<マッチレビュー>
アルベル体制2シーズン目。昨シーズンから取り組んでいる「ボールとともにプレーする」(アルベル監督の)スタイルの浸透、そしてチームとしての進化が問われるシーズンを迎えた。プレシーズンに取り組んできたのは、ボールを保持したあと、相手を押し込んでから守備網を突破してゴールを奪う筋道を組織的に作っていくこと。練習試合も含めて日々のトレーニングの中で課題の抽出とその解消を短期間で繰り返しながら組織の成熟度を高めてきた。
充実の準備期間を経て、2年目の進化を示す開幕戦の舞台で対峙したのは浦和レッズ。スタジアムの100パーセント収容と全席での声出し応援が解禁され、久々にスタジアムに制限のない“声”が戻ってきた。新監督を迎えた対戦相手の出方は読みにくいが、相手ではなく自分たち主導で試合を進めていく準備は万端。攻撃一色の青赤が味の素スタジアムに戻って切る。
1st HALF-前半30分を機に攻勢に出る
立ち上がりから強度が高く、激しい競り合いが続く。特に浦和が前線から厳しいプレスをかけてくるが、東京は流動的にポジションを変えながらボールを保持。相手をいなしながらボールを高い位置まで運んでいく。
主導権が両チームを行ったり来たりするような展開の中、前半16分に酒井選手に強烈なシュートを打たれるが、ゴールを捉えたボールはヤクブ スウォビィク選手がファインセーブで防いだ。流れの中でボールを保持する時間はあるものの、ミスが重なってフィニッシュまで持ち込み切れない時間帯が続く。なかなか主導権を握れない時間帯が続いたが、前半30分を過ぎてくると東京の前線からの連動したプレスがはまり、高い位置でボールを奪って攻撃に移れるようになる。
前半38分にはディエゴ オリヴェイラ選手が起点となって相手陣内深い位置で仲川輝人選手との連係から崩そうとするも決定機を作るには至らない。アディショナルタイムに突入した前半45+1分には中村帆高選手が右サイドを突破してクロスボールを供給するが、ゴール前に飛び込んできた松木玖生選手にはわずかに合わず、0-0で試合を折り返した。
2nd HALF-決定機を確実にモノにして開幕戦勝利
なかなかリズムを掴めなかった展開を変え、また守備でも重要な役目を担う東慶悟選手がイエローカードを受けたことを受け、アルベル監督はハーフタイムに動く。東選手に代えて安部柊斗選手を投入。中盤の並びを変えて状況の打開を図る。
後半3分には左サイド深い位置でボールを持ったバングーナガンデ佳史扶選手がペナルティリア内へ横パスを入れると、飛び込んできた仲川選手がコントロールしてゴール左手前で強烈なシュートを放つが、ボールはクロスバーに弾き返された。絶好機を逸したものの、ボールを保持する東京が浦和を押し込んで試合を優勢に進めていく。
サイドを起点にして相手ゴール前に有効なボールを供給する中で、徐々にチームの連係の歯車が嚙み合っていく。そして後半21分、左サイドを起点に均衡を崩す。ワイドの位置でボールを受けた佳史扶選手がスペースへとボールを入れると、安部選手が抜け出し、ゴールライン際で鋭い切り替えしで相手選手を振り切ると、ゴール前の状況を確認してマイナス方向のクロスボールを入れる。東京の選手も飛び込んできたが、ボールは相手選手に当たって軌道が変わり、逆を突かれた相手ゴールキーパーも反応できないままゴール隅へと転がり込んだ。
直後に交代カードを切ると、この采配が試合を決めるきっかけになる。
後半29分、右サイドのスローインを受けたアダイウトン選手が縦パスを入れると、ディエゴ選手がボールを収めて相手ディフェンダーの背後からプレッシャーをいなす。ボールを失わずに左サイドにボールを送ると、後半24分に投入された渡邊凌磨選手がフリーの状態でシュートを打つと、ブロックに入った相手選手に当たったボールはゴールへと流れ込んだ。
リードを広げた東京はその後、相手にボールを持たれて押し込まれる時間帯もあったものの、チーム全体の守備意識も高く、決定的な場面を作らせない。試合終盤に入ると、ボールを保持しながらも無理して攻め込むことなく、バランスを見ながら試合をうまくクローズしていく。
前半こそ公式戦特有の緊張感の中で自分たちの持ち味を発揮するのに時間が掛かったが、後半からの攻勢で確実に相手のペナルティエリア内に有効なボールを持ちこみ、つかんだチャンスを確実にモノにした。東京の攻撃はまだ発展途上段階。この勝利をきっかけに緩むことなく、手綱を締めて次節の柏レイソルとのアウェイゲームへと向かう。
MATCH DETAILS
<FC東京>
STARTING Ⅺ
GKヤクブ スウォビィク
DF中村帆高/木本恭生/エンリケ トレヴィザン/バングーナガンデ佳史扶(後半24分:長友佑都)
MF小泉慶/東慶悟(後半0分:安部柊斗)/松木玖生
FW仲川輝人(後半24分:渡邊凌磨)/ディエゴ オリヴェイラ(後半43分:ペロッチ)/アダイウトン(後半35分:塚川孝輝)
SUBS
GK野澤大志ブランドン
FW俵積田晃太
GOAL
後半21分:オウンゴール/後半30分:渡邊凌磨
<浦和レッズ>
STARTING Ⅺ
GK西川周作
DF酒井宏樹(後半36分:大畑歩夢)/アレクサンダー ショルツ/マリウス ホイブラーテン/明本考浩
MF伊藤敦樹/岩尾憲/ダヴィド モーベルグ(後半11分:/松崎快)/小泉佳穂(後半24分:関根貴大)/大久保智明
FWブライアン リンセン(後半24分:興梠慎三)
SUBS
GK鈴木彩艶
DF犬飼智也
MF柴戸海
GOAL
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[アルベル監督インタビュー]
Q、前半を振り返ってください。
A、前半はふたつのフェーズに分けて振り返ることができます。前半最初の30分は、我々はひどいプレーをしていたわけでも、浦和が素晴らしいプレーをしたわけでもありません。我々が簡単なミスを重ねてしまい、なかなか試合のリズムをつかめずに30分間を戦ってしまいました。特に浦和が我々のアンカーの脇を突いてきたことに苦しみました。それに加え、我々のハイプレスを、浦和がキーパーからのロングボールやミドルボールでうまくかわしてきたことも我々にとっては苦しい展開につながりました。それに対して、我々は幅をとるウイングを両サイドに配置して、攻撃を仕掛けようと試みましたが、ウイングと中盤の選手との良い距離感がなかなか作れず、ウイングからの良い攻撃ができませんでした。また、東慶悟選手に対する、早い段階でのイエローカードも我々のプランに影響を与えました。その後、前半の残り15分は、我々が試合を支配した時間が続きました。そこから、ウイングが中のポジションを取ることができ、数的優位を作ることができたので、良い形で攻撃することができたと思います。東慶悟選手がイエローカードをもらっていたこととアンカーの脇を突かれていたということもあり、後半スタートから選手交代をして、ダブルボランチに変更したことで改善しました。4-2-3-1は、このプレシーズンでトレーニングを重ねてきたシステムのひとつです。もちろん、浦和のことをリスペクトしていますが、後半は我々こそが支配していたと思います。後半、ボールも支配し、攻守の切り替えからも良い展開ができていたと思います。
今日、キャプテンの森重真人選手が不在でした。彼はプレシーズンの最後の練習でケガをしてしまったことで戦線を離脱していますが、彼がいない中でも勝利できたことは大きいと思っています。木村誠二選手もトレーニング中にケガをしてしまったため、招集することができませんでした。ディフェンス陣にケガ人が出たことで、より攻撃的な交代カードを切れるベンチメンバーとなりました。
最後に、浦和レッズの監督に最大限のリスペクトをしたいと思っています。彼は、今まで多くの経験と成功を収めた偉大な監督だと思います。素晴らしい仕事を日本で成し遂げてくれると思います。
Q、中盤の構成を変えて、後半は全く違う試合にしたことはお見事でした。その他に、後半に内容が改善した理由はありますか。
A、後半だけではなく、前半の残り15分もそうでしたが、そこから試合を支配していたと思います。今日の開幕戦を迎えるにあたって、少し不安に思っている部分がありました。昨シーズンからの積み重ねがあってプレシーズンでしっかりとした準備ができていたにも関わらず、小さなミスから失点して選手が自信を失ってしまうことです。ただ、実際には不安は杞憂に終わり、選手たちはこの開幕戦でもプレシーズンで表現していた自信を持ったプレーをしてくれました。チームと選手は、今回の勝利で自信を掴み取り、今後より良いプレーをしてくれると思います。今回、招集した俵積田晃太選手をデビューさせることができなかったのは残念ですが、私が若手選手のことを大好きなのはみなさんもご存知だと思います。遅かれ早かれ、彼をデビューさせる瞬間が来ると思います。また今日は新加入のぺロッチ選手を最後の数分間出場させました。数分間であっても出場することが彼のJリーグへの適応につながると思い、試合を締める意味も込めて投入しました。来週からは代表活動で松木玖生選手が不在となります。若い選手が育ってくれたことを嬉しく思います。引き続き、他の若手選手の成長も促していきたいと思っています。
Q、おめでとうございます。自分たちのサッカーを追求していくことが大事だとおっしゃっていましたが、その手ごたえを感じた試合でしたか。
A、まさしく、そうです。今日、選手たちが自分たちのスタイルに集中してプレーしたことを誇りに思っています。東京が目指しているスタイルは、決して他のクラブのコピーではありません。私の経歴から、FCバルセロナのスタイルを想像される方もいるかもしれませんが、それは間違いです。私自身もJリーグへ適用し、選手の特徴を知り、東京のオリジナルスタイルを確立したいと思っています。
[選手インタビュー]
<渡邊凌磨 選手>
Q、得点シーンを振り返っていかがですか。
A、ディエゴ選手が良い形でスペースにボールを流してくれたので、そのまま打とうか、トラップしようか悩んだのですが、対峙していた選手が酒井選手だったのでダイレクトでファーサイドに打とうとしたら相手選手に当たってうまく入ってくれました。
Q、途中出場してすぐのシーンでしたがどのような気持ちでしたか。
A、試合の状況をみて、何をやるべきかをしっかりと考えて試合に出られたので良かったです。自分の得点で勝ちたいという強い気持ちがありました。
Q、監督からはどのような指示がありましたか。
A、とくに指示はありませんでした。これまでは右サイドで出場する機会が多かったのですが、今日は左サイドの選手が守備に追われる時間が長かったこともあり、その選手と交代したので、守備の面でも貢献しなければならないと思っていました。その中で前に行けるときには行くことを徹底していました。
Q、チームとしてキャンプから取り組んでいたポケットの攻略部分や、意図のある攻撃が多くみられました。手応えはいかがでしょうか。
A、個人的にはもっとやらなければならないと思っています。今日に関しては、できた回数が少ない中で得点ができたのは良かったと思いますが、もっとできると思うので、増やしていきたいと思います。
Q、全体をみると34分の1ですが、初めの一歩としてはいかがでしょうか。
A、キャンプで新しいことに取り組んできて、できたことも反省もあるので、今後やるべきことが明確になったと思います。試合に勝ちながら何かを新たに学び、次につなげられることは良いことだと思います。そこはポジティブにとらえながら、さらに高みを目指していきたいと思います。
Q、個人的に結果にこだわりたいと言っていた中で、開幕戦で得点できたことはいかがでしょうか。
A、これで終わってしまったら意味がないので継続していきたいです。
Q、“シャー”を多くのファン・サポーターの前でやってみていかがでしたか。
A、多くのファン・サポーターの前でできたことよりも、開幕戦でできたことが良かったです。これからチームが良くなるための一発目だと思っているので、そこで結果を残して“シャー”をできたことがうれしかったです。
Q、キャンプでは苦しんでいると言っていましたが、今日はキレもあり、体も軽そうに見えました。
A、良くも悪くも考えることが多かったので、自分の中でその考えることが無くなったときに自分の力を発揮できると自己分析できているので、考えすぎずにプレーすることは意識しています。
Q、今日は自然と体が動いていましたか。
A、役割を認識したなかで、細かいことは考えすぎずにプレーできたことが良かったと思います。得点シーンも考える時間が長ければトラップしていたかもしれないので、大胆にプレーすることも大切だと思いました。
<バングーナガンデ佳史扶 選手>
Q、本日のプレーを振り返ってください。
A、アシストやゴールといった結果を残すことはできませんでした。一番の評価は結果なので、今シーズンは個人的に結果をより求めていきたいです。
Q、対面する相手サイドバックは酒井宏樹選手でしたが意識することはありましたか。
A、Jリーグでも一番レベルの高いサイドバックといっても過言ではない選手だと思っています。試合前も酒井選手とモーベルグ選手のプレー動画を何回も観て試合に臨みましたが、前半は危ないシーンを何回か作られてしまいました。
Q、開幕戦にスタメンで出場しましたが、今シーズンをどのようなシーズンにしたいと思っていますか。
A、これまで以上に、得点やアシストにこだわってやっていきたいと思います。そして、目の前の一戦一戦をしっかりと戦っていきたいと思っています。
Q、同じポジションに長友選手もいますが、意識していますか。
A、長友選手だけではなく徳元選手も、僕にはないものをもっているので良い刺激を受けています。練習ごとにポジショニングについて聞くなど日々勉強していますし、お互い高め合えていると思います。
Q、長友選手から何かアドバイスをもらうことはありますか。
A、日々、アドバイスをいただいています。世界で戦うためには1人でも守れる選手にならないといけないと言われています。僕よりもレベルの高い選手なので学びをいただいています。
Q、この1年で個人的に成長を感じている部分はありますでしょうか。
A、クロスのバリエーションは増やしたいと思っています。何本かはつながったのですが、つながらないクロスが多かったので、質を高めたいと思っています。
Q、ゴール前に入る選手とのコミュニケーションはいかがでしょうか。
A、コミュニケーションはこれまで以上にとるようになりました。練習の中でもクロスが合うようになった感覚はあります。
Q、これまでは遠慮がちだったかと思いますが、今はしっかりと言えるようになりましたか。
A、言えるようになったと思います(笑)。
<小泉慶 選手>
Q、試合を振り返っていかがですか。
A、ボールを支配したいという気持ちもありますが、セカンドボールや球際のところで戦おうと思っていました。そのような試合になることは分かっていましたし、試合前からそういう話をしていました。入りとしては良くもないですが、悪くもなかったと思います。開幕戦らしいという印象です。
Q、前半に小泉選手と東選手が体の前にボールを置いて粘ったシーンがありました。勝利への執着は、姿勢としてあるのでしょうか。
A、とくにこのチームは(年齢が)上の選手を中心に、まず球際で負けない、強度で負けない、セカンドボールの拾い合いで負けない、といったことを練習中からやっています。今日の試合前もそれを若い選手に伝えてくれました。長友選手、東選手のようなキャリアの長い選手がそこを強く言うということは、それほど大事なことなのだと思います。色々な戦術がありますが、「まずそこで勝たないと試合で勝てないよ」ということを教えてくれます。僕自身もまずそこで負けてはいけないポジションだと思っていますし、どのチームだろうと強度という部分で負けないようにすれば、間違いなくこのチームは優勝できると思います。でも、まだ1試合なので次に切り替えて、強度を意識してやっていきたいと思います。
Q、後半に安部選手が入ってから中盤の形が変わりました。
A、あれはダブルボランチで、練習でもやっています。相手が中央のスペースを使いたがっていたのは分かっていたので、空けないように意識しました。なるべく松木選手を前でプレーさせて、自分が守備的にプレーできればいいなと思っていました。
Q、安部選手、小泉選手、松木選手のポジショニングはすり合わせをしているのでしょうか。感覚的なものでしょうか。
A、安部選手も松木選手もボールを持てる選手ですし、強度が高いプレーができる選手なので、2人に思い切りよくプレーさせてあげられるようにしていました。自分としては前にガンガン行くよりも、安部選手と松木選手がどんどん前に行ってゴール付近に関わるということをやらせてあげたかったので、危ないところを自分が消して、きつそうな時に前に行ったりすることを心がけていました。
Q、松木選手の能力を引き出している印象を受けます。
A、もともと持っているものがすごいです。彼も色々な注目や期待がありますが、そういうことは関係なしに、自信をもってのびのびとやらせてあげたいです。それができるのは、近くにいる自分や東選手、安部選手など同じポジションの選手だと思います。そこは意識してやれればいいなと思います。
Q、後半はやってきたことができたのでしょうか。
A、必ずどこかで点が入る、チャンスが来ると思っていたので、焦れずに、球際であったり、続けるべきところの強度を上げることを意識しました。得点も入り、余裕が生まれた中で、守備に入らなかった点も良かったと思います。
Q、後半に東京がかなり押し込んだ状態になりました。キャンプで見たゴール前で圧倒し続けるようなシーンが出てきましたが、システム変更は、後半のあのようなサッカーと関連していますか。
A、東選手がイエローカードをもらい、1人少なくなるということは避けたかったので、自分と松木選手がダブルボランチになりました。守備では2人でスペースを消すことを意識的にできましたし、安部選手がトップ下に入ることによって、相手のアンカーのところにプレスにいけました。また安部選手はボールを持てますし、そこからディエゴ選手、アダイウトン選手、仲川選手、途中出場した選手も含めてカウンターが強烈だと思うので、システムもポジションも状況によって臨機応変に、これからも引き続き自分たちが考えていければいいなと思います。
Q、得点は触っていないですか。
A、触っていないです(笑)。
Q、勝ちきることができました。
A、開幕戦であり、個人的にも移籍して、東京の一員となってから初めての試合だったので、なんとしても結果が欲しかったですし、結果を出さなければいけない状況でした。内容を良くというよりも、本当に結果が欲しかったので、まずは勝てたということが一番です。より一層ここからやっていきたいと思います。
Q、スタジアムの雰囲気はいかがでしたか。
A、良かったですね。アウェイの選手として試合をしたことはありましたが、初めてホーム側となって試合をして、得点を取ったときの雰囲気や、頑張ってボールをカットしたとき、スライディングしたときに歓声が上がることは選手にとって素直に嬉しいですし、気合いが入ります。プレーをしていて気持ちが良かったですし、心強かったです。
Q、開幕戦でいくつものポジションをそつなくこなし、最後まで攻撃参加に走り、様々な小泉選手を見せてくれたと思います。今後、さらなる可能性を見せられそうですか。
A、自分が良くても悪くても、東京が勝てれば正直なんでもいいです。優勝するためにここに来ました。優勝するチームは連勝していくチームだと思いますし、まだ1試合勝っただけなので、満足せずに引き締めてやっていこうと試合後に監督や選手から声が出ていました。間違いなくみんな自信はあると思います。
<安部柊斗 選手>
Q、キャンプでの練習試合を見ていても相手を押し込む場面が見えましたが、今シーズンはより攻撃的なサッカーなのでしょうか。
A、1点目のシーンに関して、どのチームも対応しにくいボールの抜け出しと受け方だと思います。2列目の選手が飛び出すことによって、マークもつきにくいと思いますし、今シーズンどんどん出していきながら、ゴールを決める形を増やしていければと思います。
Q、試合を振り返っていかがでしたか。
A、今日はスターティングメンバーではなく途中出場だったので、結果を残さないとピッチの上には立てないと思っています。アシストではなく、オウンゴールになってしまいましたが、もっと数字を残せるようにしていきたいです。
Q、キャンプで少し出遅れて焦りもあったと思いますが、しっかり結果に結びついたことについてはどう感じていますか。
A、怪我からシーズンをスタートしたので、もどかしさもありましたが、開幕に向けて毎日、自分のできることを真剣にやってきました。その積み重ねが今日の試合に出せたと思います。これからも地道に続けることを怠らずに日々取り組んでいきたいです。
Q、8番のユニフォームでの初めての試合でした。
A、東京の8番は安部柊斗、ということをもっとみなさんに知ってもらえるように頑張りたいです。
Q、東京ファンは8番がキャプテンマークをつけていることを新鮮に感じていると思います。
A、今日はたまたまディエゴ選手の近くにいたので、3rdキャプテンでもありましたし、僕を呼んでキャプテンマークをつけてくれました。プロになってから初めてキャプテンマークをつけてプレーをしましたが、責任感や重みを感じながらプレーしないといけないと思いました。
Q、2点リードした中で、最後は少し下がってもいいであろう試合展開で、しっかりボールを奪うことを意識してプレーし続けたことが勝ちにつながったように感じました。
A、自分たちが引いてしまうと、押し込まれる展開が多くなり、耐える状況になってしまいます。そのため、自分からボールを奪いにいき、もう1点を獲る気持ちでプレーしたほうが相手は嫌だと思います。前線からガンガン行けば相手は大きく蹴るしかなくなると思うので、そういったプレーを90分間通してやろうと話していたので、良いプレーが出たと思います。
Q、今シーズン、勝負にこだわっていく中で、初戦で勝つことができたのはすごく良かったのではないでしょうか。
A、サッカーの基本でもある、まずは球際で勝つことや相手よりも走ることをしなければ勝てないことが今日の試合で分かりましたし、今日の試合でできたことを継続してさらに成長できるようにやっていきたいです。
Q、今シーズン、どのような可能性を感じていますか。
A、練習試合も含めて昨シーズンより良くなっている印象があります。まずは選手層が厚くなりましたし、日ごろの練習からアピールしている中で良い競争が生まれてバージョンアップしている感じがします。自分自身も競争に加わっているので、負けないようにプレーしていかないといけないと思いました。
Q、ベンチでアップをしている際に、長友選手がすごくピッチに向けて声を出していることが印象的でした。
A、やはりピッチに立っている選手だけでなく、ベンチに入っている選手やスタッフと共に戦っていかないと勝利は掴めないと思います。長友選手は本当に見本となる先輩で、ピッチに立っていない時でも立っているかのような声掛けや振る舞いはするので、自分もしていかないといけないと感じました。
Q、競争が激化するなかで途中出場の選手が得点をとることでチームにとってまたさらに競争が生まれると思いますし、良い循環が生まれていますか。
A、渡邊選手も途中出場から得点を取りましたし、途中出場の選手が勢いをもたらしたり結果を残すことでチームもより良くなっていくと思うので、自分たちがどんどん競争して高め合いながら試合に臨みたいと思います。
Q、球際や走る距離について、相手より上回ることをチーム内でクローズアップされているのでしょうか。
A、監督もそこは良く言っていますし、ピッチ内でも長友選手を中心にまずは基本的なことをやらないと勝てないと常に口酸っぱく言っています。そういったことが今日ピッチに出て結果になったので、そこは間違いないと思いました。どのチームより激しくいきたいと思います。
Q、昨シーズンよりも明らかにバージョンアップしていますか。
A、そうですね。昨シーズンは、新しいスタイルに対応するのに選手たちも精一杯になってしまっていた部分もありました。今シーズンは2年目ということで、監督がやりたいサッカーがチームに浸透していると感じます。それに加えてサッカーの基本となる球際などをしっかりやることが大事だと思います。
<長友佑都 選手>
Q、酒井宏樹選手との駆け引きで意識していたことは。
A、酒井選手はあれだけ素晴らしい選手で、日本代表でも不動の選手なので、常に意識します。負けたくない気持ちとリスペクトする気持ちで今日もプレーしました。
Q、完璧に抑え込みましたね。
A、それはチームとして連動していたので。僕は「魂際(たまぎわ)」と呼んでいるのですが、デュエルの「魂」の部分をみんなが見せてくれたと思います。
Q、ワールドカップが終わって最初の公式戦。ファン・サポーターに見せたいと思っていたものは見せることができましたか。
A、今日来てくださったみなさんの心に響くもの。僕は華麗なプレーはできないので、泥臭くどんどん突っ込んでいくような、そういう気迫を見せて、感動を届けたいと思っていました。技術的な部分では、得点シーンなどもまだまだ伸びしろや課題があるなと感じますが、あそこに貪欲に入っていくその姿勢っていうのは見せられたかなと思います。チームとしても非常に良かったと思います。
Q、チームとしても気迫を出せた試合だったということでしょうか。
A、それはもう見てのとおり。「魂際」で戦っていた。基本ですよね。戦術などの前に、まずは「魂際」で戦えないと試合には勝てないと思います。