2024シーズン新加入選手インタビュー<br />
小柏剛選手

INTERVIEW2024.1.09

2024シーズン新加入選手インタビュー
小柏剛選手

明治大学時代から熱烈なラブコールを送ってきた、小柏剛のハートをついに東京は射止めた。プロ入り後は怪我に悩まされてきた小柏だったが、その才気を首都クラブで開花させるため青赤に袖を通す。東京に歓喜を巻き起こし、思い描いてきた夢を叶えるため、ここから東京でともに歩んでいくと決断した。


Q、東京からオファーを受けた時の率直な感想をお願いします。
A今までこうした正式なオファーを国内リーグのクラブから受けたことがなかったので、初めてオファーをいただいたのは嬉しいことでした。

Q、東京からはどういったところを求められ、評価されたと思いますか。
A大学4年生の時にも話はいただいていました。そこから今に至るまでずっと見ていたと言われました。また、東京のスタイルに合致している選手だと言われて、自分自身もここで活躍できる自信があったので、今回このような形で決断しました

Q、今回の決断で、大切にしたことはどういうところですか。
Aいずれ海外で活躍することや、日本代表に入ることが僕自身の目標です。ただ、北海道コンサドーレ札幌でプレーしていた時は怪我が多く、シーズンを通して試合に出場することができませんでした。そこをまず改善しなければ、目標を達成することはできないと思っていました。クラブからはメディカルの体制や、僕に対するアプローチについて熱心に話をしてくれました。そこが僕にとってはありがたい話だと思えたので、もちろん他にも理由はありますが、とても大切にした部分です。

また、僕の目標を本当に後押ししたいと言ってくれました。怪我に対するサポート体制だけでなく、もう一つレベルアップするためにクラブも一緒になって取り組みたいと言ってくれました。そこも僕のなかで大きく響いた部分でした。



Q、ご自身のストロングポイントと、東京のサッカーにそれをどのように合わせていきたいか教えてください。
Aスピードに乗ったプレーで、相手の背後のスペースへと抜けるところや、相手のディフェンスラインを突破していくところが僕の特長です。そうした部分は変えるつもりはないですし、そこをクラブからも求められていると思っています。そうしたプレーをどんどん見せていきたいです。東京は前線にディエゴ オリヴェイラ選手や、仲川輝人選手のような攻撃に特長のある選手がたくさんいます。そうした選手たちと関わりながら前線に飛び出すことができれば、自分のところにも多くのチャンスが来るというイメージです。クラブと自分の思い描いていることが一致しているなと思い、良いオファーだと思いました。

Q、昨シーズンの東京は、札幌戦では小柏選手にはやられたという印象しかありません。
A直近でいえば、11月25日に味の素スタジアムで試合をしましたが、その時は札幌の選手として、札幌を勝利に導くことだけを考えていました。ただ、東京がどんなチームかも肌で感じることができた試合でした。後で考えれば、もしも来シーズン自分がここでプレーすることになったら、こんなプレーができるなとか、そういう風に想像できる試合でもありました。試合は得点を取って勝ちましたが、それ以上に色々なものが見えた試合でした。



Q、札幌ではワントップでプレーする機会も多かったと思います。東京ではトップ下や、ウイングでプレーする可能性もあるかもしれません。そういうなかで、どんなプレーを見せていきたいですか。
A先ほども触れましたが、相手のディフェンスラインの背後への抜け出し、動き出しの速さがストロングポイントだと思っています。もちろんシチュエーションによってはウイングでプレーする試合もあると思います。前線のポジションであれば、札幌でもワントップやツーシャドーをやってきたので、その経験を生かして適応できれば良いと思っています。

Q、裏抜けや、決定力だけでなく、周囲と関わりながら決定機を作ることもできそうですね。
A、ずっと二桁ゴール、二桁アシストを目標に置いてプレーしてきました。昨シーズンも、得点とアシストの数は一緒でしたが、もっと数字を伸ばすことができたという印象もあります。東京でそこをもっともっとこだわっていきたいなと思います。

Q、東京のイメージとして、どんなサッカー、どんなチームだと思いますか。
A大学生の頃から見ていて規律のあるチームというか、守備が堅くて攻撃では特長のある選手がいるという印象です。“うまい”というよりも、チームとして“強い”というイメージがありました。ここ最近は、連続失点をしてしまう試合もありましたが、僕のずっと見てきたイメージは本当に堅くて強いという印象です。そういった東京を取り戻せれば、もっと上の順位にいけると思います。僕は攻撃の選手として、攻撃に厚みを持たせることが、このチームに新たに加えられる味だと思っています。

Q、クラブが変化している最中で、このクラブをどう変えていきたいと思っていますか。
A札幌ではリーダーシップを発揮するというタイプではありませんでした。それが良いことだとは思っていませんが、自分としてはチームの切り込み隊長のような存在を担えればと思っています。先陣を切って前からプレッシャーを掛け、積極的に背後に抜け出していこうと考えているので、そういう姿でチームを活気づけたいです。



Q、大学時代は、数年後に日本代表に入っていてもおかしくないぐらいの活躍を見せていました。自分自身もプロ入り後は思い描いたキャリアを描けていない印象ですか。
A大学の時は怪我が多くなかったので、サッカーができない時期が続くとは思っていませんでした。少し理想とかけ離れる部分は確かにありましたが、そのなかでも、札幌で色々なことを吸収して成長できたと思っています。プロ1シーズン目の最後に代表に選ばれて辞退した時も、怪我が原因でした。本当に怪我には悩まされているので、そこは改善したいと思っています。

Q、今、在籍している東京の選手で、大学時代から親交のある中村帆高選手もいますが、特に印象に残っている選手はいますか。
Aやはりディエゴ選手ですね。昨シーズンはキャリアハイのゴール数を達成したと聞いて、本当に素晴らしいと思います。対戦していても、やはり一番危険な選手でしたし、あの選手の周りをうろちょろしていたら、チャンスが来るかなという風に考えています。

Q、理想を言えば、二人で3、40点以上取ってくれれば、もしかしたら優勝も見えてくると思います
A二人で40点とったら、きっと優勝できると思います(笑)。



Q、中村帆高選手とは大学時代から仲が良かったんですか。
A仲良くしてもらっていました。学年は一つ上ですが、フレンドリーに接してくれて今でも連絡を取っています。東京に加入が決まった時も、『分からないことがあったら連絡して』と言ってくれたので、その存在はありがたいです。

Q、自分自身はどんなキャラクターだと思いますか。
A札幌の時はチームメイトほぼ全員と仲良くしていたと思います。どちらかというと、後輩よりも先輩と一緒にいることのほうが多かったですね。

Q、東京はベテラン選手と、若手も多く在籍しているので、中堅選手にはパイプ役としての役割も求められます。その点についてはどう思いますか。
Aそうしたパイプ役になれれば良いと思います。札幌でも全員と話せていたので、東京でもやっていきたいです。ピッチ外の私生活のところもプレーに影響が出てくると思うので、まずは一早くチームに馴染めたら良いなと思います。

Q、いよいよ年も明けて新たなシーズンが始まります。どのようなシーズンにしたいですか。
Aまずはやはりファン・サポーターのみなさんや、応援してくれる人のために全力で戦いたいと思います。プロのキャリアとしては4シーズン目ですが、ずっと目標にしている二桁得点は変わらずめざしています。まずはゴールでチームに貢献したいです。

Q、味の素スタジアムには良い印象があるんじゃないですか。
Aいえ毎回、担架に乗っています(苦笑)。1シーズン目の時は滑って肩が外れたこともありました。ただ、昨シーズンはプレーしていても、やりやすいと感じました。スタジアム自体は大きくて日本を代表するようなスタジアムだと思います。1シーズン目の時は負傷交代する前に一人退場につながるプレーがあったり、昨シーズンはゴールを取ったり、良い印象もあるのでプレーするのがとても楽しみです。

Q、東京のファン・サポーターにはどんな印象を持っていますか。
A、“首都クラブ東京ということに誇りを持っていると感じました。日本の首都としてトップにいなければいけないというファン・サポーターの方たちの想いも伝わってきます。東京を誇りに思うからこそ、本当にヴェルディには負けられないんだなと思っていました(笑)。

Q、最後に、東京のファン・サポーターに向けメッセージをお願いします。
A東京1シーズン目として、まずはみなさんに応援してもらえるような選手になれるように全力で戦うので一緒に戦ってください。よろしくお願いします。




Text by 馬場康平(フリーライター)