8/2 熊本戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2023.8.01

8/2 熊本戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

<試合プレビュー>

天皇杯はラウンド16の戦いを迎えた。前回、ヴェルディとPK戦までもつれこむ厳しい戦いを繰り広げた東京は、相手のホームスタジアムに乗り込みロアッソ熊本と対戦する。

熊本は3回戦でJ1リーグのサガン鳥栖と対戦し、2点を先行される難しい試合ながら90分間の戦いで3-3と食らい付き、延長戦で逆転に成功して4-3の打ち合いで競り勝った。昨シーズンはJ1参入プレーオフに進出して快進撃を見せ、J1チームの京都サンガF.C.との一戦まで駒を進めるなど、大木武監督のもとで攻撃的なサッカーを根付かせて躍進を遂げている。

東京にとっての要注意人物は、平川怜選手をおいて他にいない。FC東京U-15むさしから東京のアカデミーで育ち、FC東京U-18所属の高校1年時にはU-23でJ3リーグに出場するなど早くから注目を集めてきた。トップチームでの出場機会は限られ、鹿児島ユナイテッドFCや松本山雅FCでの武者修行を経て昨シーズンに東京に戻ってきたが、出場機会が限られて8月に熊本に完全移籍した。

加入直後から熊本では中心選手として定着し、前述したチームの躍進の立役者となり、今シーズンからはキャプテンを任されている。古巣との一戦に向けた気持ちは人一倍強く、活躍する姿を見せたいと意気込んでいるはずだ。

熊本のスタイルはピータートーキョーが取り組むスタイルに似通う点が少なくない。運動量と強度が求められ、前線から中盤にかけて連動した猛烈なプレスと球際でのデュエルでボールを奪い、ショートカウンターを繰り出してゴールへと迫る。マイボールを大事にして、相手陣内で試合を進めていこうとする。熊本は鳥栖に対しても臆することなく自分たちのスタイルをぶつけ、そして打ち合いを制している。東京も真っ向勝負に挑みつつ、地力の差を見せたいところ。

中3日で6日にはリーグ戦の再開を迎えることもあり、この一戦で結果と内容の両方で勢いをつけることが求められる。中断期間で浸透を図ってきたクラモフスキー監督のめざすスタイルを存分に発揮し、強度とボール保持と攻撃の迫力で8強の座をつかんで東京に戻りたい。



[ピーター クラモフスキー監督インタビュー]


Q、東京、ロアッソ熊本両チームが志向するサッカーは似ていると思います。
A、エキサイティングな試合になると思います。自分たちのやるべきことをしっかりと表現し、得点を奪うだけだと思います。熊本へのリスペクトの気持ちはもちろんありますが、メンタリティの部分でしっかりと試合に入り、頭の中を整理して臨みたいと思います。楽な試合はどこにもありません。熊本がボールを保持する時間帯も想定されます。その時間に自分たちが何をすべきか、どのように相手の攻撃を止めるかを理解して臨む必要があります。例えば、そのような現象がピッチ上で起きているのであれば、カウンターが有効になるかもしれませんし、ボールを保持している時には、ピッチの空いているスペースをいち早く見つける必要があります。そして、ゴールを奪うための多くの決定機を生み出していきたいと思います。ゴールを決める意識を持ってプレーすることが重要になると思います。

Q、ナイトゲームになりますが、暑さとの戦いもあると思います。
A、ハードワークをするための準備が必須です。すべてをピッチで出し切り、優勝カップを掲げるために戦います。その目標が我々にある限り、高め合って、すべてを出し切りたいと思います。

Q、練習では各セッションの間が非常に短く、集中した練習が見受けられました。
A、各練習の間をコンパクトにしているのは、試合を想定しているためです。試合中にゆっくりと休む時間はありません。もちろん、時間をしっかりとセットして、準備を進めることもあります。細かいところですが、選手たちには、しっかりと身に着けてほしいと思っていますし、“試合中に止まらない”という考え方、メソッドにも繋がっています。ピッチ上では、考えることを止めてはいけません。練習の間の時間も練習の一部ですので、常に頭のスイッチをオンにしてほしいと考えています。“ハードワーク”という言葉でみなさんにお話しすることもありますが、練習の間の時間も集中を切らさないメンタルを選手たちに求めています。鋭く正しい判断が疲れている状況でもできるように、という狙いもあります。

Q、熊本のフォーメーションを想定した練習も実施されていました。
A、どのような相手であろうと、その試合で必要になることを理解してプレーすることが重要です。今日の練習は、熊本のスタイルをイメージ付けするために実施しました。対峙するなかで、どこにスペースが生まれてくるか、相手が嫌がるエリアはどこか、を共有していきたいと思います。すべてにおいて準備を進めていきます。



[選手インタビュー]
<白井康介選手>


Q、東京の白井康介として、公式戦に出場できるチャンスが巡ってきました。
A、東京に加入してから約1か月、公式戦もありませんでしたし、非常に難しい期間でしたが、良い準備を重ねることができました。東京でのプレー、ある意味、僕にとっては開幕戦を迎えるような気分です。良い準備をしてきた分、しっかりと試合で表現していきたいと思います。試合に飢えています(笑)。

Q、浦和レッズとの練習試合では高いパフォーマンスが随所に見られました。
A、細かいポジショニングに関して課題が残るゲームになったと思いますが、最低限のパフォーマンスと得点に絡むプレーもありました。長いプレーイングタイムをもらえたこと、チームメイトとプレーを合わせることができましたので、大枠としては良かったと思います。

Q、特に攻撃面が整理されている印象を受けました。
A、基本的な部分は、京都サンガF.C.時代にプレーをしていた経験が活きています。内側を取る回数が増えたこと、攻撃時のリスク管理については若干の違いはありますが、クラモフスキー監督が日ごろから求める球際の勝負強さやハードワークについては、今まで培ってきたものを活かし、違和感なくプレーできた印象です。

Q、クラモフスキー監督からはどのような指示、プレーの要求を伝えられていますか。
A、チームとしての規律、やらなければならないプレーを大前提に、どちらかというと僕自身がプラスアルファのプレーや特長を出し切れるかが重要だと思っています。攻守において走り負けない、対人プレーで競り勝つプレーを見せていきたいと思います。

Q、ロアッソ熊本の印象を教えてください。
A、熊本というと、京都に在籍していた昨シーズンのJ1参入プレーオフ決定戦での対戦を思い出します。ここまで多くの公式戦を重ねてきましたが、独特な雰囲気と非常に緊張した試合で、とても印象に残っている試合です。対戦した昨シーズンからメンバーも変わっていると思いますが、簡単な相手でないことは確かです。ですが、J1クラブとしての格の違いを結果で示していきたいと思います。難しい試合になることを想定して試合に臨みたいと思います。


<野澤大志ブランドン選手>


Q、ルヴァンカップではグループステージの全6試合にフル出場しました。今のコンディションはいかがですか。
A、だいぶ良い状態です。大きな問題もなくプレーできると思っています。

Q、浦和との練習試合でも良いプレーが見られました。
A、僕自身としても良いと思えるプレーができました。練習試合とはいえ、今後の自信に繋がるプレーを見せることができたと思っています。

Q、今回対戦するロアッソ熊本の印象を教えてください。
A、熊本とは、昨シーズンと一昨シーズンにいわてグルージャ盛岡に所属していた時に対戦をしています。ボールを回すことに長けているチームですし、センターバックの選手をはじめ、後ろの選手たちがボールを出して動いてを繰り返して、守備が非常に捕まえづらかった印象があります。なにより、平川怜選手との対戦が楽しみです。平川選手をはじめ、岡崎慎選手や松岡瑠夢選手といった東京のアカデミーの先輩たちが在籍しているので、楽しみにしています。

Q、チームを救うセービングと攻撃の起点を作るそれぞれのプレーに期待が懸かるかと思います。
A、天皇杯はトーナメント戦ですから、勝ちか負けしかありません。リーグ戦とは違ったレギュレーションでどのように勝負するかが問われると思います。プレーの選択もその都度変わってくると思っています。

Q、ルヴァンカップでの出場経験を活かして戦いたいところですか。
A、リーグ戦とは異なる大会ではありますが、ルヴァンカップでは十分に戦えると思いました。普段の練習から特に不安になることなく、堂々とプレーできているとは思っています。中断期間中にメンタル面も含めて、自分自身がやるべきことが整理できている良い状態にあると思います。