9/15 川崎戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2023.9.15

9/15 川崎戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>

ルヴァンカップ準々決勝で敗れた現状から立ち直りたい東京は、残るリーグ戦で一つでも上の順位をめざしていくうえで絶好の機会となる『多摩川クラシコ』に臨んだ。システムを4バックに戻し、森重真人キャプテンがスタメンに復帰。バフェティンビ ゴミス選手とのマッチアップが期待される長友佑都選手は左サイドバックに入り、中盤には古巣との対戦となる原川力選手と塚川孝輝選手が入った。そして、ディエゴ オリヴェイラ選手が離脱した1トップにはアダイウトン選手が入り、仲川輝人選手と渡邊凌磨選手が両ウイングを固めた。

天皇杯とルヴァンカップが終わり、残るリーグ戦をどう戦うか。選手たちが口を同じくしたのは「意地やプライドを見せられるかどうか」。前半戦での対戦では5年ぶりに多摩川クラシコで勝利を挙げた青赤の選手たち。シーズンダブルを狙って等々力陸上競技場のピッチに立った。

1stHALF—攻守に見せ場を作ったエンリケ

序盤から川崎フロンターレの圧力とパスワークに押し込まれる立ち上がりとなった。前半1分にコーナーキックから迎えたピンチは相手のシュートミスに助けられたが、その後も川崎の流動的なビルドアップを前に奪いどころを定め切れず、守備に回る時間が長くなる。

それでも前半6分には決定機を作り出す。塚川選手の柔らかいクロスを左サイドから中央に入ってきた渡邊選手がエリア内でコントロールしディフェンダーを剥がすと、ゴール正面で右足を振るが、ミートせずに相手ゴールキーパーの正面に収まった。

このシーンをきっかけに東京はカウンターからチャンスを作り、ボールを持つ時間を徐々に増やしていく。原川選手と塚川選手がうまくボールを引き出し合いながら敵陣に運び、前半32分には右サイドで細かくつないだ流れからアダイウトン選手が強烈なミドルシュートを放つ。こぼれ球を拾ったエンリケ トレヴィザン選手が左足で豪快に狙ったシュートは枠を捉えたが、相手ゴールキーパーの好守に阻まれた。

エンリケ選手は、守備でもタイトなマークを見せ、Jリーグデビューとなったゴミス選手をケアし続けて起点を作らせない。お互いにゴールに迫るシーンを作り、また東京は相手のキーマンを徹底マークして、0-0のまま試合を折り返した。

2ndHALF—決定機を作り出すものの1点が遠く

後半の立ち上がりは強度を高め、ゴールに向かう圧力を高めていたが、後半9分に先制を許してしまう。

相手ゴール前まで押し込んだ流れから脇坂選手に対するプレスをいなされると、そのままハーフライン付近まで運ばれ、左サイドに開いていたマルシーニョ選手にボールを預けられる。ドリブルで加速してゴールまで一直線に迫ってくる相手に対して、対峙した森重選手は左右の揺さぶりに耐え、下がりながらもボールに反応できるように半身の体勢で対応したが、ゴール目前で緩急をつけられてかわされると、最後はヤクブ スウォビィク選手も届かないゴール左隅へと流し込まれた。

その直後の後半14分には、東京にビッグチャンスが訪れる。相手のパスをカットした東慶悟選手がアダイウトン選手にくさびのパス。反転したアダイウトン選手はドリブルで運んだ後に右へのラストパスを選択。ボールを受けた仲川選手がマーカーを振り切ってペナルティエリア内に侵入したが、シュートは間合いを詰めてきた相手ゴールキーパーにブロックされた。

決定機を作りながら1点が遠い東京。後半19分には一気に三枚の交代カードを切る。縦への推進力を持ち個人で仕掛けられるジャジャ シルバ選手、白井康介選手、俵積田晃太選手を送り込み、試合の流れを変えようと試みる。

しかし、川崎も簡単には反撃を許してくれない。カウンターから両サイドの深い位置まで侵入するシーンは作るものの、クロスボールやラストパスのプレーにきっちりとプレッシャーをかけられ、精度の高いボールをゴール前に供給することができない。

終盤に入って決定機から遠ざかっていたが、後半アディショナルタイムにチャンスメイク。白井選手が右サイドを突破し、ピンポイントのクロスボールを途中投入されたペロッチ選手に届けたが、胸でワントラップしてから狙ったボレーシュートはボールの芯を捉えられず、相手ゴールキーパーの正面へ。

最後まで1点のビハインドを返せず、東京はリーグ戦で4試合勝利から遠ざかる結果となった。ホームに戻る来週からは2試合続けて味の素スタジアムで戦う。設立25周年を記念した試合で、チームの流れを変える勝利を手に入れる。

MATCH DETAILS
<FC東京>
STARTING Ⅺ
GKヤクブ スウォビィク
DF小泉慶/森重真人/エンリケ トレヴィザン/長友佑都
MF東慶悟(後半19分:白井康介)/原川力/塚川孝輝(後半19分:俵積田晃太)
FW渡邊凌磨(後半27分:ペロッチ)/アダイウトン(後半19分:ジャジャ シルバ)/仲川輝人

SUBS
GK児玉剛
DF木本恭生/バングーナガンデ佳史扶

GOAL

<川崎フロンターレ>
STARTING Ⅺ
GKチョン ソンリョン
DF山根視来/大南拓磨/車屋紳太郎(後半42分:山村和也)/登里享平
MF橘田健人/瀬古樹(後半42分:遠野大弥)/脇坂泰斗
FW家長昭博(後半42分:宮代大聖)/マルシーニョ(後半35分:瀬川祐輔)/バフェティンビ ゴミス(後半17分:レアンドロ ダミアン)

SUBS
GK上福元直人
MFジョアン シミッチ

GOAL
後半9分:マルシーニョ



[ピーター クラモフスキー監督記者会見コメント]


Q、試合を振り返ってください。
A、非常に良いフットボールの接戦だったと思います。二つの良いチームが対峙し、そして勝ちに向って戦いました。しかしながら、多くのモノがあったわけではありませんでした。こういった接戦でゴールをこじ開けるには、もちろん個の部分も必要になってくると思います。不運にも相手には個でやられてしまい、素晴らしいゴールを決められてしまった。そのなかで自分たちも決め切れそうなチャンスもあったかもしれませんが、そこで決め切れず、悔しい気持ちを持ってホームに帰ります。


[選手インタビュー]
<エンリケ トレヴィザン選手>


Q、試合を振り返ってください。
A、良い試合だったと思いますが、お互いにチャンスがあったなかで得点が入ったか入らなかったかということだと思います。もちろんアウェイで難しい部分もあり、相手も強いチームですので、勝てなかったのは非常に残念ではありますが、次に向かっていきたいと思っています。

Q、バフェティンビ ゴミス選手、レアンドロ ダミアン選手という強さのあるフォワードとの対峙が90分間続くなかで、どういったことを意識してプレーしていましたか。
A、もちろん二人とも良い選手だと思います。しかし、私たちもしっかりとマークすることができていて、あまりチャンスを与えなかったという点では、良いディフェンスができていたと思っています。

Q、自由を与えないプレーというのが随所に見えていましたが、相手の良さを消すためにどういった守備の仕方を意識していましたか。
A、ゴミス選手、レアンドロ選手への守備の仕方という部分では、スペースを与えないことが必要だと考えていました。しっかりマークにつくことで決定的なチャンスは作らせなかったと思っています。

Q、前回のアビスパ福岡戦から今節を迎えるにあたって、どういった守備の改善を意識しましたか。
A、福岡戦からシステムを変えたところもあります。今日は負けてしまい残念ではありますが、次に向かっていくしかないと思っています。


<仲川輝人選手>


Q、得点力不足の解消について、どのような課題が挙げられますか。
A、全員で共通理解をもった攻撃の形が必要だと思いますし、もう一度、チームとしてやるべきことを整理してやるだけです。あとは、チャンスをしっかりとモノにすることです。

Q、今日の試合をどのように次へと繋げていきたいですか。
A、フォワードとして決めるところを決めないといけません。後半のシーンで僕がしっかりと決めることができれば良かったと思いますし、決め切れなかった責任が僕にはあります。攻撃のチャンスの回数を増やすこと、そのチャンスを決め切ることが今後重要になってくると思います。


<小泉慶選手>


Q、試合を振り返ってください。
A、90分をとおして、すべてのところで負けてしまいました。チームとしても個人としても、すべての部分で質を高めていかないと勝負強いチームにはなれないと思います。

Q、時間が経つにつれて攻撃の迫力が足りなくなってしまったように感じます。そこの要因はどんなところに感じていますか。
A、中途半端に終わってしまっている部分があると思います。思い切ってミドルを撃つことだったり、もっと大胆な選択をすることが必要だと思います。

Q、チームとしての弱さを感じさせるような試合になってしまったと思います。
A、ルヴァンカップで敗退して、リーグ戦で意地を見せようというなかでこういう試合をしてしまったことは、単純に自分たちの力が足りないということだと思います。もっと練習から色々な部分にこだわってやっていかなければいけないし、突き詰めていけば、もっと変えなければいけない部分もあると思います。そうでなければ、自分は今シーズンから加入しましたが、毎シーズン同じような順位で終わってしまうこの流れは変えられないと思います。

僕はこのチームで優勝がしたいです。そのために変えなければいけない要素は色々とあると思います。そこを全員で突き詰めて前に進まなければ、応援してくれるファン・サポーターに申し訳が立ちません。自分も今日のパフォーマンスではチームに貢献できていなかったし、自分にベクトルを向けてやっていきたいです。