11/11 新潟戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2023.11.11

11/11 新潟戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>

ピーター クラモフスキー監督就任後、2度目の2連敗という状況で迎えることになったラスト3試合。今節は、今シーズンでわずか2勝しか挙げられていない“鬼門”のアウェイゲームでアルビレックス新潟と戦う。

注目は古巣凱旋を果たす小泉慶選手と渡邊凌磨選手だ。37番を背負うハードワーカーはプロ入りから4シーズンを過ごした新潟の地で移籍後はじめてプレーすることとなり、背番号11の万能型アタッカーもJ1リーグの舞台では初めて新潟の地でプレーする。

勝利に飢えるこの2選手を中心に連敗を止め、次節に控えた2023シーズンのホーム最終戦に良い流れを生み出したい一戦となった。

1stHALF—序盤の攻勢も徐々に失速

立ち上がりは積極性が光った。仲川輝人選手が出場停止の影響で松木玖生選手がトップ下の位置にスライドされると、積極的にスペースへ飛び出す動きを見せて攻撃を活性化。さらに空いたスペースにダブルボランチの原川力選手や小泉慶選手が入り込んでいくような連動もあり、ゴールに迫る姿勢を全面に発揮した。

一方で最初のビッグチャンスは新潟に作られる。前半8分に谷口選手に強烈なシュートを打たれるが、野澤大志ブランドン選手のファインセーブで凌ぐ。ここから反転して攻め直すことができれば良かったが、これを機に徐々に新潟のパスワークに苦しめられる時間が続くようになる。

相手ゴールキーパーも加わったビルドアップに対して、東京は前線から奪いに行こうとプレッシャーをかけるがハマらず、自陣に侵入を許すシーンが増えていく。高い位置でボールを奪える場面もあったが、その次のプレーでミスが目立ったり、切り替えの速い新潟にすぐに奪い返されたりと、ボールが落ち着かずに反撃に出ることができない。失点こそしなかったものの、東京はシュート1本で前半を折り返した。

2ndHALF—オープンな展開でチャンスが増加

後半はオープンな展開になった分、東京の攻撃面での迫力も自然と引き出されるようになる。中盤でスペースが生まれはじめ、奪ってから素早い攻撃を仕掛けられるようになる。ディエゴ オリヴェイラ選手やアダイウトン選手が前を向いてゴールに迫って行けるようになった。

そして後半16分には、この試合最初の決定機が訪れる。左サイドの相手陣内深くまで運んだボールを一度は奪われるも即座に奪い返し、最後はペナルティエリアの左角付近から原川選手が右足を振り抜く。コースを狙ったシュートは枠を捉えたが、相手ゴールキーパーにセーブされた。その後、後半18分にはディフェンスラインの背後をとられるピンチを迎えるも、木本恭生選手が懸命に戻ってシュートのシーンで身体を投げ出したタックル。ギリギリのところで身体を張り、相手のシュートミスを誘った。

後半の半ばにはバングーナガンデ佳史扶選手が足を痛めてしまうアクシデントに見舞われるも、そのタイミングで白井康介選手と俵積田晃太選手を投入。さらに終盤には東慶悟選手と熊田直紀選手もピッチに送り込み、残り10分での攻防を迎えた。

そのなか、後半38分には相手ゴール前に向けて連動したプレスをかけると、ボールを奪うことに成功する。ただし、思い切った小泉選手のミドルシュートは枠を外れた。逆に後半45+1分、右サイドからゴール前にクロスボールを入れられると、ゴール前でヘディングシュートを打たれるも、野澤選手が右足を使って枠からかき出した。

お互いに勝ち切りたかったゲームだったが、このままゴールが生まれることはなく0-0でタイムアップ。東京は連敗を止めたものの、勝点1差で順位が一つ上の新潟と順位をひっくり返すことはできなかった。

MATCH DETAILS
<FC東京>
STARTING Ⅺ
GK野澤大志ブランドン
DF長友佑都/木本恭生/森重真人/バングーナガンデ佳史扶(後半26分:白井康介)
MF小泉慶(後半44分:寺山翼)/原川力(後半36分:東慶悟)/松木玖生
FW渡邊凌磨/ディエゴ オリヴェイラ(後半36分:熊田直紀)/アダイウトン(後半26分:俵積田晃太)

SUBS
GK児玉剛
DF木村誠二

GOAL

<アルビレックス新潟>
STARTING Ⅺ
GK小島亨介
DF藤原奏哉/舞行龍ジェームズ(後半12分:トーマス デン)/千葉和彦/新井直人
MF松田詠太郎(後半23分:三戸舜介)/高宇洋/星雄次(後半34分:秋山裕紀)/太田修介(後半23分:小見洋太)
FW谷口海斗(後半34分:長倉幹樹)/鈴木孝司

SUBS
GK阿部航斗
DF渡邊泰基

GOAL



[ピーター クラモフスキー監督記者会見コメント]


Q、試合を振り返ってください。
A、良いフットボールの戦いだったと思います。選手たちがしっかりとパフォーマンスを出してくれて、アグレッシブに守備に行き、無失点で抑えられたことは良かったと思っています。我々が狙っていたプレスをうまくかけながら相手を引っ掛けることができた。それは選手たちがハードワークしてくれたからだと思っています。アルビレックス新潟は良いチームですが、なるべくペナルティエリアの外、我々のゴールから遠く離れてプレーさせる守備を行ってきました。そのなかで、攻撃でも自分たちがコントロールできている部分がありましたし、前に行く意図を出しながらプレーできていました。ただ、いつ前に行くのか、キープするのかを考えてできれば良かったと思っています。

アタッキングエリアでのパスは、敵陣でプレーしながら多く出せていたと思います。ゴールに迫っていくなかで、攻撃を終わらせるところだったり、シュートを打ち切るところは磨きをかけていかないといけません。選手たちは必死に勝利をめざして戦ってくれました。この勝点1を持って前進していきたいと思います。ファン・サポーターにも感謝しています。選手たちがパワーを出すための後押しは、ファン・サポーターのみなさんでした。

Q、トップ下で起用した松木玖生選手と久しぶりにセンターバックでスタメン出場した木本恭生選手の評価をお願いします。
A、二人だけをハイライトにして評価するわけにはいきませんが、選手全員がハードワークして戦ってくれました。松木選手も木本選手も素晴らしい仕事をしてくれたと思っています。自分たちがアグレッシブにプレスに行き、ボールを奪い、良い場面を作ることを狙っていましたが、できていた部分もありました。誇りに思える点は、ハングリーに戦って無失点に抑えられたことです。ただ、もっとハングリーに点を奪いにいけたと思いますし、良いパフォーマンスもたくさんありました。自分達を磨きながら進んでいきたいと思います。

Q、新潟戦に向けてどんな準備をしてきましたか。
A、守備に磨きをかけてきて無失点で終われました。そして、ペナルティエリア付近の自分たちが使いたいエリアでの練習を行ってきました。新潟は非常に良いチームですし、自分たちもアグレッシブに戦っていこうとしました。いつプレスにいくのか、いかない判断をするのか、良いコミュニケーションをとりながら練習をしてきて、その良い部分を出せたと思います。守備の部分で堅さを出せていましたし、相手をエリア内に入れない守備を今週の練習でやってきましたが、選手たちはその成果を出してくれました。

攻撃でも良いプレー、良い部分を出せていたと思います。そのなかで、前にプレーする意図は出せていました。ただ、キープしないといけない場面なのか、前にいかないといけない場面なのか、そのコントロールが必要な部分はあったと思います。そこは改善していかないといけません。自分たちが使いたいエリアを使えていましたし、非常に危険な場面を作れていましたが、シュートを打つことだったり、ゴールに向かっていくプレーが改善しないといけない部分かもしれません。選手たちのスピリットは練習でも今日のピッチの上でも表現してくれたと思っています。自分たちの強いパフォーマンスを出すために、100パーセント改善しないといけないところはありますが、自分たちが夢見たチームになるために進んでいきたいと思います。


[選手インタビュー]
<木本恭生選手>


Q、久しぶりの公式戦フル出場となった今節の振り返りをお願いします。
A、久しぶりでしたので、チームや試合のスピード感や強度に身体を素早く慣れさせることを意識しました。前半からアグレッシブにプレーできましたが、納得のいくプレーが表現できない時間帯もありました。今日の試合で感じた課題を自分自身の今後の成長に繋げていきたいです。チームとしても最低限の結果となってしまいましたし、個人としても今節で得た課題と発見を次に活かしていきたいと思います。有意義な時間にできたと思います。

Q、前半30分ごろまでは、相手の圧力に苦労する時間帯が続きましたが、試合が進むにつれて、改善されていたように見えました。
A、前線から圧力をかけてくる相手と対戦する時の課題を感じました。ですが、チームとしてのポジショニングや距離感、サポートの質を今よりも上げていく必要があると思います。そうでなければ、相手のプレッシャーに簡単にハマってしまい、攻撃のリズムを生み出すことができません。ボール保持の部分は、引き続きの課題として修正していきたいと思います。

Q、後半18分には木本選手が最後に身体を張ったことで、チームを救ったシーンもありました。
A、あのようなシーンを相手に与えないことがベストですが、前からアグレッシブに守備をすることで、どうしても背後にはスペースができてしまいます。結果として、無失点で終えることがチームや選手それぞれに自信を与えてくれると思っています。アルビレックス新潟の攻撃を完璧には抑えられませんでしたが、無失点で試合を終えられたことはディフェンスの選手として最低限の結果として良かったと思っています。

Q、ここから中断期間に入り、次節はホーム最終戦です。得たチャンスをどのように継続していきたいですか。
A、まずは、チームの勝利に繋がるプレーを見せたいですし、順位を見ても、不甲斐なく、情けない位置につけていますが、最後にホームで意地を見せたいです。ファン・サポーターのみなさんにここからの東京に対してあらためて期待を抱いてもらえるようなサッカーを見せたいと思います。


<野澤大志ブランドン選手>


Q、終了間際のビッグセーブがチームを救いました。あらためて試合の振り返りをお願いします。
A、チームとして勝利をめざすなかで、攻撃面を支えるためにも失点をしないことを最低限にプレーしていました。失点してしまうと、流れやプランが一気に崩れてしまいますし、前半は相手の圧力を感じる場面もありましたが、じっくりプレーすること、後半に流れがくるように集中を切らさないことをチームとして取り組めたと思います。得点を奪えなかった課題はありますが、今シーズンのアウェイゲームの戦績を踏まえると、無失点で試合を終えることができたのは、最低限の結果として良かったと思います。

Q、序盤から受けていた圧力をうまく耐えたことで、流れが東京に傾いたように見えました。最後尾からはビルドアップを含めて、どのように感じていましたか。
A、相手を食い付かせるための細かいパス、食い付いたことで生まれるスペースへ送るロングボールをうまく使い分けるイメージはありました。前半は圧力を受けた場面もありましたが、不安定なプレーはそれほどなかったように感じています。

Q、後半に入り、チームとしてのポジションが前半より高く設定されていたと思います。
A、試合が進むにつれて、展開もオープンになり、守備の負担も徐々に増していました。森重真人選手、木本恭生選手を中心にサイドバック、ボランチの選手が裏返されたとしても、しっかりと帰陣し、大きなチャンスを相手に与えませんでした。最後の部分で簡単にやられなかったのは守備の際のハードワークがあったお陰です。味方のプレーに感謝しています。

Q、無失点に貢献し、この後はU-22日本代表の活動が控えています。
A、一人の選手としてさらにレベルアップするために良い時間にしたいです。うまくなるため、というようなぼんやりしたものではなく、しっかりと結果にこだわり、一日一日を大切に取り組んでいきたいと思います。


<松木玖生選手>


Q、試合を振り返ってください。
A、少しやられたシーンはありましたが、守備の部分では、前の2試合に比べて良くすることができたと感じています。だからこそ今日は、自分を含めて前線の選手が仕事をすれば勝てていた試合だったので、個人的にもすごく悔しいです。

Q、松木選手の前線からの守備をきっかけにチャンスを作っていました。
A、相手はボールを回すことがすごくうまいので、個人でプレスをかけてもなかなか奪えませんが、今日は後ろの選手も連動してチームとしてプレスをかけることができて、それがハマるシーンが多かったので、そこは良かったと思います。ただ、攻撃面では自分がトップ下でボールを受けて、展開するところ、個人で相手を剥がすところがもっとできていれば、違った試合展開にすることができたのかなと思います。

Q、いつもより一つ前のポジションでプレーしましたが、意識していたことはなんですか。
A、ポジションにこだわらず、流動性を意識してプレーすることと、相手のセンターバックとボランチの間でうまくボールをもらうことを意識しました。

Q、今シーズンもラスト2試合になりました。
A、また一度中断期間に入りますし、自分は代表活動があるので、そこで結果を出すことを意識してプレーしてきます。代表から帰ってきてもチームが勝つために必要なことを練習からやっていきたいと思います。