやすいスタイルでもあるので、そこでアピールできなければいけないという思いはあります。開幕前までに自分の感覚と監督が求めることのすり合わせをほぼほぼ整理できれば、もっと良いサッカーになると思っています。