3/26 京都戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2023.3.25

3/26 京都戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

<マッチプレビュー>
ルヴァンカップのグループステージ初戦はセレッソ大阪に0-1で敗戦。黒星発進となったものの、FC東京U-18所属の佐藤龍之介選手が先発するなど、多くの若手選手がピッチに立つ機会を得た。16歳の佐藤選手は試合後、「出場した60分間は人生で一番濃い時間だった。これを次につなげたい」と前向きに振り返った。

第2戦はホームに京都サンガF.C.を迎える。曺貴裁監督が率いるチームらしく、ベースとなるのはハイプレスと球際の強さを重んじるサッカー。そこに木下康介選手、パトリック選手の高さも加わり、リーグ戦では第3節で東京を破ると、そこから3連勝と勢いに乗った。東京にとっては当然、その雪辱を果たす機会となる。

東京はU-20日本代表としてU-20アジアカップに参加していた松木玖生選手、熊田直紀選手がチームに復帰。5得点でU-20アジアカップの大会得点王となった熊田選手の、プロ入り後公式戦初出場に期待が懸かる。松木選手が「若手を引っ張っていけたらおのずとチームは強くなる」と言うように、若手選手の活躍は必ずチームの底上げにつながる。4月からの連戦に勢いをつけるためにも、選手たちが躍動するサッカーで勝利を掴みに行く。

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[アルベル監督インタビュー]

Q、次のリーグ戦まで1週間あり、時間にも余裕があると思いますが、明日はどういうメンバーで迎えますか。
A、出場機会が少ない選手だけでなく、リーグ戦に出場している選手も複数加わる形になると思います。何人かには休息を与えたいと思っています。それ以外の選手は、1週間準備できているのでプレーする選手もいると思います。引き続き若い選手にチャンスを与え続けたいですし、今回もそれは続けたいと思っています。スタメンか、途中出場かは、分からからないですが、若い選手にチャンスを与えたいです。

Q、リーグ戦に出場していた選手も起用するとのことでしたが、コンディション的にも出場した方が良いという考えですか。
A、そういう部分とそうではない部分もあります。頭に入れておかないといけないのは、4月に過密スケジュールが続くということです。今シーズン、過密スケジュールの期間がありますが、試合数がとても少ない時期もあり、不規則なスケジュールが組まれています。試合のない週が夏にもあります。4月は過密なスケジュールとなっているので、それを考慮し、今週のメンバーを選考しました。

Q、グループ突破のために何が必要になりますか。
A、初戦のセレッソ大阪戦に関しては、負けがふさわしいプレーだったとは思いません。少なくとも引き分けが妥当な内容でした。どの試合でも、常に勝ちをめざしてプレーしています。ですが、試合結果ばかりを求めていると、いつ若手選手を起用できるでしょうか。若手選手がどれだけ成長できるのか、どれだけできるのかを判断するには、やはり公式戦でプレーさせることが必要です。以前にもコメントした通り、ルヴァンカップという大会が、もっと若手選手の起用を義務付けるようなルールを設けて、若手選手が躍動するカップ戦になることを期待しています。

Q、18歳までは世界と日本の差はないと言われていますが、その3年間後に差が開いてしまうのは公式戦の経験の差ですか。
A、色々な成長段階があります。12歳まではより自由にプレーさせることが最も重要だと思います。そこに関しては日本もうまく機能していると思います。日本で言うジュニアユース世代が、3年かけてアカデミーで戦術を学ぶことは必要です。その部分に関しても日本は良い方向に進んでいると思います。

課題として残されているのは、プロの前段階のユース世代です。高いレベルのプロ選手を育成するためには、ユース、日本で言う大学生の年代が重要となります。19~22歳までの世代は、戦うことで経験を積んで成長すると思います。例えば、松木選手は昨シーズンの1年間でどれだけ成長しましたか。凄く成長したと思います。なぜなら、勝負にこだわらないといけない、公式戦を重ねることができたからです。松木選手にチャンスを与えていなかったら、成長していなかったでしょう。一方で他の国ではその世代は高いレベルの公式戦の経験を積んで成長しています。その部分に関して日本は、改善の余地があると思います。そこを改善しない限りさらに上をめざすことは難しいと思います。

より高いレベルをめざすには、20歳前後の世代で難しい試合経験を積み重ねることが重要です。時には三笘選手のように素晴らしい選手が出てくると思うのですが、あのような素晴らしい選手がコンスタントに出てくるには、根本的な改革が必要だと思います。

サッカーでは中央の選手が大事だと言われています。ゴールキーパー、センターバック、ボランチ、センターフォワードというポジションが日本はまだレベルが高くないと思います。なぜ日本の選手層が薄いかと言うと、例えば、プロのサッカークラブの監督が若いセンターフォワードをどれだけ起用しようと思うでしょうか。18歳のゴールキーパーをリーグ戦で起用する監督も少ないと思います。17歳のセンターバックも同様です。中央のポジションで若い選手を起用する判断が難しいのはどの国も同じです。ですが、日本ではそのゾーンで若い選手を起用していないため、なかなか育たない悪循環になっています。

Q、明日はこれまでに出場機会のなかった若手選手が出る可能性はありますか。
A、明日はチャンスを与えたいと考えています。ただ、チャンスはプレゼントされるものではなく、勝ち取らなければいけません。私は、若い選手を起用することを全く不安に思っていません。ただ、どの若い選手にもチャンスを与えるかというと、高いレベルを持っていることを証明し、やる気に満ちたメンタルの強い選手でなければチャンスを与えません。若手選手が今後成長するために、最大限協力する準備はできています。ただ、チャンスをつかみ取れるかは、本人次第です。

Q、日本代表にバングーナガンデ佳史扶選手が選ばれました。
A、佳史扶選手には引き続き成長してくれることを期待しています。日本代表選手として求められるレベルはとても高いからです。同級生である久保建英選手は、素晴らしいレベルにたどり着いていると思います。私の願いとしては、佳史扶選手、中村帆高選手、松木玖生選手、久保建英選手、熊田直紀選手、俵積田晃太選手、が日本代表のメンバーに名を連ねることを願っています。


[選手インタビュー]
<ペロッチ選手>

Q、名古屋戦はほとんどプレー時間がありませんでしたが、悔しさはありましたか。
A、試合に出場したい気持ちは常にあります。ですが、試合展開もありますし、監督の戦略もあるので、そこは理解しています。悔しいというよりは、仕方がないと思っています。日本のサッカースタイルは、私が今までプレーしてきたスタイルとは違います。まだ来日して間もないですし、試合もあまり出場していません。もちろんなじんでいかないといけないので、これからもっと良いプレーをしてチームの勝利に貢献したいと思います。

Q、練習試合やリーグ戦でも必ずサブメンバーに入っていると思います。加入したばかりだからまだ問題がないのか、短い時間のなかでも得点を奪ってスタメンの座を獲らないといけないと思っているのか、どう考えていますか。
A、出場時間が何分であろうと得点を取るために準備をしています。5分であろうと90分であろうと出場時間のなかで精いっぱい尽くすことが自分の役目だと思います。得点に関しては、フォワードなので、毎回得点を決めたいという気持ちがあります。ですが、ゴールは簡単なものではないですし、なかなか取れるものではないと思います。今、ゴールは取れていませんが、試合によっては2、3点決めることもあるかもしれません。これは試合の流れだと思います。

Q、練習で良いシュートが決まった時はファンもどよめいていますが、自分自身のパフォーマンスや状態はいかがですか。
A、いつも思っていますが、練習でやったことが試合のなかでゴールとして成果につながると思います。良い練習をして、試合に備えたいです。もちろんですが、今日の練習を終えたら、今日以上に明日はまた良い練習をしようと思っています。ゴールを決めたい気持ちはありますが、ゴールが生まれないとしても、他の所でチームに貢献できればと思います。

Q、ブラジル国籍の選手だけでなく日本人選手とも交流しているのをよく見かけますが、チームに溶け込もうという姿勢を感じます。
A、日本語はほとんど分かりませんが、来日してから、チームメイト、スタッフの方達が私に対して温かく、優しく受け入れてくれました。改めて感謝しています。ピッチでもみんなが寄ってきてくれて、気にかけてくれます。シャペコエンセにいた時から、自分も人のために力を貸して上げたいという気持ちや、人を敬う気持ちがあります。色々な人とコミュニケーションを取ることは昔からやっていました。

Q、日本に来て見つけた楽しみはありますか。
A、昔から日本でプレーしたいという希望がありました。そのなかで自分の夢、目標が達成できました。日本にきて大変なこともあると思っていましたが、日本のみなさん、街も含め、本当に素晴らしい、自分が思っていた以上の場所でした。私の妻も東京での生活を楽しんでいます。ここからスタートして、目標を達成したいと思います。

Q、なぜ日本へ来たいと思ったのですか。
A、日本でプレーをした選手と2017年に交流を持ちました。その選手たちが日本の文化、習慣、サッカーも含めて、非常に良い国だと言っていました。自分もそういった国に行きたい気持ちが強くありました。

Q、日本で驚いたことは何ですか。
A、二つあります。一つ目は日本の小さい子ども、小学生くらいの子どもたちがかわいいなと思います。あと、そういった7歳くらいの小学生が親とではなく、1人で学校に行っているところに凄く驚きました。二つ目は、渋谷のスクランブル交差点です。私の街では、あんなに人がいません。人がたくさんいるのでビックリしました。

Q、東京に近いブラジルの都市はどこになりますか。
A、大きな大都市ということでいうとサンパウロですかね。ですが、東京とは全然比べものになりません。


<野澤大志ブランドン選手>

Q、2021シーズンの途中から1年半、いわてグルージャ盛岡への期限付き移籍を経験しました。今シーズンから東京に戻って、ここまでの心境を聞かせてください。
A、リーグ戦も始まり、ルヴァンカップも1試合行われています。昨シーズンは、他のチームの選手として東京を見ていました。今は東京の一員として戦っていることに、まずは個人的に凄く嬉しいですし、ワクワクしています。もちろん試合に出場しているわけではないですが、チームとして毎試合勝利にこだわり日々の練習をできています。凄く充実した日々を送れていると思います。

Q、移籍する前と比較して、今の東京にどんな変化を感じますか。
A、移籍する前は長谷川健太さんが監督でした。昨シーズンからアルベル監督になり大きな変化があったと思います。今取り組んでいることは、僕が今までやったことのないスタイルです。岩手では今の東京がめざしているサッカーとは違ったスタイルで試合をしていました。東京に帰ってきて、ゴールキーパーも積極的に攻撃に関わり、守備の時は、数少ないピンチをどのように集中力を保って防いでいくか。今まで経験したことがない要素がたくさんあります。適応していくことは大変な作業ですが、やりがいを感じています。

Q、ゴールキーパーに足元の技術が求められるプレースタイルは得意ですか。
A、得意ではありませんが、だからと言って自信がないわけでもありません。やはり、ゴールキーパーとして一番大切なことはゴールを守ることです。その責任が一番求められるところなので、監督とゴールキーパーですり合わせていることではありますが、リスクを犯さずにミスをなくしていくことが一番大事な要素です。それを全うするためには、足元が凄くうまい必要があるわけでもないと思います。本当に基礎的なことを当たり前にできれば問題はないと思っています。

Q、いわてグルージャ盛岡では正GKとして継続的にピッチに立ち、J3からJ2への昇格も経験しました。1年半を改めて振り返ってください。
A、試合に出場する責任を学んできたと思っています。もちろんチームには、数名のゴールキーパーがいて、一人しか試合に出られないこともそうですし、いわてグルージャ盛岡を成り立たせているスポンサー、チームスタッフ、ファン・サポーター、地域の方々がいて、応援してくれている方々のために、自分が代表して試合に出場していることを考えていました。

試合に出場させてもらってはいたものの、試合に出場する選手にふさわしくない立ち居振る舞いをしていたと思わされました。そこで、本当にもっとやらなくてはいけない、もっと自信を持って勇気を出し、チームを勝たせるためにピッチに立たなければいけないという責任感を学びました。それが一番僕にとっては大きなことでした。

東京に帰ってきて、技術的にまだまだ成長しなければいけないですが、同時に責任感について学んできたことで、自信もついてきました。岩手に移籍する前よりピッチに立った時に凄くプレーに余裕があり、もっと冷静に判断できるようになったと思っています。そういった意味では本当に1年半、岩手にいれたことを感謝しています。

Q、今シーズンはルヴァンカップのセレッソ大阪戦で先発出場しました。試合は終盤の失点で0-1と敗れてしまいましたが、手応えや課題を感じたと思います。自分のプレーを振り返っていかがですか。
A、思い出しただけでも悔しさと怒りがこみ上げてきます。自分としては数少ない試合の機会を、どう表現するかというのがすごく大切なことでしたが、あのような結果に終わってしまったことに怒りがこみ上げてきます。

本当に自分に厳しさを求めるのであれば、あのようなた試合でも勝たなければいけないと感じていて、冷静に俯瞰して見るならば、86分ごろまではやれていたと思います。もちろんミスもあり、チームとして改善できることもありましたが、その時間までは相手を押し込んで、プレッシャーをかけてプレーできていたという印象があり、個人的にもそこまで慌てず冷静にプレーできていたんじゃないかと思っています。なので、あまり悲観せず、「次だな」と切り替えているところでした。

Q、日本代表に入ったバングーナガンデ佳史扶選手だけでなく、U-20代表の松木玖生選手、熊田直紀選手、プロ1年目の俵積田晃太選手、荒井悠汰選手など、東京には注目されている若手選手がたくさんいます。若手選手が話題になっている状況をどう感じていますか。
A、確かにアルベル監督は若い選手たちをすごく尊重してプレーさせてくれる監督です。東京には偉大な選手が数多くおり、そういった方々と若手選手が毎日一緒に練習しています。そういった意味では、ベテランの選手、経験のある選手たちがうまく若手の選手たちを引き上げてくれている存在になっていると思います。もちろん若手の一人ひとりの能力が高いことも事実です。チームにとっては未来があることは嬉しいことですが、若手選手たちは自分の評価を上げたいのであれば、チームの評価が上がらないと難しいということを理解しなければいけません。

ですので、若手だからという気持ちではなく、僕自身もそうですが、チームが勝つために何ができるかということを考え、そこから逆算して考えなければいけないと思います。それは若手だからとか関係なく、経験ある選手もこのチームが勝つために本当にそれを普段から考えているので、そこのズレは僕も起こさないようにしていきたいと思っています。

Q、アカデミー出身の選手が活躍するのは、野澤選手にとってもうれしいことではないですか。
A、そうですね。チームやファン・サポーターにとっても嬉しいことですよね。

Q、ゴールキーパーはチームにポジションが一つしかないので、チャンスを得る、アピールすること自体に難しさがあると思います。今シーズンは何を目標にして、どういうことをアピールしようと考えていますか。
A、自分でも日々思わされていることとして、ゴールキーパの一つひとつの技術がしっかりと上手いことはもちろん大切なことです。ですが、何よりもチームを勝たせること、安心感を与えられる選手になることが重要です。そのためにどうしたら良いかを日々考えさせられる毎日です。自分一人で獲得できることでもないと思っているので、色々な人を頼りにしています。チームメイトもそうですし、ゴールキーパコーチにも色々な話を聞いています。せっかく、凄い選手がたくさんいるので、どんな風に考えているのか、気になることもたくさんあります。一日一日を無駄にしないで大切に過ごしていきたいと思っています。

今はもちろん一番手で試合に出ているわけでもないですが、いずれ自分がピッチに立って、東京を勝利に導くゴールキーパになるために今は何が大事なんだろうと考えています。先を見ているようではありますけど、できることなら今それができたらベストだなと、いつもそういったプレッシャーを良い意味で自分にかけています。今シーズンは戦うという姿勢を最後まで表現したいと思っています。

Q、最後に、サポーターに向けて、ルヴァンカップ京都戦の意気込みをお願いします。
A、もちろんリーグ戦ではない大会ですが、僕たちチームの一人ひとりはタイトルに飢えています。獲れるところから獲りたいですし、僕自身がそう思っています。その気持ちを奮い立たせ、強気でピッチに立ちたいと思います。本当にチームが勝点3を取り、次のリーグ戦にも勢いがつくような、そんな週末にしたいと思っています。自分自身、味スタのピッチに立つのが楽しみです。