[2023シーズンレビュー]<br />
ディエゴ オリヴェイラ選手インタビュー

INTERVIEW2023.12.07

[2023シーズンレビュー]
ディエゴ オリヴェイラ選手インタビュー

キャリアハイの15ゴールも難しいシーズンに

Q、今シーズンを振り返ってどのような感想ですか。
A、この結果に誰も納得や満足はしていない難しいシーズンだったと思っています。ファン・サポーターの方には申し訳ない気持ちでいっぱいですし、悔しい気持ちであふれています。

Q、自身としてはキャリアハイの15ゴールを決め、充実のシーズンだったと思いますが、それがチームとしての結果に結び付きませんでした。
A、サッカーは数学と違って、これができていなかったからこうなってしまったとか、あれができていればもっとこうなっていたとか、そんなシンプルなモノではないので、今ここで原因を話すことは難しいと感じています。ただ、チームの力や選手たちの能力を考えれば、もっとできただろうと思っています。



シーズン途中での監督交代

Q、今シーズンはシーズン途中にアルベル前監督が退任し、ピーター クラモフスキー監督が就任しました。どのように受け止めましたか。
A、監督交代は決して良いできごとではないですが、その状況で就任したクラモフスキー監督は前線からの激しいプレスと素早い切り替えが中心のサッカーでよいモノをもたらしれてくれたと思います。ただ、就任から短期間でやりたいことを全部落とし込めているかと言えば、そんな簡単なことではなかったと思います。

Q、クラモフスキー監督が就任後、ディエゴ オリヴェイラ選手自身の役割や意識していることは変わりましたか。
A、アルベル前監督とクラモフスキー監督ではそれぞれ良い部分があったと思いますが、今は3トップで前に張っていることが多いと思います。自分のポジションで言えば、そんなにサイドに流れることなく真ん中にいることが求められていました。前線の動き方にちょっと違いがあるかもしれないですが、自分のなかではやりやすさを感じてプレーできていました。

Q、クラブとしてこの2シーズンはスタイルの転換を図りましたが、そこでの手応えと課題をどう感じていますか。
A、この2シーズンはチームの転換時期だったと思います。その前まで指揮を執られていた長谷川健太元監督(現名古屋グランパス)の頃のサッカースタイルと今のサッカースタイルでは違いますが、それぞれのスタイルの良い悪いは別にして、長谷川元監督の時にはタイトルを獲ったわけですから、結果を残せました。そこからスタイルが変わり今シーズンもやっていますが、より一層、勝つために何ができるかをみんなで考えて植え付ける必要がありました。ピッチ上はもちろんピッチ外でのメンタリティを鍛えないといけないと思います。クラモフスキー監督が来て、激しい練習をやれていると思いますが、ピッチの上だけでなく、外での振る舞いも含めてやっていかないといけないと思っています

Q、それは選手一人ひとりが、もっともっとサッカーと向き合うべきということですか。
A、もっとサッカーと向き合うことが必要だと思っています。もちろん練習も必要です。このまま厳しい練習を続けていかないといけないと思っていますが、それと同じくらいメンタルを強くしないといけません。試合ではいろいろなケースがあります。前半で2失点してしまうこともあるでしょう。その時にどう振る舞うかが求められます。どういった状況でも強いメンタリティをもてる力があれば、そういう状況も克服できるはずです。今の私たちはメンタリティを鍛える必要があります。そうすれば、もっといろいろなところで結果が出てくると思います。



自身の経験をチームへ、若手へ

Q、難しいシーズンだった一方、パリ五輪世代を中心に若手選手がピッチに立つ時間が多いシーズンではありました。
A、彼らの成長は非常に良いことだと思っています。成長した理由は彼らの頑張りもあるし、チームとしてのトレーニングや試合の内容や結果を踏まえて、ピッチに立つ権利を得た部分もあると思います。これからはもっと責任をもって若い選手に頑張ってもらい、この先のチームを引っ張ってもらいたいと思っています。それと同時に私たち経験ある選手がもっと引っ張っていかないといけないです。若手にプレッシャーを感じさせてしまうのはあまりよいことではないですから、私たちが引っ張り、若い選手には余計なプレッシャーを与えないようにして成長を促してあげないといけません。

Q、33歳にしてキャリアハイを更新するゴール数を記録しました。途中離脱してしまった昨シーズン以前の状態を取り戻したのか、それとも進化しているのか、自身の状態をどのように分析しますか。
A、ある程度の年齢を重ねてベテランと呼ばれるようになってきているので、若いころとは違うのはみなさんも分かってくれていると思います。今の年齢になっても成長やレベルアップも考えないといけないですが、若い時になかった経験が今の私にはあります。それが今シーズンの成績につながっている部分はあるでしょう。逆に言うと、これからは自分の成長もそうですが、ピッチ内外で自分が経験してきたことをチームや若い選手に還元していきたいとも思っています。正直に言えば、若い時と身体のバランスは違いますから、そこは考えてやっていかないといけません。

Q、「東京で引退したい」という言葉も聞かれますが、このクラブに遺したい物はなんでしょうか。
A、ここにいるということは、まだチームにもたらせるものがある、チームに必要とされているからだと思っています。その中で一日一日の振る舞いを色々な選手に伝えたい、見てもらいたいです。もう髭も髪の毛も段々白くなってきたので、真っ白にならないうちに引退しようと思っています(笑)。そんな冗談はさておき、チームから必要とされているうちはトーキョーのためにプレーしたいと思っています。



Text by 須賀大輔(エルゴラッソFC東京担当)