12/3 湘南戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW<br />
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INTERVIEW2023.12.02

12/3 湘南戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW
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<前節・北海道コンサドーレ札幌戦のレビュー>

10月1日、クラブ設立25周年を記念した第29節のガンバ大阪戦で自身のキャリアハイに並ぶ14ゴール目を決め、記録の更新は時間の問題だと思われた。

しかし、ゴールから遠ざかること3試合。その間、チームも勝利から遠ざかり、その存在や働きが東京にとってどれだけ大きいものかを痛感した。

だからこそ、2023シーズンのホーム最終戦で生まれたキャリアハイを更新するゴールの歓喜はひとしおだった。

前半41分、相手のボールを奪うポイントから3人目の動きまで含めて流れるような連動とパスワークで札幌のゴール前の真正面を攻略してみせた。

前線からハイプレスをかけ、相手が思わず逃げ道のフィードを前線に送ったところを狙い、森重真人選手がクリアではなくヘディングでのパスを選択。パスを受けた原川力選手はターンしてゴール方向に向けてボールを運ぶと、ペナルティエリア際に走り込んだアダイウトン選手へくさびのパスを供給する。

ディエゴ オリヴェイラ選手のサポートが視野に入っていたアダイウトン選手は、マークにつくディフェンダーを引き連れるような動きをしながらボールをディエゴ選手に向けて落とす。ゴールに向いたディエゴ選手は、狙いすましたコントロールショットをゴール左隅へと流し込んだ。

スナイパーが獲物を正面に置けば、撃ち損じるはずがない。左足のフォロースルーを見る間、ゴールを確信して立ち上がって腕を握りしめ、ゴールネットに包まれるようにボールが流れ込んだ瞬間、青赤のスタンドが沸き上がり、握りしめたいくつもの拳が突き上げられる。

最終戦は、もっと拳を突き上げてもらえるように―。


<試合プレビュー>

2023シーズンを締めくくる一戦を迎えた。

2022シーズンは終盤戦までAFCアジアチャンピオンズリーグ出場圏内を争い、クラブとして熱望するリーグ優勝を期して、満を持して迎えたシーズンだった。しかし、ふたを開けてみると、前半戦は安定して勝点を積み上げることができず、シーズンの折り返しを前に監督交代に踏み切った。

アルベル前監督時代から標ぼうしてきたボールを保持する姿勢は極力失わないように、そこに前線からのハイプレスやショートカウンターなどピーター クラモフスキー監督はチームに強度の植え付けを試みた。

その成果が出た試合もあれば、チーム全体の歯車がなかなかかみ合わずに歯がゆい試合を経験することもあった。

東京が目標にした立ち位置からは遠いところでシーズンの終了を迎えようとしているが、この一戦ではシーズンを振り返って戦うのではなく、チームがどこに向かおうとしているのか、2024シーズンに向けて光明になる何かをピッチに残すために戦いたい。

前節の北海道コンサドーレ札幌戦では、前半に攻撃姿勢を強めて試合の主導権を握りながら、後半に崩れてしまった。アウェイゲームではあるが、ピーター・トーキョーの強みを最大限発揮し、勝利でシーズンを終えたい。


[ピーター クラモフスキー監督インタビュー]


Q、就任後の半シーズンはクラモフスキー監督にとって、時間の長さとしてどのように感じていますか。
A、短くもなく長くもなく、ちょうど半分というところです。週末に控えるリーグ最終戦を迎えるにあたって、色々な感情が私のなかにあります。強い基盤を作る過程にチームとして課題に向き合っていますが、ここ数試合は悔しい思いをしています。就任後のリーグ戦16試合でチームとしての発展を常に促してきましたが、積み上げや基盤作りの部分はまだまだやるべきことが多くあると思います。最終節となる湘南ベルマーレ戦は良いパフォーマンスで、勝点3を奪いにいきます。

Q、今週の湘南戦に向けて、フォーカスして取り組んできたことを教えてください。
A、湘南の戦い方は非常にリスペクトしていますし、素晴らしいチームだと思っています。前節まで残留争いをしていたチームですが、その難しい状況のなかで、どれだけ厳しくチームとして取り組んできたかを理解しています。アディショナルタイムも含めた95分間、しっかりと戦い、相手に立ち向かい、特にフィジカル面のバトルで勝る戦いをみせたいと思います。相手の手堅い守備をどのように崩せばチャンスが生まれるかを分かっているので、自分たちが攻撃の主導権を握った時間帯でしっかりとゴールを決めていきたいと思います。

Q、今シーズンの締めくくりとして、どのような姿を見せたいですか。
A、戦う姿勢、得点、そして無失点で試合を終えることにフォーカスしたいと思います。アウェイゲームですが、もちろんアグレッシブに立ち向かいます。相手もアグレッシブなスタイルで来ることが予想されますが、相手を上回るハードワークを選手たちには求めていきます。湘南のカウンターアタックには注意を払う必要があり、相手の前線からの圧力に負けることなく、勇敢かつ自信をもってボールを回してゴールに向かうプレーを増やしていきたいと思います。ボールを保持する時間を増やすことで、自分たちが使えるスペースも増えてくると思います。



[選手インタビュー]
<松木玖生選手>


Q、今シーズン最終節の湘南ベルマーレ戦に向けて、どのようなモチベーションですか。
A、チームとして勝利を掴み獲ることを一番に考えています。勝利に対する強い想いをどのようにプレーで表現するのか、貢献するためにどのようなプレーができるのか、自分自身もとても楽しみにしています。僕自身に対して、結果の部分も求められていると思いますし、目に見える結果でチームに関わるすべてのみなさんが喜び、笑顔で今シーズンを締めくくれるような一戦にしたいと思います。

Q、今シーズンのアウェイゲームの勝率が良くないデータがあるなかで、湘南を相手にどのような試合運びが求められますか。
A、湘南のプレースタイル、特に守備の面では前線から積極的にプレスをかけ、局面によってはマンツーマン気味でボールを奪いにくる印象ですが、相手が前から来ることで生まれる背後のスペースをうまく突いた攻撃を仕掛けたいです。背後への仕掛けだけではなく、両サイドにはスピードのある選手たちが揃っているので、その選手たちの特長を活かす攻撃の組み立ても意識したいと思います。しっかりと守って、素早く攻撃を仕掛ける東京らしいサッカーができれば良いと思っています。

Q、中盤に欠かせない選手として多くの試合に出場し、かつ、各年代の日本代表の活動にも選ばれる実りのあるシーズンになったのではないですか。
A、簡単に総括すると今シーズンは非常に難しい1年だったと思います。そのなかで、各年代の代表活動を通じて、色々な国で試合をする経験ができました。プレーする環境の変化に順応することや長距離の移動や時差があるなかで、クラブに合流し、公式戦に出場すること、そのなかで結果にもこだわってプレーする難しさはあったと思います。

Q、どんな時も変わらず応援し続けてくださっているファン・サポーターのみなさんに試合に向けた意気込みをお願いします。
A、ファン・サポーターのみなさんも一番に勝利を求めていると思っています。勝利に対して、僕たちも120パーセントの力で試合に臨みたいと思います。シーズンを通して、変わらない熱い応援が僕たちを後押ししてくれましたし、その想いに恥じないプレーを見せたいです。多くのファン・サポーターのみなさんがレモンガススタジアム平塚に来てくださると聞いていますし、素晴らしい舞台が揃ったと思っています。勝利を届けたいです。


<野澤大志ブランドン選手>


Q、今節の湘南ベルマーレ戦がリーグ最終節になります。
A、今シーズンのリーグ最終戦として、東京も湘南も大きな何かが懸かっているわけではありませんが、今シーズンを締めくくる最後の試合にどうしても勝ちたいですし、勝って気持ちよく終わりたいと東京の選手たち全員が思っています。今シーズン、ここまで多くのファン・サポーターのみなさんが僕たちを後押ししてくれましたし、みなさんの応援や後押しに応えるためにも、観ていて楽しい試合にしたいです。チームとして来シーズンに繋がるプレーをピッチで表現することももちろん大事ではありますが、まずは目の前の湘南を相手に、ワクワクするようなプレーで勝利を掴み取りたいと思います。

Q、最終戦で具体的にどのような点を示したいと考えていますか。
A、この試合が終わると今シーズンのリーグ戦すべてが終了し、しばらく試合が無い状態になります。クラモフスキー監督がシーズン途中から就任し、ここまでチームとして積み上げてきたものや試合勘が、シーズン終了によってなくなってしまう不安も正直ありますが、まずは湘南戦に焦点を当てて、チームとして、個人として“これだけ成長した”という姿を見せたいです。今シーズンはアウェイの勝率が非常に低いデータもありますが、本当に勝ちたい。この一心です。

Q、野澤選手自身としては、どのようなプレーを見せたいですか。
A、先ほども言いましたが、本当に勝ちたいです。ここ数試合、勝利から遠ざかっていますし、勝利だけを求めています。北海道コンサドーレ札幌戦の敗戦から学んだことをピッチで表現することに意識を向けています。東京のゴールキーパーとして、ファン・サポーターに“これだけやれるんだぞ”と示したいですし、同じように選手やスタッフにも示したいです。期待したくなるようなプレーを見せたいです。チャレンジし続けることも大事な姿勢ですが、それに加えて落ち着きと的確な判断で状況に合ったプレーを見せたいと思います。


<東慶悟選手>


Q、前節の北海道コンサドーレ札幌戦はビハインドの状況で途中出場の難しさがあったと思います。
A、守備においては前線からアグレッシブに行きたい気持ちが強くありましたが、前と後ろの連動ができていない場面もありました。試合をやりながら、どうすれば良くなるか、なぜこのような現象が起きるのか、どうすればギアが上がるのか、と原因が何かを探りながら、考えながらプレーする難しさも感じています。札幌戦は、ホームで勝てなかったのが一番悔しかったですし、勝負強さの面を変えていきたい思いは強いですが、湘南戦が今シーズンのラストゲームですので、何とか来シーズンに繋がる戦いを見せたいです。課題をクリアにして次に進むという流れ、積み上げが必要になると思っています。

Q、最終戦セレモニーの森重真人選手の言葉に色々な想いを感じました。長い間、森重選手とともにプレーをしている東選手はどのように聞いていましたか。
A、まったく同じ意見です。あのような場で、想いを言葉にして伝えることに違う考えや意見の方々もいますし、賛否両論さまざまな意見を言われる可能性もあるなかで、森重選手がチームのために責任を持って発言したと思っています。東京に長く在籍していれば、特に今シーズンは強く感じています。

Q、今節の湘南ベルマーレ戦が今シーズンの最終戦になります。
A、チームとして苦しい状況ですが、それでも、ファン・サポーターのみなさんをはじめとする応援してくださる方々がいるので、プロとしてしっかりと見せないといけません。それに尽きると思います。


<白井康介選手>


Q、長友佑都選手の出場停止もあり、スタメン出場のチャンスが広がっていると思います。
A、僕としては今シーズンの総括になる試合と捉えています。夏に東京へ移籍し、新しい発見や壁があって、その壁を乗り越えるために日々挑戦しているところです。自分自身、日々課題と向き合いながら、少しずつではありますが、良くなってきていると思います。出場できるチャンスがあるならば、積み上げてきた成果、集大成をしっかりとプレーでみせたいと思います。

Q、その“壁”というのは具体的に表すとどのような面でしょうか。
A、今までは活かされる側の選手でした。東京に加入後、自分の良さを出して、サイドバックの選手として、周りの選手を活かすプレーの回数と意識が増しました。そこを重点的に取り組んで、コーチやチームメートとコミュニケーションを図りながら、良いものになりつつあると思います。

Q、今節の相手は“集大成”を見せるに値する、プロ生活をスタートさせた湘南ベルマーレとの一戦です。
A、湘南でプロサッカー選手としてのスタートを切れたことへの感謝の想いはありますし、良いプレーをピッチでしっかりと表現して恩返しになれば良いと思っています。出場するチャンスを得られたならば、まずは自分の良さをしっかりと出し切ること、東京に加入後に身に着けたものをプレーでしっかり表現できるようにしたいです。そして、結果という面で勝利に貢献したいと思います。