荒井悠汰 インタビュー<br />
「あのピッチに立ちたい」

INTERVIEW2023.3.01

荒井悠汰 インタビュー
「あのピッチに立ちたい」

Q、1年前に高校生として東京で公式戦デビューをした時と、プロになった今とどのような変化がありますか。
A、高校生の時は2週間ほどの練習をしてから、ルヴァンカップに出場し、高校の部活に戻っていました。今は東京の選手の一員として毎日チームで練習をしているので、環境が大きく変わったと思います。

Q、環境が変わったことでプレッシャーなどは感じていますか。
A、サッカーが仕事になり、この先は自分次第という部分が大きいので、活躍しないといけないと感じるようになりました。高校とプロは全く違い、トレーニングや試合でのプレッシャーの早さなど、苦しむことも多いと感じています。自分の中で焦りはありますが、今は同じポジションの選手に勝つために何をするべきかを考え、コーチと話しながら練習後の自主練習に取り組んでいます。いち早くプロ選手の練習の強度にも慣れて、もっと自分の特徴を出せるようになりたいです。

Q、キャンプ中に多くの選手やスタッフとコミュニケーションをとっていたと思います。長友選手に話を聞きに行く場面もありましたが、得られたものも大きいのではないでしょうか。
A、東京のサッカーは、周りの選手との連携が求められるので、同じサイドの選手とコミュニケーションをとることを大切にしています。プレーをしていてタイミングが合わない場面があれば、すぐに話し合い、ボールを失わないことを第一に、サイドに開いた方が良かったのか、中に入ってポジションを落とすべきだったのか、分からないことはすぐに聞くようにしていました。自分のプレーに、前への推進力がまだまだ足りていないと感じているので、長友選手には基礎トレーニングを教えていただいています。

Q、サイドバックの選手とのコミュニケーションの話がありましたが、同じポジションの選手のプレーから学ぶものはありますか。
A、トップチームで戦う選手はスムーズにボールを回し、見ていて面白いです。自分が入った時もそのようなサッカーをしたいので、開幕戦の試合も見返して、選手一人ひとりの動きやサイドバックとウイングの関係性などを学んでいます。

Q、荒井選手の中で、他にプレー面での課題はありますか。
A、高校生の時は自陣からドリブルをしていることが多かったですが、プレースタイルも変わり、1タッチ、2タッチが増えています。高校生の時にそのようなプレーをしていなかったこともあり苦戦しているので、今の自分の課題だと感じています。自陣では1タッチや2タッチを使いながらスムーズにボールを回し、相手のエリア内で自分の持ち味であるドリブルができるようにしたいです。

Q、持ち味の話が出ましたが、荒井選手が他の選手には負けないと思う強みはどのようなところでしょうか。
A、サイドでの1対1の仕掛け、カットインしてからのクロスが得意だと思うので、そこは仲間と共有しながら、試合に入った時に点に繋がるプレーをしたいと思っています。

Q、オフの時間を含め、よくコミュニケーションをとる仲の良い選手はいますか。
A 最近は安部柊斗選手や松木玖生選手と一緒にいることが多いです。可愛がってもらい、ご飯に連れて行ってもらったりしています。今は松木選手が代表活動でいないので、毎日のように安部選手と一緒にいます。

Q、2人と自主練習をしているところも見かけますが、荒井選手はコーチとマンツーマンで自主練習をしている印象も強いです。自らコーチに声をかけていますか。

A、自ら声をかけに行く時もありますが、最近は安間ヘッドコーチがアルベル監督から指示されたトレーニングを行っています。前までは、小泉慶選手、安部選手と毎日回数を決めて、パスアンドコントロールを練習していました。

Q、自主練習では、自分に足りていないと思う部分を重点的に練習しているイメージでしょうか。
A、そうですね。最近だと佐藤由紀彦コーチとダイレクトパスの練習をしています。プロが使うグランドの芝はボールもよく滑り、ダイレクトパスが難しくてなかなか慣れないので、まずは基礎練習から佐藤コーチにお願いをして取り組んでいます。

〈練習試合で、アルベル監督に指示を受ける荒井悠汰選手〉


Q、ホームページの選手プロフィールで、影響を受けた選手に松木玖生選手の名前を挙げていましたね。
A、松木選手は、昨シーズンからよく話かけてくれて、面倒を見てもらっていました。今、1年目で活躍することの難しさをとても感じているので、昨シーズンの1年目から堂々とプレーをしている松木選手を尊敬していますし、自分も頑張らなくてはいけないと思います。松木選手から学ぶことは多いので、たくさん話を聞いたりして自分の成長につなげたいと思っています。

Q、松木選手からは特にどのようなことを学んでいますか。
A、メンタルの部分です。自分は試合中の声かけで、先輩に対して「さん」や「くん」をつけるものだと思っていましたが、松木選手は呼び捨てで選手を呼んでおり、芯の通った考えや、強いメンタルがあるのだと思います。他にも、仲間を鼓舞する場面、相手にファールをされた時に熱くなっている場面など、度胸やメンタリティの強さを感じます。自分には足りない部分で本当にすごいことだと思うので、メンタルを強くしたいです。

Q、話は少し変わりますが、選手プロフィールの好きな選手にマフレズ選手の名前を挙げていましたが、プレミアリーグは普段から観ていますか。
A、マンチェスターシティの試合をよく観ます。東京とプレースタイルが似ており、アルベル監督も昨シーズンのキャンプでマンチェスターシティの試合映像を見せていて、あのようなサッカーをしたいと思っていると思うので観ています。海外の選手から学ぶことは多いですし、同じ左利きのマフレズ選手が得点やアシストをしている場面を観て、好きになりました。身体はあまり強くない選手ですが、左足で少しずらしてシュートを打つ工夫などを真似していければと思います。

Q、今後のビジョンを教えてください。
A、まずは東京で結果を残してから、海外でサッカーをしてみたいと思います。でもやはり第一は、東京で活躍したいです。

〈小平グラウンドでトレーニングに励む荒井悠汰選手〉

Q、リーグ戦が開幕し、ルヴァンカップも始まります。どのような気持ちで臨みたいと思っていますか。
A、出場機会をもらえる限り、得点を決めたいという気持ち、チームを勝たせたいという思いが大きいです。ルヴァンカップで試合に出場し結果を残して、リーグ戦に絡みたいと思っています。まずは試合に出場したら、ゴールを決めてアピールしたいです。

Q、開幕戦から来場者の上限もなくなり、声出し応援もできるようになりました。開幕戦を見て、あの雰囲気でサッカーをしたいという気持ちは強くなりましたか。
A、小学生の頃に親戚と一緒にスタジアムで応援をしたことがありました。いつか自分があのピッチに立ちたいと思い、自主練習など努力を忘れずに頑張ってきたので、その夢を叶えたいです。あの雰囲気はやはりすごいと思いますし、その中でプレーできたら最高だと思います。あの場所でプレーをするには、日ごろの練習や練習試合でアピールするしかないと思うので、努力を続けていきたいです。

Q、ルヴァンカップは若手選手の出場も話題になるかと思いますが、荒井選手にとって東京の選手以外でのライバルはいますか。
A、福田師王選手と廣井蘭人選手です。二人とは高校1年生の高校選抜で一緒になり、仲良くなりました。その二人にはずっと負けたくないと思い高校3年間プレーしてきましたし、その気持ちは今も変わりません。彼らよりも結果を残したいと思っています。

Q、ファン、サポーターの皆さんも荒井選手のプレーを見ることを楽しみにしていると思います。意気込みをお願いします。 A、試合に出場したら自分の持っている力をすべて出して、チームに貢献できるように頑張ります。応援よろしくお願いします