9/15 川崎戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW<br />
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INTERVIEW2023.9.14

9/15 川崎戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW
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<前節・アビスパ福岡戦のレビュー>

試合の序盤に立て続けに失点し、アビスパ福岡が得意とする試合の流れに東京が乗らざるを得ないまま時間だけが刻一刻と過ぎて行った。

グレーの壁は高く、密度も濃く、福岡陣内でボールを持っていた東京の攻撃は攻め手を欠いて停滞を余儀なくされる。流れのなかでフィニッシュまで持ち込むシーンがなかなか作れずにいたなか、暗雲が漂うピッチに光明が差したのは、後半15分に原川力選手が投入されてからだった。

前半に比べるとゴールに迫るアクションが増え、球際の攻防からファウルを受けてフリーキックを得る、またはゴールライン際で勝負してコーナーキックを得る場面が増加。流れのなかでのアクション自体が決定機にはつながらないものの、そこで得たセットプレーが東京の活路になった。

活路たらしめていたのは、言うもでもなく原川選手の高精度のキックだ。ニアへの鋭いボール、ファーサイドへの大きなボール、ゴール前に高く浮かせるボール。カーブをかけたり、落としたり、ストレートボールにしたり、多彩なキックの種類を使い分けて、福岡ゴールを脅かすシーンを作り出す。

反撃の一手となった後半41分のゴールは、原川選手のコーナーキックから生まれた。ファーサイドに鋭く曲がって落ちるボールを、待ち構えていた熊田直紀選手にピンポイントで合わせた形だった。

まさにスナイパーが遠距離の獲物を逃さず、仕留めるがごとき精度。流れのなかで活路が見いだせない苦しい時には、一発で仕留められる飛び道具が武器になる。原川力、というその大きな武器を手にした実感を得た瞬間だった。


<試合プレビュー>

今シーズン2度目の多摩川クラシコは、両チームともに想定していたものとは違うシチュエーションで迎えることになった。

勝点は同じく「33」。得失点差はわずかに2点で順位の違いは一つだけ。順位表の上では拮抗した成績のチーム同士の対戦となる。ただし、2チームが位置するのは決して上位ではなく、川崎フロンターレが9位で東京が10位。首位を争うヴィッセル神戸や横浜F・マリノスとは勝点が15点以上離れている。

昨シーズンの最終戦では両チームともに上位チームとして対戦していただけに、今シーズンのお互いの立ち位置は悔しい想いが募るところ。それだけに、一つでも多くの勝利を、一つでも上の順位をめざすうえで、両チームにとって多摩川クラシコは非常に重要な一戦となる。

お互いのプライドを懸けた一戦で持てる力を出し切り、自信と勝点と上昇気流をつかみたいところ。

今シーズン5月に戦った第1戦では、リーグ戦で9試合勝てていなかった流れを変え、東京が2-1で競り勝ち、実に5年ぶりとなる多摩川クラシコでの勝利を手にした。クラブレコードとなる56,705人が詰めかけた国立競技場は青赤に染まり、勝点3が多摩川を越えて川崎側に渡るのを阻止。国立に“眠らない街”を響かせた。

東京としては、ルヴァンカップの敗退が決まった直後の試合で、残す大会はリーグ戦のみという状況で大一番を迎える。アウェイの地、等々力競技場でピータートーキョーの進化を示すことができるか、今後のチームの戦う姿勢を示すためにも、今回は勝点3を多摩川の東京側に渡らせて終わりたい。


[ピーター クラモフスキー監督インタビュー]


Q、川崎フロンターレ戦に向けて、地力を上げる練習を重ねることができていますか。
A、止まることなく継続していくことです。チームが成長していくなかで、ルヴァンカップ準決勝がその過程にあり、トロフィーを追いかけることができれば良かったと思いますが、自分たちがやらなければいけないモノを継続して作ることが重要です。すべては、自分たちが夢見たチームになるために、それにはさらなる成長が必要です。一つのトロフィーではなく多くのトロフィーを掲げられるチームを作っていきたいです。そして、特別なチームを作ることに焦点を置きたいと思います。練習で選手たちの能力を伸ばしていくために、何度もチャレンジし、成長できるようにしていきたいと考えています。成長過程のなかで、悔しい思いをしたことが価値や教訓になると思っています。

Q、リーグ前半戦で勝利した川崎に再び勝利するために必要なことを教えてください。
A、チームパフォーマンスをしっかりと出すだけです。自分たちが発展していくための基盤、パフォーマンスをしっかりと出して結果に繋げることです。準備をしっかり正しくやることによってシーズンダブルは可能になります。それに向けて戦っていきます。

Q、川崎との対戦はいつもプレー強度や攻守の切り替えが勝負のポイントになります。
A、エキサイティングな試合になると思います。川崎は良いモノを作ってきたクラブであり、何度もトロフィーを獲ってきたクラブです。我々は彼らから勝点3を奪うためにすべてのエネルギーを注いでいきたいと思っています。本当にエキサイティングなフットボールになると思っているので楽しみにしています。

Q、リーグ戦ではここ数試合勝利から遠ざかっています。あらためてここからどのような試合を見せていきたいですか。
A、結果がついてくるかどうかは、自分たちのゲームモデル、決まりごとができているか次第だと思っています。でなければ、相手に隙を与えてしまいます。集中を切らさないように自分たちに焦点を置いたプレーが重要です。ルヴァンカップ準々決勝第2戦では、前半終了間際に隙を与えてしまい2失点を許してしまいました。決まりごと、集中を切らさずに戦うことが無失点や結果に繋がります。シャープなメンタリティーもそうですし、頭の中もキレを出していかないといけません。Jリーグの試合で楽な試合は1試合もなく、常に集中力を保って戦う必要があります。そうすることで、ポジティブな結果がついてくると思います。


[選手インタビュー]
<長友佑都選手>


Q、アビスパ福岡との3連戦では、3試合ともスタメンで出場されました。あらためてどのような課題を感じましたか。
A、結果、内容ともに完敗だったと思います。自分たちの弱さを痛感させられた試合になってしまいました。

Q、金曜日に控える多摩川クラシコに向けて、今はどのようなモチベーションをお持ちですか。
A、金曜日の川崎フロンターレ戦だけではなく、残り8試合を自分たちがどのようなモチベーションで戦うかが重要です。今の順位で、このクラブ、このエンブレムを背負って戦う選手それぞれのプライドがより一層明確に見えてくると思っています。ここからの1試合1試合に懸ける想い、東京を背負って戦う想いが、誰が一番強いのか、本当の意味で誰が一番価値を示すことができるのか、というものが残りの試合で見えてくると思っています。その強い気持ちがない選手が仮にいるとすれば、東京の一員として戦うべきではありません。熱い気持ち、東京で戦うプライドを持った選手こそがこのクラブのために戦うべきですし、多摩川クラシコをはじめ、残りの8試合で色々なものが見えてくると思います。

Q、川崎に所属するゴミス選手との再会も控えています。
A、ゴミス選手とはガラタサライSK時代にチームメイトでした。仲も良く優しい選手です。身体も大きく、ドレッドヘアが特徴的で、得点後にはライオンのパフォーマンスをよくしていました。外見は非常に派手ですが、中身は非常に優しく、人想いで気遣いのできる選手、みんなから愛されるキャラクターです。僕自身も大好きですし、ガラタサライ時代には圧倒的な得点力を見せて、1シーズンで29ゴールを記録するほど、選手としても非常に素晴らしいものをもっています。ゴミス選手との対戦は楽しみですが、危険な選手でもあるので、彼をどのように止めるかにフォーカスしてプレーしたいと思います。

Q、ゴミス選手との激しいマッチアップも試合の局面で出てきそうです。
A、ゴミス選手のストロングポイントは僕自身が一番把握していますし、一緒にプレーしていた分、持っている情報も多いので、ディフェンダーとして対峙しやすいです。持っている情報はもちろん共有して試合に臨みたいですし、ピッチ上ではバチバチに熱く戦いたいと思います。


<森重真人選手>


Q、アビスパ福岡との3連戦を終え、あらためて森重選手が感じたチームとしての課題や手応えなどがあれば教えてください。
A、自分たちの弱さを認識すること、受け入れること、試合に向けた取り組み方を変えることや見直すことが大切になると思います。ルヴァンカップで準決勝に進めなかったことが僕たちの実力です。これまでと同じことを続けていても意味がありません。現実をしっかりと受け入れて、選手各々が自分自身に矢印を向けて、ここから進んでいかなければ“勝つチーム”には成長していかないと思います。戦術云々ではなく、個々の勝負や局面で負けてしまう場面が目立っていました。しっかりと見直す必要があると思います。

Q、今週末は川崎フロンターレとの多摩川クラシコです。
A、ルヴァンカップも準々決勝敗退が決まり、直近のリーグ戦も勝利できずにいるなかで、もう一度仕切り直しと言いますか、ここから立ち上がっていく姿勢を示す試合にしたいです。

Q、直近の試合で4バック、3バックなど様々なフォーメーションを試合でチャレンジしています。
A、布陣が変わることでチームとしてやることは多少変わりますが、選手それぞれのやるべきことは変わりありません。守備ではチャレンジ&カバーの徹底と相手のプレーを予測した対応、状況に応じたプレーと素早い判断が求められます。フォーメーションではなく、まずはプレー精度を高めることです。

Q、高い攻撃力が特長の川崎との一戦で、重要になるポイントを教えてください。
A、攻守においてアグレッシブに戦い、相手を上回るプレー、今までとの違いを見せなければ得点を奪うことはできません。攻守それぞれの局面、戦いで勝つことがチームの勝利に繋がると思っています。