12/3 湘南戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2023.12.03

12/3 湘南戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>

今シーズンの締めくくりとなる最終節はレモンガススタジアム平塚で湘南ベルマーレとの対戦となった。出場停止の長友佑都に代わり右サイドバックには白井康介が入り、ボランチでは寺山翼が4月ぶりのリーグ戦スタメン。トップ下には出場停止明けの松木玖生が起用された。

2017シーズン以来の2ケタ順位が決定した苦しいシーズンであるが、最終こそ勝って終わりたい。アウェイ平塚の地まで駆け付けてくれた青赤のファン・サポーターに勝点3を届けるべく、アグレッシブに戦いたい。

1stHALF—粘り強い守備で次第に流れを引き寄せる

ホーム最終戦に臨む湘南ベルマーレの勢いが勝った。出足が鋭く、セカンドボールの回収でも下回った。しかし、最後のゴール前の部分ではやらせず少しずつ東京がペースを引き寄せるとシュートで終わるシーンを増やしていく。

9分に松木選手のコーナーキックにアダイウトン選手が頭で合わせたシュートは枠を外れる。12分にはカウンターからアダイウトン選手がボールを運び、中央のディエゴ オリヴェイラ選手に預けると、ゴール前で前を向いたディエゴ選手は思い切りよく右足を振り抜いたが、枠を捉えられなかった。

スコアが動くことなく一進一退の攻防が前半は続く。お互いに攻撃の形は作るが、フィニッシュの精度やそこに至るまでの過程でミスが発生し、決定機を作れないまま前半を折り返した。

2ndHALF—小泉の東京初ゴールで5試合ぶりの勝利

選手交代なく迎えた後半は、東京が積極的に仕掛けていく。松木選手が中盤に落ちてボールを引き出し、縦に付けるパスを合図にディエゴ選手やアダイウトン選手がゴールに突き進む回数が増えていった。

2分と5分にはエリア内で決定的なシュート。2分はディエゴ選手が右足で放った強烈なシュートが枠を捉えるも相手ゴールキーパーのセーブに合い、5分のシーンでは3列目から飛び込んできた寺山翼選手が狙うも揺らしたのはサイドネットの外側であった。それでも攻撃の手を緩めない東京は7分に先制点を奪う。最終ラインの森重真人がロングフィード。これに抜け出したアダイウトン選手が左サイドで時間を作ると、ゴール前に飛び込んできた小泉慶選手が冷静に相手ディフェンダーを交わし流し込んだ。


1点のリードを得てからは交代で入った選手も含め、うまくゲームをコントロールしながら時計の針を進めていく。特別指定の安斎颯馬選手やJ1デビューとなった土肥幹太選手も堂々たるパフォーマンスを見せた。

終盤は湘南の猛攻を受けるが、今日の集中力は素晴らしく最後まで完封での勝利を掴み取った。第22節のセレッソ大阪戦以来の“ウノゼロ”での勝利で、アウェイで今シーズン3勝目をつかんだ。

この結果、5試合ぶりの勝点3を積み上げ、11位でフィニッシュとなった。

 

MATCH DETAILS

<FC東京>

STARTING Ⅺ
GK野澤大志ブランドン
DF白井康介/木本恭生/森重真人/バングーナガンデ佳史扶(後半35分:土肥幹太)
MF小泉慶/寺山翼(後半27分:東慶悟)/松木玖生
FW仲川輝人(後半31分:安斎颯馬)/ディエゴ オリヴェイラ(後半27分:熊田直紀)/アダイウトン(後半27分:ジャジャ シルバ)

SUBS
GK児玉剛
DF木村誠二

GOAL
後半7分:小泉慶

<湘南ベルマーレ>
STARTING Ⅺ
GKソン ボムグン
DF岡本拓也(後半27分:福田翔生)/大岩一貴/キムミンテ/大野和成/杉岡大暉
MF池田昌生(後半27分:鈴木章斗)/茨田陽生(後半12分:奥野耕平)/平岡大陽(後半12分:鈴木淳之介)/阿部浩之
FW大橋祐紀

SUBS
GK馬渡洋樹
DF山本脩斗/舘幸希

GOAL


[ピーター クラモフスキー監督記者会見コメント]

Q、本日の試合を振り返ってください。
A、高いパフォーマンスを出せて、勝ちに値するプレーができていたと思います。湘南ベルマーレという対戦相手を非常にリスペクトして戦いましたし、うまく対応し無失点に抑えることができたと思います。そのなかで自分たちの使いたいスペースをうまく使いながら、良いシーンを作れていたと思います。選手たちが自分たちの取り組みや強い信念をもちながらしっかりと戦い、すべてを出しきってくれたと思います。
すべての選手たちがファン・サポーターのみなさまと勝利を分かち合えたことを誇りに思っています。特別な選手であり、このクラブに貢献してきてくれたアダイウトン選手のために良い勝利を送ることができたと思います。

Q、寺山翼選手が久しぶりのリーグ戦スタメンとなりました。
A、ハードワークしながら細かい部分にこだわりながらやってくれていました。そのプレーは練習中から見せてくれていたものであり、スタメンに値するプレーだと思っていました。自分のできるプレーを最大限に発揮しハードワークしてくれたと思います。

Q、ゴールシーンについて振り返ってください。
A、ビルドアップのシーンなどでは、自分たちでうまくコントロールしながらプレーができていたと思います。ゴール付近であの位置に入って行けば相手がどういう動きをするのか分かっていたので、そのなかで良いプレーができたと思います。危険な場所に出て行くことができたと思いますし、小泉慶選手の最高のゴールだったと思います。そして、素晴らしいチーム全体でのゴールだったと思います。


[選手インタビュー]
<アダイウトン選手>


Q、東京での最後の試合でしたが、どのような意気込みで試合に入りましたか。
A、今日が東京の選手として最後の試合という事は関係なく、良い結果で試合を終えるためにいつも通りのプレーをしました。結果としては私の東京での最後の試合はチームメイトみんなのおかげで、勝利を掴み取ることができました。最後の試合を勝利で飾れたことは非常に嬉しく思います。チームメイトみんなに感謝したいと思います。

Q、前半から、特長であるスピードとパワーを活かした突破が多く見られていました。
A、今週の練習で湘南ベルマーレの対策を行ってきました。相手ディフェンダーの裏を取ることを意識して練習に取り組んでいました。味方選手も僕の動きを見てパスを出してくれましたし、練習の成果が出たと思います。

Q、小泉慶選手の得点をアシストしたシーンを振り返ってください。
A、今週のトレーニングで行っていた部分が出たシーンだと思います。森重真人選手から良いパスがきて、走りこんできた小泉選手にパスを出すのにどこが一番良いかを考えて出したパスがあのパスでした。

Q、試合後にはアダイウトン選手へのコールが鳴りやみませんでした。ファン・サポーターへのメッセージをお願いいたします。
A、最後の試合になってしまったのですが、ファン・サポーターのみなさんが応援してくれて、感謝の気持ちでいっぱいです。遠く離れた国からきたにもかかわらず、いつもは多くの方が私のことを応援してくれて、今日は感謝の気持ちを伝えてくれていることを感じました。それは非常に嬉しかったですし、私が日本という国を選んだことが間違いではなかったと改めて思い、嬉しく思っています。ありがとうございました。


<小泉慶選手>


Q、移籍後初ゴールが約2か月ぶりの勝利を手繰り寄せました。シュートの選択含め、得点に至るまでの振り返りをお願いします。
A、アダイウトン選手からボールを受けた時に、すぐにシュートを打つか迷いましたが、相手が寄せてきたのが視界に入ったので、ボールを一つ運ぶ選択を取りました。シュートに関しては、正直に言うとフィーリングです。あまり考えすぎず、感覚を大事にしてシュートを打ちました。シュートがしっかりと決まって良かったです。

Q、攻守におけるハードワークが光りました。試合全体の振り返りをお願いします。
A、ビルドアップをするところ、背後への意識を持つところ、それぞれ修正点はありますが、一番大切なハードワークや守備面で身体を張ること、球際で負けないなど根本的なプレーを、一体感を持って全体が表現できていました。勝利に値する試合でした。

Q、守備のイメージが強い小泉選手があの位置まで前進して、得点まで繋げられた要因を教えてください。
A、アダイウトン選手がサイドで仕掛ける動きを見せたので、それに合わせる形で僕自身もスプリントをかけました。スペースが空いているのが見えたことと、アダイウトン選手が一対一の局面でしたので、中盤の位置からサポートする意識を持って前進しました。攻撃参加の意識が良い方向に繋がったことが良かったです。

Q、前半は低い位置でボールを受けて、前線の供給と相手の中盤のつぶしが多かったように見えました。
A、試合全体を通して、もちろんピンチもありましたが、最後のところで身体を張ったプレーが今日は特に表現できていました。90分間コミュニケーションを途切れさせることなくプレーできていました。今日のようなゲームをシーズンを通して表現できていれば、違った結果や順位になっていたかもしれません。僕個人としては、攻撃に関わる回数がシーズンを通して少なかった印象です。もっと最初から増やしていれば良かったと反省しています。

ここ最近の練習で、東慶悟選手から攻撃の関わり方やボールを受ける前のポジショニングなど、細かい部分を教えてもらっていました。東選手の伝え方がとても上手だったこともあり、練習や今日の試合で理解したうえでプレーできました。東京には東選手をはじめ、数多くの優秀な選手が揃っています。経験値が高い選手や寺山翼選手、松木玖生選手のように若くて勢いのある選手など、ベテランや若い選手など関係なく、僕自身は吸収できるものを自分のものにしていきたいです。自分だけの力で成長できるわけではありません。今シーズン最初からそのようなマインドで取り組めなかったので、この反省を活かしていきたいと思います。


<寺山翼選手>

Q、リーグ戦のスタメン出場は4月1日サガン鳥栖戦以来となりました。試合を振り返ってみていかがでしたか。
A、久しぶりのスタメンでした。日々の練習や練習試合でやってきたことが評価されてのスタメンでの出場だったと思うので、期待に応えられるようなプレーをしようと心がけました。まだまだ足りない部分もありましたが、できたことも多かったので、その点は良かったです。

Q、日々の練習で積み上げてきたことで、今日の試合で発揮できたことは具体的にどのようなことでしょうか。
A、クラモフスキー監督から常に求められている、ハードワークと攻守の切り替えの部分です。ずっと意識して練習から取り組んでいたので、ある程度できたと思います。ただ、ボールに関わる回数や前に飛び出す姿勢などは足りないと感じているので、今後改善していきたいです。

Q、前半は湘南ベルマーレの2シャドーへの対応が多かったと思いますが、どのように意識していましたか。
A、自分の良さは、縦パスを受けた相手フォワードを潰してボールを奪いきることだと思っているので、守備で潰してボールを回収することを意識していました。今日はボールを回収できるシーンも多かったので良かったです。 

Q、後半は攻撃に参加するシーンも多くなったと思いますが、ハーフタイムや後半に入って意識を変えた部分はあったのでしょうか。
A、勝つために試合をしているので、点を獲る必要があるということをチーム内でハーフタイムに話し合って、前半は少なかったポケットに飛び出す回数を増やそうと意識していました。高い位置でボールを保持して、二次攻撃、三次攻撃と続けて攻撃ができたことも勝利につながったと思います。


<安斎颯馬選手>


Q、久しぶりの東京での試合で、途中からの出場という難しい状況だったと思いますが、どのように臨みましたか。
A、以前、J1リーグに出場したときは悔しい形で終わってしまっていたので、個人的には取り返したい想いが強かったです。今シーズンは特別指定選手での登録ということで、チームに関わる機会はあまり多くありませんでしたが、東京の一員として戦っているという事を証明したかったです。シーズンを通して応援してくださったファン・サポーターの方々になんとしても勝利を届けたかったので、勝てたことは良かったです。

Q、安斎颯馬選手の特長が活きた部分も多くあったと思います。
A、サイドバックでの出場が多かったのですが、今回は一つ高い位置のウイングでの出場でした。ウイングはいつも早稲田大学で出場する時のポジションでもあります。1-0で勝っている展開だったので、自分にボールが入ったら時間を作ることや、特長である突破することを心掛けていました。守備の部分では、途中交代で入った時は勝っているものの苦しい時間だったので、球際で戦うことを特に意識していました。

Q、練習に参加している期間もあまり長くなく、途中出場からの出場でしたが、難しさなどを感じましたか。
A、右サイドで白井康介選手と一緒にプレーすることは初めてでしたが、自分のなかでやることは整理できていました。東京の試合をみながら、いろいろなシチュエーションを想像していたので、あとは出場した時にチームメイトと喋りながら解決するしかなかったですが、白井選手をはじめコミュニケーションを取ることができたのは良かったと思います。

Q、今後、安斎選手はどのように成長していきたいですか。
A、僕は加入の時にもお伝えしたんですが、見てくれている人に想いが伝わるようなプレイヤーになりたいと思っています。結果的には勝利を届けられる選手になっていきたいと思っています。

Q、本日アウェイの地に足を運んでくれたファン・サポーターの方にメッセージをお願いします。
A、今シーズンは4試合しか試合に関われなかったですが、デビュー戦の時もそうでしたが、本当にファン・サポーターの声援は僕の力になっていました。思うような結果を出せませんでしたが、ホーム・アウェイ関わらず1シーズンを通して熱い声援を送ってくれたファン・サポーターには感謝の気持ちでいっぱいです。