いよいよ4月29日(金・祝)に、東京が新国立競技場で初のJリーグを戦う。
改修前の国立では、Jリーグ加盟初年度から多くの公式戦を戦ってきた。思い出に残るスーパープレーもあれば、インパクトのあるイベントもあった。悲願のタイトル獲得以降、東京がすべてのタイトルを国立で獲得していることは、東京と国立の深い縁を象徴している。
俺たちの国立。
新しい一歩を国立で刻む前に、これまでの国立に残してきた足跡、思い出を当時の写真とともに振り返る。
2009年 豪快そのもの。2つのナオゴール
【試合情報】
2009Jリーグ ディビジョン1 第6節
FC東京 1-2 ジェフユナイテッド千葉
2009Jリーグ ディビジョン1 第15節
FC東京2-1 清水エスパルス
まるで打出の小槌のように次々とゴールを重ねていった石川直宏劇場の始まりは、国立競技場だった。
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2009年4月18日19:04キックオフのナイトゲーム、J1リーグ第6節ジェフユナイテッド千葉戦。背番号と同じ数字の前半18分に刻まれた一撃は鮮やかだった。
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左のハーフスペースから中央へと切り込んでいく石川。どこまで行くのかと思われた刹那、並走しあるいは前を塞ごうとする相手ふたりをかわすかのように利き足の側に向き直り、豪快に振り抜く。右足のシュートはゴール右隅に吸い込まれた。
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その後もナオゴールが止まらない。敵地の第8節ガンバ大阪戦でシーズン2点目を決めると、味の素スタジアムで開催された第9節大宮アルディージャ戦ではハットトリックを達成。記録を5点に伸ばした。5月24日の第13節川崎フロンターレ戦、6月20日の第14節柏レイソル戦でも1点ずつを奪い、3試合連続ゴールの期待がかかる状況で、石川がまたもやった。
この年2回目となる国立は第15節清水エスパルス戦、またも19:04キックオフのナイトゲームだった。梶山陽平のシーズン2点目となるゴールで先制するも、ヨンセンのゴールで1-1と同点に追いつかれる。その4分後に、石川のシーズン8点目で2-1と再び勝ち越した。
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ボックスの外だったが、低くバウンドしながら転がってくるボールの落ち際を捉え、おそらくはインステップで強く蹴るとこのボールがすさまじい速さでネットに突き刺さる。このシーズンの石川は力まず躊躇なく右足を振れていて、タイミングを逃さず力の乗ったシュートを連発していた。
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このあと石川は第16節ヴィッセル神戸戦と第17節名古屋グランパス戦でも1点ずつを記録し、5試合連続ゴールを達成。結局、負傷離脱する第29節までに15ゴールを積み重ねた。
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2009シーズンのこの2ゴールと2013シーズン「Jリーグの日」のゴールで、『国立に強い石川』というイメージがつくられたと言えるだろう。残念ながら以降けがが重なったが、2009年の輝きはいつまでも青赤者の記憶に留まり続ける。
Text by 後藤勝(フリーランスライター)
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